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展示


■「ほぼ日刊資料保存」の記事

2008年7月23日(水)
国立公文書館がICAの「アーカイブズ資料の展示のガイドライン」を邦訳しPDFで公開、傷めずに輸送・梱包・展示するには


国立公文書館はこのほど国際公文書館会議(ICA)温帯気候における資料保存に関する委員会が作成した「アーカイブズ資料の展示に関するガイドライン」(GUIDELINES ON EXHIBITING ARCHIVAL MATERIALS)を邦訳しPDF(全77ページ、780KB)でサイトに公開した。「展示」という、アーカイブズの業務のなかでも大事な活動のひとつでありながら、選定や貸し出し時あるいは輸送や展示の際にどのようやリスクが予想され、それを防ぐにはどのようにしたらよいかを、「資料保存」という観点から述べた邦文文献はなかった。訳は達意であり、アーカイブズだけでなく、図書館さらには美術館・博物館にとっても有益である。見出しは次の通り。

序 文
第1 部
第1 章 選定と貸出し
第2 章 輸送及び梱包
第3 章 環境に対する留意点
第4 章 額装及び展示ケース
第5 章 安全な予防措置及び保安
第2部
付 録
付録1. 資料の輸送
付録2. 展示の際の留意点
付録3. 人工光、照明の選択、留意点、照明器具の点検、フィルター
付録4. 温度及び相対湿度についての留意点
付録5. 展示品貸出覚書
付録5.A. 貸出申込書(様式1、様式2、様式3)
付録5.B. 展示品貸出契約書
付録5.C. 展示環境報告書

国際公文書館会議温帯気候における資料保存に関する委員会 「アーカイブズ資料の展示に関するガイドライン」日本語版(PDF)

原文:GUIDELINES ON EXHIBITING ARCHIVAL MATERIALS


2007年1月30日(火)
オランダ国立公文書館がハイパースペクトラル・イメージ技術を応用し、歴史資料の状態変化を数値で解明


システムと原理、および地図資料上の顔料変化の数値化

オランダ国立公文書館(National Archives of the Netherlands)の保存修復部門はこのほど、ハイパースペクトラル・イメージング技術を使い、歴史的資料の劣化や環境による変化を非破壊的に計測し、数値化できるシステムを開発した。国際図書館連盟(IFLA)資料保存分科会の機関誌 International Preservation News の最新号(NO.40, December 2006)がThe Quantitative Hyperspectral Imager: A Novel Non-destructive Optical Instrument for Monitoring Historic Documents として掲載している(p.4-25)。

ハイパースペクトラル・イメージング(hyperspectral imaging)は、人の目ではもちろん、従来の工学的なセンサでも捕らえることができない近赤外線光までをカバーし、また、100以上の連続した観測バンド数による極めて高いスペクトラル分解機能を持ったセンサーを使用する。一般的な光学センサは主に肉眼でも視認できる色、形によって、観測対象物を判別するのに対して、ハイパー・スペクトラル・イメージングでは、観測対象の物性を判別し、数値化できる。

オランダ国立公文書館では、例えば貴重な歴史資料を展示したり貸し出したりする際に、その前後の資料の色材や紙の黄化等の変化はコンサーバターの目によって視認するしかなかった。また保管時の環境等による劣化も同様だった。

ハイパースペクトラル・イメージング・システムを使うと、一枚物資料の表面のさまざまな部位の変化だけでなく、三次元の冊子の形態でも、非破壊的に測定し数値として提示できる。論文ではこの技術を、1667年に描かれた地図に応用し、顔料の状態や基材の紙の変色を計測している。

このセンサは元々はアメリカ航空宇宙局(NASA)の開発によるもので武器や宇宙衛星に組み込まれて使われてきた。日本でも同種のセンサーやシステムが実用化されているが、この技術を歴史資料の保存分野に応用したのはオランダ国立公文書館が初。

International Preservation News, No.40, December 2006 (PDF 3.7MB)

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