ホームほぼ日刊資料保存>2007年8月のアーカイブ

almost daily news of preservation and conservation

図書館やアーカイブ等の資料保存に関する世界のニュースを伝える、ほぼ日刊のページです。 土日・祝日は休刊します。 リンクも引用も自由です。

2007年8月のアーカイブ

2007年8月27日(月)

米アーキビスト協会(SAA)、「デジタル記録とその遺産の管理」に関する参考書誌を作成

アメリカ・アーキビスト協会のRechnology Best Practice タスクフォースはこのほど、電子記録とその遺産に関する参考書誌 Managing Electronic Records and Assets: a Bibliography を作成し、同協会のホームページに発表した。紙媒体やウェッブ上のこれまで発表された関連文献から取捨選択し、次の10のカテゴリー別に分類したもの。

 Digital Collections
 Digital Audio and Video
 Digital Audio and Video
 Digital Texts
 Digital Texts
 Electronic Records
 Electronic “Manuscript Collections”
 Institutional Repositories
 Institutional Repositories
 Copyright
 Information Literacy
 Databases and Programming

Managing Electronic Records and Assets: a Bibliography

2007年8月23日(木)

アメリカ研究図書館協会(ARL)が資料保存の重要性を再確認する宣言を発表、「基盤的な任務と責務」を強調

アメリカ研究図書館協会(Association of Research Libraries)はこのほど、「資料保存は研究図書館の基盤的な任務であり責務である」ことを再確認する宣言 Enduring Responsibility for Preservation を発表した。

従来からのアナログ形態に加えてデジタルによる文化的な記録が拡大する中で、資料保存への新しい視点が必須になっており、研究図書館は個々の図書館での努力と共に、相互に協力する形での資料保存への取り組みを継続しなければならない--としている。ARLに加盟している図書館が保有する印刷媒体資料は4億7千万点で、さらに加えてデジタル資料や特別コレクションを抱えている。ARLの「研究図書館における資料保存の未来タスク・フォース」はメンバー図書館からエキスパートによる宣言をまとめた。その中では「学者や研究者の、あらゆるフォーマットでの学術情報へのアクセスを保証するために、個々の、そして共同での資料保存の継続的な取組が必要」としている。

ARL Affirms Importance of Preservation for Research Libraries

ナチスによるホロコースト関連アーカイブ4,700万ファイルのデジタル化が進展、米とイスラエルに移管

英国のコンサベーション協会(ICON: Institute of Conservation)のニュース欄は、イスラエルとアメリカの博物館に保存されてきた4,700万以上のナチス関連アーカイブがデジタル・フォーマットに転換されつつある、と報じている。紙媒体でのファイルは棚の長さで26キロメートルに及ぶという。

このファイルはナチスによる強制労働、強制収容所、政治犯に関するもので、ドイツの Bad Arolsen 文書館が持つアーカイブの一部。第二次大戦終結の直後に強制収容所他で見つかったもので国際赤十字社が管理してきた。. すでに1,200万ファイルがデジタル化済みで、アメリカのホロコースト記念博物館、イスラエルのYad Vashemホロコースト記念博物館に収蔵されたという。

公開は2006年の欧米各国によるプロトコールに、新たに批准を予定しているイタリー、フランス、ギリシアが加わる今年末が予定されている。

Digital Preservation, Access and the Holocaust

2007年8月22日(水)

ポルトガルの研究者、炭酸ガスによるテキスタイル文化財の「環境にやさしい」ドライ・クリーニング法を開発


雑誌 Green Chemistry の最新号はリスボン大学の保存科学研究者らによる炭酸ガスを用いた文化財のドライ・クリーニング法の論文を掲載している。応用の第一弾としてこの方法を18世紀の人物彫刻に着せられている当時のテキスタイルに試みた結果、これまでの物理的な除去や液体を使った除去ではテキスタイルそのものに傷みが生じるという欠点をがあったが、ある一定の温度と圧でのCO2を対象物に吹きかけることで、写真のように、汚れが除去でき、また有機溶剤等を使わないことで環境に和立影響を及ぼさない処置ができたという。

The clean art of conservation

2007年8月21日(火)

東博、「保存学の実践と展望--臨床保存学と21世紀の博物館」シンポジウム報告書を頒布

東京国立博物館は昨年6月に開催した国際シンポジウム「保存学の実践と展望--臨床保存学と21世紀の博物館」の報告書を希望者に頒布している。希望者は角2の封筒表面に住所と名前、「冊子小包」と明記し、290円の切手を貼付したものを下記宛に郵送すると送ってもらえる。内容は英国V&A博物館、米国ボストン美術館、韓国国立中央博物館、国内の5つの国立博物館、そして国立国会図書館の専門家による報告とディスカッション。

宛先:〒110-8712 台東区上野公園13-9 東京国立博物館保存修復環境保存室

発行部数が限られているため先着200名に限定している。

2007年8月20日(月)

「プリザベーション・マネジメント--資料保存の新しい地平」シンポジウムを10月4日に江戸博ホールで開催

情報保存研究会(JHK)と日本図書館協会は10月4日(木)に江戸東京博物館(東京都・墨田区)でシンポジウム「プリザベーション・マネジメント -- 資料保存の新しい地平」を開催する。これまで技術論に偏していた資料保存の仕事を、図書館やアーカイブの資料収集や蔵書構築等の仕事と有機的に連動した組織的・体系的な取り組み=プレザベーション・マネジメントとして行うことをテーマとして特別講演の他、5つの講演が行われる。また、関連業者や機関による展示会も併催される。

 日時:2007年10月4日(木) 10時~17時10分 (受付 9:30分から)

  会場: 江戸東京博物館1階ホール (JR総武線両国駅 西口徒歩3分)
  
基調講演:資料保存の再設計 - 図書館・アーカイブがその使命を果たすために
安江明夫(国立国会図書館顧問)

学術図書館における戦略的資料保存 
小島浩之(東京大学経済学部資料室助手) 

特別講演:資料のデジタル化の問題点と将来 
石井米雄(国立公文書館・アジア歴史資料センター長)

デジタル情報の保存 - 新たなチャレンジ -
上田修一(慶應義塾大学文学部教授)

アーカイブズ保存の展望 - 沖縄県公文書館の場合 -
         大湾ゆかり(沖縄県公文書館修復士)

   「修復」を越えて - 資料のコンサベーションとはなにか -
木部 徹(有限会社資料保存器材代表)

※JHK 会員・関連機関による展示会(隣接会場で 12時~18時)

詳細は開催案内のチラシを → PDF (280KB) 

定員は300名。参加は無料。申し込みは お名前、ご所属、ご連絡先(E-mail アドレスか電話番号)を明記して 下記の E-mail 、もしくは FAX で。

シンポジウム参加申し込み   E-mail : sympo@e-jhk.cpm
   FAX : 03- 5976- 5462  専用FAX用紙



情報保存研究会(JHK)のホームページ

2007年8月17日(金)

英国ナショナル・プリザベーション・オフィス、10月に資料保存コンファレンス「蔵書の第二の人生」を開催

英国ナショナル・プリザベーション・オフィス(NPO)は10月29日に資料保存コンファレンス「蔵書の第二の人生」(Second life for collections)を開催する。オリジナルの蔵書の「代理物」はこれまではもっぱらアナログ的なコピー物(紙媒体やフォルム)だったが、最近のデジタル技術の発展により劇的な変化を見せている。今回のコンファレンスは、オランダ、英国での国家プロジェクト、オックスフォード大学図書館のGoogleとの提携、マイクロフィルムの将来、三つの事例など、紙媒体の蔵書の「第二の人生」についての様々な発表が行われる。

Second life for collections

4月に開催された米国立公文書館の資料保存コンファレンス「歴史資料のデジタル保存」での発表がPDFで

アメリカ国立公文書館が今年4月に開催した資料保存コンファレンス「モノとして存在しない資料を管理する--歴史資料のデジタル代替物の創製・保管・利用」(Managing the Intangible: Creating, Storing and Retrieving Digital Surrogates of Historical Materials)での発表がPDFで同公文書館のサイトに掲載された。

同公文書館は2003年に開催した資料保存コンファレンスで、「アナログ資料 vsデジタル化した資料」として、後者が保存メディアとして適当かを検討したが、近年国内でも国際的にもデジタル代替物を使用保存のための有力なオプションとして認知するようになり、歴史資料に対しても広範な採用が行われるようになってきた。今回のコンファレンスでは、デジタル化が適正とされるときのリフォーマットと検索、メディアを跨いでのアナログからデジタルへの変換、アナログと同等の効果と経済性を持つデジタル化のためのツール・仕事の流れ・スキル、保管メディアの選択、インフラコスト--等々で報告と討議が行われた。

Managing the Intangible: Creating, Storing and Retrieving Digital Surrogates of Historical Materials

2007年8月15日(水)

米西海岸・太平洋地区の資料保存協力組織WESTPAS が発足、防災と救助のための情報とサービスを提供

アメリカ西海岸の各州 とハワイ州、サモアやマリアナ諸島等の図書館やアーカイブを結ぶ資料保存のための協力組織 Western States and Territories Preservation Assistance Service (WESTPAS) がこのほど発足した。Alaska, American Samoa, California, Colorado, Guam, Hawaii, Idaho,Montana, Nevada, Northern Mariana Islands, Oregon, Utah, Washington, Wyoming.の州や地域に属する機関で構成される。代表はカリフォルニア大学バークレー分校図書館のバークレイ・オグデン(Barclay Ogden)が努める。当面の活動の中心は防災計画の作成推進や、災害i救助等のトレーニング。2008年までに40のワークショップを、WESTPASに参加した600の機関で実施するという。

州をまたがる地域的な資料保存協力組織はこれまでは東海岸地域や南部地域にはあったが、西海岸や太平洋地区をカバーするものはなかった。WESTPASはアメリカ人文科学基金(NEH)の支援を元に、災害救助の専門会社や参加機関からの支援を受けてこのほど発足した。

WESTPAS

2007年8月14日(火)

オランダUNESCO委員会とECPA、『デジタル遺産を保存する:その原則と政策』を出版

オランダUNESCO国内委員会(Netherlands National Commission for UNESCO )と保存とアクセス欧州委員会(The European Commission on Preservation and Access :ECPA)はこのほど『デジタル遺産を保存する:その原則と政策』(Preserving the digital heritage: principles and policies)を刊行した。紙媒体とともに,、全文がPDF化されており無料でダウンロードできる。2005年11月にオランダで開催された同名の国際会議での発表をもとにしたもの。主な内容は以下の通り。

  Introduction
  Annemieke de Jong and Vincent Wintermans

  Safeguarding our digital heritage: a new preservation paradigm
  Abdelaziz Abid  7

  Moving beyond the artifact: lessons from participatory culture
  William Uricchio  15

  Addressing selection and digital preservation as systemic problems
  David Bearman  26

  Preserving the digital heritage: roles and responsibilities for heritage repositories
  John Mackenzie Owen  45

Preserving the digital heritage: principles and policies

京大図書館の江上氏の「司書が見たアメリカ日記」、ハーバード大学図書館の資料保存啓蒙グッズを紹介

京都大学からハーバード大学イェンチェン図書館に研修出張中の江上敏哲氏が、京都大学図書館機構のサイトに掲載している「ハーバード日記:司書が見たアメリカ」で、ハーバード大学図書館の資料保存部門のホームページにある資料保存のための各種のグッズを紹介している。水濡れが生じたときの連絡先が書かれたマグネット・プレート、コピーの注意事項のポスター、図書館資料を守るための15の注意のポスター、館外貸し出し資料が雨や雪に濡れないためのビニールバッグ。

「これらを見ていると、どれも、ただ単に事実や注意事項を知らせるためのものというだけではなく、目に留めてもらえやすいような、使ってもらえやすいような工夫を加えることによって、そのお知らせをより効果的に広めようとしている、ということがわかります。」

「事務的な姿勢や無機質な言葉だけでは、伝わる情報量にも限りがあります。本当に知ってほしいこと、使ってもらいたいものがあるのならば、相手の事情を察した配慮や、気持ちをひきとめるような感動が必要なのではないでしょうか。」

9. 本を大切にしてほしい – 資料保存啓蒙グッズ

2007年8月10日(金)

UNESCOの『視聴覚アーカイビング:その哲学と原則』の日本語版がダウンロード可能に

UNESCOが2004年に作成し、英語のほか、フランス語、スペイン語に翻訳されている Audiovisual Archiving: Philosophy and Principles (視聴覚アーカイビング:その哲学と原則)の日本語版がいち早く映画保存協会のサイトで紹介されている。同サイトから全文(PDF, 129ページ、1.4MB)のダウンロードが可能である。

著者は、UNESCOの世界の記憶プロジェクトの視聴覚セクターの代表である Ray Edmondson。この日本語訳は財団法人放送番組センターが2006年2月に総務省から受託した「文化資産としての放送番組アーカイブの利活用促進に関する調査」において行われたもの。監訳は映画保存協会による。

映画保存協会によると「映画保存の世界で道に迷ったら、ぜひごの文献をあたってください。最善のガイドになるはずです」。


目次は以下の通り

  1  序論
2   基礎
  3   定義と用語
  4   視聴覚アーカイブ
  5   保存:本質と概念を考えるhozo
  6   マネージメントの原則
  7   倫理
  8   結論

レイ・エドモンドソン著 視聴覚アーカイビング:その哲学と原則 日本語版


007年8月8日(水)

国会図書館の平成19年度『重点目標』、大正期刊行物のデジタル化、インターネット情報のポータルへ--等

国立国会図書館は「ビジョン2004」で示した重点領域におけるサービスの向上を実現させるため、各領域毎に1~3年で実現すべき重点目標を掲げているが、今年度は以下の通り。

・立法補佐機能強化
・デジタル・アーカイブの構築
・情報資源へのアクセスの向上
・協力事業の推進

このうち「デジタル・アーカイブの構築」では、平成15年度に策定した「電子図書館中期計画2004」に基づき、19年度は、所蔵資料のデジタル化を一層進め、インターネットによる全文提供の範囲を拡大、特に大正期刊行図書の大部分を平成22年度までに公開するとしている。また、インターネット情報については平成21年度の提供を目指し、収集と長期保存を実現するアーカイブ・システムを構築するとしている。さらに、デジタル・コンテンツを作成・提供する機関と協力して総合的なポータルサイトを構築、今年度から提供を行うという。

平成19年度 重点目標

保存修復学会と東博共催の公開シンポジウム「文化財の保存と修復」が10月28日に開催

文化財保存修復学会と東京国立博物館の共催による公開シンポジウム「文化財の保存と修復--博物館の役割と未来」が10月28日(日)に東京国立博物館で開催される。文化財保護の世界の動向、環境マネージメント、学芸員の役割、保存修復へのアクセス、生物被害--等の講演の他、参加者によるパネルディスカッションが予定されている。

公開シンポジウム「文化財の保存と修復--博物館の役割と未来

2007年8月6日(月)

国際敦煌プロジェクト第6回コンサベーション会議の予稿集『伝統と革新』が10月に刊行


昨年4月に中国中央図書館で開催された国際敦煌プロジェクト(IDP)のコンサベーション・コンファレンスの予稿集 Tradition and Innovation: Proceedings of the Sixth IDP conservation conference が、今年10月に中国中央図書館により刊行される。原文は英語と中国のバイリンガル。28の論文の他に用語集と書誌が掲載される。内容は、中国の巻子本のコンサベーション、介入的な処置についての是非、中国と西洋の製紙の接点、絹絵の技術、紙の分析、明朝の資料のコンサベーション-- 等。

Tradition and Innovation: Proceedings of the Sixth IDP conservation conference
Edited by Alastair Morrison and Li n Shitian
340 pp. b&w illus., glossary, bibliography
28 papers all in Chinese and English
The National Library of China, Beijing, 2007
ISBN 978-7-5013-3460-5/G·704
Distributed outside China by The British Library, £20

http://idp.bl.uk/pages/about_publications.a4d#7

IDPニューズレターがチベットの手稿文書のコンサベーション事例、洋製本仕様を本来の貝多羅葉に戻す


   


20世紀の初頭にオーレル・スタインにより大英博物館に持ち込まれ、当時の手法で手当てを施されたチベットの手稿仏典が、本来の貝多羅葉に戻された、と国際敦煌プロジェクト(IDP)のニューズレター(IDP News Issue No.29)が伝えている。洋式製本された状態(写真上)は、生成の和紙で補修、糊はデンプン、台紙のひと折り一括の裏はシルクで裏打ちという当時の代表的な方法を採用したものだが、デンプン糊のため台紙からの剥離は容易なものの、糊の量が過剰で括が硬く仕上がっていること、シルクの酸が台紙の加水分解を促進させていること等の理由で、製本を解体して本来の貝多羅葉し、無酸の厚紙で両面から挟んで、無漂白キャラコ(棉布)でくるまれた(写真下)。

The Conservation of the Stein Tibetan Manuscripts

2007年8月3日(金)

アマゾン、アメリカ国立公文書館(NARA)所蔵の歴史的な映画フィルム資料をネットで販売へ

アメリカ国立公文書館はこのほどアマゾンの子会社 CustomFlix Labs と、同公文書館が所蔵する映画フィルム資料をアマゾンを通じてネット販売する非独占的契約を結んだ、と発表した。同公文書館は200万アイテムにのぼる歴史的な価値のある映画フィルム--ドキュメント、ニュース、戦場記録、科学分野の研究開発記録等々--を所蔵しているが、まず1929年から1967年までのニュースフィルムをCustomFlix Labsがオン・デマンドDVD(購入の希望があった時にDVD化する)で提供するとともに、ニーズが多いものはくあらかじめDVDにしてアマゾンでネット販売する。

Thousands of National Archives Films to Be Made Available Through CustomFlix Labs

2007年8月2日(木)

国会図書館『カレントアウェアネス』、「災害時における資料保全活動の一元化 」を掲載

国立国会図書館の季刊誌『カレントアウェアネス』(292号、紙媒体は6月20日発行)は、尾立和則氏による「災害時における資料保全活動の一元化」を掲載している。「国内の災害時における資料保全活動の現状を概説したあと,95年震災から10年以上経った今なお,被災地での保全対象物や保全の目的の一元化が図れない理由を考えてみたい。」(原文ママ)。デジタル版(8月1日)の掲載ページは以下の通り。

災害時における資料保全活動の一元化

Restaurator 最新号、水性処置時の滲み止めや没食子インク焼けの処置等の論文を掲載

図書館・文書館資料の保存と修復のための専門誌 Restaurator:Journal for the Preservation of Library and Archival Materials 最新号(2007, Vol.28, No.2)は、水溶性のインクの水処理時の滲み止めの方法、没食子インク(Iron gall ink)によるインク焼け被害の処置についての論文を特集している。


Munoz-Vinas, S.: A Dual-Layer Technique for the Application of a Fixative on Water-Sensitive Media on Paper (p.78-94)

昇華性の滲み止めシクロドデカンの昇華時間の長さと適用の煩瑣さを軽減できるように、有機溶剤に溶かした撥水剤パラロイドB72を併用する方法。


Havlinova, B. Minarikova, J. Hanus, J. Jancovicova, V. Szaboova, Z.: The Conservation of Historical Documents Carrying Iron Gall Ink by Antioxidants (p. 112-128)

BHT (2,6-ditercbutyl-4-methylphenol) とフィチン酸カルシウムによる抗酸化処置の比較試験。いずれの処置も脱酸性化処置と組み併せることで劣化を抑制する。あたフィチン酸余地は物理的特性を向上させ、紙の変色はどちらの処置においても影響を与えなかった。


Rakotonirainy, M. S. Juchauld, F. Gillet, M. Othman-Choulak, M. Lavedrine: The Effect of Linalool Vapour on Silver-Gelatine Photographs and Bookbinding Leathers (p.95-111)

天然由来のエッセンシャル・オイル「リナルール」を防虫剤として使った時の写真と書籍用皮革への影響試験。低濃度でも悪い影響を与える。


Csefalvayova, L. Havlinova, B. Ceppan, M. Jakubikova, Z.: The Influence of Iron Gall Ink on Paper Ageing (p. 129-139(

ろ紙上の没食子インクの加速老化試験による変色、化学的・物理的な物性の変化の試験。セルロース劣化における鉄イオンの役割の確認と、酸触媒加水分解と金属触媒酸化の関係の解明。


Huhsmann, E. Hahner, U.: Technical Note: Application of the Non-Woven Viscose Fabric Paraprint OL 60 for Float Screen Washing of Documents Damaged by Iron Gall Ink (p.140-151)

フィチン酸カルシウムと炭酸水書カルシウムとを組み合わせたインク焼けの水性抗酸化処置の時に使う不織布支持体の改良。

(要約文責:木部徹)



2007年8月1日(水)

今年10月の東京での全国図書館大会資料保存分科会、「地域で資料をどう残すか」がテーマ

日本図書館協会主催第93回全国図書館大会は10月29、30日の両日、東京・日比谷公会堂等を会場に開催されるが、このうち30日の資料保存分科会は「地域で資料をどう残すか」がテーマ。地域での資料保存の取り組み事例の報告等が予定されている。

http://www.jla.or.jp/taikai2007/hozon.html

11月の画像保存セミナー、デジタル画像の保管やプリント材料の保存性試験等で報告

日本写真学会画像保存研究会が主催する画像保存セミナーが11月2日(金)に東京都写真美術館(目黒区)で開催される。今回のセミナーの内容は、文化財としての写真、博物館における展示照明のデザイン、写真美術館における作品保存、インクジェットプリントの画質と保存性能、デジタル写真、プリント材料の保存性試験方法と規格、磁気テープへのデジタルデータの保管、文書の電子化と保存--等。詳細と申し込みはは下記のPDFで。

平成19年度 画像保存セミナー

日中韓の専門家による「第2回東アジア紙文化財保存修理シンポジウム」が9月に九州国立博で

九州国立博物館と国宝修理装こう師連盟主催の「第2回東アジア紙文化財修理シンポジウム - 文化をつたえる紙の路 -」 が9月7、8日(土)の両日、九州国立博物館で開催される。日中韓の研究者・修理技術者により、製紙技術や修理事例を中心に研究発表、意見交換が行われる。参加費は無料。詳細は下記ページで。

九州国立博物館開館2周年記念「第2回東アジア紙文化財修理シンポジウム - 文化をつたえる紙の路 -」

ページトップへ