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almost daily news of preservation and conservation

図書館やアーカイブ等の資料保存に関する世界のニュースを伝える、ほぼ日刊のページです。 土日・祝日は休刊します。 リンクも引用も自由です。

2008年1月のアーカイブ

2008年1月31日(木)

ゲッティ研究所機関誌「ペーパー・コンサベーション」特集号、デジタル時代の資料のコンサベーションで討議


ゲッティ・コンサベーション研究所(GCI)の機関誌 Conservation の最新号(22.3, Fall 2007)はペーパー・コンサベーションの特集号。デジタル印刷物の歴史とそのコンサベーション、ゲッティでの写真資料のコンサベーション・プロジェクトや博物館・美術館での展示照明プロジェクトの現状の紹介とともに、特集号の目玉として「デジタル時代の資料保存:図書館・アーカイブズのコンサベーション」と題したディスカッションを掲載している。ディスカッションは Coservation 編集長の Jeffrey Levin が司会を担当し、英国国立公文書館の Nancy Bell、スロベニア国立大学図書館の Jana Kolar、アメリカ議会図書館の Dianne van der Reyden という、現在の紙媒体記録資料のプリザベーションとコンサベーションの最前線にいる三人がデジタル時代のコンサベーションの在り方について熱い討議を行っている。【近日中に要訳を載せる予定です:木部 】


 Nancy Bell        Jana Kolar        Dianne van der Reyden       

目次は以下の通り。

The History and Conservation of Digital Prints

Preservation in the Digital Age: A Discussion about Conservation in Libraries and Archives

Research on the Conservation of Photographs: A Project Update

Research on Museum Lighting: A Project Update

Getty Conservation Institute Newsletter "Conservation" 22.3 (FALL 2007)

NEDCCの資料保存オンライン教育ページ Preservation 101 が内容の改訂とともに体裁を一新


アメリカの非営利・地域保存修復センター Northeast Document Conservation Center (NEDCC)が作成し提供している資料保存のためのオンライン教育のページ Preservation 101,は数ヶ月の間 オフラインとなっていたが、このほど内容の改訂と共に、よりアクセスしやすく体裁を一新した。以下のように全体で6セッション、それぞれに複数の専門家によるテキストが掲載されている。

1: Introduction to Preservation
2: Deterioration of Paper Collections
3: Deterioration of Film and Electronic Media
4: The Building and Environment
5: Collections Care
6: Reformatting and Treatment
7: Disaster Planning
8: Building a Preservation Program

Preservation 101

2008年1月30日(水)

国際敦煌プロジェクト(IDP)のサイトにコンサベーションの新しいページ、写真や動画による保存処置の紹介も



和紙による欠損部の補填処置と日本の刷毛等の道具

国際敦煌プロジェクト(IDP)のサイトにコンサベーションの新しいページができた。これまでもConservation News という形で敦煌および周辺からの遺物への保存処置や科学的な研究論文、定期的な国際コンファレンスでの発表が掲載されていたが、今回こうした過去の蓄積をまとめるとともに、写真や動画を駆使した遺物への保存処置の事例や、参考文献や関連サイトへのリンク集が付け加えられた。

Conservation

2008年1月28日(月)

古代のコプト製本の技術を伝えるエチオピアン製本の画像がflicker



紀元前後に北アフリカのキリスト教徒 Copt により生み出されたといわれる冊子(codex)の形態を伝えるエチオピアン製本(Ethiopian binding)の鮮明な画像が、静止画像の共有サイト flickr に掲載されている。ミシガン図書館でコンサベーションをしている Kevin Driedg による。所蔵機関はシカゴのAssociated Mennonite Biblical Seminary

Ethiopian books

2008年1月25日(金)

米アーキビスト協会、「映画フィルムの保存に関する民族学的研究」を出版


アメリカ・アーキビスト協会(SAA)は Karen F Gracy(ピッツバーグ大学、映画アーキビスト協会機関誌 The Moving Image 編集者)によるFilm preservation; competing definitions of value, use, and practice.を出版している。米国での映画保存の理論、歴史、経済を民族学的なアプローチの方法(フィールドワークやインタビュー)を駆使して論じたユニークな研究。

Karen F Gracy, Film preservation; competing definitions of value, use, and practice
Society of American Archivists
2007
287 pages
$56.00

http://www.archivists.org/catalog/pubDetail.asp?objectID=2146

2008年1月24日(木)

IFLA/PACが資料保存のためのメーリング・リスト PAC-LIST を設置、世界のニュースと情報を適時提供へ


国際図書館連盟(IFLA)は資料保存コア活動(Preservation and Conservation core activity =PAC)の事業の一環として、このほど資料保存のためのメーリング・リスト PAC-LIST: IFLA Preservation and Conservation core activity mailing list を設置した。自分のメール・アドレスを登録をすることで、PACが収集する世界のニュースと情報を送ってもらえる。登録(無料)は下記ページから。

PAC-LIST

2008年1月23日(水)

英国内6図書館の共同プロジェクト「同一の所蔵資料400点の経時劣化の研究」の現状

英国図書館(BL)を中心に国内6つの法定納本図書館が協力し、それぞれが所蔵する書籍資料のなかから同じものを400点選出、これが通常の保管環境の下で経時と共にどのように劣化して行くかを研究するプロジェクト The Identical Books Project の現状を国際図書館連盟(IFLA)資料保存分科会機関誌 International Preservation New (No.42, October 2007)が伝えている(p.18-20)。

2006年10月にスタートしたこのプロジェクトはメロン財団から69万8千ドルの資金を得て、保管環境下の紙媒体の劣化を知るためのモデルとなる紙を作成と試験、書籍としての状態を非破壊的に測る方法の開発、各機関のコンサベーション部門の協力体制の構築、コンサベーション研究の規準の創設、国内の保存科学のレベルの向上--を目標にしている。参加機関は英国図書館、ケンブリッジ大学図書館、スコットランド国立アーカイブ等8機関。これとは別に国内3大学そしてリュブリアナ大学(スロヴェニア)が研究支援を、またオランダ王立図書館、米議会図書館、ドイツ国立グラフィックアーツ・アカデミイが諮問機関になっている。

書籍用紙が経時と共にどのように変化するか、保管環境の影響はといった比較研究と共に、紙の束としての書籍から発生する揮発性有機化合物(VOC)を計測することで書籍の劣化状態を知ることができないかという研究も行われている。また、これまでの劣化調査の定番である表面pHによる酸性度計測とページの端を折り曲げて物理的強度を測るダブル・フォルド法の欠点を凌駕する微細サンプル抽出pH計測法等も導入されている。

プロジェクトは2009年3月に終了し、これを記念しての国際的なコンファレンスの場で成果が発表されるという。

International Preservation New (No.42, October 2007)

2008年1月22日(火)

文科省文化審議会での「過去の図書作物等の保護と利用に関する小委員会」の配付資料と議事録が公開

2007年11月26日に開催された、文化庁の文化審議会著作権委員会に設置されている「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会」第10回の配布資料・議事録が、文部科学省のウェブサイトで公開された、と国立国会図書館の Curren Awareness -R が伝えている。米国や韓国など、海外の図書館事情も踏まえ、図書館におけるアーカイブ事業(構築・利用)の円滑化方策について議論されている。また、小委員会の中にアーカイブワーキングチームが設置されたことも伝えている。

文化審議会著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第10回)配布資料・議事録

2008年1月11日(金)

文化財保存修復学会、第30回記念大会・総会を5月に太宰府の公民館と九州国立博物館で開催

文化財保存修復学会は5月17日(土)・18日(日)の両日、太宰府市中央公民館と九州国立博物館を会場,に、第30回記念大会および2008年総会を開催する。研究発表の申し込み締め切りは1月31日、機器展示の申し込み締め切りは2月28日。詳細は下記ページで。

文化財保存修復学会第30回記念大会 ご案内(ファーストサーキュラー)

2008年1月10日(木)

政府が2009年の通常国会で国会図書館蔵書の大規模デジタル化のための法改正へ

1月7日付けの日経新聞は「国会図書館の本、全国で閲覧可能に、法改正へ政府着手」という記事を掲載している。3,000万冊を越える国会図書館の蔵書を全国で閲覧可能にするために、政府が法改正を目指すという。

「国会図書館の本、全国で閲覧可能に、法改正へ政府着手」

東京大学経済学部資料室が助教を公募、「資料の保存・修復の経験を有する」も条件の一つに

東京大学大学院経済学研究科・経済学部資料室が助教を公募している。4月1日からの採用で任期は3年。採用予定スタッフの職務は① 資料の収集と整理、② 一次資料の保存と公開に関する研究、③ 日本経済に関する文献・電子情報等のレファレンス--等だが、応募資格として修士の学位をもつかそれに相当する者で、①の職務を行うにあたり、「アーキビストもしくはライブラリアンとしての知識、経験および資料の保存・修復の経験を有する」ことが満たすべき条件のひとつとして挙げられている。応募〆切は1月31日。詳細は下記PDFで。

東京大学大学院経済学研究科・経済学部資料室 助教公募

2008年1月8日(火)

フィチン酸マグネシウムによるインク焼け資料処置の新しい方法、溶解性があり表面デポジットがない等の利点

文化財保存修復科学の電子出版 e-PS の最新号(e-PS, 2007-4)は、インク焼け(ink corrosion)処置の新しい方法として、フィチン酸マグネシウム(magnesium phytate)をキレート剤に使った方法を紹介している。これまでのフィチン酸カルシウムを使った方法は同カルシウムが水中に分散しているために、処置後に資料表面に微少な炭酸カルシウムが残留するリスクがあるが、マグネシウムの場合は完全に水溶液になり、デポジットが生じないこと、溶液のため作り置きができること、pH調整のためのアンモニア添加が不要なこと--が利点としてあげられるという。また、このための試験から得られた新しい知見としては、カルシウムもマグネシウムも、pHが5.8-6.0の時が、インク焼け抑制効果が最も高いという。

J.Kolar et. al. STABILISATION OF IRON GALL INK: AQUEOUS STABILISATION WITH MAGNESIUM PHYTATE

2008年1月7日(月)

国会図書館『地域資料に関する調査研究』レポート、公共図書館の地域資料の保存対策の現状も


表2-28 地域資料の保存方法(%)

国立国会図書館はこのほど『図書館研究調査レポート』 No.9 として『地域資料に関する調査研究』をウェブ(HTML版)で刊行した。各地の公共図書館を中心に、所蔵する地域資料に基づいたサービスを展開しようとする動きが広がっているなかで、国立国会図書館は2006年に「地域資料に関する調査研究」として、全国の公立図書館637館及び図書館類縁機関(文書館、行政情報センター、博物館等)192館を対象としたアンケート調査と、秋田、沖縄、滋賀の各県の県立図書館等合計16館を対象としたヒアリング調査を実施しレポートとしてまとめたもの。このうち「第2章 図書館 6節 資料保存対策」として、地域資料に限定した形だが、初めて公共図書館での資料保存の取り組みが明らかになった。

『図書館研究調査レポート』 No.9 『地域資料に関する調査研究

米議会図書館、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」等の映画を新たにナショナル・フィルム・レジストリ登録し保存へ

アメリカ議会図書館はこのほど2007年度にナショナル・フィルム・レジストリに登録し、永久に保存してゆく25の映画フィルムを選定したと発表した。これまでアメリカ国内で製作されたクラシック映画から近年のものまで、毎年選定して登録するもので、今回は『未知との遭遇』(1977年)、『ブリット』(1985年)、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1977年)等の70年代以降の作品とともに、『グランドホテル』(1932年)や『嵐が丘』(1939年)等が登録された。1989年にNational Film Preservation Actとして始まったこの登録制度による映画は475に登る。

議会図書館は昨年(2007年)に大規模な国立視聴覚資料コンサベーション・センター(National Audio Visual Conservation Center)を設置しており、ナショナル・フィルム・レジストリとして登録された映画フィルムの修復や保存にも一層注力できるとしている。

なお、「アメリカ国内で1950年以前に製作された映画フィルムの半分、1920年代以前のものはすでに90%が、すでに無くなっている」という。

Librarian of Congress Announces National Film Registry Selections for 2007

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