今日の工房 2008年

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2008年12月12日(金)

洋装本の括(signature)の綴じ方のあれこれ。左がリンクステッチで紀元前後から用い られた。次が綴じのための支持体付きで、革のシングルコードを貫通させる方法と、リン プヴェラム製本に用いられたダブルコードの支持体に巻き付ける方法。

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2008年12月08日(月)

紙媒体のコンサベーションで使う手道具。

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2008年11月28日(金)

アルバムに貼られた写真への手当て。酸性度の高い元の台紙から剥がし、中性の台紙に三角コーナーを使って貼り直す。新しい台紙とガス吸着性ボードのマウントを丸ごとエンキャプシュレーションし、元のアルバム表紙とともに保存容器に収納した。

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2008年11月19日(水)

布帙を作る。昔ながらの四方帙だが、資料の表面に直接触れるところに一工夫している。内側に折り返る表装布の端で資料の表面に跡が付くのを防ぐために、クッション性のある材料を採用した。材料は長期安定性が確認されたものである。

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2008年11月14日(金)

作家ヴィクトル・ユーゴーの書簡。インク焼けする没食子インクで書かれていることがチェック・ペーパーで解る。フィチン酸カルシウムによるキレート処置と炭酸水素カルシウムによる脱酸性化処置の後に再びチェックして効果を確認する。

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2008年10月31日(金)

パーシャル・リーフ・キャスティング。吸引テーブルの上で、欠損部だけに部分的に(パーシャルに)繊維を流し入れて填め込む。紙が厚く、両面に文字があるような場合に用いる。文字に繊維がかからないように流すこと、吸引のわずかな間に指で調整してゆくのがポイントになる。

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2008年10月24日(金)

中村正直著『西国立志編』(明治9年)は表紙の芯材に初めて国産の板紙を使った製本とされている。しかし、現在のようなボール紙ではなく、数種の紙を貼り 合わせた paste board だった。芯材が見える部分は補修もせず、本体の開きなどの構造的な傷みだけを直し、少量の保革油を入れるに留めた。

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2008年10月10日(金)

お客様のご希望にあわせて作製した様々なオプション。上記以外にもアルカリに敏感な染織品やテキスタイル向けの3F仕様(無酸、無アルカリ、無サイズ)など、多岐にわたるオプションを用意している。

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2008年09月26日(金)

虫損のはげしい近世文書。損じた穴の周辺には虫の糞が固着し、穴の周辺の端に黒い汚れができている。この汚れをあらかじめきれいに除いておかないと、リーフキャスティングによる繊維装填が上手にゆかない。

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2008年09月19日(金)

専門図書館様での弊社スタッフによる採寸・収納作業。対象は主に洋書が中心の2,500冊余のコレクション。お客様と相談し、サイズ・形態・劣化状況に合わせて一冊ずつ最適な保存容器を作製した。

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2008年09月16日(火)

中央大学図書館のスタッフの方々を招いての館内補修のワークショップ。対象は一般書で、いわゆる「くるみ」製本されたものだが、くるみをくるみでではなく、それ以前の表紙綴じ付けの方法で丈夫に直す方法や、無線綴じのダブル・ファン接着剤製本などを、一日たっぷりかけて学んでもらった。

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2008年09月08日(月)

紙媒体記録資料のコンサベーションの文献の棚。背番号が振られた論文と書籍は約2,000点ある。内外の学会等で発表される新しい論文も逐次入手してデータベースに加えられ、問題やテーマに即したアクセスができるようになっている。

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2008年09月01日(月)

コンサベーション(保存修復)部門を拡張した。資材置き場等のバックヤードを含めた工房全体の広さは約100坪(330㎡)。スタッフ一人ずつの机がある事務処理だけのスペースも確保できた。

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2008年08月25日(月)

弊社スタッフ2名がロンドンとダブリンへ出張し、現地の図書館や博物館を見学してきた。写真はダブリンのトリニティ・カレッジ図書館のコンサベーション・スタジオの様子。様々な方から担当している資料の保存修復方法についてお話を伺うことができた。

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