Restauraotr-International Journal for Preservation of Library and Archive Material 最新号(Vol. 27, No.2, 2006) の主要論文は次の通り。
Paolo Calvini, Andrea Gorassini und Rosanna Chiggiatto: Fourier Transform Infrared Analysis of Some Japanese Papers. (p.81-89)
市販されている和紙のFTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)による分析。これらの和紙を、セルロースだけで製紙したもの、手漉き和紙と比較し、それぞれの紙に含まれるヘミセルロース、化学パルプ、炭酸塩等無機フィラー、リグニンの量の測定に対するFTIR法の可能性を見た。ヘミセルロースは1600と1660の、リグニンは1510の、木材パルプは810の、無機炭酸塩は1790 cm -1のスペクトラムで測るのが最も有効であるのが判った。
Sonja Titus, Regina Schneller, Gerhard Banik, Enke Huhsmann und Ulrike Hahner: The Copyinf Press Process: History and Technology, Part I. (p.90-102)
.プレス機による文書の複製は1780年から行われてきた。コピー・プレス用のインクで書かれた文書はインキが湿気を含んでいる間に平滑でサイジングされいない紙に圧されて複製物が作られた。こうした物性をもつインクだけに水に弱く、傷みが顕現化している。この論文はコピー・プレスの歴史と技術の変遷を明らかにし、コンサーバターが資料を同定するための糧とすることを目的にしている。
Vladimir Bukovsky, Maria Trnkova, Peter Nemecek und Peter Oravec: Light-induced Oxidation of Newsprint Sheets in a Paper Block. (p.114-131)
新聞を束にして、メトキシドメチル炭酸マグネシウムによる非水性脱酸性化したもとの、していないものを、改良を施した太陽光輻射設備で光酸化劣化させた。束にすることで、表面だけでなく、内側の紙への光による変色の影響を見る。予想以上に深いところにまで影響を及ぼしていた。脱酸性化処置は光酸化を著しく改良できることが判った。
Ulrike Hahner: Condition Report of the Ink Corrosion Damage in the Handwritten Estate of the Jurist Freidrich Carl von Savigny. (p.131-142)
18世紀の著名な法学者Freidrich Carl von Savignyの手稿資料のインク焼けの状態調査。資料のデジタル化を前提に、マーブルグ大学図書館に所蔵されている手紙約4,500点、原稿その他20,000点を調査した結果、大半が良い状態を維持しており、わずかに1% が酷いインク焼けの被害を生じていることが判った。以前に行われたランダム・サンプリングでのチェックではもっと高い比率だったが、チェックの方法が単純すぎたのではないか。この調査を元に、今後の保存計画の推進と、劣化の程度に応じた処置を図る。
Restaurator
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