ほぼ日刊資料保存

必也正名乎

図書館やアーカイブ等の資料保存に関する世界のニュースを伝える、ほぼ日刊のページです。 土日・祝日は休刊します。 リンクも引用も自由です。

2005 年 11 月 のアーカイブ

2005年11月30日(水)

英国図書館コンサベーション・センター(BLCC) の概要が明らかに–書籍と視聴覚資料を専門に

051130

英国図書館が25億円を投じて再来年初頭の完成を目標に建設を進めているコンサベーション・センター(BLCC=British Library Center for Conservation)の概要が発表された。同センターは英国図書館の書籍資料のコンサベーションと視聴覚アーカイブの技術部門の新たなセンターになる。


最上階の三階の書籍コンサベーション・スタジオは充分な採光が一年中スタジオ全体に行き渡るように粒留意され設計されている。水を使うウェット・コンサベーションと、水を使わないドライ・コンサベーションのエリアに分かれ、書籍の最終工程(表紙の装飾や文字入れ)の部門が併設され、見学者はどのエリアも見ることができる。一階のエントランスには訪問者がここでの仕事を理解できるような展示が行われる。三階にはこのほかに、セミナーやコンサベーション・トレーニングのエリアが設けられ、年間を通じた教育プログラムを遂行する。


中間の二階はコンサベーションを支援するための試験設備、資材置き場、化学薬品による処置に適した大型換気設備等が設置される。また、保存容器や展示のためのマウンティング等の作成に特化したエリアも設けられる。


一階は視聴覚アーカイブ技術部門が入り、ハイテクを駆使した最先端のテーマが追求されるとともに、進歩の激しいこの分野の技術がどのように代わっても利用を保証できる蓄積を測る。


The British Library Centre for Conservation
http://www.bl.uk/about/collectioncare/blcc.html

2005年11月30日(水)

国会図書館、デジタルアーカイブの平成17年度上期の開発成果を公開–機能拡張とコンテンツ追加

国会図書館は構築中のデジタルアーカイブポータル上で今年度上期に行った検証と追加開発の成果を順次公開する。11月現在では、複数のプロバイダが提供するコンテンツをひとつのキーワードで検索できる機能を紹介しているが、これに「辞書による検索支援」が加わるとともに、現在のNDL近代デジタルライブラリや青空文庫のコンテンツに、貴重書画像データベース、初志データのデータなどが12月末までに順次加わる。

 

http://www.dap.ndl.go.jp/home/modules/news/article.php?storyid=17

2005年11月21日(月)

国会図書館、資料デジタル化の手引きをPDFで

国立国会図書館はこのほど、「国立国会図書館資料デジタル化の手引き」をPDFにして公開した。同手引きは、は、国立国会図書館の所蔵資料を画像としてデジタル化する場合において、仕様の共通化や技術の共有化を図り、これによって標準化によるデータ品質の確保及びデジタル化作業の効率化に資することを目的として、今年3月に作成された。主な目次は以下の通り。


1 デジタル化の対象資料及びデジタル化の手順
2 デジタル化の技術
3 画像データの品質
4 画像データの管理
5 著作権処理


http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/digitalguide.html

2005年11月16日(水)

日本アーカイブズ学会が「戦争の記憶とアーカイブズ学」で12月にシンポジウム

日本アーカイブズ学会と国文学研究資料館アーカイブズ研究系は共催で、12月17日(土)に、シンポジウム「戦争の記憶とアーカイブズ学–喪われゆく記憶の再生に向けて」を開催する。


日時:2005年12月17日(土) 9:00~17:00
場所:学習院大学 北1号館401教室

 

趣旨説明 喪われゆく記憶の再生に向けて 安藤 正人(国文学研究資料館アーカイブズ研究系教授)


戦争と支配の記録をめぐる今日的課題─東アジアにおける「歴史認識」の前提─ 加藤 聖文(国文学研究資料館アーカイブズ研究系助手)


東南アジア占領と残された記録―記憶の記録化と戦後の課題― 前川佳遠理(国文学研究資料館アーカイブズ研究系助手)


朝鮮における植民地都市に関する記憶の記録化 金慶南(国家記録院学術研究士・国文学研究資料館外国人研究員)


日本統治期台湾における庶民の記憶 栗原純(東京女子大学文理学部教授)
戦争記念碑が語る内地と外地の記憶 檜山 幸夫(中京大学法学部教授)


参加は自由。問い合わせは下記まで
加藤聖文 国文学研究資料館アーカイブズ研究系
03-3785-7131(内線608) k.kato@nijl.ac.jp

2005年11月15日(火)

ゲティ保存修復研究所「ニューズレター」最新号は保存修復科学の特集号

051115

 

米ゲティ保存修復研究所(Getty conservation Institute)の機関誌 Newsletterの最新号(20,2, Summer 2005)は保存修復科学の特集号。内容は以下の通り。


保存科学の現状(The State of Conservation Science)
成熟期を迎えたと言われる保存修復科学のこれまでの成果と現在の課題。


保存修復科学の訓練と教育(Training and Education in Conser-vation Science)
保存修復分野でのさまざまな関心の高まりと併行し、科学としての多様な専門性がこれまで以上に必要になっている。そのための訓練と教育について。.


壁画の保存修復のための科学(Science for the Conservation of Wall Paintings)
GCIが世界の研究機関と協力して進めている壁画の有機材料の分析等のはプロジェクトの紹介。.


PDF(4.6MB) で以下からダウンロードできる。
http://www.getty.edu/conservation/publications/newsletters/20_2/index.html

2005年11月11日(金)

IFLA新聞部会、8月開催の保存コンファレンスでの主要発表論文をPDFで公開

国際図書館連盟(IFLA)の新聞部会(Newspapers Section)は同部会のホームページに1994年から2005年に世界各地で開催されたコンファレンスでの主要発表論文をデジタル化し、PDFで公開した。


このうち2005年の論文には8月にノルウェイで開催された、資料保存部会(Preservation and Conservation Section)との共催による会議 Arctic Circle Conservation Colloquium: Preservation Storage Solution for all Library Materials でのノルウェイ国立図書館での資料保存の取り組みが紹介されている。デジタル化に伴う検索エンジンを導入してのアクセス・スピード向上、環境管理、新聞・雑誌・写真などの各種メディアのデジタル化、自動保管設備、保存計画、マルチメディアやAV資料の保存、そして予防的な保存法まで、ノルウェイ国立図書館の資料保存事業の全貌がわかる。


また同時期におなじくノルウェイで開催されたIFLA本体会新聞部会での発表も掲載された。「新聞のデジタル化プロジェクト、過去の新聞のオンラインでの閲覧」(Newspaper digitisation projects. Developments in the online availability of older newspapers )がテーマで、フランス国立図書館、英国図書館、北欧各国図書館、そして中国での新聞のデジタル化について。


IFLA Newspapers Section; Papers Presented at Conferences 1994-2005
http://www.ifla.org/VII/s39/39pconf.htm

2005年11月9日(水)

英国資料保存対策室、冊子『書籍と文書のクリーニング法』をPDFで

051109-1

 

英国図書館に設置されている英国資料保存対策室(National Preservation Office)はこのほど、書籍と文書のクリーニングの方法ををまとめ、Cleaning Books and Documents としてPDFで公開した。全15頁程度の小冊子だが、館内作業としてクリーニング(塵埃の除去)に的を絞り、組織的・継続的に行う場合の計画の建て方から、必要な資材の説明、資料別のクリーニング法、資材の入手先まで、簡潔・丁寧に述べている。目次は以下の通り。


Introduction 1
Planning a cleaning projet 2
Preparation 4
Equipment and methods 5
Dusting boxes and trays 7
Organisation 7
Surface cleaning techniques 8
Surface brushing 8
Unbound material 10
Vulnerable material 11
Protection from dust 11
Sources of information 13
List of products and suppliers 14


Cleaning Books and Documents
http://www.bl.uk/services/npo/cleaning.pdf PDF 100KB)

2005年11月9日(水)

国立公文書館、ICAの『電子記録:アーキビストのためのワークブック』日本語版を公開

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国立公文書館はこのほど、国際公文書会議(ICA)が発表した『電子記録:アーキビストのためのワークブック』(Electronic Records: A Workbook for Archivists)の日本語版を公開した。この報告書はICAの電子環境における現用記録委員会がまとめ、昨年(2004年)に ICA Studiee 16 として英語版が公開されている。主な目次は以下の通り。


序文 5
第1章:序論 7
第2章:基本概念と定義 11
第3章:アーキビストによる啓発戦略 15
第4章:記録管理(recordkeeping)要件を満たす 30
第5章:長期保存 42
第6章:アクセス 58


以下の国立公文書館のサイトからPDFでダウンロードできる。
http://www.archives.go.jp/hourei/ICASTUDY16_ELECTRONIC_RECORDS_JPN.pdf (PDF 621KB)


DRAFT – Electronic Records: A Workbook for Archivists
Ihttp://www.ica.org/biblio.php?pdocid=163 (PDF 339KB)

2005年11月8日(火)

講演:コロンビア大学・東アジア図書館における資料保存–12月1日に図書館総合展フォーラムで

プリザベーション・テクノロジー社は12月1日に、「未来に向けて過去を保存する–コロンビア大学・東アジア図書館における資料保存への取り組みと各種媒体の活用」の講演会を開催する。講師は同図書館館長のエミー・ハインリック博士。11月30日~12月2日まで開催される第7回図書館総合展でのフォーラムのひとつ。会場はパシフィコ横浜(横浜市)展示ホール第6会場、日時は12月1日(木)10時半~12時。


参加申し込みは名前、所属、連絡先を明記してファックスもしくはe-mailで下記へ。


プリザベーション・テクノロジー・日本事務所(担当:横島、清水)
fax: 0428-77-0822
e-mail: ptj-@navy.plala.or.jp

2005年11月8日(火)

定評ある Kite & Thompson編著『革製文化財の保存修復』改訂版が上梓へ

051108

 

Marion Kite と Roy Thompson の編著 Conservation of Leather and Related Materials の改訂版がElsevire 社から出版される。Kite は英国ビクトリア&アルバート美術館のシニア・コンサーバター兼レザー・コンサベーション・センター長、 Thompson は前レザー・コンサベーション・センターCE。内容は、皮革とは何か、製法、劣化のメカニズム、試験法から、各種革製品(革装幀本も含む)のケア、保存手当て、ケース・スタディ–等々、類書がない内容になっている。


Hardbound, ISBN: 0-7506-4881-3, 368 pages, publication date: 2005
Imprint: BUTTERWORTH HEINEMANN
USD 79.95, GBP 49.99, EUR 72.95
http://www.elsevier.com/wps/find/bookdescription.cws_home/677698/description#description

2005年11月7日(月)

画像保存セミナー:新しい寿命評価法、インクジェットの保存性、適正な包材等で講演

(社)日本写真学会が主催する平成17年度画像保存セミナーが11月1日に東京都写真美術館(目黒区)で開催され、6つの講演が行われた。うち4つを、予稿集に拠り要約する。

 


写真室音寿命評価の新しい考え方と実際 (元富士写真フイルム、瀬岡良雄)
写真保存の暗保存性評価はアレニウス法で室温寿命を決める方法が基本になっているが、劣化データの使い方が経験的かつ非定量的であること、劣化プロファイルが温度で異なる場合には、そのままではアレニウス評価ができない–等の問題が指摘されている。これを克服する新しい概念として「プロファイル外挿法」を導入し、評価時間の短縮のために「サイクルサーモ」を、さらに予測制度を一層向上できる「確率予測法」を取り入れた寿命評価を詳説した。また、国内3カ所でおこなった様々な写真の15年間保存の劣化データを、新しい予測方法による寿命評価データと比べ、その相関性を示す述べるとともに、日本国内では高湿保存条件として70%RH、推奨保存条件としては40%RHと結論している。

 


インクジェットプリントの画像保存性と試験評価 (コニカミノルタフォトイメージング、須田美彦)
これまでメーカーや試験機関ではインクジェットプリントの暗所保存性や耐光性を銀塩写真と同じ方法で評価してきたが、間違った寿命予測を生じる可能性があることがわかってきた。そのひとつが酸化ガス、とくにオゾンの影響で、外気から持ち込まれ屋内濃度が高くなれば酸化による褪色が起こる。プリントが展示される通常の屋内オゾンの濃度についてははまだ合意がないが、数十ppm・hrの積算暴露量で一年相当と見なすようになってきている。しかしこの条件で加速劣化させてもその褪色が一年間の展示に相当するのかどうかははっきりせず論議が続いている。光褪色には顔料インクはほとんど問題がないが、写真プリント用紙のうち空隙型のものへ染料インクでプリントしたものの褪色が早いのは、光よりも空隙に入ったガスの影響が強い。耐光性試験も、インクジェットは湿度の影響が著しいので低湿度と高湿度の両方での試験が望ましい–等、課題が残る。Iプリント画像の寿命の規格化はSOでも行われているが、一部が規格化されているにすぎない。そこで現在わかっている範囲(屋内への酸化性ガスの進入を防ぐ–等)で少しでも好ましい保管方法を考えることを奨めたい。

 


保存用紙の見直しと保存環境を改善する機能紙について (特種紙商事、中野修)

「保存性の良い紙」は内外での指標や規格があるが、この評価のための試験法はサンプルを試験槽に吊るして暴露するハンギング法が一般的であった。しかしこの方法では、包材等の隣接する紙同士の影響(移行物質としての無機陰イオンによる)がわからない。そこでpHの違う紙で製本した束の中に各種のサンプルを挟み強制劣化させ変色や強度変化を見る「挿入法」を開発し、その成果を元に製造・販売してきた保存用紙の見直しを行った。そして内外のこれまでの指標・規格に加えて紙中の全無機陰イオン含有量の多寡による良否を判断することにした。特に硫酸イオンについては含有量を70mg/Kg 以下にした。写真用包材としても東京都写真美術館によるPAT試験に合格している。その他、調湿機能をもつ紙、汚染ガスを吸着する紙等も開発し、採用されている。


■関連Web

酸性紙・中性紙・アルカリ紙の新しい見方、「挿入法」で全面的な見直しが可能に

 


写真銀画像の劣化のメカニズムと化学修復について (コニカミノルタフォトイメージング、河野純一)
白黒の銀塩写真の劣化メカニズムと、これまで行われてきている化学的な修復処置について。劣化は、硫化によるものと、酸化によるものとに分けられる。前者は大気中からの影響もあるが一般には不完全な現像処理(水洗不良のためにチオ硫酸ナトリウムが残留する)により、褐色もしくは黄色の硫化銀を生成して変色やイエロー・ステインを生成する。また定着不良のため残留した硫酸・銀錯イオンが分化して硫化銀が生成し全体が黄ばんでくる。一方の酸化による劣化は、複写機からのオゾン、ホルムアルデヒドからのガス、大気中の窒素酸化物や硫黄酸化物などによるもので、材料によって異なるが褪色や黄褐色化として現れる。いわゆる銀鏡は酸化劣化の典型でバインダー層を持つ材料のほとんどに見られる。その他にはバインダーや支持体フィルムの劣化等がある。これらの劣化に対して、オリジナルを化学的に処理して修復する方法が昔からあるが、現在ではかえって画像を痛めることが多いので行うべきではないという認識が一般的である。

2005年11月4日(金)

中国国立図書館『文津流觞』最新号、国際敦煌学会での敦煌遺書の修復を特集

敦煌およびその周辺から出土した遺書を保有している各国の機関が協力し、共同研究するプロジェクト International Dunhuang Project(国際敦煌プロジェクト=IDP) の第6回国際会議は今年4月に北京で開催されたが、その予稿集が中国国立図書館貴重書部門の機関誌に掲載された。発表論文は計28だが、そのうち本紙関連は次の17稿(以下の一覧の最初の数字は便宜的なもの、最後の括弧内の数字は予稿集での掲載ページを示す)。PDFでダウンロードできる。

 

 

このうち17「略談古籍的去酸」は、中国国立図書館での古典籍に対する脱酸性化処置の概要を述べている。それによると—


酸による紙の脆弱化は、硫酸アルミニウムをサイズ剤に用いた「洋紙」に限っての問題と思われがちだったが、大気が汚染され、亜流酸化物等の酸性物が、昔ながらのゼラチンサイズを使った中国の古典籍にも吸着し、脆弱化が著しいものがある。こうした古典籍に対して、その貴重さに鑑み、脱酸性化処置を施すか否かについては議論があったが、我々は処置を選択した。このまま放置すればpHが4以下になり、本文紙を普通にめくるのさえできなくなるほど脆くなってしまう。そうなったら、もはや修復は不可能になるからだ。もうひとつの理由は、我々はすでにアルカリを使った処置をずっと行ってきていることだ。これは「去焦」と呼ばれ、アルカリ性の水酸化ナトリウム溶液で紙葉の茶ばみを洗い流してを明るくする方法である。この方法はほとんど脱酸性化処置と同じものだ。

 

中国国立国会図書館はここにきて脱酸性化技術を古典籍に採用することを進めている。2004年には「大明会典」50冊を処置した。処置前のpHは5だったが、水酸化カルシウム水溶液を用いた処置により、pHは7になった。しかしこの方法には欠点もある。水酸化カルシウムはわずかしか水に溶けないため、溶液中の不溶粒子が処置後の紙に付着して表面が粉っぽくなってしまう。また濡れたものを乾燥させておくのに広い場所が必要になる。

 

この問題は水溶液を漕の中に入れて紙葉を浸すのではなく、水溶液を流れる状態にして、この中で処置すること、またで霧状態にして噴霧する–等で解決できるのではと考えている。

 

 

(文責: 資料保存器材 木部徹)

 

『文津流觞』第14期目録

http://www.nlc.gov.cn/service/wjls/html/14_ml.htm

 

IDP ホームページ
http://idp.bl.uk/

2005年11月4日(金)

中国国立図書館『文津流 』最新号、国際敦煌学会での敦煌遺書の修復を特集

敦煌およびその周辺から出土した遺書を保有している各国の機関が協力し、共同研究するプロジェクト International Dunhuang Project(国際敦煌プロジェクト=IDP) の第6回国際会議は今年4月に北京で開催されたが、その予稿集が中国国立図書館貴重書部門の機関誌051104-2 に掲載された。発表論文は計28だが、そのうち本紙関連は次の17稿(以下の一覧の最初の数字は便宜的なもの、最後の括弧内の数字は予稿集での掲載ページを示す)。PDFでダウンロードできる。

051104-3

 

このうち17「略談古籍的去酸」は、中国国立図書館での古典籍に対する脱酸性化処置の概要を述べている。それによると—


酸による紙の脆弱化は、硫酸アルミニウムをサイズ剤に用いた「洋紙」に限っての問題と思われがちだったが、大気が汚染され、亜流酸化物等の酸性物が、昔ながらのゼラチンサイズを使った中国の古典籍にも吸着し、脆弱化が著しいものがある。こうした古典籍に対して、その貴重さに鑑み、脱酸性化処置を施すか否かについては議論があったが、我々は処置を選択した。このまま放置すればpHが4以下になり、本文紙を普通にめくるのさえできなくなるほど脆くなってしまう。そうなったら、もはや修復は不可能になるからだ。もうひとつの理由は、我々はすでにアルカリを使った処置をずっと行ってきていることだ。これは「去焦」と呼ばれ、アルカリ性の水酸化ナトリウム溶液で紙葉の茶ばみを洗い流してを明るくする方法である。この方法はほとんど脱酸性化処置と同じものだ。


中国国立国会図書館はここにきて脱酸性化技術を古典籍に採用することを進めている。2004年には「大明会典」50冊を処置した。処置前のpHは5だったが、水酸化カルシウム水溶液を用いた処置により、pHは7になった。しかしこの方法には欠点もある。水酸化カルシウムはわずかしか水に溶けないため、溶液中の不溶粒子が処置後の紙に付着して表面が粉っぽくなってしまう。また濡れたものを乾燥させておくのに広い場所が必要になる。


この問題は水溶液を漕の中に入れて紙葉を浸すのではなく、水溶液を流れる状態にして、この中で処置すること、またで霧状態にして噴霧する–等で解決できるのではと考えている。

 

(文責: 資料保存器材 木部徹)

051104-2第14期目録
http://www.nlc.gov.cn/service/wjls/html/14_ml.htm


IDP ホームページ
http://idp.bl.uk/

2005年11月4日(金)

国会図書館の新聞データベースで1945-1949年の占領期のマイクロフィルムの検索が可能に

国立国会図書館は主題情報部新聞課はこのほど、全国新聞総合目録データベース に1945-1949年の占領期の新聞(マイクロフィルム)を加え、検索を可能にした。同データベースの特長は、新聞の書誌事項を確認できる、見たい新聞を所蔵している機関を検索できる、それぞれの機関が所蔵している新聞を一覧できる–等、使い勝手のよい仕様になっている。