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タトウ式保存箱の強度試験

タトウ式保存箱の強度試験

阿部祐貴 2006/08/17

はじめに

一般の段ボール箱の強度は、圧縮試験の結果で表す場合が多い。もっとも正確といわれるのは、規格サイズの箱を圧縮試験機にかけて測定することである。JIS規格に則して作られた段ボール板の種類を特定し、これで作成した箱の縦・横・高さの数値を「ケリカット(Kellicutt)の式」※と呼ばれる計算式に入れると、使用時の強度が得られる。ただし、この計算式に当てはめることの出来る箱の形状は、いわゆる「みかん箱」タイプ(上蓋・底板・側面が一体化した形)であり、当社が製造しているような、形態が異なる各種の箱には適用できない。

そこで、当社では、お客様からの希望仕様どおりの実際の箱を複数(普通は10箱)作成し、これを積み重ね、荷重をかけ、その耐荷重を見て判断することにしている。具体的には、荷重を徐々にかけてゆき、箱全体の高さ方向の歪みを計測、利用不可になる時点(箱が完全に潰れる)での荷重量を箱総数で除算した値を、一箱の「強度」として、お客様に提示することにしている。

以下では、汎用性がもっとも高いタトウ式保存箱(四方帙のように開く形)の強度実験の例を示す。

※ケリカットの式= 段ボールの常数に周辺長、各材質のリングクラッシュ値を合計したものを掛け合わせる式で、
P=Px〔(dx2)^2/(Z/4)^2〕^1/3×と表す。これをパソコン上で自動計算するソフトもある。

タトウ式保存箱の強度実験

実験の対象は、縦・横・厚みの内寸が500×330×55mmのサイズで、B段(BF)のアーカイバル・ボードを内箱に、E段(EF)のアーカイバルボードを外箱に使ったものである。

  

荷重48kg 時

荷重110kg後(正面)

荷重110kg後(側面)

タトウ式保存箱を10箱積載し、その上に荷重が平均にかかる様に箱の底辺と同じ厚みとサイズの平板を載せた。全体の高さは640mmであるが、徐々に荷重をかけていった際に、図のA~Fの6箇所の箱全体の高さを計測し、以下の結果を得た。

表1 (単位:mm)
  8.0kg 16.0kg 24.0kg 32.0kg 40.0kg 48.0kg 56.0kg 64.0kg 72.0kg 80.0kg 90.0kg 100.0kg 110.0kg
A 636 635 633 632 631 630 630 629 629 628 627 626 破損
B 634 632 630 629 627 626 626 625 623 622 621 619 破損
C 633 631 629 628 627 625 625 624 622 620 619 617 破損
D 634 632 630 629 628 626 626 625 622 622 621 618 破損
E 638 636 635 634 633 631 631 631 630 630 629 629 破損
F 636 634 633 632 631 630 630 630 628 628 626 626 破損
平均 635 633 632 631 630 628 628 627 626 625 624 623 -

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結果・考察

表1の通り、荷重48kgでは箱全体で10mm(一箱平均1mm)、荷重100kgでは箱全体で14mm(一箱平均1.4mm)の歪みが見られた。荷重110kgでは箱が破損し重石が落下した。また、荷重72kgの時点から箱の前面(F)と後面(B,C,D)の歪みの変化が増し、箱全体も後方へ傾くようになった。以上の実験結果から、縦・横・厚みの内寸が500×330×55mmのサイズのタトウ式保存箱を複数重ねて使用する際の、一箱あたりの収納資料の重さの上限は6kg~8kgが望ましいと思われる。

当社では、アーカイバル容器としての箱を、長期に積み重ねて使用したいというお客様のご要望に応じて、上記のような荷重試験を行っているのでお問い合わせいただきたい。

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