ほぼ日刊資料保存

必也正名乎

図書館やアーカイブ等の資料保存に関する世界のニュースを伝える、ほぼ日刊のページです。 土日・祝日は休刊します。 リンクも引用も自由です。

2007 年 1 月 のアーカイブ

2007年1月31日(水)

サザビーズ社のHPがレンブラントの「大ヤコブの肖像」の修復をビデオ・クリップ(動画)で、iPodにも対

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オランダの油絵のコンサーバター Martin Bijl によるレンブラントの「大ヤコブの肖像」(St. James the Greater)の修復工程が、世界最大の競売会社サザビーズ(Southeby’s)のホームページにおいて、ビデオクリップで見ることができる。競売(1月25日)のためのプレゼンテーション用に作成されたもの。動画対応のiPod にもダウンロードできる。


Southeby’s Private View

2007年1月30日(火)

9/11「アメリカ同時多発テロ」記録化のためのシンポジウムが今春、ニューヨークで開催

ニューヨーク州立公文書館が主催するワールド・トレード・センター記録化シンポジウム(World Trade Center Documentation Symposium)が3月29日にニューヨークで開催される。この悲劇的な事件の当時の様々な記録や記憶を残し、将来も記録し続ける活動ための会議になる。アーキビスト、記録管理者、コンサーバター、歴史家等のさまざな立場からの講演や報告が行われる。

 

World Trade Center Documentation Symposium

2007年1月30日(火)

オランダ国立公文書館がハイパースペクトラル・イメージ技術を応用し、歴史資料の状態変化を数値で解明

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システムと原理、および地図資料上の顔料変化の数値化

 

 

オランダ国立公文書館(National Archives of the Netherlands)の保存修復部門はこのほど、ハイパースペクトラル・イメージング技術を使い、歴史的資料の劣化や環境による変化を非破壊的に計測し、数値化できるシステムを開発した。国際図書館連盟(IFLA)資料保存分科会の機関誌 International Preservation News の最新号(NO.40, December 2006)がThe Quantitative Hyperspectral Imager: A Novel Non-destructive Optical Instrument for Monitoring Historic Documents として掲載している(p.4-25)。


ハイパースペクトラル・イメージング(hyperspectral imaging)は、人の目ではもちろん、従来の工学的なセンサでも捕らえることができない近赤外線光までをカバーし、また、100以上の連続した観測バンド数による極めて高いスペクトラル分解機能を持ったセンサーを使用する。一般的な光学センサは主に肉眼でも視認できる色、形によって、観測対象物を判別するのに対して、ハイパー・スペクトラル・イメージングでは、観測対象の物性を判別し、数値化できる。


オランダ国立公文書館では、例えば貴重な歴史資料を展示したり貸し出したりする際に、その前後の資料の色材や紙の黄化等の変化はコンサーバターの目によって視認するしかなかった。また保管時の環境等による劣化も同様だった。


ハイパースペクトラル・イメージング・システムを使うと、一枚物資料の表面のさまざまな部位の変化だけでなく、三次元の冊子の形態でも、非破壊的に測定し数値として提示できる。論文ではこの技術を、1667年に描かれた地図に応用し、顔料の状態や基材の紙の変色を計測している。


このセンサは元々はアメリカ航空宇宙局(NASA)の開発によるもので武器や宇宙衛星に組み込まれて使われてきた。日本でも同種のセンサーやシステムが実用化されているが、この技術を歴史資料の保存分野に応用したのはオランダ国立公文書館が初。

 

International Preservation News, No.40, December 2006 (PDF 3.7MB)

2007年1月30日(火)

文化財保存修復学会、初の学会賞等の表彰に向けて推薦を受け付け

文化財保存修復学会は昨年決定した表彰規程にもとづく初の表彰のための推薦を受け付けている。締め切りは2月28日。賞は学会の最高賞である学会賞、業績賞、それに奨励賞の三賞で、表彰対象者(個人)は規定に基づき会員の自薦、他薦あるいは表彰委員の推薦をもとに表彰委員会で審議される。詳細は下記ページで。

 

表彰者推薦のお願い

2007年1月29日(月)

国立公文書館が東京裁判関係資料を公開、弁護人収集の裁判未提出資料(私的メモ、日記、手記)など

国立公文書館では、平成11年度に法務省から極東国際軍事裁判(東京裁判)関係資料約6,000冊の移管を受けた。このうち、裁判記録等の公判資料を含め約3,500冊は既に公開している(要審査公開を含む)。しかし残りの約2,500冊には、弁護人が収集した裁判に未提出の、個人に関わる私的メモ、日記、手記等が含まれているため、従来非公開としてきた。今回、これらの資料についても、改めて同館の利用規則に基づき、公開へと漕ぎ着けた。

 

戦争裁判関係資料の公開について

2007年1月29日(月)

東洋文化研究所アジア古籍保全講演会、熱のこもった講演・報告と170余名の参加者迎えて盛況

1月23日(火)に開催された東洋文化研究所主催「第2回アジア古籍保全講演会」は時期を得たテーマと、力のこもった講演者の話により、5時間半という長時間にも関わらず、学内、学外の大学や図書館等から計177名もの参加者を得て盛会だった。研究所のサイトには速報が掲載された。 各講演・報告はまとめられ、同サイトに掲載される予定という。

 

060291

第2回アジア古籍保全講演会を開催しました

2007年1月29日(月)

コスト圧力と中性抄紙での効果狙い、サイズ剤が現在のAKDからASA(アルケニル無水コハク酸)に移行へ

紙パルプ技術協会の機関誌『紙パ技協誌』の最新号(第61巻2号、2007/2)は、「新規ASAサイズ剤の開発とそのシステム化」を掲載している。サイズ剤メーカーのソマール株式会社の技術者の執筆(p.43-47)。


それによると–

 

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近年、古紙の配合の増加や一層の生産性の向上に対して、製紙業界では安価な抄紙薬剤の見直しが進んでいる。これまで酸性抄造で使用されてきた硫酸バンドは、ロジン系サイズ剤の定着に効果を発揮してきたが、中性抄造では硫酸バンドはは効果を発揮しにくいという理由から使用頻度が少なくなり、ロジン系サイズ剤の定着に支障をきたし、サイズ効果の低下が生じてきている。


また、中性抄造で使用されてきたAKD(アルケルケテンダイマー)は品質とコストの面から使用が頭打ちになり、替わってASA(アルケニル無水コハク酸)サイズ剤が注目され始めてきている。紙の中性化が進んでいる欧米ではAKDとASAがサイズ剤の70%を占め、うち20~30%がASAになっている。一方日本では現時点ではわずかに2%であるが、今後は中性抄造でのサイズ効果が高く、安価なサイズ剤として普及することが予想される。

 

ただし、現在のASAはデポジットが生じて汚れるという問題がある。ソマール株式会社はASAサイズの分散乳化方法を検討し、最適な高分子乳化剤の設計に成功し、デポジットの発生を抑えた新規のASAサイズ剤を開発した。
―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

なお、各種のサイズ剤とpHの関係は以下の通り。

 

 

pH  4             5            6            7            8            9

    —ロジン石鹸-→
           ←-アニオン性ロジン分散液-→
←-カチオン性ロジン分散液-→
←———-ASA———————
                     ←——AKD—–→


『紙パ技協誌』

2007年1月25日(木)

東大創立130周年記念「知の構造化と図書館・博物館・美術館・文書館 -連携に果たす大学の役割」シンポ

東京大学創立130周年記念公開シンポジウム「知の構造化と図書館・博物館・美術館・文書館 - 連携に果たす大学の役割」 が2月17日(土)に東京大学弥生キャンパス弥生講堂で開催される。各機関における知の提示法の共通点と差異を確認しながら、「知の構造化」に貢献できるところを探る。また、図書館、 美術館、博物館、文書館は、国家、都市、大学において知を支える機関として 中心的な位置づけに置かれるべきでありながら、日本での制度的展開が不十分な点を明らかにし、今後のあり方についての政策的な視点を得るところまで議論するという。

 

発表は以下の通り。

 

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早乙女雅博(人文社会系研究科)「高句麗古墳壁画の模写資料」
馬場 章(情報学環)「文化資源統合デジタルアーカイブの試み」
石川徹也(史料編纂所)「学術活動成果の集積としての知識データベース」
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コメントは以下の通り。

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木下直之(人文社会系研究科)博物館学の立場から
佐藤健二(人文社会系研究科)文化資源学の立場から
根本 彰(教育学研究科)図書館情報学の立場から
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詳細は以下のページで。


東京大学創立130周年記念公開シンポジウム「知の構造化と図書館・博物館・美術館・文書館 - 連携に果たす大学の役割」

2007年1月23日(火)

オスロ大学等がデジタル図書館員養成のための修士課程を今年8月から、EU以外からも就学可能

スウェーデンのオスロ大学等三校(Oslo University College, The University of Parma and Tallinn University)は、デジタル図書館員の修士課程を設置し、デジタル資料の取り扱いに特化した図書館員の育成に乗り出すことになった。開講は今年8月を予定している。第一期の学生数は30名、うち20名がEU以外からの生徒に割り当てられている。欧州地域以外の学生には奨学金による助成が用意されている。詳細は下記ページで。

International Master in Digital Library Learning (DILL)

2007年1月19日(金)

米IWG、日本の戦争犯罪に関する記録 100,000ページを機密解除して公開へ

アメリカのナチス戦争犯罪と日本帝国政府記録間機関研究委員会(IWG: Nazi War Crimes and Japanese Imperial Government Records Interagency Working Group )はこのほど、これまで機密扱いされてきた「日本の戦争犯罪に関する記録」 100,000ページを公開した。また、この記録にアクセスするためのガイド Researching Japanese War Crimes Records: Introductory Essays と電子化された記録の検索ガイド electronic records finding aid も合わせて発表した。

 

100,000 Pages Declassified in Search for Japanese War Crimes Records
http://www.archives.gov/press/press-releases/2007/nr07-42.html

 

IWGの活動と公開までのこれまでの経緯については、国立公文書館の機関誌『アーカイブズ』(2006.3, Vol.23)の、米国国立公文書記録管理局法務顧問ゲーリー・M・スターン氏による「公文書館記録の開示及び利用審査」(p.1-18)が触れている。

 

『アーカイブズ』(2006.3, Vol.23)

2007年1月19日(金)

『国会図書館月報』最新号、国立館長会議「情報電子化と図書館」やIFLA資料保存分科会会議等の報告

『国立国会図書館月報』最新号(594号、2006年12月)は、「第33回国立図書館長会議 グローバルな連携を強化する―情報電子化の進展と国立図書館―=生原至剛」、資料保存分科会関係会議、 IFLA/PAC センター長会議 資料保存の現状を知り、 対策を選択する=齋藤友紀子」を掲載している。以下のページからPDF(1.5MB)でダウンロードできる。

 

http://www.ndl.go.jp/jp/publication/geppo/index.html

2007年1月18日(木)

NPO文化財保存支援機構が2月4日に交流会 in 東博、東博の文化財保存修理の展示と講演

NPO文化財保存支援機構(JCP)は2月4日(日)に第16回月例交流会を開催する。今回は東京国立博物館を会場に、同博物館の神庭信幸氏(保存修復課長)による「臨床保存学のすすめ—文化財の保護と東博の使命」と展示の見学を行う。定員は30名。申し込みと問い合わせは下記のJCP事務局へメールか電話、FAXで。

 

http://www.jcpnpo.org/

2007年1月18日(木)

慶應義塾図書館、26日から和・漢・洋の貴重書を展示、あわせて講演会も

慶應義塾大学図書館は、同図書館が持つ貴重書の展示会 「義塾図書館を読む~和・漢・洋の貴重書から~」 を開催する。1月26日(金)~1月31日(水)で、会場は丸善・丸の内本店。合わせて講演会も開催する。入場無料。


講演会は以下の通り。


1月26日(金):佐々木孝浩(慶應義塾大学助教授) 「和本の美容術」
1月27日(土):井上進(名古屋大学大学院教授) 「漢籍からたどる中国の伝統文化」
1月28日(日):高宮利行(慶應義塾大学教授) 「イングランドに輸入された中世写本と初期印刷本」
1月29日(月):小秋元段(法政大学教授)「古活字本の誕生」
1月30日(火):住吉朋彦(慶應義塾大学専任講師)「日本漢学の伝統」
1月31日(水):松田隆美(慶應義塾大学教授) 「挿絵とレイアウトからたどる西洋書物史」

 

第20回慶應義塾図書館貴重書展示会

2007年1月18日(木)

特別記事:「ほぼ日」ニュース・ヘッドラインでたどる2006年の世界の資料保存

2006年の世界の資料保存の主な動きを、「ほぼ日刊資料保存」のニュース・ヘッドラインから拾いました。個々のニュースの詳細は各月のリンク先でご覧下さい。

 

1月
2006年1月12日(木) 日本製紙、今年6月までに新聞用紙を中性紙に全面切り替え

 

2006年1月31日(火) 国立公文書館、ICAの「電子記録管理ガイド」日本語版を公開

 

2月
2006年2月8日(水) カナダ・ケベック保存修復センター、「予防的保存手当て」のための材料や製品のデータベース

 

3月
2006年3月2日(木) 英国図書館、過去最高の補助金で書籍の劣化の「環境要因」と「劣化時の揮発性有機物」を研究へ

 

2006年3月3日(金) 東京大学経済学部資料室が蔵書の劣化調査報告書を上梓、脆弱化した本紙は全体の20%にも

 

2006年3月22日(水) 英国資料保存室が最大規模のニーズ調査、環境管理面での弱点を浮き彫りに

 

4月
2006年4月24日(月) デジタル資料のなにを、どのように残すべきか–評価選別のための決定をインタラクティブに

 

5月
2006年5月22日(月) ドイツ国立芸術アカデミー、デジタル記録の保存専門家養成で国際的な修士課程を10月から

 

6月
2006年6月5日(月) 国会図書館、インターネットでの初の遠隔研修講座として「資料保存の基本的な考え方」を開講

 

2006年6月9日(金) 国会図書館の50年代和図書の劣化調査、ほぼ全部が酸性紙だが「見開きやすさ」ではGood が75% も

 

2006年6月16日(金) 東大経済学部図書館・資料室・文書室スタッフが協力した資料保存ワーキング・グループが発足、新サイトも

 

7月
2006年7月6日(木) 英国図書館が700万冊収納の保存書庫を建設へ、利用率の低い資料を段階的に移管

 

2006年7月7日(金) 総務省、各都道府県知事宛に「市町村合併における公文書の適切な保存に係わる一層の推進について」を発出

 

2006年7月10日(月) 教科書『紙と水:コンサーバターのための手引き』(Paper and Water: A Guide for Conservators)が完成

 

2006年7月11日(火) 埼玉県の県政文書が有形文化財指定に、明治初年から昭和21年の文書全7,971点

 

2006年7月27日(水) 米NEDCCほか、自館の防災・救助計画をオンラインで書き込みながら作成できるサイト dPLan を公開

 

8月
2006年8月3日(木) 世界の文化遺産へのゲートウェイ ”Global Memory Net” がユネスコの支援受けて新サイトで開始

 

9月

2006年9月5日(火) 米議会図書館、資料保存ための試験研究部門の見直しと向上のために200万ドルを投入

 

2006年9月6日(水) 東京都立図書館改革の具体策:「保存年限は原則として百年」、「複数所蔵資料は一点を残して除籍」

 

2006年9月14日(木) デジタル記録保存のための European Archive が9月27日に正式に発足

 

2006年9月21日(木) 8月の「アジアにおける資料保存」コンファレンスの概要報告、「マイクロよりも電子情報として保存」に注目

 

10月
2006年10月19日(木) 国際図書館連盟が「資料保存(PAC: Preservation and Conservation)」の2006-2007年戦略を発表

 

2006年10月24日(火) ヨーロッパの大量脱酸性化技術と実践の最前線– 2月のスイス会議の予稿集がPDFで

 

11月
2006年11月1日(水) 英国立公文書館(TNA)がアーカイバル容器用ボードの評価試験結果を発表、容器の目的別に3つの等級を

 

2006年11月2日(木) 臭化メチル残留で紙の酸性化や変色が進行 — 『保存修復学会誌』(Vol 51, 2006)の東京文化財研の論文

 

2006年11月9日(木) 豪州のコレクション・コンサベーション調査が終了し、報告書 Conservation Survey 2006としてウェッブに

 

12月
2006年12月6日(水) 東京文化財研究所「文化財のカビ被害防止チャート」、予防を主軸に、発生時の処置も明解に説明

 

2006年12月15日(金) 日図協資料保存委員会が保存管理チームを発足、「資料保存管理」(Preservation)の理解の徹底へ

2007年1月17日(水)

「電子化文書の長期保存方法」がJIS規格 Z 6017として正式に制定公示

日本画像情報マネジメント協会(JIIMA)が日本規格協会に原案を提出していた「電子化文書の長期保存方法」が経済産業省の専門委員会の審議を受け、2ヶ月間のパブリックコメント期間を経て昨年12月20日に正式にJIS規格 Z 6017 として制定公示された。


同規格は日本規格協会の以下のページから購入できる。

JIS Z 6017:2006 電子化文書の長期保存方法

 

またJIIMAの原案および解説は以下のページからダウンロードできる。

 

JIS原案

2007年1月17日(水)

JIIMA、スウェーデン国立公文書館の論文「デジタル・ブラックホール」の全訳文を掲載

日本画像情報マネジメント協会(JIIMA)はこのほど機関誌「月刊IM」(Vol.46 No.1, 2007-1)に掲載された論文「デジタル・ブラックホール」ダイジェスト版の全訳を、同協会ホームページに掲載した。

 

同論文はスウェーデン国立公文書館理事でありプリザベーション部長であるJonas Palm氏によるもの。訳は楢林幸一氏(コダック株式会社)。同公文書館が実施してきた文書のデジタル化とデジタルフォーマットの長期保存に関するコストを分析し、安易なデジタル化は将来の「ブラックホール」を生み出すと警告している。

 

デジタル・ブラックホール(PDF 430KB)

2007年1月15日(月)

米国立公文書館、Footnote社と提携し、歴史的文書のデジタル画像4,500万ページを安価に提供

070115

アメリカ国立公文書館はこのほどFootnote社と提携し、同公文書館が所蔵する歴史的文書のなかから選別した資料(約4,500万ページ)をデジタル化した画像を有償で提供するサービスを開始した。利用者は、Footnote社が作成したサムネイル式のデータベースから希望するページを選択し、ダウンロードする。利用料は、年契約が99.99ドル、月契約が9.99ドル。何回でもダウンロードできる。また、一回だけの利用の場合はページ当たり1.99ドルになる。提供する画像には、アメリカ独立以前の議会資料や独立戦争時の写真、FBIの機密ファイル(1908年から1922年まで)などが含まれ、その大半がこれまで同公文書館で実物を閲覧するしかなかったものや、閲覧が制限されていたものという。

 

National Archives Records available on Footnote

2007年1月10日(水)

ホログラフィー干渉法を芸術作品に適用し、非破壊・非接触で過去の手当てや劣化を三次元で再現

070110

レーザー技術の文化財保存修復分野での応用のひとつとしてホログラフィー干渉法(holographic interferometry )を用いて芸術作品のコンサベーション手当てや材料の劣化を計測する方法が登場している。文化財保存修復科学の電子出版 e-PS の最新号(e-PS, 2006-3)で、ギリシアの V. Tornari がHolograpgic interferometry in art conservation としてその原理と実例を紹介している。

 

ホログラフィー干渉法は三次元ホログラムを利用して複雑な物体を干渉的に解析できる。レーザー光を二つの方向に発散させ、一方をホログラフィー記録媒体に直接当てて、他の一つを媒質に拡散的に反射させ、干渉縞として生起されるパタンを写真乾板上に再現すると「三次元写真」が得られる。これを芸樹作品に適用すると、過去に行われたコンサベーションの手当ての適・不適や、均一性、地と補彩部との違い等が非破壊・非接触で読みとれるとしている。

 

以下から全文がダウンロードできる(PDF 505KB)。

 

V. Tornari : Holograpgic interferometry in art conservation

2007年1月9日(火)

安春根著『図説 韓国の古書–本の歴史』が上梓、豊富な図版使い、特質や歴史を紹介

070109

日本エディタースクール出版部は、韓国の古書の歴史が解る『図説 韓国の古書–本の歴史』を翻訳出版した。著者は韓国有数の書誌学者・古書収集家であり出版学開拓の第一人者だった安春根(アン・チュングン)。カラー写真90余点を示しながら、韓国の古書の特質、種類について、歴史的に分かりやすく説いた入門書。

 

日本では韓国の書物についてはこれまでは韓国図書館学研究会編『韓国古印刷史』(同朋舎 1978)などのわずかな著作が紹介されているだけだった。『韓国の古書』の精緻な写真図版には「竹册」(p.6)、バカチ活字本(p.24)、葉子装本(p.25)などの珍しい本が含まれていたり、特有の族譜にについての解説(p.105-106)があり、得難い内容になっている。

 

詳細は以下に。
http://www.editor.co.jp/press/ISBN/ISBN4-88888-372-6.htm