ほぼ日刊資料保存

必也正名乎

図書館やアーカイブ等の資料保存に関する世界のニュースを伝える、ほぼ日刊のページです。 土日・祝日は休刊します。 リンクも引用も自由です。

2006 年 4 月 のアーカイブ

2006年4月28日(金)

東博が「保存学の実践と展望」で6月2日に国際シンポジウム、国会図書館も報告を

東京国立博物館は国際シンポジウム「博物館における保存学の実践と展望–臨床保存学と21世紀の博物館」を6月2日(金)に同博物館で開催する。海外からは英国V&A博物館、米国ボストン美術館、韓国国立中央博物館から、国内からは5つの国立博物、そして国立国会図書館(久芳正和氏)から専門家を招聘し報告とディスカッションが行われる。

 

時間は9時50分から17時40分、参加費は無料で同時通訳(日・英)付き、定員は350名で先着順、事前申し込みが必要。〆切は5月22日。E-mail(conservation@tnm.jp)で申し込みができる。名前、所属、住所、電話番号、FAX番号、E-mailアドレスを記入する。

 

問い合わせ先:東京国立博物館文化財保存修復課 03-2822-1111(内線411)

 

 

■この時点での東博のサイトへのリンクはありません。(by ほぼ)

2006年4月28日(金)

カナダ文化財研(CCI)、2005年度・研究開発プロジェクトの進展を示す概要報告書

カナダ国立文化財研究所(Canadian Conservation Institute: CCI)はこのほど2005-2006年の同研究所における研究開発プロジェクトの進展状況の概要を知らせる報告書を作成しサイトに発表した。このうち紙媒体(Paper)関連では水や溶剤への浸漬処置の影響や、1993年に大量脱酸性化処置が行われた紙媒体の追跡調査、没食子インク被害のアセスメント調査、アレニウス・プロットによるブックキーパー脱酸性化法の効果が報告されている。


The Effect of Simmering on the Chemical and Mechanical Properties of Paper


Monitoring of mass deacidified samples treated in 1993 (Phase III)


Preservation of Works on Paper with Iron Gall Ink in Canadian Collections

 

Preservation of Works on Paper with Iron Gall Ink in Canadian Collections ?Risk

Assessment Survey.


tudy on the Effectiveness of Bookkeeper Deacidification Technology Using the Arrhenius Relationship


また他の分野で紙媒体に関連するものでは、Evaluation of Tapes and Heat-set Tissues(粘接着テープや薄様紙の評価)、The Development of a Low Cost Anoxic Enclosure for Display(展示のための低コスト無酸素容器)等がある。


CCI research and development projects 2005-2006
http://www.cci-icc.gc.ca/publications/cidb/pdf-documents/research-report-2005_e.pdf

2006年4月27日(木)

オランダ国立公文書館、他機関と協力しての防災・救助計画(英語版)

オランダ国立公文書館(Nationaal Archief)は国立図書館と協力し、防災と災害から救助のための計画の英語版(Disaster Plan)を発表している。同様のコレクションを持つ他の機関が協力して計画を立てる場合の参考になるとしている。具体的には、お互いが蓄積したノウハウが集約できること、救助作業の時の資源をお互いが活用できること、救助活動を支援できること。


Disaster Plan
http://www.en.nationaalarchief.nl/archiefbeheer/conservering/advies/calamiteitenplan.asp?ComponentID=1755&SourcePageID=2313#1

2006年4月25日(火)

国際敦煌プロジェクトの「敦煌の製本」のページデザインが一新、多様な形態をより分かりやすく

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両面書写の「胡蝶装」(Or.8210/S.5431)

 

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日本の綴葉装に似た stiched bookletの背(Or.8210/S.5475)


英国図書館を中心にした国際敦煌プロジェクト( International Dunhuang Project. IDP)の製本のサイトがデザインを一新し、従来よりもさらに分かりやすく、豊富な画像と実例にアクセスできるようになった。

 

Bookbinding(in IDP)
http://idp.bl.uk/education/bookbinding/bookbinding.a4d

2006年4月24日(月)

デジタル資料のなにを、どのように残すべきか–評価選別のための決定をインタラクティブに

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英国の主要機関を中心としたのデジタル資料保存のための連合組織 Digital Preservation Coalition(DPC)はこのほど、各機関がデジタル資料を保存し長期に活用することを前提に評価選別を行うための Decision Tree for Selection of Digital Materials for Long-term Retentionを公開した。コストや著作権、技術などに関する質問に対して"Yes" "No"で応えて行きフローチャートを追って行くことで自分の機関の収集方針に見合った効果的なうデジタル資料の評価と選別が可能になる。このDecision Tree(決定樹)はサイトのページ上でインタラクティブに利用できるほか、全体のフローを一望できるPDF(47KB) でも提供されている。

 

Decision Tree for Selection of Digital Materials for Long-term Retention
http://www.dpconline.org/graphics/handbook/dec-tree.html

2006年4月20日(木)

スミソニアン協会の保存科学研究部門、ミュージアム・コンサベーション・インスティチュートで再発足

世界最大の博物館の集合体であるスミソニアン協会(Smithsonian Institution)はこれまでSmithsonian Center for Materials Research and Education(SCMRE)として活動していた保存科学研究・教育部門を衣替えし、Museum Conservation Institute(MCI)として再発足させた。MCIはスミソニアン協会の16の博物館・美術館のコレクションのコンサベーションに関わる専門的な研究に注力する。

 

http://www.si.edu/scmre/

2006年4月18日(火)

米手製本業者、外れた表紙と本体の接合用溝(ボード・スロット)を切る専用機を市販へ

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アメリカの手製本道具業者 JEFFREY S. PEACHEY はこのほど、書物のコンサベーション用のボード・スロッティング・マシンを製造し、アメリカ市場で販売することになった。同マシン(board slotting machine)は、特に革装幀本で頻発するヒンジ部での表紙外れの直しに使うもの。表紙ボードのヒンジ部天地に細い溝を切るだけの専用機で、本体からのフラップや綴じの支持体を挿入して表紙と接合できる。


このマシンは1970年代に書籍コンサーバターのクリストファー・クラークソン(Christpher Clarkson)が開発した。ヨーロッパ市場ではボードレアン図書館(英国)やバイエルン国立図書館などに等に導入されている。原理は単純だが、ボードの厚みに応じて斜めのスロットをスムーズに切れるのがミソ。


Peachey Board Slotting Machine
http://www.philobiblon.com/peachey_pbs3.pdf


■関連ページ
Board Slotting: A Machine-Supported Book Conservation Method
http://aic.stanford.edu/sg/bpg/annual/v19/bp19-25.html

2006年4月14日(金)

フィンランドのEVTEKがコンサベーションのための紙の同定データベースを公開、パートナーも求む

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フィンランドのエスポー・ヴァンター工業大学(EVTEK)の紙媒体コンサベーション教育科(paper conservation education)はこのほど「紙の同定データベース」Paper Identification Databaseを作成しネット上で無料公開するとともに、データベース拡充のためのパートナーを世界に求めることになった。


このデータベースは同科の主任教授であるIstvan Kecskemetiが中心になって構築を進めている。書籍や文書、絵画の基材として使われてきた歴史的な紙や、現在使われている紙を同定させるためのもの。ウオーター・マークだけでなく簀網でできる紙の表裏の状態や簀の間隔などを、精細な画像とともにつきあわせることで、同定させる。また、サイジングや色、酸性度、繊維組成なども盛り込んでいる。


データベースは無料で誰にでも公開されているが、パートナーとして登録すると、データベースの構築に参加できる。


Paper Identification Database
http://kronos.narc.fi/paperi/index_en.html

2006年4月14日(金)

米・文化財保存修復学会(AIC)電子媒体グループ、CDやDVDに直接書けるインクペンを頒布

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アメリカ文化財保存修復学会(AIC)の電子媒体グループは、CDやDVD等の光学媒体に直接書いても媒体に悪い影響を与えない水性インクのフェルトペンを頒布している。1-3本までが1本当たり4ドル。


Electronic Media Group: Optical Media Pen
http://aic.stanford.edu/sg/emg/pen/

2006年4月12日(水)

PapierRestaurierung、「アルコール消毒の効果と影響」、「デジカメによるインク焼け同定」等

ドイツ語圏を中心にした紙媒体資料のコンサーバターの団体IADA(Internationale Arbeitsgemeinschaft der Archiv-, Bibliotheks- und Graphikrestauratoren)の機関誌 PapierRestaurierung(Vol7, 2006, No.1)はカナダ国立文化財研究所(CCI)による粘着テープや熱圧着薄様紙プロジェクト、デジカメを用いた没食子インク同定、アルコール消毒の効果と影響などについて掲載している。



■Down, Jane L. et al., The Tapes and Heat-set Tissues Project. (p.13-17)


2001年からCCIが進めている表題のプロジェクトの現状報告。同定のためのスクリーニング法、そのための試験法を述べる。44種の粘着テープと熱圧着薄様紙の組成とpHの詳細な一覧がある。

 


■Kecskemeti, Istvan et al., False-colour Infraed(FCIR) Imaging– An inexpensive Method for Identifying iron-gall ink by Standard Digital Camera. (p.18-31)


赤外線カラー合成画像(フォールス・カラー画像)で没食子インクを同定する方法。一般のデジタルカメラを使い、簡単かつ安価に同インクの有無を特定できる。

 


■Meier, Christina. Shimmepilze auf Papier–Fungizide Wirkung von Isopropanol und Ethanol. (p.24-31)


70%の濃度のイソプロパノールとエタノールアルコール溶液 を用いた殺菌消毒効果の実証報告。スプレー、浸漬、ガス化の三つの方法で各種のカビへの効果を確かめた結果、エタノール浸漬によるものがほぼ完全な効果が見られた。エタノールのガス法はカビの生長をおさえるだけ、スプレー法はカビの担持体を作る可能性があるので避けたい。

 


■Weiss, Doreen. Ethanol und Chlormetakresol als Fungizide–Auswirkungen auf die Alterungsbestadigkeit von Papier. (p.32-39)


エタノール溶液への浸漬とクロルメタクレゾール(ガス)による殺菌後の紙への影響を報告。光および熱による加速劣化を行い、物理的強度の変化と変色を見たが、処置しないものに比べて、いずれも目だった強度低下や変色には至らなかった。

2006年4月12日(水)

東北芸工大保存修復研究センター、16日にシアトル美術館のコンサベーションで講演会

東北芸術工科大学文化財保存修復研究センター(ORC)は4月16日(日)に同大学・東京サテライトキャンパス(中央区日本橋)で、「シアトル美術館のコンサベーション–地域における位置づけと活動」の講演会を開催する。講師は同美術館保存修復部長のニコラス・ドーマン氏。詳細は下記URLで。


http://www.jcpnpo.org/08_lib/20060407-01.html

2006年4月12日(水)

米動画アーキビスト協会とIPI、画像資料の保存でインターンシップ制度を設置

アメリカ動画アーキビスト協会(AMIA: Association of Moving Image Archivists)とロチェスター工科大学のイメージ・パーマネンス・インスチチュート(IPI: Image Permanence Institute)は画像資料の保存研究を志す学生向けのインターンシップ・プログラムを設置した。期間は3ヶ月で、5千ドルを費やし、写真や動画の保存研究で定評のあるIPIでの実践に裏付けられた研究を行うことができる。


The Image Permanence Institute Internship in Preservation Research
http://www.amianet.org/scholarship/ipi/background.html

2006年4月7日(金)

アーカイブズ関連の催しもの案内

■日本アーカイブズ学会2006年度大会


1.日 程 :2006年4月22日(土)、4月23日(日) 10:00-17:00
2.場 所 :学習院大学
3.プログラム
4/22 総会
大会記念講演会 上島 有 氏(摂南大学名誉教授)
「東寺百合文書からアーカイブズ学へ」
4/23 自由論題研究発表会
シンポジウム《アーカイブズ専門職の未来を拓く》
    針谷武志(別府大学)、波多野宏之(駿河台大学)
     高山正也(国立公文書館)、渡辺浩一(国文研)


日本アーカイブズ学会
http://www.jsas.info/

 


■国際文書館評議会専門職教育研修部会(ICA/SAE) 「第2回アジア太平洋アーカイブズ学教育国際会議

 


1. 日 程:2006年10月17日(火)~20日(金)
2. 場 所:学習院大学ほか
全体テーマ「電子時代におけるアーカイブズ学研究とアーカイブズ学教育」


   (1) 第二次世界大戦後から現在にいたるまでのアーカイブズ学教育及び
         21世紀におけるその方向性
    (2) 世界各地におけるアーカイブズ学教育の諸相
  (3) 電子記録環境下におけるアーカイブズ学教育


詳細は下記に
http://www.nijl.ac.jp/~apcae2nd/topJ.htm

2006年4月5日(水)

国会図書館近代デジタルライブラリ、新たに6万7千冊の明治期刊行物を追加

国立国会図書館はこのほど新たに約5万タイトル(6万7千冊)の明治期刊行物を近代デジタルライブラリに追加した。これにより現在の公開総数は約8万9千タイトル(12万7千冊)になった。


http://kindai.ndl.go.jp/

2006年4月3日(月)

UCLA大学院が貴重書・文書のコースを新設、今年夏からスタート

米カリフォルニア大学ロサンゼルス分校(UCLA)は、大学院の教育・情報学部にカリフォルニア貴重書スクール(California Rare Book School)を新設することを決めた。今年(2006年)夏から5つの講座がスタートする。


新設コースは図書館や古書店で歴史的に貴重な書物や文書を日常の業務として扱う人や、その予備軍の学生を対象にしたもの。同種のコースはTerry Belangerが長く指導してきたヴァージニア大学のRare Book School が知られているが、西海岸地区での設置は初めて。


この夏から次の5つのコースでスタートする(括弧内は講師名と所属)。

 

1. 貴重書の目録化 (Deborah J Leslie、フォルジャー・シェイクスピア図書館)


2. 特別コレクションの図書館員とは (Susan Allen、ゲッティ研究所ほか)


3. 西洋の貴重書 (Gary F. Kurutz、カリフォルニア州立大学)


4. 記述書誌学 (Bruce Whiteman、UCLA)


5. 1900年までの書物のイラストレーション行程 (Terry Belanger、ヴァージニア大学)

 


UCLA Announces Creation of New Rare Book
http://is.gseis.ucla.edu/news/rare_book_school.htm

2006年4月3日(月)

国立公文書館、デジタル・アーカイブに憲法調査会等のデジタル画像データ 65万コマを追加

国立公文書館はこのほど、デジタルアーカイブに新たな資料を追加した。御署名原本(昭和25-38年)、公文類聚(昭和23-24年)、憲法調査会、平成14年度法制局移管分など647,243コマ。また、平成16年度移管の歴史公文書 7,924冊の目録データや、重要文化財「北槎聞略」等の画像も追加した。


http://www.digital.archives.go.jp/news/index.html