ほぼ日刊資料保存

必也正名乎

図書館やアーカイブ等の資料保存に関する世界のニュースを伝える、ほぼ日刊のページです。 土日・祝日は休刊します。 リンクも引用も自由です。

2005 年 9 月 のアーカイブ

2005年9月30日(金)

10月の図書館大会資料保存分科会、災害と資料保存をテーマに

10月26日~28日にかけて茨城県水戸市で開催される全国図書館大会第9分科会・資料保存は「災害と資料保存–図書館員にできること・できないこと」がテーマ。阪神淡路大震災から10年余を経過し,防災対策として何が変わったのか,また取り組むべき課題は何かを、近年起こった被災地からの報告と図書館全体からの見地から考える。プログラムは以下の通り。


・レビュー「資料保存をめぐるこの一年」


・事例報告1「宮城県北部連続地震から学んだこと」 加藤孔敬氏(宮城県東松島市立図書館)


・事例報告2「新潟県中越地震による被災状況とその後の復旧作業」 水落久夫氏(新潟県十日町情報館)


・基調講演「図書館の災害対策-予防から復旧まで-」 小林直子氏(国立国会図書館)


・グループ・ディスカッション

・全体討議

 

詳細は以下のページに
http://www.lib.pref.ibaraki.jp/home/ila/jla/bunkakai/09.htm

2005年9月30日(金)

京大大学院農学研究科、和紙の力学的性質の特徴をまとめる

紙パルプ技術協会機関誌『紙パ技協誌』の最新号(第59巻10号、2005)は京都大学大学院農学研究科の山内龍男・宇佐見直治による「和紙の力学的性質の特徴」を掲載している(p.104-116)。


これまでの和紙の研究は、抄造の際のトロロアオイの粘液特性や構成繊維の研究が主で、その物理的特性についての研究は充分ではなかった。本研究では美濃紙に代表される和紙と、汎用的な洋紙とを対比し、力学的な性質を明らかにした。手漉き和紙は美濃紙、黒谷紙、石州紙、雁皮紙を、機械漉き和紙として江宣紙を、一方洋紙は市販のUKP包装/袋用紙とPPC用紙を対象に、引張強度、耐折強度、引裂強度等を試験した。

 

その結果、和紙は坪量が小さく、厚さは比較的薄いこと、またシート密度と弾性率は小さく、繊維間結合もさほど発達していないことがわかった。しかし、紙面方向の各種強度は大きく、特に耐折強度、引裂強度は極めて大きいこと、その一方で厚さ方向の強度である紙層剥離強度はかなり小さいこともわかった。

 


紙パルプ技術協会『紙パ技協誌』
http://www.japantappi.org/gikyoushi_top.html

2005年9月29日(木)

UNESCO、ソロモン諸島の放送遺産デジタル・アーカイブ構築を支援

国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)はソロモン諸島の国立放送の放送遺産をデジタル化して残すための事業を支援している。このプロジェクトはUNESCOが進めてきたコミュニケーション発展のための国際プログラム
(IPDC)の一環。オーストラリア国営放送のコンサルタントを迎えてソロモン諸島国営放送のスタッフがデジタル化に取り組んでいる。このアーカイブは現在のところ、同国唯一のオーディオ文化財である。数年前にテープなどに収められたオーディオ遺産が消滅の危機にあることがわかり、UESCO/IPDCが資金等を提供する形で今回のプロジェクトが開始された。適切な保管設備の提供とともにデジタル化による未来のアクセスを保証するという。


http://portal.unesco.org/ci/en/ev.php-URL_ID=19998&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html

2005年9月27日(火)

カナダ国立図書館・公文書館、歴史を辿る写真アーカイブ FRAMING CANADAを Webに

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カナダ国立図書館・公文書館(Library and Archives Canada)は、所蔵する写真資料2千2百万枚をベースに、カナダとカナダ国民の歴史を画像でたどれる新しいサイト Framing Canada:A Photographic Memory を立ち上げた。写真が登場した最初期の1843年から20世紀央までの所蔵写真資料から精選し、デジタル画像に置き換え、Web で公開している。また同サイトでは、Photographic Collections として、同館の写真コレクションの歴史を述べるペー
ジとともに、カナダ先住民、アマチュアによる写真、写真ジャーナリズム等の10のテーマ別の写真エッセイも公開している。丁寧な用語集も。


http://www.collectionscanada.ca/framingcanada/index-e.html

2005年9月26日(月)

没食子インク劣化の抑制をハロゲン化合物で、非水性処置も–スロベニアの研究グループ

保存科学のE-ジャーナル "e- Preservation Science"は、Malesicらスロベニアの研究グループの「ハロゲン化合物による没食子インクの安定化 – 陽イオンの顕著な効果」(The use of halides for stabilisation of iron gall ink containing paper – the pronounced effect of cation)を掲載している。


鉄や銅などの遷移金属元素を含む没食子インク(iron gall ink)は、酸性化と酸化が複合して生じ、書写部の著しい劣化を引き起こすことは知られている。Malesticらはこの劣化の抑制のために、さまざまな第4級アンモニアとハロゲン化ホスホニウム化合物を適用した結果、第4級アンモニア・臭化ホスホニウム化合物の陽イオンのある種の大きさが抑制効果を発揮することを突き止めた。同化合物による処置は、加速老化試験においても、色戻り(白色度の低下)しないことも確認した、としている。また、これまで没食子インクの劣化抑制はインク中の鉄イオンに対してだけのものだったが、同じ遷移金属の銅にも効果があること、さらに、これまでの処置は水溶液によるもので、インク以外の書写部が水に弱い場合には使用できなかったが、アルコール溶媒などの非水性溶液が使用できる、などの新しい知見が得られた。


Jasna Malesic, Jana Kolar, Matija Strlic, Slovenko Polanc: The use of halides for stabilisation of iron gall ink containing paper – the pronounced effect of  cation, Pages 13-18 (PDF 273KB)
http://www.morana-rtd.com/e-preservationscience/TOC.html

 


※非水性処置については、今月にヘーグ(オランダ)で開催されたされた第14
回国際博物館会議保存修復学会(ICOM-CC)で、上記論文の著者のひとり
であるKolarが発表している。ただし、現在特許申請中のため、技術の詳細に
ついては明らかにされていない。


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従来法による処置(左)と、新しい方法による処置との比較。処置後に強制老化させた。


The case of degrading ink (PDF 37KB)
http://www.icom-cc2005.org/Documents/The-case-of-degrading-ink-JKolar-II-1.pdf

2005年9月22日(木)

DAE大量脱酸法の追加試験結果–劣化抑制物質としての新たな化合物を確認

日本で開発され実用化された大量脱酸性化法の乾式アンモニア・酸化エチレン法(DAE法)に関して、これまで酸性紙の劣化抑制効果を持つとされていたトリエタノールアミン(TEA)とともに、TEAよりも分子量が大きな物質が紙中に生成され、これが劣化抑制効果を併せ持つことが判った。この新しい知見は、同法の市場開発を進めてきた(株)日本ファイリングがこのほど第三者試験機関の財団法人化学物質評価研究機構(CERI)に委託し試験した結果、明らかになったもの。同社の須藤猛彦氏が『ネットワーク資料保存』(日本図書館協会資料保存委員会発行)の最新号(第77号、2005/8)で「国立国会図書館で実施した大量脱酸処理の調査結果に関する追加試験について」として発表している。

 

国立国会図書館は平成15年度に、DAE法により脱酸性化した図書(処置は平成10年度、11年度に試行的に実施)の安全性と有効性を、外部委託して調査した。そこでは、安全性と紙のpHについてはいずれも問題ないとされているが、劣化抑制物質と思われるTEAが平成12年度の分析結果に比べて50~68%も減少しているとされた。しかし同時に、TEAよりも分子量が44及び88大きな化合物質が検出され、これがTEAと同等の働きをしているのではと報告された。


同社ではその物質の特定と量について分析し、抑制効果がどのていどあるのかを検証するため、国会図書館の調査で使用された3冊の図書の本文紙による強度変化と抑制効果の追加試験を行ったもの。

 

その結果によると、TAEだけを見ると確かに減少しているが、新規の化合物との合計値は大きな変化が見られない。すなわちTAEは経時とともに変化し、より分子量の大きな安定した物質に変化していると思われ、このことから
劣化抑制物質の減少はきわめて少ない、と推定している。

 

また3冊の図書本文紙による強度変化・劣化抑制効果の試験では、まずpHは前回試験同様に高い値で維持しており、白色度も同様の結果になった。問題の強度変化では引裂き強度試験(JIS 8116: 1961)により計測したところ、未処理のものとくらべ、1.4~3.5倍の寿命延命が期待できる数値が出た。1.4倍の図書は中性紙に近い(未処理のpHは5.8)ためにこの値に留まったが、他の2冊は酸性紙(同 5.0と4.7)で3倍以上の値を示していることから、同社ではDAE法が酸性紙に対する十分な抑制効果があると判断できる、としている。


日本図書館協会資料保存委員会ホームページ
http://www.jla.or.jp/hozon/


国会図書館による委託調査については「ほぼ日刊資料保存」の2005年3月14日号を参照。

2005年9月21日(水)

第13回和紙文化講演会『古文書・古典籍の料紙とその装幀』を11月に

和紙文化研究会(久米康生代表)は第13回和紙文化講演会を11月26日(土)に昭和女子大学グリーンホール(東京・世田谷区)で開催する。今回のテーマは『古文書・古典籍の料紙とその装幀』で、古文書や古典籍の修復にたずさわる修理技術者や、独自の調査から料紙の検証を続ける研究者らをまじえ、書写材料としての和紙とその装幀を展望する。主な講演は次の通り。

 

吉野敏武(宮内庁書陵部図書課)「書写内容と装幀形態による料紙との関連」

 

櫛笥節男(宮内庁書陵部図書課、和洋女子大学講師) 「宮内庁書陵部蔵書の書誌―写す・裁つ・綴じる」


宍倉佐敏(女子美術大学講師)「古文書料紙の素材を観る」


半田正博(東北芸術工科大学教授)「古典籍・古文書の修復と紙」


大柳久栄(女子美術大学非常勤講師)「打紙加工の過程と効果」


久米康生(和紙文化研究会代表)「書写材としての和紙」


—————————————-


参加費は一般が3,500円(機関誌の和紙文化研究の最新号代金を含む)


申し込みは、郵便振替用紙に住所、氏名、電話・FAX番号、所属などを記入し、参加費と共に振り込む。


郵便振込先は–
0017-8-402506 和紙文化講演会


詳細は以下のPDFに
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsccp/jp051126.pdf

2005年9月16日(金)

英国図書館、ルイス・キャロル直筆『アリス』を Web とCD で公開

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ルイス・キャロル(Lewis Carroll, 1832-1898)が姪達のために自らテキストと挿し絵を描き、後に『不思議の国のアリス』(Alice’s Adventures in Wonderland)として出版される Alice’s Adventures Under Ground が、このほど同書を所蔵する英国図書館でデジタル化された。9月21日から Webで全ページが公開されると共に、CDとしても出版される。

 

‘…where is the use of a book’ thought Alice, ‘without pictures or conversations?’
http://www.bl.uk/news/2005/pressrelease20050913.html

2005年9月15日(木)

雑誌 LIBER–セルロース・アセテート・マイクロフィルム国際会議の記録を掲載

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酢酸により完全に崩壊したマイクロ・フィルム


今年5月に英国図書館が主催し開催されたセルロースアセテート・マイクロフィルムの保存と活用を考える国際フォーラム CAMF (Cellulose Acetate Microfilm Forum) の記録が、共催者の LIBER, (Journal of European
Rewsearch Library)の最新号(vol.15, 2005, no.2)に掲載されている。

 

図書館や文書館に所蔵されているセルロース・アセテート(酢酸繊維素)を基材にした膨大なマイクロフィルム・コレクションは、フィルムが分解してできる酢
酸による劣化、いわゆるビネガー・シンドロームにより自壊の危機に晒されているが、その救出と保存、そして将来に向けたアクセスを保証するにはどうすればよいのか–2日間にわたって英国図書館で行われた国際フォーラムでは、この課題をめぐって、アメリカ、スカンジナビア諸国、ニュージーランド、オーストラリアからエキスパートが集った。記録の内容は次の通り。


Forum, Round Table and Vinegar: Managing the Cellulose Acetate MicrofilmChallenge, Clive Field


Addressing Cellulose Acetate Microfilm from a British Library perspective,Helen Shenton


New Frames for Old Masters. An overview of the British Library’s AcetateTransfer programme, Sandy Ryan


History of Microfilms in Helsinki University Library / National Library of Finland, Maria Sorjonnen

 

Bibliographic and Intellectual Control: why it matters, Cate Newton

Acetate in Oz: Some Strategic Moves, Colin Webb

 

LIBER, (Journal of European Rewsearch Library), vol.15, 2005, no.2
http://liber.library.uu.nl/publish/issues/2005-2/issue_content.html

 


※関連Web:国立国会図書館 『マイクロフィルム保存のための基礎知識』
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/data/pdf/microfilm2005.pdf

2005年9月13日(火)

どんな接着剤を、どのように– オランダでの調査がPapierrestaurierung に

ドイツ語圏の紙媒体資料のコンサベーションの雑誌 Papier-restaurierung の最新号(Vol.6, 2005)は、オランダ国内の書籍や文書、紙媒体作品のコンサーバターに、いつも使っている接着剤について調査した結果をまとめ、Gebrauch von Klebstoffen; Eine Umfrage unter niederländischen Papierrestauratoren として報告している。


この調査は、オランダ国立文化財研究所や国立図書館のコンサーバターや保存科学者が質問項目(どのような種類の接着剤を、どこから入手し、自分の仕事に合うように整え、保管しているか、さらに、望まれる物性、その使用法や乾燥法について)を作成し、2004年に実施された。この調査結果をもとに同年11月、国立図書館で開催されたシンポジウムは、澱粉糊、セルロースエーテル類、膠などのプロテイン類、合成接着剤の4つのセッションでの発表と意見交換として実を結んだ。今回の誌上では、調査の方法に焦点が当てられたとともに、調査結果からの発見を紹介している。個々のコンサーバターへのインタビューによるアプローチはこの種の調査では初の、かつ実り多いものになった。


Bernadette von Beek et al: Gebrauch von Klebstoffen; Eine Umfrage unter niederländischen Papierrestauratoren

 

http://www.uni-muenster.de/Forum-Bestandserhaltung/kons-restaurierung/abstract_pres_05_06.html

2005年9月12日(月)

SOLINETやALA、 カトリーナ災害救助支援のためのサイトを新設

アメリカ南東部の2,600の図書館の相互協力ネットワークであるSOLINET(the Southeastern Library Network, Inc.)は、今回のハリケーン「カテリーナ」による図書館資料への被害救助のためのサイト Katrina Response をこのほど開設した。今回のハリケーン被害のもっとも酷い地域であるルイジアナ州やミシシッピ州など含む南東部10州の図書館協力組織であるだけに、問い合わせ先、義捐金の提供先、被災資料の一時的な避難先、ボランティアの呼びかけほか、具体的な救助マニュアル案内まで、もっとも充実したサイトになっている。


http://www.solinet.net/Disaster_templ.cfm?doc_id=3761


またアメリカ図書館協会のサイトALA Onlineも Hurricane Katrina Newsを新設し、SOLINETと同様の救援事業に乗り出している。いまだ人の救助に追われている段階だけに、図書館被害の現状がわかるまでにはいたっていないが、今後の情報のポータルサイトになる。


http://www.ala.org/ala/cro/katrina/katrina.htm

2005年9月8日(木)

収蔵庫等の虫・カビへの対策(IPM)、酸性紙/アルカリ紙接触の影響などで成果

『文化財保存修復学会誌』の最新号(vol.49, 2005)は、紙媒体記録資料関連の次の二つの論文を掲載している。


■木川りか・Tom Strang:文化財展示収蔵環境におけるIPMプログラム;状況と対策への段階的モデル(p.132-144)


いわゆるIPM(総合的有害生物管理)については近年、その考え方や手法が人口に膾炙するようになったが、博物館や美術館などの文化財収蔵機関の現場の課題とは遠いところがある。この論文では、IPM プログラムを適用するに当たって、現実的な環境レベルを6つにわけ、そのレベルごとの状況、建物、備品や設備、被害防止のための活動、被害の経過予測、予想される劣化の進行速度について、現在の一般的な状況を概観し、それぞれへの改良案を提示している。


※関連Web:文化財保護行政担当者のためのIPM入門
http://www.tobunken.go.jp/~hozon/ipmlecture/ipmtop.htm


■稲葉政満・高木彰子・山口佳奈・桐野文良ほか:挿入法による紙劣化試験–色変化に及ぼす圧力及び湿度の影響(p.100-107)


酸性紙とアルカリ性紙が接触した状態で長期に置かれた場合に前者の変色が著しいことが報告されている。これは実物の資料(冊子と、紙の見本帳)でも確認されているが、紙の見本帳の平綴じ部(酸性紙とアルカリ紙が強く接触している部分)は酸性紙の元の白色度に近いレベルが保持されていた。これを実験的に確かめたところ、変色には紙がどのぐらいの圧で接触しているかが、また、その際の湿度の関与について知見が得られた。変色は40%RHから80%RHの範囲で湿度の上昇に伴って高じてくるが、95%RHで圧力をかけた場合にはアルカリ性紙からのCaイオンが酸性紙に転移し、酸性紙が中和され変色が抑えられた。また直に酸性紙とアルカリ性紙を接触させなくと
も、単独での場合よりも変色が大きいことから、変色に関与する物質には揮発性のものがあることも解った。


※関連Web:酸性紙・中性紙・アルカリ紙の新しい見方–「挿入法」で全面的な
見直しが可能に
http://www.hozon.co.jp/cap/archives/030701/sounyuhou.htm

2005年9月7日(水)

ダード・ハンターの主著書がWeb上でデジタル画像により閲覧可能に

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『日本・韓国・中国への製紙行脚』(1935)から


ユタ大学マリオット図書館貴重書室は、紙の歴史家であり造本家としても名高いダード・ハンター(Dard Hunter)の主著8点の全頁をデジタル画像にし、Web上で閲覧できるようにした。どの本もハンター自身が手漉きした紙に、印 刷から製本までを指示したもの。デジタル画像化にあたっては、書物としての美しさがわかるように、見開きの片面ずつを、やや斜め上から撮影している。Webでブラウジングできる著書は、 A Papermaking Pilgimage to Japan, Korea and China(日本・韓国・中国への製紙行脚、1935)を含む以下の通り。


A Papermaking Pilgrimage to Japan, Korea and China
Chinese Ceremonial Paper
Laid And Wove
Old Papermaking
Old Papermaking In China And Japan
Papermaking By Hand In America
Papermaking by Hand in India
Papermaking in Indo-China

Papermaking in Southern Siam
Papermaking through eighteen centuries, by Dard Hunter


Dard Hunter Book Collections
http://www.lib.utah.edu/digital/Dard/


ダード・ハンター友の会(Friends of Dard Hunter)ホームページ
http://www.friendsofdardhunter.org/

2005年9月6日(火)

NEDCC、カトリーナ災害に対応した資料救出時の「まず、これだけは」

アメリカ南部を襲い未曾有の被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」により被災した資料の救出のために、記録資料の保存修復地域センターであるNorth East Document Conservation Center (NEDCC) はいち早く、HURRICANE RECOVERYのページを立ち上げた。24時間体制で電話等による相談を引き受けるとともに、まず人の救助を優先すべきこと、これを見届けたら直ちにコレクション全体の被害のアセスメントを行うこと、そののちに具体的な救助に着手することを訴えている。また同ページでは、各地域での資金や方策の相談窓口の紹介と、無料でダウンロードできる復旧マニュアル等のサイトも紹介している。

 

資料救助、それも家庭や、非専門家のための「まず、これだけは」は次の通り。


1. 人の安全確保が第一:どのような災害も人の健康に影響するものを伴う。片づけ作業にはプラスチックもしくはゴム手袋を。カビが発生しているときは医療用マスクかレシピレーター、ゴーグル、全身を覆うような衣服を。


2. カビの発生を防ぐ:カビは48時間以内に発生する。掃除や乾燥時に湿度と温度をできるかぎり低くする。


3. 空気乾燥する:屋内でゆっくりと空気乾燥で水分を除くのがベスト。ヘアー・ドライアーやオーブン、直射日光に晒すなどは非可逆的な害を及ぼす。屋内の空気の循環を良くするために扇風機をかけ、窓を開け放ち、エアコンをかけ、除湿する。

 

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4. 扱いを注意深く:濡れたものは特に注意深く扱う。例えば水を被った資料を別々にするとき、引き出しから出すとき、アルバムから写真を外すとき、額から絵などを外すとき、湿った本の間にペーパータオルを挟むとき。.


5. 汚れはやさしく落とす:脆弱になっているものに付いた汚れは刷毛やクロスでやさしく落とす。無理にこすると汚れを挽きつぶして埋め込んでしまうことになる。


6. 写真資料は:清水で慎重に汚れを洗い流し、プラスチック網かペーパータオルの上で自然乾燥する。もしくは写真の角にプラスチック製の布ピンを止めて吊して乾かす。乾燥中は写真同士を接触させてはいけない。


7. 優先順位を付ける:全てを救うのは無理なことが普通だ。歴史的に、金銭的な価値上、あるいはかけがいのない思い出がある–等での「自分にとってもっとも大事なもの」を優先する。


8. 全てを一時にやらない:濡れたものはすぐに手をつけず、箱や袋ならば無理に閉めようとせずに開いていたらそのままに。写真、文書、本、テキスタイルは、48時間以内の乾燥が難しければ冷凍する。


9. 専門家を招聘するときは:もしとりわけ貴重なものがひどい被害を受けているならばコンサーバターの助けを求める。壊れた部品や断片をできるだけ集めておく。風通しの良い場所に別置する。地域で対応してくれるコンサーバターはアメリカ保存修復学会(AIC)のサイトから探すこともできるし、同学会に電話で問い合わせることもできる。


NEDCC のHURRICANE RECOVERY
http://www.nedcc.org/news/hurricane.htm

2005年9月6日(火)

米文化財保存修復学会も被害の救援サイト

アメリカ文化財保存修復学会(AIC)は、アメリカ美術館協会(AAM)南東部美術館協会(Southeastern Museums Conference )、南東部地域保存修復協会(Southeast Regional Conservation Association)と連携し、被害救助のニーズを汲み上げる タスク・フォースをいち早く立ち上げた。救出に参加するボランティアのための旅費、滞在費、必要物資の調達費をまかなうための寄付の窓口になる。

 

詳細は
http://aic.stanford.edu/news/2005-09-01-SEMC_katrina.pdf
(pdf 21.5KB).


また、文化財保存のためのナショナル・トラスト(National Trust for HistoricPreservation)はハリケーン救済基金(Hurricane Relief Fund)を設置、アメリカ赤十字社(American Red Cross )もあらゆる貢献の窓口になることを表明している。

2005年9月6日(火)

JIIMA、e-文書法対応の新サービスを開始

(社)日本画像情報マネジメント協会(JIIMA)はこのほどe-文書法に対応した新サービスを開始した。本年4月1日より施行された「e-文書法」に対する取り組みとしての電子署名・タイムスタンプの紹介サービス。今年度からの文書情報管理士検定試験の試験範囲にはe-文書法関連を含んでおり、合格すると文書情報管理士への電子証明書発行の必須条件となっているe-文書法関連の知識があることが認定される。今後、広範囲に増加していくことが見込まれているe-文書法関連の業務で、全国の文書情報管理士が技術的にも法令等の知識面でも高いステータスをもって活躍することが期待されている。


詳しくは、
http://www.jiima.or.jp/signstamp/ を参照。

2005年9月1日(木)

MIP、インク焼けの処置で世界のコンサーバターにオンライン調査を開始

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「紙中の金属」(metal in paper)による資料の劣化とその対策を研究する国際研究機構 MIP はこのほど、世界各地のコンサーバターに対して、没食子インクによるインク焼けの処置をどのように行っているかというアンケート調査を開始した。同機構のサイト上の質問項目に答える形で調査する。2006年1月までに調査を完了し、結果をサイトで公開するとともに、同月に英国のニューキャッスルで開催される国際会議の予稿集に盛り込まれる。

 

Survey conservation practices of Iron Gall Ink artifacts
http://www.miponline.org/survey/surveypage.htm


MIP 2006 FINAL CONFERENCE
http://www.miponline.org/final.htm


■戦中のペン書き文書
http://www.hozon.co.jp/conservation/cs_ink_corroded.htm