
ドイツ語圏の紙媒体のコンサーバターが集う iada (internationale arbeitsgemeinschaft der archiv-, bibliotheks- und graphikrestauratoren)とハンガリー紙パルプ技術協会 pnyme(papir- es nyomdaipari muszaki egyesulet)は5月25-27日にブダペストの国立図書館(national szechenyi library)で書物や文書他の紙媒体のコンサベーションに使われている様々な粘着剤・接着剤を対象にした国際シンポジウム(international symposium "das halt fur immer - kleben und losen" / "this will stick forever - attaching & releasing")を開催する。このほど発表者とテーマがまとまった。粘着テープや熱圧着テープの使用と除き方、酵素の利用等の他に、最近ヨーロッパでも注目されている「ふのり」や「生麩糊」のコンサベーション分野での応用についても、化学的な所見が発表されるという。主なプログラムは以下の通り。
la désacidification au centre de sablé / n. buisson et a.
the history of paste: from "pap" to "shin-nori"
gabrielle beentjes, rijksarchief in noord-holland (haarlem), the netherlands
report on the cci tapes and heat-set tissues project
jane down et al.,canadian conservation institute (ottawa), canada
the use of solvent gel carbopol to delaminate pressure sensitive adhesive tape, in particular filmoplast products
anja koschel k+m ateliergemeinschaft fur buch- und graphikrestaurierung (bergisch gladbach), germany
japanese polysaccharide adhesives? wheat starch and funori in theory and practical conservation treatments, weronika liszewska, academy of fine arts (warsaw), poland
junfunori: a new media for the consolidation of matt paint, francoise michelm, schweizerisches landesmuseum (zurich), switzerland
leaf casting: the influence of starch and methyl cellulose, coating on the properties of leafcasted paper, jedert vodopivec et al., archives of the republic of slovenia (ljubljana), slovenia
参加費用は、iada の非会員は 140ユーロ。詳細と参加問い合わせは下記へ。
alexander aichinger
alexander.aichinger@oesta,gv.at
fax: +43 1 7954 0109
papir- es nyomdaipari muszaki egyesulet
静嘉堂文庫美術館では「静嘉堂文庫の古典籍第五回 中国の版本~宋代から清代まで~」を開催している。3月21日(月)まで。北宋の「白氏六帖事類集」、南宋の「周礼」、「李太白文集」(以上3点は重文)ほか、清代までの中国の印刷文化を彩ってきた、さまざまな本の持つ魅力を紹介する。詳細は以下に。
http://www.seikado.or.jp/sub0201.htm
特定非営利活動法人の情報公開クリアリングハウスのホームページは「行政機関による文書廃棄の実態調査報告」(pdf 370kb)を掲載している。
「npo 法人情報公開クリアリングハウスでは、国立公文書館の機能が弱く各行政機関からの移管が進んでいないことや、文書廃棄による不存在事例が報告されていることなどから、行政機関による文書管理について重大な関心を持ってきました。そこで、行政文書が廃棄され際、溶解処理、粉砕処理、あるいはシュレッダーくずをリサイクルするためなどの理由で、業者にその処理を委託していることに着目して、どのくらいの分量の文書を廃棄しているのかを、契約・支出に関する文書を情報公開請求し、その実態を調査しました。その結果、情報公開法の施行を前にして文書を大量廃棄している行政機関があることが分かりました」。(原文ママ)
数字は「廃棄文書」の重量(トン)を示し、どのような文書が廃棄され、保存期限が来る前に廃棄された文書がどのくらいあるかはわからないものの、情報公開法が2001年4月に施行されるまえに行政機関が大量に文書を廃棄していたことが解る。
npo 法人情報公開クリアリングハウスのhpは以下に。
http://www.clearing-house.org/

英国図書館(british library )を中心にした大型の国際学術研究プロジェクト・国際敦煌プロジェクト international dunhuang project はこのほど、the british library studies in conservation science volume 3 として dunhuang manuscript forgeries をまとめ出版した。藤枝晃・京都大学教授(1911 - 1998)が、文字や書写材料等を調べた結果、英国、ロシア、中国、日本にある敦煌文書に、1900年以降に作られた贋作がかなりの数含まれているとし、大きな波紋を呼んだのは1997年である。現地の敦煌での偽作だけでなく、羅振玉と並び日本でも有名な中国の書誌学者・李盛鐸も自ら偽作をしていたのではないかと指摘されている(李盛鐸が1910年に相当な数の敦煌文書を取得したことは事実である)。今回の出版物は「敦煌文書の真贋」をめぐって、藤枝氏のはもちろん、文字学、言語学をはじめ、紙や色剤の分析の専門科学者、コンサーバター等が論文を寄せている。【cap文庫で所蔵予定】
dunhuang manuscript forgeries
editors: dr susan whitfield
358 pages 105 b/w and 12 col ills
234 x 156mm
isbn 0 7123 4631 7
価格 = £36
入手は以下から。
http://idp.bl.uk/chapters/publications/idppublications.html#vol3
国際敦煌プロジェクトのサイトは以下に。素晴らしい画像データベース(文書の全ページ!)が検索できる。
http://idp.bl.uk/
藤枝晃教授の問題提起も同プロジェクトの newsletter で詳細が読める。
http://idp.bl.uk/chapters/publications/newsletter_archive/
news08_09/idpnews8_9.html

紙媒体は日本図書館協会から
日本でも一昨年(2003年)に刊行された国際図書館連盟(ifla)の ifla principles for the care and handling of library material (『図書館資料の予防的保存対策の原則』)が世界中の言語へ続々と翻訳されつつある。すでに英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、そして日本語の翻訳が刊行済みだが、これらに続きアルバニア語、アラビア語、クロアチア語、ギリシア語、ポーランド語、ポルトガル語、スロベニア語での翻訳が終わり、刊行された。さらに現在、マレー語、中国語、ルーマニア語、トルコ語への翻訳が進行中である。
iflaは過去に3回、「原則」を発表しているが、今回のは邦題の「予防的保存対策」が示すように、現場で導入しやすく、また効果が高い「予防策」に重点が置かれており、世界のどこの地域でも使える原則として広く受け入れられた。また、紙媒体とともに 、pdf化したものを無料でダウンロードできることも評価された。
ifla principles for the care and handling of library material by edward p. adock with the assistance of marie-therese varlamoff and virginie kremp international preservation issues no.1, 1998
「ifla 図書館資料の予防的保存対策の原則」
国立国会図書館,日本図書館協会資料保存委員会 訳
日本図書館協会資料保存委員会 編集企画
日本語訳は国立国会図書館のサイトからダウンロードできる。
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/data_preserve_01.html
■内容の解説は以下に。
http://www.hozon.co.jp/cap/archives/030701/ifla.htm
三年に一度開催されるicom-cc (国際博物館会議コンサベーション委員会)の第14回大会は、今年の9月12~16日にオランダのハーグで開催される。今回のテーマは "our culture past - your future"。世界からコンサーバター、保存科学者、博物館員等が集い、23のワーキング・グループがそれぞれのセッションでこの3年の成果を発表する。このうち紙媒体に関連する graphic documents wg のプログラムは、4月はじめに正式にリリースされる予定。同wgの2003~2005年の課題は、①紙媒体とパーチメント媒体のコンサベーションの事例とその質の評価法、②没食子インク・顔料による劣化とその安定化、特に各国、各研機関で行われている研究を元にしたコンサベーション処置法と評価法の開発、③非破壊、微破壊分析法の研究、④微生物被害と消毒の研究、⑤適切な実験サンプルの作成およびその入手についての検討---である。⑤については、コンサベーション処置の評価のためにあらゆる機関や研究室での蓄積があるが、これをデータ・ベース化し、出版物および wgのホームページで公開することは、wgとして実現すべき重要テーマであるとしている。9月にハーグで開催される大会では、以上の課題を中心に発表が行われる予定である。
ハーグ大会のページは以下に。
http://icom-cc2005.org/intro/vermeer/?set_lang=en
icom-cc graphic documents wg のページは以下に。
http://icom-cc.icom.museum/wg/graphicdocuments/
■例えば我が社では
コンサベーション・シミュレーション・サンプル
オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州立美術館 art gallary of new south wales はこのほど、中国の伝統的な軸装幀法の工程を記録した dvd ; chinese scroll mounting を作成した。同美術館から入手できる。実演者は同美術館の東洋紙本のコンサーバター sun yu 氏で、紙や絹への裏打ちほか、全行程を詳しく紹介しているという。説明は英語。長さは 103分。価格は 90 オーストラリア・ドル。入手の問い合わせは下記へ。【cap文庫で所蔵予定】
rose peel
rosep@ag.nsw.gov.au
conservation department, art gallery of new south wales, art gallery road, the domain, sydney 2000, australia

以下では、書物を対象にしたコンサベーションという立場からの学び方を述べる。
第二章「古典籍が教える書誌学の話」は、本の姿の変遷の歴史から始まる。書誌学の内容は多彩で分野も多岐にわたるが、まず基礎となるのは本の形態についての考察であるとし、要点を箇条書きにしている。すなわち 「①基本区分--筆者本か印刷本か、印刷ならば製版か、活字版か、②巻子か、帖装か、帖装ならば料紙を糊で張り合わせた折本装か粘葉装か、糸で綴った冊子装か、冊子装ならば粘葉装(てつちょうそう)か袋綴装(ふくろつづりそう)か、(以下略)」。さらに表紙、見返し、料紙、界線の有無と種類、署名の表記法--等々。これらの18箇条について、以下の節で詳説される。18箇条は、書誌学者には当然の心得だろうが、コンサベーションに携わる者にとっても、せめてモノに関わるところだけは押さえたい、と思わせる。特に製本と紙。
製本形態の記述。「綴葉装とは、料紙を五、六枚、あるいは七、八枚重ね合わせて縦に中央から半切して一括りとし、数括りを重ねて、オモテ表紙、ウラ表紙とともに背を糸で綴じたもので、現代でいう大学ノートに近い装幀である。ただ、この装幀の特徴は綴じ糸の結びのたれを外に出さず、料紙の内側に収められていることと、表紙はオモテ・ウラの二枚で、それぞれの表紙の端が若干内側に折り曲げられて、オモテ表紙の端は第一括りと第二括りの間に、ウラ表紙の端は最後の括りとその前の括りの間に綴じ込まれていることである。」(p.65)--- 綴りの運針については定説がまだないが、この記述はモノとしての綴葉装ができあがってゆく工程が目に見えるようで、間然とするところがない。それを、冷泉家時雨亭文庫等の豊富な実例が裏付ける---。
コンサベーション・ドキュメンテーションというものを、コンサベーションに携わる私たちは書く。処置報告書である。どんな材料や道具を使って、どのように処置したか、後々にも解るように書き残す。「処置の可逆性、材料他の安全性」と並び、現在のコンサベーション三原則のひとつになっている。この20年ぐらいの間に欧米その他には定着したが、まだ日本では「処置は秘匿する」が普通になっている。
報告書には、まず condition report を書く。 condition survey ともいう。「状態の調査」である。このきちんとしたフォーマットが、実は、無い。と言うよりも、処置する人(つまり我々のような立場のものだが)が「書誌学的な考察」ができない。だから書けないし、書かない。
そういう私たちに、この本を勧める。そして、目で、手で、確かめてゆく、時間をかけて。やがてコンサベーション・ドキュメンテーションに盛り込めるようになるだろう。日本の書物の condition report を、書誌学的な視点+コンサベーションの視点で書くことができたら、どちらの分野にも役に立つ。
1966年のフィレンツェ洪水による文化財救助以来の歴史を持つ Book conservation にはこの複合的な視点がある。 ブック・コンサーバターでありサッカレー研究で学位を持つニコラス・ピックウォード(N. Pickwoad )を中心に進められた聖キャサリン教会図書館における貴重書群の調査と保存手当て St.Catherine's Library Conservation Project は「書物のコンサベーション」の白眉である。とりわけここで使われた condition survey manual の精緻さには舌を巻く。いまはただ、彼我の差を認めるしかないのである。
同じく第二章の六節「本文の料紙--本の姿と紙の変化」には、コンサベーションに関わるものには、とりわけ興味深い内容となっている。日本の中世の紙の「半流し漉き」のことである。 ん? はんながしすき----?
和紙の製法についてはこれまでも先達(少し古くは寿岳文章、近年では高橋正隆、上島有等の各氏)の研究があり、古代紙(飛鳥・奈良)と近世和紙(室町以降)については良く調べられているが、この二つに挟まれた中世和紙(平安・鎌倉)についての調査はほとんどなかった。
著者は、特種製紙株式会社の研究者である宍倉佐敏(ししくら さとし)氏と共同で中世和紙を調査研究し、古代紙の溜め漉き法が、しだいに流し漉き法を取り入れてゆく過程のなかで、両面書写あるいは印刷に適した「半流し漉き」と呼ぶしかない技法を工夫し、日本独自の「和紙」を製作しはじめていった、という。そして近世に至り、流し漉き法が定着した、という。この変遷を促したのは、書物の利用のあり方である。古代紙が巻物用の料紙としての丈夫さと厚みを、また片面書写用で整った大型の文字が書きやすいように打ち紙や研磨などが行われたこと、しかし平安時代中期になると、粘葉装・綴葉装などの草子本が発達し、料紙も両面書写に適して、漢字・仮名の書写に適した柔軟さが求められた。素材は楮、斐紙(雁皮紙)を併用、代表は杉原紙・檀紙である。そして室町以降、書物が庶民化し、宋版・明版に準じた袋綴という「簡易な」装幀が普及すると、後の美濃紙のような、薄く、軽く、丈夫な紙が出てきて、近世和紙の中心を占めることになる----。(宍倉氏を中心にまとめられた『高野山正智院伝来資料による中世和紙の調査研究』については後日、紹介する)。
「中世和紙の実体が必ずしも明らかにならないのは、数多く現存する和紙の実物資料とさまざまな文献資料との交流研究が充分でないためでもあるが、平安・鎌倉時代の中世の日本人が日本文化を形成するなかで、本をどのように利用し活用していたか、そして本の姿の変化に応じてそれぞれの本に適した和紙をどのように作り、工夫していたか、その実態を理解しようとする努力が充分ではないことが大きな原因であると思われる。」(p.164-5) Fittness for Purpose. であろう。
索引が素晴らしい。平仄ととのい、お手本のようである。組み版のデザインもフォントも的確。本かがりで自然に見開き、読みやすい。またこの本は、ジャケットを外しても美しい。装幀布の質、その布に、普通よりも深く押された黒茶色の表題---。内容に則したということもあるだろうが、版元の、そして装幀者(大貫伸樹氏)の、モノとしての書物への姿勢が清々しい。数物で美しい本というのは、実に美しい。
『古典籍が語る---書物の文化史』
山本信吉(やまもと のぶよし)著
版元:八木書店(東京)
初版発行:2004年11月25日
第2刷発行:2005年1月14日
定価3,780円(本体3,600円)
A5判 304頁
ISBN4-8406-0044-9 C0021
文責:木部徹(資料保存器材)
2003年11月に開催された「紙の若返りを考える」国際シンポジウムの記録がこのほどまとまり、主催者である国立民族学博物館から出版された。同シンポジウムはオランダ国立図書館の henk j. porck 氏と、ドイツzfdの manfred anders 氏を招き、昭和女子大学(東京)で開催されたもの。ポルク氏は「劣化紙の大量強化処理:その可能性と限界」、アンダース氏は「ペーパー・スプリット法の原理と活用」を講演した。今回出版された記録は、二人の英文での講演と、その日本語訳、そして当日使われたプレゼンテーション・ソフトによる画像を掲載している。日本語訳は正確、かつこなれている。訳も含めて人を得たことで、ヨーロッパを中心に開発あるいは導入が進んでいる脱酸性化、紙力強化の二つの技術の「可能性と限界」を概観できる優れた記録になった。
http://www.minpaku.ac.jp/publication/ser/53.html
国立民族学博物館調査報告書 53
国立民族学博物館国際シンポジウム『紙の若返りを考える』
園田直子編、issn 1340-6787, isbn 4-901906-28-3 c3071
価格:1,075円
【cap文庫では未目録化】
入手の問い合わせは下記へ
ミュージアムショップ(千里文化財団)
電話:06-6876-3112
なお、比較的最近の世界の「大量処置」の現状については helmut bansa のが勧められる。
mass treatment: the present situation worldwide.
http://www.asrm.archivi.beniculturali.it/cflr/dobbiaco/
atti/testi/bansa_en.pdf

2004年9月2日に起きたアンナ・アマーリア后妃記念図書館(ワイマール)の火災により被害を受けた貴重書の救済処置工程が、ドイツの資料保存フォーラム forum bestandserhaltung のホームページに掲載されている。同図書館は一万点のシェイクスピア関連コレクション、マーチン・ルターと宗教改革に関連する16世紀のコレクションを持つことで知られている。火災は三万点の貴重書に被害を与えたが、うち 1534年のルター聖書、フンボルト・コレクションなど6千点は救出された。また消火のための水を被ったコレクションはライプチヒの zentrum fur bucherhaltung (zfb) により冷凍乾燥処置が行われた。フォーラムは zfb の manfred anders によるnach dem brand der herzogin anna amalia bibliothek weimar として、被災現場からのサルベージと移送、クリーニングと冷凍、冷凍乾燥とコンディショニング、そして図書館に戻るまでを画像付きで伝えている。なお zfb は旧東ドイツの国立図書館のコンサーバターを中心に設立された企業。
http://www.uni-muenster.de/forum-bestandserhaltung/
forum/2005-01.shtml

米ロチェスター工科大学 ipi (image permanence institute)は、図書館、文書館、博物館の資料の保存のための
"preservation calculator" をフリーソフトとして公開している。アメリカ人文科学基金とメロン財団の支援を受けて開発した。ipiのサイトからダウンロードし展開すると下図のような「計算機」が表れる。
使い方は、左右の温度と相対湿度を表す目盛りのボタンをマウスで上下させると、右側にその設定での紙、写真ほか有機物の保存年限、設定環境レベル、カビの発生の可能性が表示される。有機物は温度が高くなれば劣化が促進され、水分が少なければ抑えられるという原則を元にしている。モノの劣化は温度・湿度だけが関連するわけではなく、あくまでも目安にすぎないが、温度と湿度との相関関係とその影響がよく解る。以下からダウンロードできる(905kb)。windows用 のみ。
http://www.imagepermanenceinstitute.org/sub_pages/8page20.htm
国際図書館連盟(ifla)資料保存分科会は図書館、文書館、博物館などの防災・救助のための "preparing for the worst, planning for the best: protecting our cultural heritage from disaster."を刊行した。2003年7月にベルリンで開催された国際会議の予稿集。戦争を含む人災と、地震や洪水などの天災にどのように備え、災害時、災害後の方策を建てるか。
preparing for the worst, planning for the best: protecting our cultural heritage from disaster.
ed. by nancy gwinn and johanna wellheiser.
munchen: saur, 2005, 192 p. (ifla publications; 111)
isbn 3-598-21842-7
価格: 78 ユーロ
注文は下記へ
k.g. saur verlag
http://www.saur.de
●データベース/ダイレクトリ
association of research libraries digital initiatives database.
アメリカの研究図書館協会によるワールド・ワイドなデータベース
http://www.arl.org/did/
rlg diginews, december 2000
webでアクセスできるコレクション一覧
http://www.rlg.org/preserv/diginews/diginews4-6.html#faq
unesco/ifla directory of digitized collection.
ユネスコとiflaによるダイレクトリ
http://www.unesco.org/webworld/digicol/
●国際協力
interpares (international research on permanent authentic records in electronic systems).
オーストラリア、カナダ、中国、香港、アイルランド、イタリア、日本、オランダ、スウェーデン、イギリス、アメリカによる電子媒体の真正性保持に関する研究プロジェクト
http://www.interpares.org/
digital south asia library (dsal)
center for research libraries(crl)のプロジェクト。運営はシカゴ大学。 南アジア地域の地図、統計、書誌、写真、書籍、雑誌などが対象。
http://dsal.uchicago.edu/ .
●オーストラリア
australian co-operative digitisation project 1840-1845.
http://www.nla.gov.au/ferg/
1840-45年の逐次刊行物とフィクションが対象。マイクロ化、スキャニング、ネットワーク化。オーストラリア全体のデジタル化計画は以下に。
http://www.nla.gov.au/libraries/digitisation/projects.html
●ヨーロッパ
nedlib (networked european deposit library).
欧州委員会(european commission)の支援で1998年に開始。オランダ国立図書館(koninklijke bibliothek)を中核に、フランス、ドイツ、イタリア、フィンランド、ノルウェイ、ポルトガル、スイスが協力。
http://www.kb.nl/coop/nedlib/
●南アフリカ
disa: digital imaging project of south africa.
南アフリカの社会政治学的な資料を世界の研究者と国内の図書館、アーカイブに広く提供する。
http://disa.nu.ac.za
●英連邦(uk)
cedars (curl exemplars in digital archives).
大学研究図書館協会(curl)が共同情報サービス委員会(jisc)からの資金提供により1998~2002に行った研究プロジェクト。oasisモデルによるプロトタイプが。
http:///www.leeds.ac.uk/cedars
the digital preservation coalition.
2001年に発足。英国内および世界のデジタル記憶と知識の保存のため。
http://www.jisc.ac.uk/dner/preservation/prescoalition
●アメリカ.
cornell university. project prism: information integrity in distributed digital libraries
コーネル大学のデジタル図書館プロジェクト。保存、信頼性、相互運用、セキュリティ、メタデータがテーマ。
http://prism.cornell.edu/main.htm
library of congress national digital library program.
議会図書館による国策としてのデジタル化。1995年に開始。アメリカの歴史と文化に関わる基本的なソースを「アメリカン・メモリ」として。100を超える歴史的蔵書から700,000万アイテムを提供。
http://memory.loc.gov/ammem/dli2/html/lcndlp.html
欧州の第一線の文化財保存科学者が協力し、新しい e-ジャーナル "e- preservation science"を創刊した。編集はjana kolar (national and university library, ljubljana, slovenia)、matija strlic (university of ljubljana, ljubljana, slovenia)、jan wouters ( royal institute for the study and conservation of belgium's artistic heritage, brussels, belgium)。pdfで配布される。無料。創刊号には 5本の論文が掲載されている。このうち 本紙関連は strlic 他の 「アルカリ紙のphとは? (what is the ph of alkaline paper? ) 」で、より正確なph値を求める新しい方法を提唱している。冷水抽出法に代表される従来法の欠点(大気中の二酸化炭素が溶け込む等でph値に最大1.5ぐらいの誤差が生じる)のに比べ、新しい方法は二酸化炭素の急速な平衡、炭酸塩の不溶化により誤差を 0.15 まで抑えることできるという。
http://www.morana-rtd.com/e-preservationscience/index.html
英国国立図書館(british library)は自館の蔵書から「歴史的製本」をピックアップし "database of bookbindings" にした。web で検索できる。

製本家、(旧)所蔵者、国、表装材料、色、装飾技術、製本スタイル等からも検索やブラウジングができる。画像はサムネイル(上の写真)→300×400ピクセル→1200×1500ピクセルと選べ、最大は極めて鮮明。現在は15世紀以降の製本だけだが、オランダ国立図書館とも協力し、時代や地域を広げてゆきたいとしている。
http://prodigi.bl.uk/bindings/welcome.htm

米オースチンのテキサス大学ハリー・ランサム人文科学研究所(hrc)が保有するニエプス(joseph nicephore niepce)の世界初の写真が、同研究所やゲッティ・コンサベーション研究所(gci)の長期にわたる研究を終え、その詳細がネットで発表された。「グラの窓からの眺め」と題されたこの写真は、ダゲールによるダゲレオタイプの前の写真法(ヘリオグラフ)による。1826年に撮影された。ウェッブではその発見から、保存手当てにまでいたる研究の詳細を、鮮明な画像とともに知ることができる。
http://www.hrc.utexas.edu/exhibitions/permanent/wfp/
また、ゲッティ・コンサベーション研究所の以下のページからは、動画 the first photograph (realplayer によるストリーミング。4分26秒)を見ることができる。
http://www.getty.edu/conservation/publications/videos/
粘着物を除くときに各種の有機溶剤を使うが、溶解パラメータを見るには、英国博物館の teas が作った方法が頼りにされていた。しかしこの方法は酸-塩基反応を考慮せず、計算もしにくい等の欠点があった。アメリカ国立公文書館(nara)の mark ormsby は visual basic による計算システム "solvent solver"を作成し、フリー・ソフトとして発表した。以下に。
http://palimpsest.stanford.edu/packages/solvent_solver.html
シアノ(サイアノとも)タイプ資料の保存研究で名高い mike ware が、自分でのサイトで "a blueprint for conserving cyanotypes" を発表した。「シアノタイプ資料は三重苦を抱えている。光による褪色、アルカリ加水分解、水分による解膠である。この劣化を解明するとともに対策を述べる」。ware は national museum of photography, film,.and television (uk) のコンサルタント。論文は以下に。
http://www.mikeware.co.uk
英国国立公文書館(pro/national archives) は自館が過去25年間行ってきた公文書の補修、製本等の報告書のデジタル化を終えデータベース(pro 12/25-32 registers and repairs, 1978-2003) にした。どのよう方法でなにを使って治したかが解るという。
http://www.nationalarchives.gov.uk/preservation/
digitalarchive/holdings2.htm
ヨーロッパの保存科学者等が共同で執筆した写真資料のアーカイブのための保存手当てマニュアルpdfで出版された。
"fundamentals of photograph archiving. a manual" by s. dobrusskin, w. hesse, m. jurgens, k. pollmeier, m. schmidt. ,pdf 152 kb, 価格はeur 10,00。
元はドイツの写真の専門誌に掲載されたものだが評価が高く、ecpa(保存とアクセスのための欧州委員会)が資金を出し、改訂と英訳が行われた。各種の写真資料の最適な保管から始まり取り扱いにいたるまで、「やって良いこと」「悪いこと」の125のルールをわかりやすく解説しているという。購入は下記のurlで。 【cap文庫で所蔵予定】
http://www.foto.unibas.ch/~rundbrief/sh1-engl.htm
アメリカの地域保存修復センターのひとつ northern states conservation center はオン・ラインによる表記の教育を始める。
disaster planning i: introduction to disaster preparedness planning
disaster planning ii: writing a disaster preparedness plan
有料(それぞれ350ドル)。いつでも、どこででも自分のペースで学べ、教師とのチャットも用意されている。詳細は下記urlで。
http://www.collectioncare.org/training/training.html