2009年の工房
2009年12月25日(金)
12月も4週目になり、年内の納品作業も24日で終りを迎え、フル稼働で動き続けた作業機械にお正月飾りを飾ると喧騒に包まれていた社内にも年末の空気が訪れる。本年中のご愛顧に心より御礼申し上げますと共に、明くる年も変わらぬ お引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
2009年12月17日(木)
ドライ・クリーニング法あれこれ。拭き取る、吸い込む、吸着する、削り取るなど、資料の傷みの程度や紙の表面の粗密度によって使い分ける。ドライ・クリーニングは、物理的な汚れを除いて見栄えをよくするだけではなく、大気中の塵や埃に含まれた有害な酸性物等を除く効果もある。作業全体の中で最も手間を要する工程の一つだが、洗浄や脱酸性化処置の効果や仕上がりにも大きく影響するため、時間をかけて丁寧に行う。
2009年12月11日(金)
お客様へ保存容器内に特殊なオプションを提案する場合、実物の縮小モデルを作成する場合がある。大型の襖絵を入れるためのオプションとして大型の台差し箱にL字の固定具と縦置き用の平紐、描画面に容器が触れないためにスペーサーを提案するために8分の1の容器を作成した。写真4はその完成版。
2009年12月03日(木)
E研とP研に続き、社内で定期的に行っているbook conservationの勉強会、B研。東西の製本技術史を学び、サンプル本を作る。今回は南アメリカの製本。スペイン等に侵略される前(Pre-Columbian)のマヤやアステカのコデックス(冊子)、侵略後の簡素だが機能的なベラム製本は、それぞれに興味深い。
2009年11月27日(金)
弊社製保存容器の堅牢さを示す一例。ガラス乾板用保存箱は、近頃メタボ気味のスタッフが直接乗っても保存容器としての形状を問題なく維持している。
2009年11月19日(木)
増田勝彦氏考案のドットスタンプとペーストパッドを用いた微少点接着法による修補。資料の色に合わせて染めた和紙(楮)を喰い裂き、資料の裏面からデンプン糊の微少点接着で裂けや欠損部を繋ぎ止める。
2009年11月13日(金)
海外からの注文品である8×10インチのガラス乾板用保存容器を作る。乾板の重量もあり、また縦置きに収納するために通常製品より壁を厚くして安定度を高めた。強度もアップして堅牢な容器が完成した。一箱に14枚、合計200箱、約3,000枚の乾板が納められる予定だ。
E研に続き、社内で定期的に開かれている勉強会のひとつ、通称P研。外部の方も招いて行われるこの研究会のテーマは『紙のコンサベーションに関する材料、技術』。内外の文献をもとに、自分たちの保存修復作業と照らし合わせることで、実践的な知識に結びつける。この日は「サーフェイスクリーニング」について。
2009年10月29日(木)
収納する資料の大きさに合うアーカイバル容器を作るには、まず資料を正確に測るのが基本。このための治具がこれ。三つのパーツで組み立てる。縦・横寸法だけでなく、決め手になる厚みもピッタリに測ることができる。台の10センチごとの色分けは読み取りミスを防ぐため。
2009年10月22日(木)
16日に開催されたJHKシンポジウム「資料保存を実践する-事例から学ぶ現場の知恵-」の展示ブースに弊社も出展しました。ご来場下さった多くの皆様から、資料の修復について、アーカイバル容器について、沢山のご質問やご意見を直接伺うことができ、大変参考になりました。お礼を申し上げます。
2009年10月15日(木)
中国文化遺産研究院(北京)での「シルクロード沿線文化財保護修復人材育成プログラム」における当社スタッフの講義と実演。このプログラムは日・中・韓の協力の下に東京文化財研究所文化遺産国際協力センターが企画運営するもので、今年で4年目、弊社は2度目になる。「文化財の保護容器-その特性と機能-」をテーマに、9種類のアーカイバル容器を作る実技コースは好評で、熱い質問と意見が飛び交い、まさに百家争鳴。
社内で定期的に開かれている勉強会の様子。通称E研。今回のテーマは『保存環境の温湿度について』。国内外の研究論文や調査資料を参考に、現在の世界の考え方を知り、自分たちの理解度を深める。
2009年09月30日(水)
学習院大学大学院アーカイブズ学専攻課程で資料保存を学ぶ方々の見学会。保存容器の作成方法や保存修復作業を熱心に学ばれた。見学後、弊社スタッフとのディスカッションも行われ、これからのアーカイブズを担う方々と充実した時間を共有することができた。
2009年09月25日(金)
17日に開催された日本新聞協会主催「第42回資料管理講座」では、長尾真・国立国会図書館長による講演「国会図書館のディジタル化事業」に続き、弊社スタッフによる「紙資料の保存方法と修復技術」が行われた。同講座には新聞・通信業界を中心に50余名が参加し、ディスカッションを含めた熱心なやり取りになった。
2009年09月18日(木)
楽譜を製本装丁する。中身は折り本仕立てにするため、和紙の短冊で貼り合わせ、見返し紙を付けた。表紙は厚紙を芯材にして、依頼者様が選んだ色和紙に表題を直筆で書いたものを被せた。中身と繋いで完成。
2009年09月10日(木)
本の閲覧や展示のために使われる書見台( Book support )を作る。傾斜を調整することができ、本を開いた際に適切な角度で保持することができるよう工夫されている。本全体を支えることができるため、背やノドにかかる負担を軽減することができる。
2009年09月03日(木)
リーフキャスティングに用いる和紙の繊維分散液。左から黄楮、白楮、黄雁皮。資料の色や風合い、厚みによって繊維配合比を変えた液を作って漉く。補填箇所が資料本来の風合いを損なわないようにする。
2009年08月27日(木)
漫画やデッサンの原画を収納する仕切付き保存箱。彩色してありアルカリに敏感な資料が多いため、1枚ずつ3Fフォルダーに挟んで入れる予定である。また、持ち運びやすいように箱の前後には取手を付けた。
2009年08月19日(水)
長年の使用により、糸が緩んでしまった漉き簾(すきす)を直している。リーフキャスティングを行う際、この漉き簾を敷き、その上にクロスを敷いて資料を置く。簾は、水はけが良くまた処置の際の資料の支持体として欠かせない道具である。
2009年08月06日(木)
大型台差し箱の搬出作業。大判ポスターを収納する1辺2mを超す大型箱のため、エレベーターでの搬出が出来ず、窓から外に下ろすこととなった。6名がかりで無事に作業を完了した。
2009年07月30日(木)
業務用の大型冷蔵庫を購入。横型なので大きなものの出し入れがしやすく、上で作業も出来る。デンプン糊や薬品など、処置に使用する材料の中には冷蔵保管が望ましいものも数多くあり、これからの暑い季節は大活躍してくれるだろう。
2009年07月22日(水)
デジタルビデオカセット(DVC)用の仕切り付保存箱。目録順に整理作業をしながら 保存箱に収納できるよう、カセットの磁気テープのサイズに合わせて可動式の仕切りを つけてある。
2009年07月16日(木)
和紙をフードプロセッサにかけて繊維にしたもの。本の表紙の虫損穴等を埋める papier-mache (一種の紙粘土)の材料として、あるいはインク焼け資料の剥落部を繋ぎ留めるファイバー・ブリッジとして―等々、いろいろな使い方がある。
2009年07月08日(水)
海外への輸送用のガラス乾板フォルダー。台紙と乾板を固定するシンク、そして中身がわかる窓付の3層構造にしてある。縦置きのガラス乾板保存箱に収納しカードホルダーをつけた。
2009年07月02日(木)
工房での手作業による脱酸酸性化処置後の紙中のアルカリ残留量を測る中和滴定法(ISO 10716:1994)の試験。公文書や新聞等に多用されてきた機械パルプ紙を 主な対象にしている。
2009年06月25日(木)
SP用レコード保存箱を作る。1枚ずつ3Fフォルダーにはさみ、アーカイバル封筒に収納。
検索しやすいようにジャンルごとに縦置の差込箱に入れ、まとめて取っ手付きの大型箱に保存した。
2009年06月17日(水)
出向先への搬出作業。毎年恒例になっているが、これから約1ヶ月の間、6名ほどがお客様の現場で作業を行う。スタッフの三分の一が留守になる工房は少しだけ寂しくなる。
2009年06月11日(木)
アーカイバル容器のトップページをリニューアルしました。「資料からのアクセス」をテーマに、ホームページの見直しを行い「資料の収納例」というページを新たに加えました。また、新製品の「Renka」シリーズも誕生いたしました。Renkaも含め今後も新しい製品を発表してゆきます。どうぞご期待ください。
2009年06月05日(木)
原稿のフラットニング。ゴアテックスを使用した水蒸気加湿によって、紙全体にわずかな水分を与え、ろ紙に挟んでプレスする。水に可溶性のインクが使われていても、水蒸気による加湿であれば、インクが滲むことなくフラットニングを行うことができる。加湿時間の調整がポイントになる。
2009年05月28日(木)
多くのお客様より寄せられた声をもとにして、「シンプルで使いやすく、よりお求めやすい価格」をコンセプトに、アーカイバル容器の新シリーズを開発。第一弾として来月2つの商品を発売予定。
2009年05月18日(月)
某大学図書館から譲っていただいた革装丁の廃棄本。今年のCSSのテーマのひとつ「革装丁の劣化対策」のサンプルとして活用させてもらう。処置を誤るとこうなってしまうというシミュレーションを含めた事例とマニュアルを近日中に公開する。
2009年05月11日(月)
大判ポスターを収めるための保存容器を作る。棚から引き出し易く、かつ容易に持ち運びができるよう取手を四方に付けている。また一辺が2mと大型のため、補強を施した堅牢な作りの箱に仕上げている。
2009年04月30日(木)
今年度のCSSのテーマ。リグニンを多く含む資料に対する各種の漂白効果をみる。洗浄・脱酸性化処置との組み合わせや、漂白方法の違いによって数種類のCSS を作成している。4月~5月にかけての期間は、各自がテーマを持ち自分たちの研究に取り組んでいる。
2009年04月23日(木)
デザイン画を収納するブックマット。サイズがバラバラな為、マットの大きさを統一し資料に合せて窓マットを作製した。そのまま展示にも使用でき、重ねて保存箱に収納できる。
2009年04月15日(水)
昨日開催された第11回図書館サポートフォーラム賞表彰式。牛付き(?)お祝い電報も。
粘着テープの除去。紙力が落ちて角質化している紙の破損部分の補強として、粘着テープが複数箇所に貼られている。本紙ごと有機溶剤に浸漬しながら、慎重にスパチュラで剥がして除去する。本紙全体を浸漬することで、粘着テープの貼ってある周辺に輪染みを作ることなく処置することができる。
2009年04月02日(木)
巻子用の仕切り付保存箱を作る。元の木箱も一緒に収納するため、仕切りを設け巻子を入れる側には軸受けと中蓋を作製。木材からの揮発成分の影響を考慮して、ガス吸着機能をもたせた新きりなみ仕様となっている。
2009年03月24日(火)
没食子インクのインク焼けが生じている手書き原稿。インクおよびその他のイメージ材料が水に可溶性であり、フィチン酸カルシウムによる抗酸化処置が施せない。そこで酸化抑制効果のある臭化ナトリウムを含浸させた台紙を作成し、資料と共に不活性のポリエステルフィルムに封入する。
2009年03月18日(水)
版木を収納するシェルボックス。取出し易く強度をもたせたいというお客様のご希望に応えて、三辺に立ち上がりをつけ印籠型に改良した。資料名が一目で判るカードホルダーを付けて完成。



















































































































































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