スタッフのチカラ

東京国立博物館における両開き棚はめ込み式保存

2009年07月21日

1872年(明治5年)に文部省博物館として創設された日本最古の博物館である東京国立博物館は、日本と東洋の文化財(美術品、考古遺物統一の為)の収集保管、展示公開、調査研究、普及等を目的として2007年からは独立行政法人国立文化財機構が運営している。

本館、表慶館、東洋館、平成館、法隆寺宝物館の5つの展示館と資料館その他の施設からなる。収蔵品の総数は日本の4大国立博物館(東京、京都、奈良、九州)の中でも国宝87件、重要文化財622件を含む最多の11万件にのぼる。毎年1,000件余りに何らかの処置を施し、1,300件以上を館外に貸し出ししている。

1998年に保存修復管理官として現学芸研究部保存修復課課長である神庭信幸博士が就任し、2001年に保存修復課が設置されると、文化財の活用と保存を両立させる為に対症修理、本格修理の他に、温湿度管理、有害生物管理、空気環境管理、照度管理など予防保存対策(プリベンティブ・コンサベーション)に精力的に取り組んで来られた。

同館内での対症修理の件数は現在では約1,000件になり、これらの環境改善と日ごろのケアを行うことにより、本格的な修理を遅らせたり避けることが可能になった。

 

今回、弊社が作製したアーカイバル容器はこの予防保存対策(プリベンティブ・コンサベーション)の一環として資料館に収蔵されている歴史資料を収めるものである。棚自体を保存容器にというコンセプトで考案した弊社の棚はめ込み式保存箱であるが、「片側だけでなく棚の両側から資料を取り出すようにしたい。」というご希望を戴き、何度か試作を重ね完成品を納めたのが2006年である。

地震の際にも棚から容器が飛び出さないように、容器と棚をマジックテープで固定する仕様となっている。試作段階からアドバイスを戴き、東京国立博物館と共に作り上げてきた容器である。現在も毎年継続的に導入が行われている。

 

両側から資料の取り出しも可能 地震を考慮してマジックテープで固定

 

東京国立博物館とは: www.tnm.go.jp/

 

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