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スタッフのチカラ

洋装貴重書の取扱い

洋装貴重書の取扱い
ブリティッシュ・コロンビア大学図書館貴重書・特別資料室の指針
Handling Rare Books
The University of Britsih Columbia Library Rare Books and Speial Collections

高田かおる 訳

 

貴重書の取扱いに慣れているという人は数少ない。だが基本をマスターするのは難しくない。少しの根気強さと、以下に述べる「モノとして取り扱う際の注意」を心がければ良い。

1. モノとして本そのものを扱う上で注意すべきことは2つ、本文紙と製本である。

2. 本文紙は、ほぼ1850年から1950年の間の酸性紙の使用率が最大の時期を除けば、予想以上に強いものである。ただ、それ以外の時期の本は大丈夫というわけではなく、酸の悪影響は1400年代の本から現在の本にまで及ぶことは知っておいて良い。褐色化した紙、非常に薄い紙、剥離が見られる紙の取扱いには、細心の注意が必要である。それ以外の場合にも取扱いには注意が必要で、1ページずつ、あるいは数ページの束でページを捲る時は、左開きの時は天小口の右隅、右開きの時は左隅から捲る。

3. 製本は、本の本体(テキストブロック)をしっかりと支えるものだが、時を経るとともに接着剤や革、紙、布、綴じ糸は脆弱になり、劣化する。最も弱い箇所は表紙ボードと本体の接合部(ヒンジ部)そして背で、どちらも割れ切断が生じることがある。製本の形態を維持するための基本的な方法は、本の動きを制御するように背とボードを支え、見開きを最小限にすることである。大型の本は、ウレタンフォーム製のブック・サポート[訳注 2]でしっかり支えて閲覧する。小型の本は見開き度を最大90度までにして、手で支えるのが安全だろう。なお、本を使用していないときは、見開いた状態で置くのではなく、閉じておく。

4. 白手袋について。貴重書を所蔵する図書館によっては、手の皮脂が付着するという理由から閲覧者に白手袋の着用を求めている館がある。一方で、着用により手や指の動きが阻害されて、これが逆に本を傷めることがあるという理由で未着用の館もある。当貴重書室では、特別な場合を除き、白手袋は着用しないことにする。大切なのは、取扱い時に手を清潔にしておくことである。[訳注 1]

5. 閲覧時の禁止事項。見開いて、テキスト側を下にした状態で置かない。印を付けたり、すでに記されている印を消すために擦ったりしない。メモをとるときはペンではなく鉛筆を使う。折ったり、切り抜いたりしない。クリップ、留め具、テープ、ポストイット、輪ゴムは使用しない。

6. 貸出しについて。当室では外部への貸出しはせず、閲覧室のみでの利用とする。

7. 閲覧登録について。貴重書・特別資料の閲覧の際はリファレンスカードに閲覧日、その他必要事項を記入する。各資料の貸出依頼票にも記入が必要である。

8. 飲食について。閲覧室での飲食を禁じる。

9. 出版物への掲載について。貴重書・特別資料から他の出版物への転載は、あらかじめ当図書館の許可が必要である。

 

当室のスタッフは、基本的なプリザベーションの方法を喜んで教えて差し上げますので、何かありましたらお声がけ下さい。

 

 

 


 

以上は University of British Columbia Library Rare Books and Special Collections Division による Handling Rare Books の全訳である。翻訳・掲載を快諾してくださった UBC 図書館貴重書・特別資料室にお礼を申し上げる。

Copyright:
Rare Books and Special Collections Division
University of British Columbia Library

 

[訳注 1] 参考:「貴重書は白手袋を着けてという誤解」

[訳注 2]ウレタンフォーム製のブック・サポートの例は以下に。

Handle with Care: Foam Family and Friends (from Special Collections at the University of Bradford)

 

 

 

 

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