戦中のペン書き文書
ink-corroded manuscript
状態
没食子インクによる両面ペン書きのノート。インクの鉄分による酸性劣化と酸化劣化が進み、文字部の裏写りと破損が生じ始めている。紙の酸性度もpH4.0と高い。
方針
紙とインクの酸性劣化と没食子インクの酸化劣化を抑制し、展示に耐えるように再製本する。
工程
解体→ドライクリーニング→処置前試験→濡らしと洗浄→抗酸化処置→脱酸性化処置→破れと欠損の補修→新しい表紙作成→綴じ直し→アーカイバル容器への収納→報告書の作成
ポイント:抗酸化処置
「インク焼け」の抑制には、フィチン酸カルシウム溶液による抗酸化処置(二価鉄の活性の抑制)と炭酸水素カルシウム溶液による脱酸性化処置を併用した。効果を最大限に発揮するために、事前の濡らしと洗浄を徹底した。さらに、調湿性と酸性ガス吸着性を持つアーカイバル容器に収納した。
コンサベーション トップ
遠山郁三『日誌』への保存修復手当て (PDF 780KB) 


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