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紙媒体記録資料のコンサベーション

考え方と技術

水を作る
quality of water

逆浸透膜(RO)による水

紙媒体資料のコンサベーションで使う水は、家庭用の浄水器(活性炭+中空糸膜方式が主)では得られない質が必要です。私たちは、ほぼ純水に近い質のRO水を使っています。水道水を、いくどもフィルターに通し、最後に逆浸透膜((RO)を通して、水道水の中に含まれる不純物を除去し、限りなく H2Oに近い水にします。この水質は、紙媒体資料のコンサベーションの英国規格(BS 4971:2002)即したレベルを維持しています。

水質はなぜ大事か

水性処置では、飲み水で問題になる塩素やトリハロメタンなどは、水道水中の量程度ならばほとんど影響はありません。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルも、紙だけの劣化から考えると、むしろ含んでいた方が有用です。しかし、赤錆(オキシ水酸化鉄/FeO(OH))や重金属(銅など)は、酸性化、酸化、変色等を発生させたり促進させるものなので、これを徹底的に取り除く必要があります。また、pH 試験や洗浄水等作る場合には脱イオン(OH と H がバランスしている)された水であり、なおかつフレッシュであることが求められます。

処置工程に合わせて水を作り変える

RO水はいわば「原水」です。私たちはこれを元に、洗浄、脱酸性化等の処置工程に合わせて水質を変えてゆきます。例えば水性クリーニングで使う水は、RO水そのままではなく、カルシウムを加えてpH8.0前後の弱アルカリ水を作ります。濡らしの工程では浸透性を向上させるためにアルコールと混ぜることもあります。水性脱酸性化処置では二酸化炭素を吹き込んだ炭酸水を用意します。

上: 処置前の温度、pH、TDS の計測
下: 元の水道水の定期的な重金属チェック

 

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