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紙媒体記録資料のコンサベーション

考え方と技術

ドライ・クリーニング
dry cleaning

乾いた状態で

資料に付着する汚れはさまざまですが、紙の表面に載っているだけたったり、紙の繊維の奥深くまで入り込んでいないチリやホコリ、カビの残滓などはドライ・クリーニングという方法で取り除きます。紙を濡らすことなく、乾いた(ドライな)状態で処置します。対象資料と、それに合った適切な方法を選び、注意深く行えば、コンサーバターに任せなくともできる処置です。

見栄えだけでなく

紙媒体資料の表面のドライ・クリーニングは、物理的な汚れを除いて見栄えをよくすることにとどまらず、大気中からチリやホコリに含まれた有害な酸性物等を除くことも意味します。また、水を使うウェット・クリーニングの前工程としても必須です。チリやホコリを除いておかないと、水が汚れを紙の繊維の中に運んでしまうからです。

 Nazaroff, W.W. et al. (1993) Airborne Particles in Museums.

掃きとる、拭きとる、吸い込む、吹き飛ばす

毛先の柔らかいブラシで掃きとる、クリーニング・スポンジや超極細繊維布で拭きとる、ブロックや粉のイレーザー(消しゴム)で吸着する、サクション(吸引)テーブルで吸い取る、圧搾空気で吹き飛ばす?等々、資料の傷みの程度や紙の表面の粗密度によって使い分けます。どの方法を採るにしろ、処置中に擦り傷等を付けないこと、イレーザーを使う場合には消しゴムカスを資料に残留させないこと、これがドライ・クリーニング処置の要点です。

 

上: ブラシで掃く
中: 粉体イレーザーで吸着する
下: 大気からの粉塵や虫の糞

 

■ チリやホコリとは?

 

ダストと呼ばれる小さな粒子状の固体です。15~20ミクロンを境にして、これより小さいモノと大きなモノとに分類できます。小さな dust は、他の固体(紙など)に補足されなければ大気中に浮遊しています。大きな dust は、他の固体の表面に積もります。一般にドライクリーニングで除去できるのは、15ミクロン以上の大きな dust です。これ以下だと、経時した紙の場合は水分の放吸湿が繰り返されることで紙の繊維の中に埋め込まれるるため、物理的に除去するのが難しくなります。なお、1ミクロン以下のものをエアゾールと呼ぶことがあります。

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