ほぼ日刊資料保存

必也正名乎

図書館やアーカイブ等の資料保存に関する世界のニュースを伝える、ほぼ日刊のページです。 土日・祝日は休刊します。 リンクも引用も自由です。

2007 年 のアーカイブ

2007年12月27日(木)

LIBER会議のレポートから:Google との蔵書デジタル化の事例、デジタル化計画へのコンサーバターの関与

今年5月にストックホルムで開催されたLIBER(欧州研究図書館連盟、350図書館が加盟)の国際会議 LIBER Think Tank on the future value of the book as artefact and the future value of digital documentary heritage の参加レポートが IFLA(国際図書館連盟) のInternational Preservation News (No.42, October 2007) に寄せられている(p.37-39)。レポートの著者はオランダ国立図書館「オランダの記憶」プログラム・マネージャーの Ingeborg Verheul。


情報と人間の思索を運ぶ物理的な媒体である印刷物の役割はデジタル技術の追撃に会い、その未来が疑問視されている。一方、デジタル的な文化遺産の未来も、盛んな論議の的だ。あらゆる分野から提出されている以上のような課題に応えるため、同会議は「価値と信頼性というコンセプトは伝統的に物理的なモノとそのコレクションの上に築かれているものだったが、デジタルの発展によりモノとしての価値は減少するのか、それとも増大するのか? ヴァーチャルな情報の媒体の価値と信頼性はどこにあるのか? 目も眩むような量の、最初からデジタル記録として生まれてくるボーン・デジタル記録や "古い"記録物をデジタルに代替したものははたして新しい文化記録遺産になるのだろうか?」を主な論点として各国から80余名を集めて開催された。三つのセッション(The Future of the book、Preserving what?、Is there a digital cultural heritage?) のうち第2セッション Preserving what?(保存すべきは何か?)での3つの発表のレポートを以下に要訳する。

 

The Google experience(グーグル体験) by Carla Montori, Preservation Projects Librarian, University of Michigan


ミシガン大学図書館は1993年に館単独でマイクロフィルムからのデジタル化を進めたが、この時には1フィルム(340ページ)当たりの費用は約100ドルを要した。グーグルとのプロジェクト(原本のスキャニング)では一冊当たりの費用は10ドルになった。一週間に250冊(8時間シフトで一日50冊、7万画像)、年間だと1200冊で、1993年のデジタル化の約2倍になる。グーグルはデジタル化の良し悪し(quality control)を、その画像からのOCRでのテキスト・データへの転換がうまくゆくかどうかで決めている。


グーグルとのプロジェクトにより、それまであった館内での代替の仕事は無くなった。また資料保存の仕事が蔵書指向(collection oriented)から技術指向(technology oriented)になった。この結果、物理的な補修処置等は蔵書構築部門の仕事になり、資料保存課が廃止された。


デジタル化により現物へのアクセスは減る、というのは作り話でしかない。グーグルとのデジタル化は、その現物へのアクセスの頻度を逆に増加させている。

 

The decision process in digital projects (デジタル化計画での決定プロセス) by Jan Paris ,Conservator, Special Collections Chapel Hill University


現物へのコンサベーションとデジタル化(スキャニング)の決定プロセスはほとんど同じ問題を孕むのだから、ある資料のデジタル化の適正を決める時には、What、Why、Which、Who、When という問いかけが必須だ。またこれらとともに、どのぐらいの費用がかかるのか、それはどのように賄うのか、技術的にどのように行うのかが問われなければならない。


デジタル化を達成するために原本が「犠牲」になったり、原本の持つ研究的な価値が損なわれるようなことがあってはならない。このためにはコンサーバターはデジタル化計画の最初期の段階から関わるべきであり、デジタル化を実際に行う業者との契約内容にコンサーバターが参画すべきだ。

 

Authenticity and the role of the original (真正性とオリジナルの役割) by Lars Bjork, Preservation Coordinator, National Library of Sweden


文化財と呼ばれるものは、有意味性(significance)、材料(material)、形態(form)の三つ性格があり、美術館・博物館資料はこの三つに同格の重要性があると見られる。しかし、文書資料を主としたアーカイブでは「形態」は、他の二つほど重要性はなく、図書館資料は有意味性(significance)が最も重要な性格になる。真正性(authenticity)の定義が機関によって異なるのはこの三つの捉え方が異なるためである。


その図書館資料は、内容(contents)が提供されれば良しとするのか、それともモノとして持つ情報の全部を提供するのかを選択するのが重要だ。すなわち、その本は単に情報の媒体にすぎないのか、それともそれ以上のものなのか–と。


「資料保存」と「デジタル化」は、お互いが分かり合えない言葉を使っている。デジタル化にあたってはこの「言葉の壁」を乗り越えるために、コンサーバター、代替作業に携わる撮影者、そしてカタロガー(目録作成者)がプロジェクトに関わることが必須だ。

 

※全体のプログラムは以下に。


LIBER Think Tank on the future value of the book as artefact and the future value of digital documentary heritage, National Library of Sweden, 24-25 May 2007

 

International Preservation News

 

 

(要訳文責:木部徹)

2007年12月26日(水)

学習院大学院アーカイブズ学専攻過程の授業科目と担当、記録史料保存論として安江明夫講師

全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)の『会報』(No.80、2007.11)は高埜利彦・学習院大学教授による「大学院アーカイブズ専攻過程の開設」を掲載している(p.16-17)。日本で初の大学院レベルでのアーカイブズ学専攻として来年4月にスタートする同過程は博士前期課程15名、博士後期課程3名、専任教員は5名を予定している。科目はコア科目、学際科目、応用科目に分かれ、コア科目(11科目)のひとつとしてアーカイブズ・マネジメント論研究Ⅲ(記録史料保存論)が設置されている。安江明夫氏(国立国会図書館顧問)が講師として担当する。

 

学習院大学院アーカイブズ学専攻
※上記HPには現時点(12月26日)では科目の一覧は掲載されていない。

2007年12月25日(火)

英国図書館センター・フォ・コンサベーションの仕事を動画で紹介、敦煌遺物の巻子やメルカトル地図冊子など

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今年10月に正式オープンした英国図書館センター・フォ・コンサベーション(British Library Centre for Conservation) のサイトは貴重な資料に対する同センターでの保存修復手当てを動画で紹介している。刊期の明確な現存最古の印刷物である敦煌遺物「金剛般若経」(10世紀)やチベットのラーマーヤナ(9-10世紀)、メルカトル図法による16世紀の地図(冊子)など5つの資料を対象にした手当てを、全 6分ほどのストリーミングの動画で見ることができる。

 

Videos: conservators at work

2007年12月21日(金)

インク焼けへのフィチン酸カルシウム/炭酸水素カルシウム処置の詳細なマニュアルがhtmlとPDFで

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国際的なインク焼け研究協力プロジェクトのサイト Inc Corrosion Website は、没食子インク焼け(iron-gall ink corrosion)への水性処置の定番になったフィチン酸カルシウムと炭酸水素カルシウムの組み合わせによる処置マニュアルをサイトに掲載した。事前のアセスメント、処置の準備、適用法、参考文献まで、豊富な画像とともにマニュアルとして最も詳細なものになっている。


オランダ国立文化財研究所(ICN)の Johan Gerrit Neevelらにより1995年に開発されたこの方法は、その副次的な影響も含めて、各国での研究や試験が進み、現在では最も安定した効果が得られる処置方法として定着しつつある。今回のマニュアルは Neevel とともにこの方法の開発と試験、普及に携わってきた Birgit Reissland (ICN, Amsterdam)が中心になり, Karin Scheper (University Library Leiden/NL) 、Sabine Fleischer (Broekens and Fleischer Book and Paper Conservation, Nijmegen/NL)が内外の研究者やコンサーバターの協力を得て完成した。

 

Calcium-phytate / calcium-bicarbonate method

2007年12月20日(木)

米国立公文書館の電子記録アーカイブ(ERA)システム、ソフトウェアが第一フェーズ試験を無事通過

アメリカ国立公文書館が戦略的イニシャチブとして構築を進めている電子記録アーカイブ(ERA)システムのソフトウェアが政府による各種の試験を無事通過し、引き続き第二フェーズに入ることになった。ERAはアメリカ政府の電子記録形態の公文書の長期の保存とアクセスを保証するためのシステム。昨春、開発を委託されたLockheed Martin Corporationによるハードウェア開発が始まるのと並行してこの9月に最初のパイロット・ソフトウェアがリリースされ、幅広いエンジニアやエンド・ユーザーによる試験が行われていた。最終フェーズのためのパイロットのリリースは2008年3月を予定している。

 

Successful Test for First Phase of National Archives Electronic Records Archives System

2007年12月20日(木)

Restaurator 、「各洗浄法による有機酸除去の効果」や「固相脱酸法の老化・非老化紙への影響」等の論文

紙媒体記録資料のコンサベーションのための専門誌 Restaurator 最新号(Vol. 28, 2007- No. 3)は以下の論文を掲載している。

 

P. Nuglbe. : The Achilles Heel of the Preservation of Documentary Materials in Sub Saharan Africa: Knowledge and Skills of Funding? (p.159-168)


アフリカ・サハラ以南の各国の資料保存は今後充分な資金投入と人材の育成が必須であるが、しかし資料保存教育をされた蔵書管理の専門家を育てなければ資金投入も無駄になる。

 

Y. Uchida(内田由紀). et al. : The Evaluation of Aqueous Washing Methods of Paper by the Mesurement of Organic Acid Extraction.(p.169-184)


漬浸、ブロッティング(ろ紙吸着)、超音波ミスト+サクション・テーブルの3つの方法で各種の本文紙の水洗浄を行った場合の、紙中の有機酸の除去効果を比較。薄く、粗な紙の場合は漬浸法が最も効果があり、ミスト+サクション法がこれに次ぐ。厚く密な紙の場合はサクション法は効果がほとんどない。ブロッティング法は有機酸除去についてはもっとも効果が薄い。

 

E. Stefanis, C. Panayiotou. : Protection of Lignocellulosic and Cellulosic Paper by Deacidifiation with Dispersions of Micro- and Nano-particles of Ca(OH)² and Mg(OH)² in Alchols. (p.185-200)


アルコールに分散させた水酸化カルシウムと水酸化マグネシウム微粉末のリグニン含有紙とセルロース紙への適用による劣化抑制効果の試験。あらかじめ老化させた紙と老化させない紙を浸し、人工加速劣化試験をしたところ、あらかじめ老化させた紙には効果的だったが、老化していない紙には保護効果はなく重合度が低下した。繊維の隙間に入り込んだ高いpHをもつ水酸化カルシウムやマグネシウムによりセルロースのアルカリ加水分解が生じたためと推測される。

 

M. Zotti. et al. : Inhibition Properties of Simple Fungistatic Compounds of Fungi Isolated from Foxing Spots. (p.201-217)


脱酸性化剤としても使われているプロピオン酸カルシウム(calcium propionate)を水およびアルコールの溶解させたもの、市販の防カビスプレーの効果の比較。プロピオン酸カルシウム・エタノール飽和溶液(3.5 g/l)が最もカビ抑制効果が高かった。

 

A. Knop. et al. : Paper and Board on Closed Boxes: Alteration of Water Sorption Capacity during Cyclic Temprature Changes. (p.218-224)


保管箱 solander box 【夫婦箱のような構造–訳注 】に収納した紙、ボード、コルゲート構造のシンクマットの含水性が外気の温度変化によってどのように変わるかを試験。短いスパンで25℃と56℃の二つの温度設定を繰り返す環境に置いたとき、含水性は徐々に低下して行く。また二つの設定環境での吸水・放水カーブも緩やかになって行く。これは乾湿を繰り返すためにセルロースの密度が高くなるのが原因と思われる。

 

 

(要訳文責:木部徹)

2007年12月20日(木)

書籍出版協会、雑誌協会等が『日本出版百年史年表』のデジタル版をウェブでスタート

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日本書籍出版協会、日本雑誌協会と出版ニュース社はこのほど共同でデジタル版『日本出版史年表』を公開した。紙媒体による出版物『日本出版百年史年表』(布川角左衛門編集委員長)は書協創立10周年を記念して1963年に刊行されたが、近代の日本の出版物の基本的なインデックスとして現在でも利用が多いにも関わらず入手が困難になっていた。今回ウェブで公開したのは1958年から1967年の10年間分だけだが、今後、刊行以降の40年分と、遡っての約130年分を製作し、公開していくという。

 

デジタル版『日本出版史年表』』

2007年12月19日(水)

国立国会図書館、1月23日に「ウェブアーカイビングの現在と展望」で講演とディスカッション

国立国会図書館は2008年1月23日(水)に「ウェブアーカイビングの現在と展望-国際連携に向けて-」と題する講演とディスカッションを行う。ウェブアーカイブを中心とするデジタルアーカイブ全般について、その意義と必要性、最新の国際動向などについて、国際的活動を繰り広げるクリス・カーペンター(インターネットアーカイブ ウェブグループ ディレクター) 、ジュリアン・マサネス(ヨーロピアンアーカイブ ディレクター) の講演と、喜連川優(東京大学 生産技術研究所 教授) を交えてのパネルディスカッションが予定されている。参加は無料。詳細は下記ページで。

 

講演とディスカッション:「ウェブアーカイビングの現在と展望-国際連携に向けて-」

2007年12月19日(水)

ラスコー洞窟の壁画に再びカビが発生、「環境の変化が影響か??」–保存科学者にも原因は不明

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12月8日付けニューヨークタイムズによると、フランス・ラスコーの洞窟壁画に黒色と灰色のカビが発生した(写真の牛の角の上部)。この10年間で二度目になる。原因については、温湿度管理システム、研究者による照明、人が排出する二酸化炭素–等々が複合した洞窟内環境の変化によると推測されているが、保存科学の専門家にもはっきりした理由は判らないという。同壁画は1万5~7千年前に描かれたもので1940年に発見された。

 

Fungus Once Again Threatens French Cave Paintings

2007年12月18日(火)

ハーバード大学とインディアナ大学が音響資料の保存に関するレポートをPDFで共同出版

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ハーバード大学とインディアナ大学は共同プロジェクト Sound Directions の活動の一環として、このほど音響資料の保存に関するレポート"Sound Directions: Best Practices for Audio Preservation"を出版した。PDF形式(168p, 5.52MB)で同プロジェクトのサイトから無料でダウンロードできる。


この共同研究は.アメリカ人文科学基金からの援助により両大学のチームが2年間かけて行った共同研究の成果をまとめたもの。各種の音響資料の保存と利用のための機器、デジタルファイル、メタデータ、保管法、保存のためのシステムとワークフローから構成されている。それぞれのチャプターは、一般の図書館や学芸員のための非専門家向けの解説と、音響技術者等の専門家に向けた解説(両大学の音響資料保存の詳しい保存システムの紹介を含む)の二本立てになっているのが特徴。

 

Sound Directions: Best Practices for Audio Preservation

2007年12月18日(火)

日図協資料保存管理チーム連続セミナー、1月25日に「地域資料の整理と保存修復–小平市の事例」で

日本図書館協会資料保存委員会保存管理チームは連続セミナー「調査から計画へ」の第5回として、蛭田廣一氏(小平市立中央図書館長)による「地域資料の整理と保存修復–小川家文書の事例」を1月25日(金)18:30分から日本図書館協会会議室(東京・中央区)で開催する。

 

資料保存委員会保存管理チーム

2007年12月6日(木)

OCLC Western Service Center、オンラインでの資料保存教育プログラム "Preservation 101"の受講者募集

OCLC(Online Computer Library Center) Western Service Center のオンラインでの資料保存教育プログラム Preservation 101: Basics for Paper and Media Collectionsは来年1月からの新規の受講者を募集している。期間は1月7日から2月29日までの8週間で、ウェッブ上の"仮想教室"の受講者数は12名に限定。有料で、同Service のメンバーは250ドル、メンバー以外は325ドル。紙媒体記録資料の保存を中心に、資料保存計画の立案、資料保存の歴史的な理解、調査法–等々を教えるカリキュラムになっている。

 

Preservation 101: Basics for Paper and Media Collections

2007年12月4日(火)

豪メルボルン大学コンサベーション・センターの東洋の紙繊維のデータベース、同定のための鮮明な染色画像

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オーストラリアのメルボルン大学文化財コンサベーション・センター(Center for Cultural Materials Conservation)はこのほどコンサベーションのための東洋の紙の繊維を同定するためのデータベース Oriental Papaermaking Fibers database をウェッブにアップロードした。同センターのインターンシップの業務のひとつとして Travis Tayler がまとめたもので、紙媒体の繊維のうち東洋の18種類の紙の繊維の物理的な特徴(長さ、幅、尖端の形状、縒り)と、ASTM 1030-95に則した二つの繊維染色法(Herzberg、Graff’C')によるカラー画像を掲載している。これまで、各種の印刷媒体では染色した繊維のカラー画像が掲載されている例もあるが、ウェッブのホームページでまとめたのは初。

 

Oriental Papermaking Fibres

2007年11月29日(木)

弊社からのお知らせ:コンサベーション及びアーカイバル容器部門の新規正社員及びアルバイトを公募します。

※募集を締め切りました。沢山のご応募に感謝します。(12/20)

 

 

 

有限会社資料保存器材は新春からの修復(コンサベーション)及び保存容器(アーカイバル容器)部門の正社員2名、およびアルバイト2名を公募します。期日・待遇等の詳細は下記のPDFをダウンロードし、ご覧下さい。

 

2008年度有限会社資料保存器材正社員及びアルバイトの募集要綱

 

なお2005年度の修復(コンサベーション)部門正社員採用の際の学科試験は以下の通りです。
2005年度採用学科試験問題

2007年11月29日(木)

フロリダ大学図書館資料保存課、蔵書へのゴキブリの被害を動画で見せる Bugs vs. Booksを YouTube に

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フロリダ大学スマサーズ図書館資料保存課(University of Florida Smathers Library Preservation Dept.)は同大学デジタル図書館センター(University of Florida’s Digital Library Center)及び同大学虫害研究科(University of Florida Entomology & Nematology Dept.),と協力し、ゴキブリ(American Cockroach)が本の表紙を蝕んでいる様子を3分30秒の動画にまとめて You Tube(動画共有サービスサイト) にアップした。

 

2007年11月28日(水)

ペーパー・コンサーバター発案の Tape is Evil をコンセプトにしたカレンダーやT-シャツやマグカップ

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オースチン(米テキサス州)在住のペーパー・コンサーバターの Beth Heller が発案したTape is Evil 関連グッズが発売された。Tape とは資料などに貼られている粘着テープのことで、経時劣化してゆくと除去が難しく、ペーパー・コンサーバター泣かせの処置になる。今回のグッズは、このテープでの害をうったえることで、コンサベーションという仕事への認識を深めてもらおうという趣旨の元に生み出された。カレンダーは月ごとに、ペーパー・コンサベーションの主な行程が写真で掲載されている。上記の January 2008 は水による洗浄(aqueous cleaning)の画像。

 

 


Tape Is Evil: a store full of stuff for book and paper conservators, archivists, curators, librarians, and everyone else who cares about cultural heritage. 
http://www.cafepress.com/tapeisevil

 

Beth Hellerの Blog

2007年11月26日(月)

カナダ文化財研究所、『コンサベーションのためのpH計測のガイドライン』を上梓

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カナダ文化財研究所(CCI)はこのほど、同研究所が刊行しているテクニカル・ブレティンのひとつとして、Guidelines for pH Measurement in Conservation を上梓した。コンサベーションの分野では、対象が紙媒体に限らず、適切な処置を行うために、酸性度、アルカリ度の指標としてのpH(水素イオン指数)の計測が日常的に行われるが、対象物や計測の機器類、あるいは方法の違いによって誤差や再現性に狂いが生じることが多い。この小冊子は信頼性が高く再現性のある正しい計測の方法を解説したもの。著者は同研究所のSeason Tse。

 

TB #28 Guidelines for pH Measurement in Conservation
$15.00
paperback, 23 pp, 2007
ISBN: 978-0-660-19766-1

 

下記ページから入手できる。
http://www.cci-icc.gc.ca/bookstore/viewCategory-e.cfm?id=18&thispubid=514

2007年11月22日(木)

Conti著『芸術作品の修復とコンサベーションの歴史』の英訳本が上梓

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Alessandro Conti 著、Helen Glanville 訳のHistory of the Restoration and Conservation of Works of Art が出版された。ヨーロッパの中世から19世紀末までの芸術作品の修復およびコンサベーションの実践と考え方を跡づけたもので、広範囲に渡る出典の簡潔な紹介、用語の解説、参考文献が付いている。


ペーパーバック: 464ページ
出版社: Butterworth-Heinemann
ISBN-10: 0750669535
ISBN-13: 978-0750669535


目次は以下のページで
http://www.amazon.co.jp/gp/reader/0750669535/ref=sib_rdr_toc?ie
=UTF8&p=S006&j=0#reader-page

2007年11月20日(火)

フロリダ大学図書館、「本の取り扱い方」を動画にしてYouTubeにアップロード

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フロリダ大学(The University of Florida )図書館は本の劣化を防止するための取り扱い方(Book Care)を動画にまとめ利用者向けの教育ビデオとして You Tube(動画共有サービスサイト) にアップロードした。棚からの本の引き出し方、コピーの正しい取り方、飲食が誘引する虫害、水濡れ被害、不適切な補修–等々で、part 1 と part 2 の全体で12分。

 

Book Care part 1

 

Book Care part 2

2007年11月19日(月)

英国立図書館(BL)、代替マイクロフィルムのマスター登録(RPS)に関するアンケート調査をウェッブで

英国立図書館(British Library)は資料保存のための代替マイクロフィルムのマスター登録に関するアンケート調査をサイト内に置いたアンケートのためのページで開始した。〆切は11月30日。


この登録制度は Register of Preservation Surrogates (RPS) と呼ばれるもの。マイクロフィルムを所蔵する機関が、BLが管理する書誌事項を記録したデータベースに登録することで、他機関がマイクロ化を図るときに、このデータベースにアクセスし、他機関が保有する場合にはそこから複製物を得られる。


調査は Contact(PRSを知っているか–等)、Use and access(これまで利用したことがあるか、どのぐらいの頻度か–等)、Contributing to the databese(登録をしたことがあるか、現在もしているか–等)の18の質問にページ上で答えて送信する。

 

 


Register of Preservation Surrogates Review Survey

2007年11月19日(月)

青焼きなどの写真複製図面の同定とケアのためのマニュアル改訂版が来年2月に上梓

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コンサベーションに関わる二人の著者が1999年に刊行し好評を持って迎えられたArchitectural Photoreproductions: A Manual for Identification and Care が、内容の改正と、最初の上梓以降の新しい参考文献を加えて、来年2月に刊行される。1860年~1960年に主として建築図面等に多用されてきたサイアノ(シアノ)写真図面やジアゾ写真図面等は、その方法が歴史的にも地域的もさまざまで、現在残されている実物からの同定が難しく、これへの保存手当ての選択も限られていた。同書では色や線の形などをフローチャートで追うことで、いつごろどのような方法で作られたものか、またその方法に由来する劣化の特徴や、劣化抑制のための処置等が判る。

 

 
Architectural Photoreproductions: A Manual for Identification and Care (Paperback)
by Eleonore Kissel, Erin Vigneau
2008, 136p, ISBN 9781584562160, $ 49.95
OAK Knoll Press