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紙媒体記録資料のコンサベーション

考え方と技術

CSS: シミュレーション・サンプル
conservation simulation samples

CSS とは

コンサベーション・シュミレーション・サンプル(con-servation simulation samples)の略称です。過去の、あるいは現在のさまざまな紙やイメージ材料をサンプリングし、クリーニングや加湿・洗浄、滲み止めや抗酸化、脱酸性化等の処置を適用し、アルカリ水や有機溶剤や酵素、酸化剤や還元剤、紙力強化剤等とのインターフェイスを確認したシミュレーション・データとして蓄積します。

CSSはなぜ不可欠か

現物を対象にしたコンサベーション処置は常に大きなリスクを伴います。特に化学的な処置は、一度適用したら再び元には戻せないことも多々あります。いきなり現物を処置する前に、できるかぎり現物に近い紙やイメージ材料に、それぞれの処置を適用してみる、そのことで現物への処置の際のリスクを可能な限り軽減する---これがCSSの目的です。CSSデータをどれだけ豊富に蓄積しているかが、良いコンサベーション工房を選ぶ大事な基準になると私たちは考えます。

CSSの限界

どれほどシミュレーション・サンプルと似通った現物であっても、サンプルと同じということはほとんどありません。現物はまったく異なった挙動を示すことも多々あります。特に近・現代資料の紙やイメージ材料の多様さと、それらの組み合わせ数は「天文学的」といっていいほどです。CSSで判ることには限界がある---このことを私たちはいつも肝に銘じて現物に向かいます。

● さまざまなイメージ材料
● 抗酸化処置によるインクの変色を比べる
● 脱酸性化処置サンプル

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