ほぼ日刊資料保存

必也正名乎

図書館やアーカイブ等の資料保存に関する世界のニュースを伝える、ほぼ日刊のページです。 土日・祝日は休刊します。 リンクも引用も自由です。

2005 年 7 月 のアーカイブ

2005年7月28日(木)

英国物理学会とロンドン芸術大学が来春にデジタル印刷物の保存コンファレンス

英国物理学会(Institute of Physics)とロンドン芸術大学(University of ArtsLondon)は2006年4月24、25日の両日、同学会でデジタル印刷物とデジタル写真の保存と修復(Preservation and Conservation Issues Related to Digital Printing and Digital Photography)に関する国際コンファレンスを開催する。200年、2003年の開催に次いで第三回目だが、今回か特に、デジタルから出力された印刷物、写真、そしてテキスタイルのコンサベーションに焦点が当てられる。


Third International Conference on: Preservation and Conservation Issues Related to Digital Printing and Digital Photography
http://conferences.iop.org/PPP/

2005年7月26日(火)

英国図書館–25億円投じ、コンサベーション・センターを8月に着工

英国図書館は新しいコンサベーション・センター(Center for Conservation)の建設を8月8日に開始すると発表した。完成は2007年初頭を予定している。建設の指揮はサー・ロバート・マクアルパインが摂る。同センターは、教育とトレーニングを含む、書籍を中心とした資料のコンサベーションのための最高レベルの諸設備を備える。同時に、同図書館の持つかけがえのない音響アーカイブのための最先端設備も完備する予定である。


設計・建設費は1325万ポンド(約25億円)。現在の聖パンクラス(ロンドン)にある新図書館の北側に2,600平方メートルの広さを持つビルを建設する。これまで資料ごとに、あるいは散在する建物ごとにバラバラに行われていたコンサベーションがこの施設に統合され、さらに大学や専門学校でブック・コンサベーションを学ぶことが難しくなっている現状の中で、その役割を肩代わりすることも期待されており、文字通り英国の図書館資料コンサベーションの「センター」としての機能を果たすことになる。

 


Center for Conservation
http://www.bl.uk/news/2005/pressrelease20050721.html

 


英国のブック・コンサベーションの現状については


BRITISH LIBRARY STUDY: THE NEED FOR BOOK CONSERVATION
IN THE UK AND INTERNATIONALLY
http://www.bl.uk/about/collectioncare/pdf/webconservation.pdf

2005年7月21日(木)

国会カレントアウェアネス-E–総務省のデジタル文化遺産の報告書を紹介

国立国会図書館の電子ジャーナル『Current Awareness-E』(No.622005.7.20)は、「文化遺産デジタルコンテンツの一元的提供について<文献紹介>」として総務省の「メタデータを活用した文化遺産情報のネットワーク
利活用に資する技術の開発・実証」実験報告書(2005. 58p)を紹介している。この報告書は文化庁と総務省が,国や地方の文化遺産に関する情報のブロードバンドでの公開およびその利活用の促進を目的とした「文化遺産オンライン構想」に基づくもの。この構想をさらに推進める上で必要となるコンテンツの一元的な管理および検索・閲覧について技術実験を行った結果をまとめている。


同報告書は
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/pdf/050704_2_2.pdf


カレントアウェアネス-E および購読申し込みは
http://www.ndl.go.jp/jp/library/lib_research.html

2005年7月20日(水)

クラークソン『リンプ・ヴェラム製本』の改訂版とDVDを 刊行

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Limp Vellim Binding, Venice, 1553


現在のコンサベーション・バインディング(conservation binding )の考え方と技術を決定づけたクリストファー・クラークソンのLimp vellum binding and its potential as a conservation type structure for the rebinding の改訂版が刊行された。元は1975年にパリで開催されたICOM の予稿集に発表されたもの。30年後の改訂版には6ページの序文と、沢山の注釈が付け加えられた。また1970年に行われたワークショップでの製本工程を収めたDVDも同時に刊行された。入手は下記から。


Christopher Clarkson, 31 Stanley Road, Oxford OX4 1QY England.


■ クリストファー・クラークソン(金谷博雄抄訳):書物のプリザベーションに求められるもの
http://www.hozon.co.jp/cap/archives/030901/clarkson01.htm


■アンソニー・ケインズと書物のコンサベーション
http://www.hozon.co.jp/cap/archives/030901/cains.htm

2005年7月19日(火)

国立公文書館『アーカイブズ』第20号は特集:中間書庫

国立公文書館の機関誌『アーカイブズ』第20号(2005年7月)は「特集:レコードセンター(中間書庫)」(p.1-54)。海外(韓国、アメリカ、オランダ)と国内(神奈川県、沖縄県、埼玉県、鳥取県)の中間書庫システムについて。中間書庫とは「(半)現用段階における公文書等を最終処置するまでのあいだ、一時的に集中保管する書庫」といった意味。現用記録をどのようにマネージメントするかの一方策として内外で取り組みが行われている。この特集ではドイツと同様に中間書庫システムの中に、集積した公文書の評価選別機能を組み込んでいるオランダの例、各省庁内に書庫を設置している韓国の資料館の例、県の公文書館として独自の中間書庫を持つ神奈川県立公文書館などが紹介されている。このうち「アメリカ連邦政府における中間書庫システム」(財団法人沖縄県文化振興会、仲本和彦)では、日本での中間書庫システム導入にあたっては設置主体のあり方が、システムの成否の鍵になるとして次のように論じている。


「アメリカの例で明らかなように、中間書庫は決して独立して存在するものではなく、文書のライフサイクルの流れの中で省庁や公文書館と一体になって存在すべきものである。よって、設置主体は、文書のライフサイクル全般に亘って関われるようなところでなければならない。懇談会【公文書等の適切な管理、保存及び利用に関する懇談会】での議論を見ると、中間書庫の設置主体が内閣府か国立公文書館でという案が挙がっているが、現行の枠組みでシステムがうまく機能するのは難しいだろう。現在の内閣府にも国立公文書館にも単独で文書のライフサイクル全般を統括する機能はないからだ。設置主体を内閣府にするのなら、公文書館を内閣府の中に取り込むような大胆な組織改編が必要であろうし、逆に、国立公文書館を設置主体にするなら、法律を改定あるいは新たな法律を作って現用文書や半現用文書の管理についても指導、補助する役目を付け加える必要があろう。」(p.26)

2005年7月19日(火)

2005年英国保存修復賞デジタル部門の受賞者:蘭国立公文書館など5機関

2005年の文化財保存修復賞のデジタル保存部門(2005 Conservation Awards- Digital Preservation Award)での受賞者がこのほど決定した。内外の5つの機関に、それぞれ5,000ポンドが贈られる。受賞者と内容は以下の通り。


1. デジタル保存の最適化戦略(ウィーン国立工科大)
2. デジタル保存の叩き台の提示(オランダ国立公文書館)
3. デジタル保存のためのメタデータの実行戦略(PREMIS WG)
4. TV番組記録ビデオのコンバージョン(BBC)
5. 英国内Webの保存協力活動(The Consortium)


詳細は以下に


Conservation Awards
http://www.consawards.ukic.org.uk/

2005年7月14日(木)

【PR】九州工大と実践女大のHPに当社のコンサベーション事例が

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九州工業大学図書館と実践女子大学図書館のホームページに、当社が両校から委託されて行った紙媒体記録資料へのコンサベーションの事例が掲載されている。


このうち九州工業大学図書館のは「明治専門学校校報の保存処理について」。大学の主要な沿革を記す貴重な資料の一つとして広報誌(校報・学報など)があるが、同校では現存する広報誌のうち、酸性化、酸化、経年による紙力低下の著しい時代の広報誌(明治専門學校々報1001号(昭和10年3月18日)から九州工業大学学報第20号追報(昭和25年11月20日)までの脱酸性化・抗酸化処理等の保存措置を計画、学長裁量経費を受け、上記中、明治専門學校々報1772号(昭和16年12月26日)までの保存処理を行った。同校に当社(資料保存器材)が提出した処理報告書(コンサベーション・ドキュメンテーション)を転載した。


明治専門学校校報の保存処理について
http://www.libt.kyutech.ac.jp/KIT100thAnni/02Mokuroku/kohorefresh/koho-refresh.html


また、実践女子大学図書館のは今年5月24日から行われている同館の「ミニ展示:資料の保存・修復展」のWeb展示。明治の創立時から現在までの様々な学園関連資料や蔵書、向田邦子関連資料に対して当社が行ったさまざまなコンサベーション処置の実例を、ドキュメンテーションとともに展示している。


資料の保存・修復展
http://www.jissen.ac.jp/library/documents/minitenji/

2005年7月13日(水)

ICA – 「アーキビストのための電子記録ワークブック」の最終バージョン

ICA(国際文書館評議会)はこのほど、「電子記録:アーキビストのためのワークブック」Electronic Records: A Workbook for Archivists (ICA Study 16) の最終バージョンを作成した。PDF形式でダウンロードできる。


http://www.ica.org/news.php?pnewsid=274&plangue=eng

2005年7月12日(火)

世界の新聞の保存–基調はマイクロを元にデジタル 化、OCRによるテキスト化

IFLA(国際図書館連盟)のInternational Preservation News(No.35, May 2005)は、今年2月にオーストラリア国立図書館で開催された新聞の保存と活用のための国際会議International Newspaper Conference: Asia and the
Pacific での発表のハイライトをまとめ報じている(p.32)。基調は「マイクロ化し、それを元にデジタル化」そしてOCRにより電子テキスト化して内容の検索を可能にすること。


British Newspaper 1800-1900 Project (Edmund King、英国図書館) 2004年に発足、2006年まで。UKの新聞200万頁のデジタル化。ポイントは、どのタイトルを選ぶか、スキャニングのためのマイクロフィルムの採用、OCRでの
テキスト化により内容の検索を可能に、デジタルファイルをWebに–等。費用は300万ポンド。


・Noridic Newspaper Library Project TIDEN (Majlis BremerLaarmanen、フィンランド国立図書館保存と代替センター) OCRによるテキスト化が必須で、このためのソフトを開発。2005年末までには100万頁がデジタル化とOCR化を終え、1890年までのあらゆる国内新聞のオンラインでの閲覧が可能になる。デジタル化の前にマイクロフィルム化するのが、費用からしてもベスト。


Argus Index Online (Judith Peace and Geraldine Suster、オーストラリア国立図書館) オーストラリアの歴史的な新聞Argus のインデックス化。メルボルンで1846年から1957年に発行されたこの新聞の1869年までの全ての見出しがオンラインで検索できる。引き続いて1909-1949年までの作業が進行中。作業はマイクロフィルム化→インデックス化→編集→評価。


National Digital Newspaper Program (Georgia Highley、アメリカ議会図書館新聞課) 目録化とマイクロフィルム化により全てのアメリカの新聞の保存を進めてきたアメリカ新聞プログラム(USNP)を引き継ぐ新プロジェクトで、USNPの資産を元にWebでのアクセスを可能にする。デジタル化を終えたマイクロフィルムは議会図書館が保存する。


NPLAN: National Plan for Australian Newspapers (Colin Webb、オーストラリア国立図書館保存部門) 1992年に発足した同計画はオーストラリア全州の州立図書館との共同プロジェクト。オーストラリア全土の新聞へのアクセ
スを保証する。790万豪ドルをすでに使い、さらに2千100万豪ドルが必要。全計画の第三期に入っており、10%のマイクロフィルム化が終了している。複写規準、すでにアセテートフィルムで撮ったマイクロの保存性、マスターの保存と書誌コントロール–が課題。オーストラリア国立図書館はデジタル化されたものの維持のためのインフラを持ち、デジタル化を保存の一手段と見ている。


IFLA International Preservation News, No.35, May 2005
http://www.ifla.org/VI/4/news/ipnn35.pdf (PDF 937KB)

2005年7月11日(月)

TAPE–UNESCOの支援で欧州の視聴覚アーカイブの現状を調査

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EU(Europe Union 欧州連合)のTAPE (Training for Audiovisual Preservation in Europe=ヨーロッパの視聴覚資料保存のためのトレーニング)はこのほど、Web上からダウンロードしたアンケートの質問事項に答えてもらう形での、ヨーロッパの各国・各機関が保有する視聴覚資料の現状の調査を始めた。オランダのNational Commission for UNESCOが支援する。アンケート(8カ国語)はTAPEのサイトからPDFでダウンロードできる。期限は2005年8月1日。調査結果はTAPEのサイトで発表される。


TAPE (Training for Audiovisual Preservation in Europe)
http://www.tape-online.net/

2005年7月8日(金)

省庁の公文書の国立公文書館への移管規準を改訂、義務づけへ

政府はこのほど、各省庁の公文書を国立公文書館に移管する際の基準を改定した。これにより、従来は各省庁の判断にまかされていて、国立公文書への移管が進まなかった国の重要文書が、集中的に保管・活用できることになる。国が定めた移管規準は次の通り。


・30年以上の保存期間が経過
・閣議関係
・次官以上が移管するかどうかを決裁したもの
・広報誌やパンフレット
・首相が指定した特定の重要政策関係


以上のいずれかに当たる公文書。


http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20050704i212.htm

2005年7月8日(金)

オランダの4団体が統合し、修復家連盟を結成

オランダの文化財保存修復に関係する4団体が大同団結し、新しい連盟のRestauratoren Nederland ができる。今7月中に活動を始めるという。


統合する団体は次の通り。


・IIC-NL (theInternational Institute for Conservation of Historic and Artistic Works, Dutch department) IIC のオランダ支部


・TRON (Textiel Restauratoren Overleg Nederland) テキスタイル


・VAR (Vereniging Restauratoren van Papier, Boeken en FotografischMateriaal) 写真を含む紙媒体


・Veres (Belangenvereniging Restauratoren Nederland) 一般


新しい連盟のサイトは以下に置かれる。
http://www.restauratoren.nl

2005年7月6日(水)

V&A–「モリスの壁紙の復元」、「印刷から製本まで」などのビデオをネットで

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英国ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)はブリティッシュ・ギャラリーでの展示説明として作成しているビデオをネットでも公開している。ウィリアム・モリスの木版画による壁紙を、モリスが作った版木で復元するビデオ(Block
Printed Wallpaper: 2分59秒)や、手作業での活字組から印刷そして革装幀への工程を追ったビデオ(A Printed Book: 3分29秒)をQuickTime のストリーミングで見ることができる。


British Galleries Videos
http://www.vam.ac.uk/collections/british_galls/video/index.html

2005年7月6日(水)

ルーブル美術館–14万点の紙媒体美術品目録の画像データベース

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仏ルーブル美術館は、同館やオルセー美術館が所蔵する紙媒体での14万点の芸術作品の画像目録を作成し公開した。4,500名の作家による絵画、版画、漫画、パステル画、書籍など。ロスチャイルド・コレクション、第二次大戦中にドイツ軍に略奪された個人コレクションなどを含む。検索は、作家名、流派、日付、主題、技法、コレクションの歴史などから検索ができる。検索した作品の作家の紹介もある。


http://arts-graphiques.louvre.fr/fo/visite?srv=home

2005年7月5日(火)

国会図書館のWeb保存、収集範囲を縮小

国立国会図書館は、「インターネット情報の収集・利用に関する制度化の考え方」に対する意見を受けて、ロボットによる収集範囲を公共性の高い機関のWebサイトに限定する方針を固めた–という。


INTERNET WATCH 2005/07/01 の記事
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/07/01/8242.html

 


■米Internet Archive 社による"無許可" アーカイブ


当社(2000年から収集)
http://web.archive.org/web/*/http://hozon.co.jp


国立国会図書館(1998年から収集)
http://web.archive.org/web/*/www.ndl.go.jp/


2チャンネル(1999年から収集)
http://web.archive.org/web/*/http://www.2ch.net/

2005年7月5日(火)

埼玉県立文書館–Webで「文書館通信」を創刊

埼玉県立文書館は7月1日、同館のサイト内に「文書館通信」のページを新設した。館のPRとともに、“親しみやすい文書館づくり”をめざすもので、毎月1回程度配信する。館の最新の動き、資料の収集や整理の様子、さまざまな普及活動など、“文書館の現場”を紹介してゆくという。


http://www.pref.saitama.lg.jp/A20/BA18/tusinmokuji.html

2005年7月5日(火)

9月のICOM-CCのプログラム–抗酸化、脱酸性化、非・微破壊分析等で

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今年9月12~16日にオランダのヘーグで開催される第14回国際博物館会議保存修復分科会(ICOM-CC)の発表プログラムがまとまった。各ワーキング・グループの発表から紙媒体資料のコンサベーションに関連するものを採り上げた。


Graphic Documents ワーキング・グループの発表は以下の通り。


F. Cappitelli, Conservation of biodeteriorated ancient documents and paper consolidation by plasma treatments (生物被害を受けた紙媒体資料のプラズマ処理)


Alison McKay, Difficult Decisions in the Conservation of ‘The Book of Curiosities’, a 13th Century Islamic Manuscript (13世紀イスラム手稿本のコンサベーション)


Shingo Ishikawa, The conservation and restoration of a 19th century calligraphy of a Baha’i writing in Arabic.(19世紀のアラビア文字によるカリグラフィのコンサベーション)


Andrea Pataki, Consolidation of white chalk with aerosols (チョークのエアゾールでの定着)


M. Sterlic, Aqueous paper deacidification practices reviewed (水性脱酸性化処置の再評価)


Gerhard Banik, Quality Control of Mass Deacidification of Library and Archival Holdings (大量脱酸性化処置のクオリティ・コントロール)


Anna Haberditzl, Application of immobilized enzymes for the paper splitting process (固定化酵素のペーパー・スプリッティングへの適用)


Birgit Vinther Hansen, Improving ageing properties of paper with iron gall ink through interleaving with papers impregnated with alkaline buffer and antioxidant. (アルカリ・バッファ紙と抗酸化剤を含浸した間紙による没食子イ
ンク資料の劣化抑制)


Rene Larsen, Damage assessment of parchment: Complexity and relations at different structural levels. (パーチメントのダメージ・アセスメント)


Matija Strlic, A new electrode for micro-determination of paper pH. (微少サンプルのpH測定のための新しい電極)


John Havermans, NIR as a tool for the identification of paper and inks in conservation research. (近赤外線分析法による書写材料の同定)


Helene Guicharnaud, Du laboratoire au musee, vers une identification des materiaux graphiques : les materiaux noirs. (グラフィック材料の黒色の同定)


Craig Kennedy, X-ray diffraction analysis of parchment – Applications to manufacture, conservation and restoration. (パーチメントのX線分析)


Jana Kolar, Antioxidants for stabilisation of iron gall ink corrosion. (没食子インクの抗酸化剤による安定化)


Jasna Malesic, Photo-Induced Degradation of Cellulose. (セルロースの光劣化)


David Erhardt, Chemical Degradation of Cellulose in Paper over 500 Years.(紙のセルロース劣化の500年)


Jana Kolar, Stabilisation of paper containing iron gall ink with current aqueous processes. (水性処置による没食子インクの安定化)

 


Leather and Related Materials ワーキング・グループでは以下の発表が予定されている。


Rene Larsen, Bookbinding Leather in the Paper Deacidification Process. Part I:Analytical investigation of the leather. (脱酸性化処置の革装幀への影響)

 


Preventive Conservation ワーキング・グループでは以下の発表が予定されている。


Calver, Simple methods to measure air exchange rates and detect leaks in display and storage enclosures. (展示ケースと保管容器からの大気の出入りを測る簡便な方法)


Taylor, Reviewing past environments in a historic house library using building simulation. (歴史的な建造物を使った図書館での環境評価)


Padfield, Low energy air conditioning of archives. (アーカイブの省エネルギー大気管理)


Pretzel, The RIBA project: a novel climate strategy for paper based archives at the V&A. (V&A美術館における紙媒体アーカイブ資料のための環境安定化戦略)


Dahlin, Development of an early warning sensor for assessing deterioration of organic materials indoor in museums, historic buildings and archives. (有機物の劣化を初期に予測警告するセンサー)


http://icom-cc2005.org/programme/working_groups_programme/

2005年7月4日(月)

英国図書館–「2020年までにデジタル図書館へ転換」

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英国図書館(British Library)のLynne Brindley 館長は6月29日、このほどまとまった2008年までの中期経営戦略の発表の席上、2020年までに同館の蔵書を印刷物からデジタル出版物へ転換してゆくことを明らかにした。


Brindley 館長は「10年後には放送は全てデジタルへと完全に切り替わることを国民の誰もが知っているが、同様のことが出版分野でも進行していることを知る人は少ない。だが、2020年までには研究論文の40%が最初からデジタルで提供され、紙とデジタルとの併用は50%、紙だけというのは10%になるだろう」という。


「地殻変動のようなこうした状況の中で、我々英国図書館そしてパートナーである出版界や情報産業界は、ビジネスから芸術まで、また科学から教育・文化まで、およそあらゆる分野において、英国の競争力が維持されるようになるための2020年ビジョンを求められている。我々は我々の先達が過去250年にわたってモノとしての国の蔵書を集め、整理し、保存し、アクセスを保証してきたと同様に、デジタル資料についても対処しなければならない」。


「デジタル資料は、モノの上に情報が載っている本などの資料以上に壊れやすいので、これを未来の世代に引き継ぐために、国内でもっとも優れた専門家達の助けを借りることになるだろう」—-。

 


British Library predicts ‘switch to digital by 2020’
http://www.bl.uk/news/2005/pressrelease20050629.htm

 


「図書館を再定義する」と銘打った2008年までの中期経営戦略は以下に。


Redefining the Library: The British Library’s strategy 2005 – 2008
http://www.bl.uk/about/strategy.html

2005年7月1日(金)

手漉き紙のトロロアオイとは?–東大農学生科研らが分析

紙パルプ技術協会機関誌『紙パ技協誌』(652号、2005年7月)は研究報文として韓允煕氏らによる「伝統的手漉き紙製造で用いられる粘着物質の分析=Analyses of Mucilaginous Compounds Used in Making Traditional
Handmade Paper」(英文)を掲載している(p.121-130)。和紙や韓紙の手漉き工程で用いられるトロロアオイやノリウツギからの粘着物に対する本格的な分析であり、韓氏を中心とした東京大学大学院農学生命科学研究所と森林総合研究所の成果。


この研究では、日本と韓国のトロロアオイと日本のノリウツギのサンプルからそれぞれ粘着物を抽出、この三つの粘着物を化学的に分析し、中性糖(ブドウ糖等)とウロン酸の組成の違いを明らかにした。また日本のトロロアオイとノリウツギはナトリウムとカルシウムが、韓国のトロロアオイにはカリウムが、それぞれ主要な金属として含まれている。三つの粘着物の区別は熱分解クロマトグラフのパターンで判別できる。多角度光散乱-サイズ排除クロマトグラフ(SEC-MARS)ではトロロアオイはどれも230万~250万の分子量を示し、日本のトロロアオイとノリウツギは同様のランダムコイル構造を持つ。このサンプルによる区別が、全てのトロロアオイ等に当てはまるかどうかは、さらに検討する必要がある。

 

著者らの最近の関連論文としては–


韓允煕, 江前敏晴, 磯貝明, "和紙の抄紙技法と繊維配向の関係", 第55 回日本木材学会大会(京都)研究発表要旨集, 114(2005)
韓允煕, 江前敏晴, 磯貝明, 保立道久, "和紙の簀の目解析-古文書の分析結果を中心に-", 第55 回日本木材学会大会(京都)研究発表要旨集, 114(2005)


いずれも下記からダウンロードできる。


江前敏晴論文リスト
http://psl.fp.a.u-tokyo.ac.jp/hp/enomae/publish.htm

 


http://www.oclc.org/research/projects/pmwg/