処置前の試験
tests before treatment
水性処置への耐久性
紙媒体記録資料のコンサベーションは、pHの計測、濡らし、洗浄、抗酸化、脱酸性化、欠損部補填と、あらゆる工程で水を使います。しかし対象となる紙もイメージ材料(インクや染・顔料等)も多様で、老化し変質しています。こうした「複合物」としての資料が水性処置に耐えるかどうかの判断を事前に行います。資料の目立たないところに小さな点状の水を付け、そのまま、あるいは拡大鏡下で、水を含んだ紙の繊維の挙動や、サイジングやイメージ材料が水に溶けないかを確認します。
使用薬剤への耐久性
水性処置のための表面張力の低減や、粘・接着剤の除去、滲み止め等の工程では、アルコールに代表される各種の有機溶剤、無機・有機金属化合物、酵素、セルロース化合物、漂白剤等を使います。これらの使用薬剤への紙とイメージ材料の耐久性をあらかじめ確認します。この際にCSSが活きてきます。
紙の酸性度
紙の大敵が酸です。紙が酸性かどうか、酸性ならばどの程度か?これを測るモノサシがpH(ピー・エイチ:水素イオン濃度)です。紙にわずかに純水を垂らし、そこに溶け出す水素イオン量を計測して紙の酸性度・アルカリ度とします。計測には指示薬を含浸させた紙片や、電極のセンサーをつけたメーターが使われます。pH計測は、脱酸性化処置をする場合の目安のひとつになります。
その他の試験
没食子インクの判別、含水率、デンプンやロジン等のサイジング剤の判別、リグニン含有、繊維組成、水溶液のTDS値---必要に応じて、処置前だけでなく処置中も、いろいろな試験が行われます。
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紙媒体資料のpHの測り方:メルク社のpHストリップを使って
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