今日の工房 2013年

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2013年07月11日(木)

今年度のCSSのテーマの一つが、営業部門とADM部門(アドボカシー・マーケティング)のスタッフによるコンサベーション部門の研修。およそ1週間、Paper(一枚もの)とBook(本)の修理を実習することで、考え方や方法を共有し、営業とADMに活かす。また、各部門の現場とコンサベーション部門との情報交換も目的となる。

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2013年07月04日(木)

木彫りの印を入れる保存容器。印は図柄によって縦長のものと横長のものが2点ずつ、合計4点のセットになっている。小さな印を取り出しやすくし、デザイン的にもバランスよく納まるようにシンクを配置した。印は保護のためフォルダーに包んでシンクにはめる。

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2013年06月27日(木)

劣化した旧背ごしらえを除去する。本の背を固める接着剤としては、かつては膠が多く用いられてきた。熱したデンプン糊を盛って温めながら湿りを入れることで膠がゆるみ、本紙の背を傷めずにきれいに取り除くことができる。旧背ごしらえの除去は、背の開き癖や変形を矯正して、新たにしっかりした背ごしらえを施すための前工程。

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2013年06月20日(木)

商品の梱包について。組み立て式の保存容器は、平たいまま数枚を重ねてエアキャップでまとめている。エアキャップを留めるテープは、お客様が開封時に分かりやすいようあえて色つきを使用している。完成箱の商品を段ボール梱包する場合は緩衝材を使用し、段ボールと商品の間に空間を作ることで、輸送時に商品へのダメージが無いよう工夫をしている。

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2013年06月13日(木)

2年前に導入したアメリカ製の中古の大型プレス機。土台部分に改良を加え、以前にも増して使いやすくなった。木材ブロックと板で高さ調節をすることにより、様々な厚みの資料でもまとめてのプレスが可能。軸の溝に棒を差し込み、梃子の要領で締め固めることによって、より強力な圧をかけることができる。

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2013年06月07日(金)

工房環境をより一層改善するための対策の一つとして、専門家に依頼し空中浮遊菌サンプラーで修復室内の浮遊菌検査を行った。さまざまな資料を扱う現場の環境レベルを把握することは、作業者の健康に配慮する上でも大切なこと。これから梅雨時期に向けクリーンな環境を保つために、今回の検査結果を元にした対策を実行する。

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2013年05月30日(木)

映画スチール用保存箱。作品ごとのスチール数に合わせた寸法に部屋を区切った。スチールを1枚ずつ二つ折りの3Fフォルダー(映画タイトル等を記入できるようにタブ付き)に挟んだ後、保存箱に立てて収納する。取り出しを容易にするため、箱側面と仕切り板はフォルダーよりも低くした。スチール増に対応できるよう仕切りは取り外し可能。

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2013年05月23日(木)

千代田区立千代田図書館の方々4名が弊社工房を訪れ、アーカイバル容器部門とコンサベーション部門の現場を見学された。現在、同図書館の資料をお預かりし修復作業に入っているため、作業工程を熱心に見ていかれた。革装丁本の修復に和紙を用いることには大変驚かれていた。

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2013年05月16日(木)

アーカイバル容器部門のCSSテーマの一つ「新製品開発」の企画会議の様子。ユーザーの視点を取り入れつつ、保存容器の機能・デザイン・価格などをさまざまな側面から検討した。容器の形状サンプルも作製し、従来品の不満を解消する方法やアイデアをこれからの製品づくりに活かす。

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2013年05月09日(木)

東京墨田区にある山口産業株式会社の革工場で月1回人材育成事業として開催されている見学会に参加した。この工場ではクロム鞣しとタンニン鞣しの利点を備えた、独自のラセッテー鞣しを行っている。国産の豚皮をミモザアカシアの樹皮で鞣す製法。脱毛前の塩漬けの動物皮、勢いよく回転する木製ドラム、天井に吊り乾燥中の数えきれない数の革、職人さん達のプレスさばき等、臨場感あふれる見学会だった。また、このラセッテー製法を生かした、国際協力事業や区内産業活性事業、国内地域活性事業等の活動も大変興味深かった。

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2013年05月02日(木)

間紙は、絵画作品等を重ねて保管する際に、色移りや貼り付きをおこさないように間に一枚ずつ挟み込むものである。ひと口に間紙といっても、透けるようなものから、画用紙並にしっかりしたものまで質感もさまざま。弊社では、作品の材質や保管方法など、用途にあったものを選んで頂けるようサンプルを用意しておりますので、ぜひご利用下さい。

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2013年04月25日(木)

巻子用保存箱の製作風景。全長が20cm未満の物から 120cmを超える物まで約70点の巻子に、1点ずつ箱の内寸を合わせ製作した。軸の直径が1cm未満の資料にも軸受を設け、軸をのせる窪みの細かい部分にも丁寧に化粧貼りを施した。

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2013年04月18日(木)

國學院大學学術メディアセンターにある渋谷キャンパス図書館様が所蔵する、江戸初期に描かれた「祇園社祭礼屏風」を収納する保存箱を作成した。「普段は縦置き、屏風を取り出す際には平置きにできる箱を」というご依頼を受け、取り出しをサポートする平紐付きのトレイと、縦置き時に屏風の傾きを抑えるスペーサーを付けた台差し箱になった。

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2013年04月12日(金)

紙の加速劣化試験を行うための定温乾燥機。ISO 5630-5:2008 (ASTM D 6819-02: Temperature aging method  を元にした規格)の方法で試験を行い、経時による紙の劣化挙動を予測する。この試験法は、「自然に経時した場合の劣化度との整合」がつく方法といわれてい る。サンプル紙片(一枚物および束にしたもの)を密閉した試験管に入れた後、庫内全体を常に100℃に保つことができるオーブンに5日間入れるだけで結果が出る。

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2013年04月04日(木)

木版画連作を収納するトレイと保存箱を作製した。作品を持ち運ぶ際の扱いやすさ、中身の確認がしやすいもの、光や埃からの保護といった収納ニーズに合わせ、シンク型のトレイには内が透けてみえる程の薄い不活性の不織布を組み合わせた。複数の作品を重ねフラットな状態でまとめて保存箱に収納する。

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2013年03月28日(木)

フルバインディングでタイトバック(本体の背が背表紙の裏に貼り付いた背の構造)の革装丁本の修理。革部分のレッドロット現象(大気中の酸性ガスにより酸性劣化を起こし表面が粉状になること)での損傷や、本の開閉運動によるタイトバックの背やヒンジ部への負担のため、背表紙に割れや剥落、擦れ、欠損が見られた。依頼者との事前のお打合せで、染色した和紙等を用いて、新規ホローチューブ構造の背表紙を設けて修理した。左の画像が処置前、あとの3つの画像が処置後。

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2013年03月21日(木)

東京はここ数日の暖かさで桜も開花し、弊社の周囲もすっかり春めいてきた。一方、社内では年度末繁忙期の真最中。最後の追いこみで連日フル稼働である。弊社が春を満喫できるのは、もう少し先になりそうだ。

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2013年03月14日(木)

修復の工房で使っているデジタルカメラが新しくなった。資料を処置する前の現状記録や、作業工程の記録を撮る際に使用している。液晶画面を回転させて画像を確認しながら撮影することができるタイプで、真上からの全体画像も撮りやすい。

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2013年03月07日(木)

仏像本体と付属する装飾品をまとめて収納したいという依頼を受け作製した、仕切り付きのつづら式保存箱。 装飾品は個別の小箱に収納し、本体と部屋分けをするため、つづら箱の中に着脱可能な仕切りを設けた。 各資料は綿布団で包み、保存箱内で安全に保管ができる。

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2013年02月28日(木)

丸筒に巻いた大型拓本用の保存箱。丸筒用に軸受を付け、本紙部分は拓本を優しく受けるために綿布団を底に敷いた。箱を重ねても安定して収蔵できるよう箱のサイズは揃えて欲しいとのお客様のご要望のため、天地寸法の短い作品はお客様で内寸を調整できるよう軸受を未固定にした。側面下部のポリプロピレン製の取っ手により、安定した持ち運びが可能になった。

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