適切なアーカイバル容器を選ぶには?

適切なアーカイバル容器を選ぶには?

資料の劣化にはさまざまな要因があります。その要因から資料を遠ざければ、資料は長期に保存され、利用できることになります。アーカイバル容器はそのための、もっとも手近で確実な方法です。

劣化の要因 容器の防護力 備 考
☆☆☆☆☆☆ ほぼ完全に防護できる
☆☆☆ 完全密閉ならば防護できるが、定期点検が基本
湿度変化1 ☆☆☆ 緩衝効果を持ち、直接の影響を和らげる
湿度変化2 ☆☆☆☆☆☆ 調湿ボード組み込みで桐箱に並ぶ緩衝効果
☆☆☆ 緩衝効果を持ち、直接の影響を和らげる
大気汚染物質 ☆☆☆ 密閉性があり、アルカリ含有ならば汚染を防御できる
虫・かび 温湿度管理と定期点検が基本
火災・水害 ☆☆ 完全ではないが防護効果はある
不適切な取り扱い ☆☆☆ 完全ではないが防護効果はある
輸送 ☆☆ 完全ではないが防護効果はある
資料内部からの酸 ☆☆☆ アルカリ含有ならば酸性ガスを吸収する
既存容器からの酸・アルカリ ☆☆☆☆ 容器のアルカリ含有、アルカリなしを使い分ける?

酸性、中性、アルカリ性、無酸・・・・・・?

当社が通常作成しているアーカイバル容器は、厳密にいうと無酸の「弱アルカリ性保存容器」になります。紙素材の中に、わずかですが、充分な量の炭酸カルシウムを含有させ、pHが7.5~8.5になるように調整しています。しかし、収納する資料によっては逆に、アルカリに接すると色が変わったり褪色したりするものがあります。こうした資料には、資料が直に接する容器の内面を無酸の「アルカリなし(3F:スリーエフ)」にして、外気に接する面だけ無酸の「アルカリ含有」にする必要があります。このような二重構造のアーカイバル容器も作成しています。

大切な資料を劣化させません

比較実験結果。密閉ガラス瓶にそれぞれ普通の段ボール(左)とアーカイバルボード(右)を入れ、銀箔をつるして4カ月放置した。左は硫化水素により変色した銀箔、右は変化のなかった銀箔。伝統的な保存容器である桐箱は優れた調湿機能をもっていますが、昔のように質の良いものを作ることが難しくなっています。また、普通の段ボールは再生材料を使っているために酸が発生しやすく、収納した資料を汚染します。当社のアーカイバル容器は、資料を劣化させる外気中の汚染物質をシャットアウトするのはもちろん、資料そのものから発生する酸性ガスを吸収したり、湿度変化が資料に与えるショックを緩和する効果をもっています。

最良の保存のために厳選した素材を使っています

アーカイバル容器の主材料は、純粋なケミカル・パルプを原料に、弱アルカリ(pH7.5~8.5)に調整しています。組み立てのための接着剤や部品も長期保存に適した材料を使用しています。また、アルカリに敏感な資料のための無酸・無アルカリ・無サイズのボードや、汚染ガスを吸着するボードも開発され、さまざまなニーズにお応えできます。

使いやすさにこだわったオリジナル・デザイン

ニュートラル・グレーのボードに、独特の風合いをもつ不活性不織布を組み合わせた清潔なデザインは当社のオリジナル。機能性の高い各部品には意匠登録済みのものもあります。

形や大きさを限定しません

例えば5cm四方の小さなコインを入れる容器や、一辺が3mを超える大型の屏風を収納する容器まで、様々なサイズや形をご提案・ご提供できます。

厳格なPAT試験(ISO18916) をパスしました

ISO(国際標準化機構)のPAT(Photographic Activity Test)は各種の材料が、酸や金属イオンに敏感な写真資料に与える影響を調べる試験です。この試験にパスすることは、写真以外の資料を保存する材料としても優れていることを意味します。当社の製品は各種の材料、組み合わせ(紙+接着剤など)でPAT試験をパスしています。

伝統的な目通し・風通しをお勧めします

アーカイバル容器は資料の保存に画期的な効果をもたらしますが、万能な魔法の「いれもの」というわけではありません。高温多湿の中に放置すれば虫やカビが発生してしまいます。大切な資料を長期間より良い状態で保存するには、その「いれもの」自体を保管する場所の温湿度などの環境を安定させることが必要です。
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