
国際図書館連盟資料保存コア活動コア(IFLA/PAC: IFLA Core Activity on Preservation and Conservation)とフランス国立図書館、Institut national du Patrimoineの共催による"From the production to the long-term preservation of digital objects: international experiences"が4月25-27日にフランス国立図書館で開催される。3日間の会議ではデジタル・データの創生、デジタル資料の収集プロセスとウェッブアーカイビング、リスク・マネジメントやオープンアクセス等の長期保存問題が論議される。現時点では開催のアナウンスだけで、発表者等は決まっていない。
IFLA Core Activity on Preservation and Conservation(PAC) International Workshop
2004年9月2日に起きた火災により休館を余儀なくされていたアンナ・アマーリア后妃記念図書館(独・ワイマール)が10月に再開館できることになった。同図書館は一万点のシェイクスピア関連コレクション、マーチン・ルターと宗教改革に関連する16世紀のコレクションを持つことで知られている。火災は三万点の貴重書に被害を与えたが、うち 1534年のルター聖書、フンボルト・コレクションなど6千点は救出された。建物の再建も含め、復興には1200万ユーロ(19億円)が費やされた。貴重資料の修復作業は2015年までかかるという。
※このニュースは下記の、国立国会図書館 Current Awareness Portal の2月22日付け記事に教えてもらいました。リンク先、参考リンク等は下記ページから
全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)はこのほど、平成15年度に同協会資料保存委員会が実施したアンケートの報告書「自治体の保有する公文書の現状について」をPDF化し、サイトに掲載した。また、「文書館防災対策の手引き」(2001年1月3版)もあわせてHTMLとして掲載した。いずれも作成時に紙媒体として刊行されたもの。
「文書館防災対策の手引き」(2001年1月3版)

アメリカ専門図書館協議会(Special Libraries Association)は防災と救助計画のためのポータルサイトを設置した。計画立案や推進に役立つ論文、書籍、ビデオ、ウェッブサイトを網羅し、ポータル(入り口)なサイトとしては最も詳しい内容になっている。
「このサイトは、2001年9月11日に殺された、または傷ついた図書館員達に捧げる」と冒頭にある。
英国の全国資料保存対策室(NPO: National Preservation Office)はこのほど、資料保存のためのリーフレット・シリーズのひとつとして『図書館・文書館の環境管理』(Managing the Library and Archive Environment)をPDFで上梓し、サイトに掲載した。環境ファクターの中でも特に、蔵書の劣化に影響力がある温度と相対湿度の管理が中心になっている。
「コレクションの末永い存続に大きく影響するのが保管環境である。問題のある保管環境はコレクションに深刻なダメージを与えてしまう --- このことは、解ってはいるのだが、無視され、気付いたときにはもはや手の打ちようがない事態になってしまう。」
「経済面から考えても、環境管理を優先することは理にかなっている。環境由来の被害は、蔵書数冊に出るのではない。何千冊、何万冊という単位で蔵書がダメになってしまう。コンサーバターは、少量の貴重なものを優先して直すことはできるだろうが、被害を受けた膨大な蔵書を一冊ずつ直して行くことはできない。また、作業は決して安上がりにはできず、もし最良の手当てであったにしても、オリジナルの資料の状態が変わってしまうことは避けられない。」
「保管環境の状態がどのようなものか知ること--これは最良の蔵書保存計画の基本だし、資源を無駄遣いせず効果的に使うための基本でもある。状態のしっかりした記録があれば、資金を要求する際にも説得力が出てくる。」

「このリーフレットは、図書館や文書館の蔵書の末永い存続のためには、どのような環境管理を行ったらよいのかを、環境ファクターとして影響力が大きい温度と相対湿度を中心にまとめた。」
見出しは次の通り(全20頁)。
はじめに
用語の解説
環境ファクターとは
温度と相対湿度
被害の典型
温度
相対湿度
良い環境を整えるためのステップ 【上図参照】
目標とする相対湿度と温度
空調
モニタリングのための機器の選択
記録と計測の実際
データの理解と結果の利用
他のリンク先と参考文献
環境管理のための機器の入手先
NPO Leaflet: Managing the library and archive environment (PDF:155KB)
高知県立紙産業技術センターは紙質研究会「文化財保存修理のおける紙の役割について」を3月2日(金)に開催する。
【開催日】 平成19年3月2日(金)
【時 間】 13:30~16:30
【場 所】 紙産業技術センター第1研究棟1階
【内 容】 文化財保存修理のおける紙の役割について
(株)文化財保存 山本記子氏
【申込先】 高知県立紙産業技術センター
担当:製紙技術部 有吉正明
TEL:088-892-2220 FAX:088-892-2209


スロバキア国立図書館の資料保存部門はこのほど、金属片の一端を尖らしたもので紙を刺し、この際にできる穴の大きさや深さで紙の強度を測るというユニークな試験器
Paper puncture Tester を開発した。非常に簡易な装置だが、従来の複雑で時間もかかる折り曲げ試験機での耐折強度試験データと相関するという。

文化財の保存修復のための電子ジャーナル e-PS(e-PRESERVATIONScience, 2006-3)がPaper puncture tester; a new instrument.として掲載している。
V. Bukovsky et al.: Paper puncture tester; a new instrument.
アメリカ議会図書館(Library of Congress)の資料保存部門はこのほど、各家庭内の歴史的な価値を持つ記録物を長期保存するためにはどうすればよいのかを示した新しいサイト Preparing, Protecting, Preserving your Family Treasures を設置した。
「誰もが、自分のお宝が自然災害や人為的な災害に見舞われるとは考えたくないだろうが、もしもの時を前向きに考え、準備し、またそのための第一歩になるような基礎知識を持っているに越したことはない」という考え方に沿って同サイトは、どこにどのように保管するかや防災計画さらには被災を前提とした保険などを説明した「準備」、取り扱い方や展示の仕方を述べた「保護」、そして水害やカビなどの被害を受けた場合の「対処」の3つのページで構成されている。各ページは「入り口」のような簡潔な内容であるが、より詳しい説明がある他のサイトにリンクが張られている。
Preparing, Protecting, Preserving your Family Treasures
労働政策研究・研修機構(JILPT)は、労働図書館(資料センター)が所蔵する雑誌等の買取・交換を始めた。不要な和雑誌(248タイトル)、同洋雑誌(39タイトル)、同書籍(6タイトル)。誰でも申し込める。この事業は昨年から始められた。
政府は9日、独立行政法人国立博物館法の一部を改正する法案を閣議決定した。これにより4月1日付けで国立博物館(東京、奈良、京都、九州)と文化財研究所(東京、奈良)が統合され、新たに独立行政法人国立文化財機構になる。2005年に総務省によって経営効率化のための統合が勧告されていた。現在の独立行政法人化は2001年からで、まだ6年の歴史しかないが、発足して4年目にはすでに再統合が課題になっていたことになる。
以上は朝日新聞2月9日付けの記事から引用。
「平成17年度末に中期目標期間が終了する独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」(政策評価・独立行政法人評価委員会、2005年11月14日)
京都造形芸術大学は2月17日(土)~18日(日)に、同大学の歴史遺産学科および大学院修士論文の発表会を開催する。紙媒体関連は以下の通り。
<文化財保存修復コース> 18日(日) 9:00~
10:10~ 内野陽子「住民参加による古文書保存のためのケーススタディ」
10:25~ 浦口陽子「配合填料による紙質の変化 - 胡粉、カオリン、上新粉を例に」
11:20~ 倉本優「日本と中国の表装技術の比較・研究 -- 紙と糊との組み合わせ」
文化財の保存対策が、傷んだモノを治す(interventive conservation)という従来の方法から、傷まないように防ぐ方法(preventive
conservation)へと力点を移しつつある中で、イギリスのノーサンブリア大学では 予防的保存手当ての修士コース MA in Preventive
Conservation を立ち上げた。保管、展示、輸送についての最適な方策を、美術史、考古学、現代美術、化学、物理、光学、電子科学を基礎にして学んでゆく。
コースでは同大学キャンパスで一年間学ぶプログラム(費用は7,700ポンド)とともに、インターネットを介在した遠隔教育システムによる一年間と二年間のプログラム(6,130ポンド)が用意されている。講師も、紙媒体に例を取ると、アート・オン・ペーパーでは Peter Bower、書籍では Chiris Clarkson、印刷物では Spike Buklow 等、第一線で活躍する専門家を揃え、プリベンティブ・コンサーバターを養成する。
詳細は下記ページから。
■メルボルン大学の同種のプログラム
Courses online: Caring for Heritage Collections
■プリベンティブ・コンサーバターとは
preventibe onservator
■ウェールズ国立図書館のプリベンティブ・コンサベーション部門
Preventive Conservation Unit
■米議会図書館のPreventive Conservation インターンシップ
■国際図書館連盟(IFLA)『図書館資料の予防的保存対策の原則』(邦訳 PDF)

CDやDVDの寿命分析のためのアナライザー
アメリカ議会図書館(Library of Congress)は資料保存の研究・試験部門(Preservation Research and Testing Division)の拡充のために、最新鋭の機能を持つ機器を設置した。各種分光計、顕微鏡、クロマトグラフィー、物理・化学試験設備、音響メディア分析設備ほかを駆使して、次の4つの重要テーマに臨む。
1. 極小スポット試験法:目視では非破壊と同等に見える極小スポット試験。
これによる劣化調査でより確実な統計的結果が得られる。
2. 揮発性物質の分析:資料をとりまく環境や資料そのものから発生する揮発性
物質の分析とその影響。
3. 最小サンプリング法:イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(ICR/MS)や
低真空走査電子顕微鏡(ESEM)等を使い、写真資料や手書き資料からのごく少量のサンプルを分析。
4. 加速老化試験のリアル・タイム分析:湿度や温度を変化させての加速老化試験
を進行させながら、それによる老化のプロセスを同時に追いかける。
Instrumentation of the Preservation Research and Testing Division

アメリカ国立公文書館は第79回アカデミー賞のドキュメンタリー映画賞にノミネートされている全作品を同公文書館のWilliam G. McGowan
劇場で、2月21~25日に上映する。ちなみにアカデミー賞の発表は25日。
このうち長編部門では、日本でも話題の An Inconvenient Truth(不都合な真実)、 戦争中のイラク人の生活を描いたIraq in Fragments他が含まれる。
国際博物館会議保存修復分科会(ICOM-CC)の第15回のトリエンナーレ・・ミーティングは、2008年9月22~26日に、インドのニュー・デリーで開催されるが、口頭発表とポスター発表を募集している。今回のテーマは「文化財コンサベーションの多様性:伝統、革新、参画」(Diversity in Heritage Conservation: Tradition, Innovation and Participation)。各ワーキング・グループごとの発表が行われが、紙媒体資料関連の発表はGraphic Documents Working Groupの枠で行われる。三年に一度開催されるこの会議は、それぞれの分野でのアップ・ツー・デートな話題が盛り込まれる。アブストラクトの〆切は4月13日。詳細は下記ページで。
15th Triennial Meeting in New Delhi
NPO法人日本農学図書館協議会は2月21日に東京農業大学図書館(東京・世田谷区)で第109回農学図書館情報セミナー「消えていく資料(死料?)を生かす!~東京農業大学図書館における貴重資料再生の話~」を開催する。講演者は出町明氏 (東京農業大学図書館)。農学図書館に眠る様々な資料の価値を判断する目を養うにはどのような知識が必要か。また、その資料をどう生かしていくことができるか?--今回は、貴重書の発掘とその保存、有効活用など、業務経験に基づいた技法を学ぶ--としている。参加は無料。〆切は16日。詳細は下記ページで。

米ナショナル・パーク・サービス(国立公園管理局)のHarpers Ferry Centerのサイトではパーク・ミュージアムが進めている写真資料の冷蔵保存(Cold
Strage Project)と、デジタル画像(Digital Imaging Project)の二つのプロジェクトを紹介している。
このうち写真資料の冷蔵保存プロジェクトは主としてセルロース・アセテート・フィルムをベースとした資料と、カラー・フィルムベースの資料の現物保存に焦点を当てたもの。今後、他の機関が追随できるようなモデルケースを提示するという。
米国内にある各国立公園は、景観や動植物を写したフィルムを保存したいときは、基金から援助を受けて冷蔵保存施設ユニットを購入する。この際には管理局のスタッフがパッケージングの方法やユニットに納められた資料のモニタリングの方法を教示するという。このサイトにはプロジェクトの全容を知らせるプレゼンテーションのファイルがパワーポイント形式とPDF形式とで掲載されており(内容は同じ)、なぜこのプロジェクトが必要なのか、冷蔵保存とはどういうものか、その効果、フィルムの劣化とはなにか、目視やA-Dストリップによる劣化の判別法、冷蔵保存方法の実際--等々を解りやすく解説している。
Park Museum Management Program

アメリカ文化財保存修復学会(AIC)はそのサイトで、5月1日(MayDay)を文化財の防災を考える日にしようと呼びかけている。カトリーナ等の自然災害による図書館・アーカイブ・博物館等の文化財への甚大な被害があり保護の意識は高まったとはいえ、2005年に行われた全米の文化財の健康状態調査(
A Public Trust at Risk: The Heritage Health Index Report on the State of America’s Collections. )を見る限り、所蔵機関における防災対策の構築はお寒い限りと言うしかない--という認識の元に、コンサベーションの分野で働く我々は、せめて5月1日のMayDay
には、ルーチンの仕事を脇に置いて、防災について考えようではないか、と呼びかけている。そして次のような実行項目をあげている。
----------------------------------------------------------
・すでにある旧来の防災計画はひとまず棚上げにして、新しくアップデートすることを考えよう。
・防災計画がないというならば、それを作ることを期限を区切って考えよう。
・災害救助等のときに必須となる書類(どこにどんなコレクションがあるか、建物・部屋等の見取り図、水道やガス設備の配置図等)を見直して、古くなっていたらアップデートしよう。
・災害が起こったときの職員や消防署などの連絡網リストをアップデートしよう。また、Pocket Response Plan™ のような防災と救助のためにやるべきことを簡潔にまとめた一覧を壁に貼ろう。
・コレクションへの、現在考えられるリスクを予測してみよう。
-----------------------------------------------------------
--- 等々、18の実行項目。
MayDay: Disaster Response Preparation

サウス・オーストラリア州立図書館のコンサベーション・オフィサー Amalia Alpareanu女史 の仕事
オーストラリア国内の図書館・文書館・博物館・美術館等の記録保存機関の横断機関 Collections Council of Australia はこのほど、記録資料の保存の重要性を知ってもらうための「ショーケース」(Conservation/Preservation Showcase)をサイト内に設置した。
同Council は昨年11月に国内のコンサベーションとプリザベーションに関する人的・財政的な資源の現状調査報告書 Conservation Survey 2006: A Survey of human and financial in Australian conservation and preservation をまとめたが、今回のショーケースの設置はこの調査報告書の提言(人材の育成と基金の拡充)を受けてもの。
ショーケースには、各分野と組織で活躍する主導的な保存管理者やコンサーバターの仕事の紹介(Careers)、人材教育や訓練や雇用のためのリソースの紹介(Resources)、そして記録資料の保存と修復のための各機関で行われているプロジェクトの紹介(Projets)の三つのページで構成されている。
このうち Careers には、くコンサーバター、音響資料の代替の専門家、マイクロフィルムの保存専門家フォルム等の、図書館やアーカイブや博物館内、さらにプライベートに民間で保存修復に従事する人たち(書籍のコンサーバター等) の仕事を紹介している。簡単なプロフィルとともに、それぞれが属する機関の当該部門へのリンクがはられている。
Conservation / Preservation Showcase
アメリカ議会図書館は Alfred P. Sloan 基金からの支援を得て、同図書館が持つ際立った劣化本(brittle books)やアメリカの歴史に関する本を対象にしたデジタル化プロジェクト(Digitizing
American Imprints at the Library of Congress)に乗り出すことになった。投入資金は200万ドル(2億4千万円)。
このプロジェクトは、現在行われている本を見開いた状態でのスキャニングだけでなく、画面上でページをめくってアクセスできる技術や、原本にある折り込みページのスキャニングと表示技術の開発、目次や章節やインデックスのメタデータ化などのパイロット・プログラムの開発も含んでいる。また、これまでのデジタル化・プロジェクトでは、際立った劣化本はスキャニングに耐えないという理由で除外されていたが、今回のプロジェクトではこうした本の撮影時等の取り扱いを厳重ものにして臨むとしている。
$2 Million Sloan Foundation Grant To Help Digitize Thousands of Books
国立公文書館はこのほど「電子媒体による公文書等の適切な移管・保存・利用に向けて-調査研究報告書-」 として、紙媒体でとともにホームページ上で公開した(PDF)。電子政府化の進展状況、電子媒体による公文書等の適切な管理・移管・保存・公開に係る技術動向と課題、
ウェブページの移管・保存に係る技術動向、諸外国における取組み状況等について、公表されている文献、ウェブ情報、ヒアリング等により行った 調査研究の成果をまとめたもの。
http://www.archives.go.jp/news/070201.html
カナダの図書館、アーカイブズを中核としたカナダ・アーカイブズ委員会(Canada Council of Archives)は長期保存の対象になる文化的な意味を持つ記録資料のデジタル化計画(Archival Community Digitization Program)を始めるが、このほどガイドラインと適用資料の選出のためのアプリケーションのひな形を発表した。2007~2008年の予算として125万ドルが計上されている。
Archival Community Digitization Program
筑波大学・知的コミュニティ基盤研究センターでは、ディジタルアーカイブの長期利用とディジタル情報資源の長期保存に関する現状と将来への課題をいろいろな観点から議論するために、2月16日(金)に同大学春日キャンパスでシンポジウムを開催する。プログラムは以下の通り。
杉本重雄(筑波大学・図書館情報メディア研究科/知的コミュニティ基盤研究センター)背景と目的、ディジタルアーカイブとその長期利用に関する問題の提供
藤原誠(国立国会図書館・関西館) 国立国会図書館におけるディジタル資料の長期保存に関して
牟田昌平,中島康比古 (国立公文書館) 公文書の電子的保存に関して
和田光俊 (独立行政法人科学技術振興機構 文献情報部) 学術雑誌のディジタルアーカイブと長期利用に関して
西岡貞一(筑波大学・図書館情報メディア研究科) 文化財のディジタルアーカイブと長期保存に関する問題
新保史生(筑波大学・図書館情報メディア研究科) ディジタルアーカイブとの関係における知的財産権・プライバシーの権利の保護について
詳細は以下で。
ディジタルアーカイブシンポジウム