今日の工房 2016年 7月

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2016年7月27日(水)組み立て式の作業台、ぐらつかないための一工夫。

箱の製作や資料の修理を行う作業台。工房内だけでなく社外に持ち出すことも多いため、折り畳み式のウッドスタンドに板材を乗せる組立式のものを使用している。こうした作業台は固定机に比べると脚が揺らぎやすくなってしまうが、弊社ではウッドスタンドに三角形の補強材を取り付けることによりこれを解消した。作業内容にあわせて自由にレイアウトできる手軽さと安定感とを両立させた作業台は、毎日の仕事をしっかり支えてくれる縁の下の力持ちだ。

2016年7月20日(水)この夏の手ぬぐいの柄はオクラです

お客様にお届けする暑中お見舞いの手ぬぐい、今夏の柄は旬を迎える夏野菜のオクラ。つつむ、ぬぐう、敷く、かける、巻く、かざる、使い方は色々。工房でも重宝しています。

 

2016年7月13日(水) SPレコードを保存するには

SPレコードはLPレコードに比べて約3倍の重量があるため、縦置きで長期間保管すると熱による反りなどの変形を起こしたり、床に接触している部分が欠ける恐れがある。そのためSPレコードは平置きで保管するのが望ましい。(LP盤は縦置きの保管も可能だが、反りが起こらないように硬めのボードで挟むなどの工夫が必要だ。)

 

写真にある元のレコードスリーブは酸性紙で作られているので、アルカリバッファーの中性紙封筒に入れ替えた。保存箱にはレコードを平置きで10枚収納できる。フタがボアテープで固定されているため、持ち運びの際にレコードの重みで箱の身が不用意に開かないようになっている。

 

オリジナルのレコードジャケットも保存の対象である場合は汚染ガス吸着シート「GasQ ガスキュウ」で包み、中性紙封筒に入れたレコードと同じ保存箱に収納して保管する。

 

 

 

 参考:SPレコードとLPレコード

 

SP(Standard Playing)レコードとは、1897年~1950年代後半に製造されていたレコードで、1948年に長時間の記録が可能なLP(Long Playing)レコードの販売が始まり徐々に移行していった。SP盤とLP盤の違いは以下の通りである。

 

SPレコード
・直径:12インチ(30cm)と10インチ(25cm)
・毎分78回転、記録時間:最大片面5分
・主原料:シェラック(東南アジアに生息するラックカイガラムシが分泌する天然樹脂)
・材質:硬度がある半面、弾力が無くもろい。摩耗しやすく、落とすと瓦の様に割れる
・重量:最大400g程度
・シェラックは粒子が粗いので長時間の記録ができない(細かい溝を掘れない)

 

LPレコード
・直径:12インチ(30cm)と10インチ(25cm)
・毎分33と1/3回転、記録時間:最大片面35分
・主原料:硬質塩化ビニール
・材質:弾性があり割れにくく丈夫
・重量:130g程度(重量盤は180g)
・粒子が細かいので細密な記録が可能になり、SP盤では不可能な長時間記録を実現

 

日本では、明治末期からSPレコードの製造が始まった。戦中戦後の物資が不足した時代には、シェラックの輸入が止まり、代替材料を使用した物や、A面とB面の間にボール紙を挟み込んだ、劣悪な素材のレコードが製造されていた。1951年にLPレコードの輸入が始まり、SPレコードの国内生産は1963年に終了した。SP盤からLP盤への過渡期にはフェノール樹脂や塩化ビニールのSPレコードも製造されていた。

2016年7月6日(水) 修理の第一歩はカルテの作成、時間をかけて丁寧に。

修理にとりかかる前に事前調査を行いカルテを作成する。資料の形態(和装本、洋装本、図面、小冊子等)、基材(和紙、パルプ紙、洋紙等)、イメージ材料(墨、顔料、スタンプ、インク等)、資料の劣化状況(破れ、欠損、虫損、カビ、粘着テープ、金属物等)などを観察しカルテに記す。さらに、pHチェックやスポットテストを行うことで、より詳細に資料の性質を把握する。これらの調査結果を受けて、時には想定していた修理方針を修正する場合もあるため、時間はかかるが丁寧に行わねばならない非常に重要な工程である。また、処置に使用した材料(和紙、接着剤、溶剤)や工程、処置後に収納した保存容器の形態、かかった作業時間を記録しておくことで、同じような資料に対して、より適確な処置を施すための判断材料にもなる。さらに処置を行った資料そのものにとっても、将来的にさらに修理や保存対策が必要になった際、重要な情報源となる。

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