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almost daily news of preservation and conservation

図書館やアーカイブ等の資料保存に関する世界のニュースを伝える、ほぼ日刊のページです。 土日・祝日は休刊します。 リンクも引用も自由です。

2008年3月のアーカイブ

2008年3月28日(金)

研究図書館協会(ARL)「2005-06年の資料保存事業統計」、費用や人員は増、マイクロ化は減少

国立国会図書館のカレントアウェアネスは「ARL、研究図書館の資料保存に関する統計2005/2006年版を公表」を掲載している(3月25日付)。ARL(Association of Research Libraries)が定期的に行っている傘下の図書館等での資料保存事業のアンケート調査結果の統計で、今回は111の機関が回答を寄せている。

ARL、研究図書館の資料保存に関する統計2005/2006年版を公表

※なお、上記統計では digitaization の項目もある。「製本された冊子のデジタル化は資料保存のための選択肢として徐々に活発になっている。2005-06年の統計では54の機関がデジタル化の数は"0以上"(more than zero bound volumes)と回答していたが、今回は一冊と回答したところから、デラウェア大学図書館のように25,121冊という機関まで、幅広い。」(p.10)。その他、同統計にはコンサベーション(15分以下で処置が終了する簡単な補修も含む)、一枚物も含めた大量脱酸性化、保存容器の項目もある。

2008年3月25日(火)

米国標準化機構(NISO)、「デジタル保存:今日の計画、明日への準備」フォーラムでの発表を公開

米国情報標準化機構(NISO: National Information Standards Organization)はこのほど、3月14日に開催したDigital Preservation: Planning Today for Tomorrow’s Resources”(デジタル保存:今日の計画、明日への準備)フォーラムでの各講演者による発表を公開した。フォーラムの基調講演ではEvan Owens(Chief Technology Officer, Portico)が "Long-Term Preservation and Standards: An Uneasy Alliance." (長期保存と規格:その落ち着かない関係)としてPortico(非営利の米国の電子ジャーナルアーカイビング事業機構)での経験をもとにデジタル記録の保存とそのための規格の現状について述べた。その他の発表は、世界的な課題としてのデータ保存の責務、分散型デジタル情報の保存、米電子新聞プログラムの実践など7つ。

NISO Forum Put Spotlight on Digital Preservation Issues

オランダ国立図書館「マス・デジタル化プロジェクトでのマスター画像をPDFで保存」提言のレポート

オランダ国立図書館(Koninklijke Bibliotheek)はこのほど、マス・デジタル化によるマスター画像のファイル形式として、現在の非圧縮型TIFFに替わりPDFを採用する可能性を探ったレポートPDF Guidelines: Recommendations for the creation of PDF files for long-term preservation and access を公開した。TIFFは画像の質としては問題ないが、長期保存にはあまりにもファイル容量が大きいため、としている。以下のページから報告書全文がダウンロードできる。

http://www.kb.nl/hrd/dd/dd_links_en_publicaties/links_en_publicaties_intro.html

自民党デジタル・アーカイブ小委員会の野田聖子委員長のサイトに「デジタル・アーカイブの推進に向けた申入れ」全文

自由民主党 政務調査会デジタル・アーカイブ小委員会の委員長である野田聖子・衆議院議員のサイトにデジタル・アーカイブの推進に向けた申入れ―「デジタル文明立国」に向けて」の全文が公開されている。3月19日付け。

デジタル・アーカイブの推進に向けた申入れ―「デジタル文明立国」に向けて―

【関連】3月22日付け読売ONLINE 全電子情報を保存、国会図書館も対応促進…自民委が提言案

2008年3月24日(月)

国会図書館、戦後の和図書191万冊の劣化調査結果と全調査データを発表、代替・脱酸性化・製本の指針が明確に





国立国会図書館はこのほど、同館が2005~2006年度にかけて実施した「和図書劣化調査」結果と、この調査のためにサンプリングした書籍の書誌およびその調査データを発表した。調査対象になったのは1950~1999年に国内で出版され、利用頻度が最も高い191万冊の書籍。その本文紙の物理的・化学的状態、版元で行われた元の製本の状態、受け入れ後の図書館製本の状態をサンプリング書籍(2,000点)で調べ、現時点で劣化がどの程度進んでいるのか、いないのかを概観し、今後に予想されるであろう劣化への対策の指針を明確にした。同館ではこの調査結果を踏まえて、酸性紙で紙の強度がまだ保たれているものの大量脱酸性化、強度が保たれていても見開き度が悪くコピー等で破損するおそれのあるものへの取り扱い注意や複写方法の見直し、本文紙の強度に応じた見開き度を保持できるより良い再製本法の採用等の具体的な保存対策を計画的に実施していくとしている。

191万冊からランダム・サンプリングした2,000点の書誌及び調査結果データも全て公開された。これにより同じ本を持つ他の図書館が同様の調査を行えば、自館での状態とともに、温湿度が管理された国会図書館との保管環境の違いによる劣化度の差異等も判ることになる。

No.8 国立国会図書館所蔵和図書(1950~1999年刊)の劣化調査報告

報告書 本編 (7.6MB)

ランダム・サンプリングした2,000冊の書誌および調査結果データ (1MB)

※上記調査作業は弊社・有限会社資料保存器材が委託され実施しました。すでに公表されている東京大学経済学部図書館資料室での調査等を元に、館内で実施するための、より一般的な調査票のひな形を下記に掲載しました。ご参考に。調査目的に応じて調査項目を加除してお使い下さい。資料の状態調査はそれを持つ図書館の方が自ら行うのがイチバンです。なお、ご不明な点はご質問をどうぞ(mail@hozon.co.jp)。

書籍資料の劣化状態調査票のひな形(XLS:26KB)

2008年3月19日(水)

TAPE、オーディオ・テープのデジタル化のためのワークフローを発表、傷みの判定から機器の準備、転換まで



EU(Europe Union 欧州連合)のTAPE (Training for Audiovisual Preservation in Europe=ヨーロッパの視聴覚資料保存のためのトレーニング)はこのほど、磁気テープに記録された音声資料をデジタル化するためのワークフロー Audio Tape Digitisation Workflow を発表した。オープンリールのテープが基本になるが、「カセットテープ」にも対応できるとしている。

ワークフローは、1.オリジナルのテープの準備、2.テープを再現する機器の準備、3.デジタル転換の3章から成り、それぞれのステップでどのような作業を行えばよいかを豊富な静止画像と、実際の作業を撮影した動画で理解できる。

Audio Tape Digitisation Workflow

MSN産経ニュース、「国立公文書館拡充へ有識者会議、「歴史資料の宝庫」次世代に」を掲載

MSN産経ニュースは3月18日付の記事として「【明解要解】国立公文書館拡充へ有識者会議設置 「歴史資料の宝庫」次世代に」を掲載している。文化部の牛田久美氏による論評。

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080318/trd0803180834001-n1.htm

2008年3月17日(月)

全史料協等の共催で有識者会議メンバーの宇賀教授による「公文書管理法の制定に向けて」講演会を4月23日に

記録管理学会・ARMA東京支部・全史料協は共催で4月23日(水)に中央大学駿河台記念館(東京・千代田区)「特別講演会:文書管理法(仮称)の制定に向けて」を開催する。「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」メンバーである宇賀克也・東京大学大学院法学部政治学研究科教授が「公文書の管理、保存の課題」として講演する。〆切は4月18日、参加費は1,000円。詳細は下記ページで。

「特別講演会:文書管理法(仮称)の制定に向けて」

公文書管理の在り方等に関する有識者会議(内閣官房サイトのページ)

2008年3月13日(木)

「ブック・コンサーバターのためのブック・コンサーバター」クリストファー・クラークソンのサイトが登場


「修復からコンサベーションへ」---アーツ・アンド・クラフツ運動の伝統を踏まえ、1966年のフィレンツェ洪水による貴重資料の救出作業を契機として確立していったブック・コンサベーションへの流れを決定づけたクリストファー・クラークソン(Chirstopher Clarkson)のサイトが登場した。クラークソンはフィレンツェ後、アメリカ議会図書館、ワルター美術館(ボルチモア)、ボードリアン図書館(オックスフォード大学)へと、それぞれの機関でのブック・コンサベーションの考え方の浸透とコンサベーション部門の設置・運営を経て、ウェスト・ディーン・カレッジ(英サセックス)における初の貴重書のコンサベーション講座を開設、現在も世界中の図書館・アーカイブズに対するコンサルティングを精力的に行っている。日本でも国立国会図書館が2003年12月に、ボードリアン図書館のロバート・ミンチ(Robert Minte)氏とともに招聘し講演会を開催した。

今回開設されたサイトはクラークソンのこれまでの業績を文献一覧の形で見ることができるページと、著作の中でも最も重要視されながら少部数での発行だったために入手が難しかった“Limp Vellum Binding and its Potential as a Conservation Type Structure for the Rebinding of Early Printed Books ? A Break with 19th and 20th Century Rebinding Attitudes and Practices” を購入できるページで構成されている。

Christopher Clarkson; Book Conservator

■参考

クラークソン(金谷博雄 抄訳)「書物のプリザベーションに求められるもの」

クラークソン「貴重書の修復はどこまで許されるのか--minimum intervention の勧め」 (PDF 362KB)

資料保存活動の歴史と取組み <国立国会図書館での講演会報告>

アンソニー・ケインズと書物のコンサベーション

2008年3月12日(水)

国文学研究資料館アーカイブズ系は消滅するのか?--全史料協『会報』への投稿記事

全史料協(全国歴史資料保存利用連絡機関会議)の『会報』(No.81, 2008.2)は国文学研究資料館アーカイブズ研究系の五島敏芳氏による「どうなるアーカイブズ研究系? どうなるアーカイブズ研究?」を掲載している(p.53-54)。

平成16年(2004年)からの国立大学等の法人化により国文学研究資料館も人間文化研究機構を構成する研究所の一つとして再編成された。法人化に際し、附置機関だった旧史料館は国文学研究資料館内で解体され、旧史料館教官はアーカイブズ研究系教員として統合された。これに際し、当初は旧史料館の研究・事業と独自性(人的構成を含む)を尊重するという約束があったが、現館長の下では2名の異動があった。また、アーカイブズ研究のための構成員の欠員(一人は早期退職、一人は今年4月のアーカイブズ学大学院への転出)の補充も予定がない。

国文研の将来計画としては人件費抑制のための教職員数縮減に対し、機動的に研究・事業を推敲するために4研究系統を廃止して1研究部制にすることが検討されている。これはアーカイブ研究系の消滅を意味する。プロジェクト数を減らして資源を集中する議論もあり、アーカイブズ研究プロジェクトも同様で、事業についても「選択と集中」が求められ、例えば長く続いてきた史料管理学研修会の廃止を検討するように館長から指示されている。

「国文研の機構として最後に一つだけ残す機能を選べ」という財政上の問いに、アーカイブズ研究・実践の選択肢はない。

こうした状況へ、アーカイブズの世界で協力して対応できないものか。

(要約責任:木部徹)

付記:上記投稿は末尾に(1月末記)とある。



2008年3月7日(金)

アーカイブズ学会が4月19、20日に2008年度大会、アーキビスト資格制度についてのシンポジウムも

日本アーカイブズ学会は4月19日(土)、20日(日)の両日、学習院大学(豊島区)で2008年度大会を開催する。19日は総会の後に石井米雄氏(国立公文書館アジア歴史資料センター長)による講演「歴史研究とアーカイブズ」が、20日午前は9つの自由論題研究発表、午後からはシンポジウム「アーキビスト資格制度の構築に向けて」が予定されている。 参加費は会員が1,000円、非会員が1,500円。詳細は書くページで。

http://www.jsas.info/modules/news/article.php?storyid=14

2008年3月6日(木)

「公文書管理の在り方に関する有識者会議」のメンバー

産経新聞は29日に正式に発表された「公文書管理の在り方に関する有識者会議」設置のニュースの中で同会議のメンバー名を報じている。それによると座長は元大蔵事務次官の尾崎護・矢崎科学技術振興記念財団理事長、他のメンバーは、朝倉敏夫・読売新聞東京本社論説委員長、宇賀克也・東大大学院教授、加藤丈夫・富士電機ホールディングス相談役、加藤陽子・東大大学院准教授、後藤仁・神奈川大教授、高橋滋・一橋大大学院教授、高橋伸子氏(ジャーナリスト)、野口貴公美・中央大准教授。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080229-00000102-san-pol

2008年3月3日(月)

公文書の管理・保存に関する国会や政府の動き

国立公文書館のサイトは「国会における公文書館連の国会質疑等」として適時、ニュースを伝えている。最新のは2月27日付け。
http://www.archives.go.jp/news/20080227.html

内閣官房のサイトには「行政文書・公文書等の管理・保存に関する関係省庁連絡会議」のページが設置され、連絡会議の構成員および第一回会議(12月14日)の議事次第が掲載されている。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gyouseibunshou/index.html

産経新聞は3月2日付けで「公文書管理の議論本格化 ライフワークから喫緊の課題に」を掲載している。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080302/plc0803021842003-n1.htm

今秋のIICロンドン大会のプログラム、日本からは神庭氏(東博)らが移送中の梱包内環境で発表

IIC(International Institute for Conservation of Historic and Artistic Works. 国際文化財保存修復学会)の第22会大会は2008年9月14-19日にロンドンで開催されるが、このプログラムが発表された。2年に一度開催される同大会の今回のテーマは Preservation and Access 、文化財のアクセスを保証するためのコンサベーションはどうあるべきかで、15~19日のテクニカル・プログラムではすでに40件を越える発表が予定されている。日本からは神庭信幸氏(東京国立博物館)らによるMeasurement and Analysis of Global Transportation Environment of a Packing Case(海外に移送する際の梱包ケース内環境の計測と分析)の報告が行われる。図書館・アーカイブ関連では以下の発表がある。

Bonnie Clark: Planning work for current and long-term access at Library and Archives Canada

Juergen Vervoorst: Archive Conservation Embedded in the Contradictory Context of Digitisation and Access

Tiarna Doherty and Bruce Metro: Holy Image, Hallowed Ground: Icons from Sinai. The transport and display of objects from St. Catherine's Monastery

Helen Shenton: Public Engagement with Conservation at the British Library

i以上の口頭発表とは別に多数のポスター発表が予定されており、順次、同大会のサイトで公表される。

IIC CONGRESS 2008: Conservation and Access

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