稲葉政満・東京芸術大学大学院美術研究科助教授を研究代表とした『シーボルト和紙コレクションの紙質調査』成果報告書がこのほどまとまった。文部科学省の平成16~17年度科学研究費補助金によるもの(特定研究領域 A A06. 内外特定コレクションの総合的調査研究:課題番号 16018207, 169pp)。
この報告書は1826年(文政9年)にシーボルトが収集し、現在はオランダのライデン国立民族学博物館が所蔵する和紙を中心に約400点の同館所蔵コレクションの紙質(寸法、厚さ、坪量、地合、簀の目間隔等)感覚を調査し、データベース化したもの。
先に行われた英国のV&A所蔵のパークスコレクション(1871年、明治4年、412種)の調査結果–今回の報告書に改訂版を掲載–と合わせると、他には、これだけまとまっての、生産地がわかっているコレクションがないことから、江戸時代の紙の製造技術を知る上での情報の基本がデータベース化されたといえる。地合や簀の目間隔についてはスキャナによる画像データの解析を行ったのも特筆されよう。
主な章目次は次の通り。
1. 研究の組織と概要
2. シーボルト和紙コレクションのキャラクタリゼーション
3. 画像処理による紙の分析
4. 琉球国文書と帰化紅紙









