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2026年6月26日(金)光ディスクは本当に長持ちするのか―劣化事例から考えるCD・DVD・Blu-rayの保存

光ディスクは、1982年の音楽用CDに始まり、DVD、Blu-rayへと容量を増やしながら、音楽・映像・データの記録に広く使われてきました。針や磁気ヘッドが触れず、レーザー光で読み書きするため、登場当初は「長く保存できるメディア」と期待されていました。
ところが現在、光ディスクは二つの方向から時間に追われています。ひとつは、メディア自体の劣化。もうひとつは、読み書きする機器の減少です。たとえばソニーでは、ブルーレイディスクメディアの生産終了に続き、ブルーレイディスクレコーダーも出荷終了が案内されています。ディスクそのものだけでなく、「読み出す手段」も、いつまでも当たり前に残るとは限りません。
見た目には変わらないように見えるディスクでも、材料や構造、置かれた環境によって、少しずつ劣化は進みます。その弱点を知っておくことで、保管や取り扱いで注意すべき点も見えてきます。

 

なぜ劣化するのか―構造と弱点
CD・DVD・Blu-rayに共通するのは、レーザー光で記録された情報を読み取るという仕組みです。記録面側から入ったレーザーが、記録層の凹凸や反射率の差を、反射層が返す光の強弱として読み取ります。
記録の方法は方式で異なり、プレス盤は物理的な凹凸を成形し、CD-RやDVD-Rなどの追記型は記録層の色素に光学的な変化を与え、書き換え型は相変化材料の状態変化を使います。Blu-rayの追記型には、色素を使うタイプと、無機材料を使うタイプがあります。
この薄い層が何層も重なった構造は、どこか一つが傷むだけで、レーザーが正しく反射光を読めなくなります。しかも劣化は一気に起こるより、小さなきっかけから少しずつ範囲を広げていくのが特徴です。代表的な劣化の例を見てみます。

 

[写真1:レーベル面から記録層までが剥がれ、穴のあいたディスク]
ひとつは、反射層・記録層の剥離(層の欠落)です。とくにCDは記録層がレーベル面のすぐ下にあるため、表側の保護層(ラッカー)の傷や劣化が引き金になります。そこから反射層が剥がれ始めると、その部分は光が透ける透明な抜け(ピンホール)になり、抜けが広がるほど読み取れない領域が増えていきます。

 

[写真2:不織布のディスクケースに収納し、接触面が変質したディスク]
次に、層間剥離です。湿気の侵入や接着の劣化で層と層のあいだに微小な空隙ができると、油膜のような虹色のムラ(干渉色)が現れます。これは層が浮き始めたサインで、進行すると層そのものが分離し、データを読み出せなくなります。やわらかく見える不織布でも、長期間の接触は表面の変質や、こうした剥離の入口になり得ます。

 

[写真3:反射層の金属が変色したディスク]
そして、ディスク・ロット(反射層の腐食・変色)です。反射層(プレスCDではアルミ、種類により銀など)が酸化・腐食すると、銅色〜黄褐色に変色し、反射率が落ちて読み取り不能に向かいます。金は比較的安定していますが、銀やアルミは硫化物・酸性ガスや湿気に弱いためです。現れ方はさまざまで、面全体がくもるように進むこともあれば、点状の斑点として散らばることもあります[写真4]。なかでも、空気や湿気の入口になる外周のエッジから内側へ進むものは「ブロンジング」と呼ばれ、進行すると光に透かしたときに無数の微小な透明斑(snow)が見えるようになります。古い例では、1980年代末〜90年代初頭に英国PDO社でプレスされた一部のCDで、ブックレットの紙に含まれる硫黄分が保護ラッカー層の欠陥から侵入してアルミ層と反応し、ブロンズ色に変色する「PDOブロンジング」が知られています。腐食や変色によって反射率が落ちると、レーザー光を正しく読み取れなくなります。

 

このほか、CD-RやDVD-Rでは記録層の色素が光・熱・湿気で少しずつ劣化(褪色)し、マークの判別が弱まってエラーが増えていきます。また、高温多湿の環境ではカビ(菌類)が発生することがあり、菌糸が表面にとどまらず保護層や基板、反射層まで侵食して、記録された情報そのものを壊してしまうこともあります[写真5]。高湿度では、基板のポリカーボネート樹脂が反りやひずみを起こすこともあります。

 

これらの劣化に共通するのは、熱・湿度・汚染ガス・光、そして高湿度が招くカビといった要因が引き金になり、いったん始まると徐々に広がっていく点です。保存では、こうした要因をできるだけ抑え、進行を遅らせることが基本になります。

 

保存環境で劣化を遅らせる
光ディスクの長期保存については、ISO 18925:2013に保存環境の考え方が示されています。温度は低めに、相対湿度は安定して保ち、高温多湿や急激な変動を避けることが基本です。あわせて、汚染ガスや光への露出もできるだけ抑えます。低温・低湿で安定した環境ほど、メディアの劣化を遅らせることができます。
参考までに、国立国会図書館は、光ディスクの寿命を一般に10年以上、条件がよければ20〜30年程度と紹介しています。ただし、寿命はディスクの種類、製造品質、記録状態、保存環境によって大きく変わります。

 

取り扱いと収納で傷みを防ぐ
環境を整えても、日々の扱いや収納で傷めてしまっては意味がありません。光ディスクの取り扱いについては、ISO 18938:2014や、カナダ保存研究所(CCI)の「CCI Notes 19/1」などで考え方が示されています。要点は、次の4つです。
・ジュエルケース(ディスク用の硬質ケース)などに入れ、立てて保管する
・紙や不織布のスリーブに直接入れることは避ける
・ライナーノーツなどの付属物は、ディスクと分けて保管する
・重要な情報は、読めるうちに複製やデータ移行を検討する
複製については、3つのコピーを作り、2種類の異なる媒体に保存し、そのうち1つを別の場所に保管する「3-2-1ルール」の考え方も参考になります。

 

このうち、「不織布を避ける」「付属物を分ける」は、そのまま収納容器の設計につながります。

 

光ディスクと付属資料を分けて収納する
光ディスクを保存する際には、ディスク本体だけでなく、ライナーノーツや解説書、紙ジャケットなどの付属資料の扱いも考える必要があります。紙資料は湿気を含みやすく、印刷インキや紙質によっては、長期的にディスクへ影響を与える可能性があります。また、同じ場所に詰め込んで保管すると、出し入れの際に傷がついたり、資料が散逸したりすることもあります。そのため、ディスクと付属資料は、できるだけ接触しないように分けて収納することが望ましいとされています。

 

[写真6:樹脂ケース入りのディスクを、仕切りで分類して収納する保存箱]
樹脂ケース入りのディスクをまとめて保管する場合は、分類用の仕切りを設けることで、資料群ごと、分類ごとに整理しやすく、出し入れや管理もしやすくなります。

 

[写真7:ディスクとライナーノーツを部屋分けし、汚染ガス吸着シートGasQを組み込んだ保存箱]
さらに保存性を高める場合には、ディスクと付属資料を分けて収納し、容器内に汚染ガス吸着シートGasQ®︎ガスキュウを組み込む方法もあります。汚染ガスへの対策を加えることで、保存容器内の環境をより安定させることができます。

 

保管とあわせて考えたいデータ移行
保存箱や吸着シートは、光ディスクをより安定した環境で保管するための手段ですが、すでに劣化したディスクを元に戻すものではありません。また、光ディスクは再生機器やソフトウェアに依存するメディアです。ディスク自体が残っていても、読み出すための機器がなければ、記録された内容にアクセスできなくなる可能性があります。
良い環境で正しく保管し、劣化を遅らせること。そして、読めるうちに中身を別の媒体へ移すこと。光ディスクの記録を残していくには、保管と移行の両方を考えておく必要があります。

 

 

【参考・関連情報】
CCI Notes 19/1「Longevity of Recordable CDs, DVDs and Blu-rays」(Joe Iraci 著、2019年改訂・2020年公開)

CCI Notes 19/1は、記録型CD、DVD、Blu-rayの寿命と劣化要因を整理した資料で、ディスクの寿命は数年から長期にわたるものまで幅があり、製造品質、記録状態、保存環境、取り扱いによって大きく左右されるとしています。

 

ISO 18925:2013「Imaging materials — Optical disc media — Storage practices」
ISO 18938:2014「Imaging materials — Optical discs — Care and handling for extended storage」2024年に再確認され、現行版として維持)

光ディスクの保存環境や取り扱いについて考え方を示している代表的なISO規格です。なお、ISO規格は定期的に見直されるため、実務で参照する場合は最新版の規格情報を確認することが望まれます。

 

国立国会図書館「電子情報の長期的な保存と利用」

電子情報の保存では、媒体そのものを残すだけでなく、それを読み出す機器やソフトウェアをどう確保するかも課題になります。国立国会図書館も、電子情報の長期保存において、再生機器やソフトウェアの陳腐化を課題として挙げています。

 

【関連記事】

・今日の工房2016年3月9日(水)「ゲームソフトのフロッピー、テープ、CDを保存するには

・今日の工房2018年1月31日(水)「【文献紹介】 水没した電子記録媒体の復旧はどこまで可能か? 最良の乾燥法は? 保管の3-2-1 ルールとは?

・今日の工房2019年5月15日「NPOゲーム保存協会様からのご依頼でフロッピーディスクを長期保管するための専用容器を作成した

2026年6月1日(月)感熱紙の鉄道切符をどう保存するか ― 一覧性・収蔵性・保護性から考える保存形態 ―

鉄道切符は小さな紙片ですが、近年の自動券売機などで発行される切符には、感熱紙が多く使われています。
感熱紙は、熱によって発色する記録材料です。インクを使わず印字できる一方で、熱、光、圧力、可塑剤などの影響を受けやすく、長期保存では注意が必要な素材でもあります。
鉄道切符の印字方式には、熱で券紙自体を発色させる感熱方式と、インクリボンの色材を熱で転写する熱転写方式があります。同じ切符でも、印字方式によって保存上の注意点は異なり、特に感熱方式の切符では、熱や光、圧力、可塑剤などの影響を受けやすく、印字に退色や変色が生じるおそれがあります。

実際、古い感熱紙の切符は、印字が薄くなったり、背景が黄変したり、全体が黒っぽく変化したりすることがあります。また、スリーブや粘着材など、接触する素材の影響を受ける場合もあります。そのため、鉄道切符の保存では、「何に入れるか」だけでなく、「どう使い、どう見返すか」によっても、適した保存形態が変わってきます。
今回製作したのは、アーカイバル・バインダー用リフィルに使用する、中性紙製の間紙です。鉄道切符を1枚の台紙に並べて貼り付け、整理・比較しやすくするためのものです。鉄道切符は、年代や鉄道会社によって、地紋、書体、券面レイアウト、紙質、印字方式などが少しずつ異なります。こうした差異は、1枚ずつ見るより、並べて比較したときに見えやすくなります。ただ、白紙の台紙に配置していく場合、角度や位置が少しずつずれやすく、ページ全体で見たときの比較性が保ちにくくなることがあります。そこで今回は、配置基準として、10mm間隔のドット方眼を中性紙に印刷しました。ドット色はグレーとし、閲覧時に視線を邪魔しにくい濃度に調整しています。また、上下左右の中心ドットのみを少し大きくし、ページ全体の配置基準としています。

 

この構成では、切符を保護するだけでなく、一覧しながら比較しやすい状態を維持することを重視しています。感熱紙の切符では、見やすさだけでなく、接触する素材や貼付方法も重要になるため、配置のしやすさとあわせて、長期的に資料へ負担をかけにくい間紙やリフィルの選択も必要になります。

 

一方で、すべての鉄道切符に、一覧比較を重視した保存形態が適しているわけではありません。以前、芝浦工業大学豊洲図書館様の鉄道切符コレクションでは、寄贈資料として受け入れられた多数の切符を収蔵するため、切符サイズに合わせた仕切り付きの台差し箱を製作しました。[芝浦工業大学豊洲図書館様 鉄道切符コレクション保存容器]

 

寄贈資料の場合、個々の切符だけでなく、寄贈時のまとまりや並び、分類の単位も資料の一部と考える必要があります。そのため、この事例では一覧性よりも、高密度収納、長期保管、管理性に加え、もとのまとまりや形態をできるだけ崩さないことを重視しています。古い切符には酸性紙や感熱紙も含まれるため、箱内部には汚染ガス吸着シート GasQも組み込んでいます。

 

また、切符を1点ずつ保護しながら閲覧したい場合には、プリザーバーやアーカイバル・バインダーを用いた構成もあります。この方法では、接触を減らし、出し入れ時の負担を抑えながら、一点ごとの状態を確認しやすくなります。ただし、収納効率は下がるため、どの方法が適切かは、利用頻度、点数、整理方法、閲覧目的によって変わってきます。

 

鉄道切符には、感熱紙や酸性紙、印字の退色、可塑剤の影響など、保存上の課題が多くあります。そのため、保存用品は「何を優先して残すのか」によって選び方が変わります。一覧して比較するならバインダー形式、まとまりを保って収蔵するなら仕切り付き保存箱、一点ずつ保護して閲覧するならリフィルやプリザーバーも選択肢になります。

 

同じ鉄道切符でも、目的によって適した保存用品や構成は少しずつ異なります。感熱紙のように変化しやすい資料では、接触する素材、並べ方、閲覧頻度も、保存用品や保存形態を考える手がかりになります。

 

 

【関連情報】

 

写真資料収納リフィル:プリントプリザーバーとは

 

▼ 感熱紙について
近現代資料では、紙そのものの劣化だけでなく、そこに記録された文字や画像が先に失われてしまうことがあります。特に感熱紙は、熱によって発色する性質を利用した記録材料であり、ワープロ印字紙やファックス紙、レシート、切符などに広く使われてきました。
公文書の分野でも、平成期に入ると、感熱紙にワープロで印字された文書や感熱ファックス紙が頻繁に見られるようになったことが報告されています。感熱紙に記録された情報は、熱や光、圧力などの影響を受けやすく、比較的早く退色・消失するおそれがあります。
そのため、紙資料の予防的保存処置では、作業中に感熱紙の公文書が見つかった場合、その場で中性紙に複写し、複製物を原資料の近くに添えて、中性こよりで綴じ直す対応が行われます。これは、原資料を残しながら、消えやすい記録情報を別のかたちで確保するための処置といえます。
感熱紙のほかにも、蒟蒻版、青焼、湿式コピー、写真紙焼、初期の電子複写など、近現代資料には記録内容そのものが不安定なものが多く含まれます。こうした資料では、媒体を保護するだけでなく、記録された情報をどのように残すかという視点も重要になります。

2026年4月28日(火)マンガ原画を保存する保存容器

マンガは日本発のコンテンツとして広く読まれていますが、近年は原画そのものも、メディア芸術の資料として位置づけられるようになってきました。保存対象としての関心も高まり、2023年には一般社団法人マンガアーカイブ機構が設立され、昨年にはマンガ原画保存の手引きも公開されています。

弊社でも、作家やスタジオ、管理団体、出版社などから保存に関するご相談をいただき、用途に応じた保存用品や保存箱の製作を行ってきました。今回ご紹介するのは、出版社のご要望に基づいて製作した保存容器の事例です。

 

マンガ原画は一般に、紙(原稿用紙)を支持体として、インクやトーンなどで構成された複合的な資料です。インク(主に耐水性のある描画材)やスクリーントーン、修正材、糊など、複数の素材が重なっており、部分ごとに性質が異なります。このため、擦れや圧による表面の損傷、支持体(紙)の反りや変形、素材間の接触による影響といったリスクを前提に、保管方法を考える必要があります。

 

今回のケースでは、出版社からの要望として、透明なOPP袋での保管が前提にありました。原画は印刷やグッズ制作などで使用されることが多く、1枚単位での出し入れや確認が必要になります。そのため、中身が見えることと作業性の良さは重要な条件です。OPP袋はこの点で扱いやすく、コスト面も含めて現実的な選択です。保管方法を検討する際には、OPP袋の特性にも配慮が必要になります。OPP袋は軽量で透明性が高く、扱いやすい一方で、柔らかいため面支持には制約があります。また、フィルム素材のため、取り扱いには配慮が必要です。これらの特性を踏まえ、可視性と作業性を優先してOPP袋での保管を基本としています。

 

保管は、単行本単位でまとめる構成としています。原画は巻ごとに管理されることが多いため、組立式のシェルボックスに収納しています。巻ごとに厚みが異なるため、スペーサーを用いて内部寸法を調整し、箱内で動かないようにしています。また、長期保管を考慮し、汚染ガス吸着シート(GasQ)を併用しています。

 

なお、長期保管や取り扱い時の安定性をより重視する場合には、アーカイバルクリアホルダーと保存用台紙を組み合わせる方法もあります。この構成では、
– 台紙によって原画を面で支えることができる
– 反りや歪みを抑えられる
– 1点ごとの取り扱いが安定する
といった利点があります。透明ホルダーを用いることで、保護しながら内容を確認できる点も特徴です。

 

本事例では、作業性(中身の確認・出し入れ)、コストバランス、長期保管時の安定性、この3点のバランスを踏まえて構成を組み立てています。マンガ原画は、保管だけでなく使用されることも前提とされる資料であるため、保存性と運用の両方に無理のない構成としています。

今回ご紹介したように、保管方法は用途や運用条件によって適切な構成が異なります。OPP袋、クリアホルダー、シェルボックスはいずれも個別仕様での対応となりますので、詳細はお問い合わせください。

2026年4月13日(月)棚はめ込み保存箱に、スライド式格納扉タイプを追加しました

弊社のアーカイバル容器の定番品 組み立て式棚はめ込み箱は、棚に設置したまま資料の出し入れができる保存箱です。これまでの通常仕様では扉が前方に倒れて開く構造でしたが、このたび、扉を箱内部に格納できる「スライド式格納扉タイプ」を別注オプションとして追加しました。

 

■格納扉の開け方
通常タイプでは扉を固定するストッパーが上部にありますが、格納扉タイプでは下部に配置されています。ひねり留め具を開けてストッパーを倒すと、扉を引き出すための紐が現れます。紐をつまんで扉を天井部まで持ち上げ、そのまま内側へスライドして格納します。
箱内部の左右には樹脂製のレールを設けており、扉の出し入れがスムーズで、繰り返しの開閉による摩耗も抑えます。

 

■このタイプを開発した背景
設置場所によっては、前方に倒れる扉が資料の出し入れの妨げになる場合がありました。格納扉タイプは、こうした課題を解消するために開発しています。
<使用例①:棚の上段など、目線より高い位置に設置する場合>
脚立を使用した作業では、前方に倒れる扉が作業者に干渉することがあります。格納扉タイプでは扉が天井部に収まるため、干渉なく安全に作業できます。
<使用例②:棚の最下段など、床に近い位置に設置する場合>
通常タイプでは扉が床面に当たり十分に開かないことがあり、扉を避けて腕を伸ばす必要があります。格納扉タイプでは資料の正面から無理なくアクセスでき、作業負担の軽減につながります。

 

■そのほかの利点
格納扉タイプは、設置高さ以外の場面でも有効です。
扉を箱内部に収めて使用できるため、前方への張り出しがなく、通路が狭い収蔵庫でも作業スペースを確保しやすくなります。また、隣接する箱同士の干渉も避けることができます。
棚の中段など、扉の開閉が作業に影響しない場所に箱を設置する場合は、通常タイプでも問題ありませんが、設置条件に応じて格納扉タイプを選択いただくことで、より高い利便性を発揮します。
なお、格納扉タイプはオプション仕様(別途お見積り)となりますので、詳細はお気軽にお問い合わせください。

2026年3月19日(木)写真資料収納リフィル 57-4P Ⓜ 販売開始のお知らせ

平素より弊社製品をご利用いただき、誠にありがとうございます。

 

このたび、写真資料収納リフィル 57-4PⓂ(米国 Print File 社製/弊社ODM品)が入荷し、販売を開始いたしましたのでご案内いたします。

 

|▶ プリントプリザーバーとは

ARCHIVAL PHOTO PRESERVER(プリントプリザーバー/フォトページ)は、プリント写真を保護しながら整理・閲覧するための収納リフィルです。バインダーや吊り下げファイルに綴じて使用し、写真を取り出さずにそのまま確認できる点が、封筒型やスリーブ型の保存方法との大きな違いです。

 

研究室や大学・図書館の写真資料整理、博物館・資料館の収蔵写真の管理、社史や広報写真のアーカイブなど、閲覧と保存を両立した管理方法として広く使用されています。写真保存用リフィルは、収納する写真サイズに合わせて選ぶことが最も重要です。本製品では用途に応じてサイズを選択できるラインナップを用意しています。

 

|▶ なぜアーカイバル品質が必要か

一般的なビニール製ポケットには可塑剤・触媒・溶剤などが含まれていることがあり、長期保管において写真乳剤に化学的影響を与える場合があります。57-4PⓂはPVCを一切使用せず、ポリプロピレンのみを素材に採用することで、そうした影響を避けながら写真資料を長期にわたり保護します。また、写真保存材料の安全性評価基準であるPAT試験(Photographic Activity Test)にも合格しており、写真保存用途の材料として国際的に認められたアーカイバル品質の製品です。日常的な資料整理から長期保存が必要なアーカイブまで、安心してお使いいただけます。

 

|▶ プリントプリザーバーの利点

写真は触れる回数が多いほど、指紋・摩耗・折れ・角欠けのリスクが高まります。プリザーバーに収納しておけば写真を取り出さずに閲覧できるため、取り扱いによる損傷を減らすことができます。また、箱や封筒での保管では取り出した際に順序が崩れやすくなりますが、プリザーバー方式では時系列・撮影場所・イベント単位などの整理状態を維持したまま管理できます。

 

バインダーに収納することで、何枚あるか・どこに何があるかを一覧で確認でき、「探す・取り出す・戻す」という手間が少なくなります。さらに、新しい写真を途中に追加したり、テーマ別に並び替えたりと、原秩序を維持したまま資料の追加整理を行うことができます。

 

写真保存に適した高透明ポリプロピレン素材を使用しているため、ポケット形状が安定しており、収納・閲覧ともにしやすい構造です。また、写真サイズに合わせたポケット設計により、大きすぎ・小さすぎによる折れ・波打ち・角潰れを防ぎ、安定した状態で収納することができます。

 

|▶ 57-4PⓂ の使い方と特長

57-4PⓂは上下2段・2ポケット仕様のリフィルです。1ポケットに写真を2枚背中合わせに収納でき、ページをめくるだけで両面の写真を確認できます。素材には高透明ポリプロピレンを使用しており、収納したままでも写真の細部まで鮮明に見ることができます。

 

総厚8mil(上下各4mil)の適度な厚みと剛性があり、写真がずれにくく・角が折れにくく・ページが扱いやすい設計です。薄手フィルムにはない安心感があり、日常的な閲覧や参照を伴う資料管理にも適しています。

 

|▶ サイズについて

57-4PⓂのポケットサイズは 130mm × 205mm です。現在欠品中のA5-4P(147×210mm)と、代替品としてご案内してきた57-4PⓈ(130×179mm)の中間サイズにあたります。57-4Psでは横幅がやや足りない場合や、130×180mm程度の大キャビネ判写真をゆとりをもって収納したい場合に特に適しています。

 

サイズ 品番 ポケットサイズ 状況
S 57-4PⓈ 130 × 179 mm 取り扱い中
M 57-4PⓂ 130 × 205 mm ★今回入荷
L A5-4P 147 × 210 mm 現在欠品中

 

|▶ 収納目安

Lサイズ:A5判・大判資料

Mサイズ:大キャビネ判・長め資料

Sサイズ:キャビネ判・2L判

 

⚠ サイズをお間違えのないようご注意ください

・A5サイズ(148×210mm)の資料は、S・Mサイズには収納できません。

・各サイズのポケット内寸をご確認のうえご注文ください。ご不明な場合はお問い合わせください。

なお、S・M・Lの各サイズは外寸を統一した設計となっており、バインダーやボックスバインダー、吊り下げファイルに複数サイズを混在させて綴じても、整理状態を保つことができます。

 

|▶ 価格・納期

3,190円(25枚入・税込・輸送費別)
在庫品のため、納期はご発注より約1週間となっております。

 

|▶ 57-4PⓂ の仕様

品番  57-4PⓂ(弊社ODM品) 
ポケットサイズ  130mm × 205mm 
構造  上下2段・2ポケット(1ポケット2枚収納可) 
素材  高透明ポリプロピレン 
材質特性  PVC不使用・総厚8mil 
保存品質  アーカイバル品質・PAT試験合格 
入り数  25 
価格  3,190円(税込・輸送費別) 
納期  在庫品:約1週間 

 

|▶ 上下2段・2ポケット仕様 ラインナップ(更新)

  Sサイズ  Mサイズ  Lサイズ 
品番  57-4P Ⓢ  57-4P NEW  A5-4P 
ポケットサイズ  130×179mm  130×205mm  147×210mm 
収納目安  キャビネ判・2L  大キャビネ判・長め資料  A5判・大判資料 
区分  メーカー標準品  弊社ODM  メーカー品 
取り扱い  取り扱い中  販売開始  欠品中 
納期  取り寄せ(約1か月~)  在庫品(約1週間)  未定 
価格(25枚入)  3,190円(税込・輸送費別) ※全サイズ共通 

 

|▶ Lサイズ(A5-4P:147×210mm)をお使いのお客様へ

A5-4Pは現在、製造ロットに起因する不具合が確認されたため、販売を一時見合わせております。製造元にて次回ロットからの品質改善が予定されておりますが、現時点では入荷時期は未定です。

 

57-4PⓂのポケットサイズは 130×205mm です。A5判(148×210mm)ジャストには対応しておりませんが、大キャビネ判写真や短辺が130mm以内の資料であれば実用的にご使用いただけます。収納予定の資料サイズをご確認のうえご検討ください。ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

Lサイズ(A5-4P)の入荷につきましては、進展があり次第あらためてご案内いたします。

2025年10月21日(火)博多人形を保管する保存箱を製作しました

博多人形は、素焼きの土人形に彩色を施した、博多を代表する伝統工芸品です。釉薬をかけて本焼きする陶人形に比べて脆く、湿度の変化や摩擦に弱いため、取り扱いには注意が必要です。保存環境では、湿度の急変防止と接触・振動をできるだけ抑えることが重要です。

 

今回ご依頼いただいた人形は、歌舞伎の一場面を表現したもので、立ち姿や座り姿など、さまざまな型が見られます。サイズは小さいものが約5㎝、大きいものは約10㎝で、全体で約80点あり、保管方法についてご相談を受けました。

 

保存箱は、人形の高さに合わせて「背の低い人形用」と「背の高い人形用」に分け、1体ずつ独立した部屋に収められるよう仕切りを設けました。箱は取り扱いやすい550㎜角程度のサイズで、3箱に収まる構成としています。

 

陶器やガラス製品などの壊れやすいものを保管する際は、まずポリエステル製の綿布団で全体を包む方法を基本とします。ポリエステル綿は、繊維の間に空気層を多く含み、押してもすぐに形が戻る弾力性があります。この構造によって外部からの衝撃を吸収し、内部へ伝わる力を分散させることができます。ただし、厚みが均一なため、人形のように凹凸のある形を包むと、一部に圧力がかかったり、隙間ができて動いてしまうことがあります。そのため、姿勢や形に合わせて巻く方向や折り返し方を工夫し、安定した状態で支えることが重要です。

 

今回は、こうした保護方法に加えて、輸送と保管の両方に対応できる保存箱が求められました。そこで、現場での作業性と安全性を考慮し、綿布団の代わりに薄葉紙 Qluminを用い、人形を一体ずつ包んで保護する方法をご提案しました。

 

Qlumin は、表面の滑らかさによって彩色面への摩擦を抑えます。また、軽く巻きつけるだけで形状に沿う柔軟性があり、引取り現場での包み直しや位置の調整にも適しています。保存作業のしやすさと安全性を兼ね備えた素材です。

 

博多人形は、1点ずつ薄葉紙で包み、表面の彩色を守ります。箱内の隙間には薄葉紙を詰めて固定し、仕切り内で動かないように保持する構成としました。底には綿布団を敷き、素焼きの人形を下からの衝撃や振動から守る設計としています。

2025年10月8日(水)立教大学図書館様所蔵 活字組版への処置・保存容器の作成

立教大学図書館様より、活字組版への処置と保存容器の作成をご依頼いただきました。
この活字組版は、活版印刷が衰退していく過程で「技術を示す資料」として、印刷会社から立教大学図書館に寄贈されたものです。木製の台の上に小学館刊行「日本国語大辞典」と推測される紙面1ページ分の活字が組み上げられており、寄贈以来、大切に所蔵されてきました。今回、新たに保存環境を整えるため、処置と保存容器の作成を行いました。

 

「組版」とは
現代の印刷工程における「組版」とは、印刷物の紙面に文字や図版などを配置し、読みやすさや美しさを整える作業を指します。もともとは鉛合金製の活字を一本ずつ組み合わせて結束糸で固定し、印刷のための版を作る工程を意味しました。
初期の活版印刷では、この組版そのものを用いて印刷していましたが、やがて大量印刷の需要に応じて、組版から「紙型」や「鉛版」と呼ばれる型を取って複製版を作り印刷するようになりました。印刷や型取りが済んだ組版は解体され、活字は新たな版を組むために再利用されます。重く、崩れやすい組版そのものが長期間残されることは稀でした。

 

今回の組版は辞書の1ページで、ひらがな、カタカナ、漢字に加えて、アルファベットや記号、号数の異なる文字まで、多様な活字が組み合わされています。一見すると一枚の版のように見えますが、結束糸を解けば数千個の活字に分解されます。空白部分には隙間を埋める「インテル」「コミ」「クワタ」と呼ばれる色々なサイズの「込物(こめもの)」が詰められ、文字間が微調整されています。活字は鉛を主成分とするため、この組版の重量は約13kg。間近で見ると、その緻密さと重量感に圧倒的な迫力を感じます。

 

資料は今後の展示活用を想定し、安全に保管できるよう処置と保存容器の作成を行いました。
隙間に詰められていた段ボールと、これを固定していたガムテープを除去し、木製部分に付着した粘着剤は有機溶剤を用いて丁寧に除去しました。隙間部分にはアーカイバルボードと文化財保存用フォーム材プラスタゾートで作成した取り外し可能なスペーサーを入れ、組版が動いて崩れないようしっかりと固定しました。組版は木製の台ごと、高強度のポリプロピレン樹脂製パネルで底部を補強したトレイに乗せ、側面が開くフラップ付きの被せ式保存箱に収納しました。取り出す際は持ち上げずにトレイごと引き出します。また、寄贈時に用いられていた包み紙も、試し刷りを再利用した貴重な付属資料と考えられるため、仕切り板を設けて同じ保存容器に収めました。

 

立教大学図書館様には、弊社ホームページへの掲載をご快諾いただき、誠にありがとうございました。
ご協力に心より感謝申し上げます。

 

2025年4月25日(金) キッコーマン国際食文化研究センター様所蔵 広告資料の整理と保存 -アーカイバル・バインダーと特注アーカイバル・クリアホルダーの組み合わせ

キッコーマン国際食文化研究センター様よりお預かりした広告資料について、整理作業と保存資材への収納を行いました。
これらの資料はもともと、スクラップ帳に糊で貼付されていたもので、一部には過去の水損による水染みやカビ跡が見られる状態でした。約160点の広告資料を台紙から丁寧に剥がし、クリーニング、脱酸性化処置、破れの補修等を行った後、広告の種別やサイズごとに分類・整理し、全点について管理用のサムネイル撮影を行いました。最後に、広告資料という特性を踏まえ、閲覧者の印象に残る見せ方にも配慮した保存容器を製作しました。以下、その内容をご紹介いたします。

 

まず、外側の収納容器には「アーカイバル・バインダー」を使用しました。シェルボックス構造の容器にリングバインダーを組み込んだもので、紙資料のファイリング保存と閲覧を両立させる設計です。資料は透明なリフィルポケットに収めたまま、ページをめくるように閲覧できるため、書類、原稿、印刷物、写真プリント、ネガフィルム、スライドなど幅広い資料にご使用いただけます。標準サイズはA4・B4ですが、リングバインダーの数を増やすことで、大型や横長の資料にも対応できます。

 

収納用リフィルには「アーカイバル・クリアホルダー」を使用しました。通常、バインダーとセットで販売しているリフィルは、劣化により紙力が低下した資料に負荷がかからないよう、しなやかで柔軟性のあるポリプロピレン製のものを採用しています。これに対し、アーカイバル・クリアホルダーは、75ミクロンの厚みがある堅牢なポリエステル製で、一枚ものの大型地図や図面、ポスターなどの取り扱いもスムーズに行えるよう、物理的なサポートの役割も担っています。今回は、資料の状態や素材、製品の特長を照らし合わせ、広告資料のビジュアルイメージがより明瞭に伝わるよう、アーカイバル・クリアホルダーを選定しました。

 

中性紙の間紙を挟んだクリアホルダーには、バインダーに綴じられるようリング用の穴を開け、めくりながら閲覧できるよう加工しています。また、資料の分類が変わる部分には見出し付きのインデックスシートで仕切り、識別しやすいようにしました。透明度の高いフィルムを通して、ポスターやチラシの色彩が美しく映えるため、広告資料の整理・保管に最適です。さらに、資料量が多い場合でも、年代や製品の分類ごとに一括して保管・管理できる構成となっています。

 

後日、当該資料のご活用状況を拝見したところ、各フィルムの表面には管理用バーコードラベルが貼付されており、サムネイル付き資料リストと連携させて、より検索しやすい形で運用いただいておりました。

 

なお、同センターでは現在、収蔵品企画展『キッコーマンの広告史~1920年代から1960年代。激動の中で~』を開催中です(会期:5月30日〈金〉まで。平日のみ開催)。野田醤油株式会社(現キッコーマン株式会社)が、会社設立から戦争を経て、戦後期、高度経済成長期に至る激動の時代に制作した広告を俯瞰しながら、ブランド戦略の変遷をたどる企画展示をご覧いただけます。

 

 

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・2016年11月16日(水)紙焼き写真資料の整理と保存のためのアーカイバル・バインダー

2025年3月19日(水)年度末のお届けが可能な定型品のご案内

弊社では、特注の保存容器に加え、すぐにお使いいただける定型品も取りそろえております。これらの定型品は、ご利用方法や保管環境を踏まえた形や機能を備え、使いやすさと価格の両面を考えた商品です。

 

年度末までのお届けをご希望の方には、在庫状況に応じてできる限り早く対応いたします。お急ぎの場合や、短期間での導入をお考えの際は、ご相談ください。

 

1. GasQ®
文化財を汚染するガスを吸着し、資料を保護する不織布のシートです。既存の保存箱や引き出し、展示ケース内に入れることで、汚染ガスの低減にも役立ちます。

 

2. くるみん
抗菌性とガス吸着性を兼ね備えた高機能な薄葉紙です。資料を包むことで、外部からの影響を抑え、安全に保管できます。

 

3. 無酸素パック モルデナイべ
酸素を遮断するガスバリア袋と脱酸素剤エージレス®を使用し、薬剤を使わずに安全に殺虫・防カビができる製品です。スライド・チャック式の袋はスライダーで簡単に密封でき、確実に無酸素の密閉空間を作れます。文化財や貴重な資料、受け入れや購入した資料を薬剤を使わずに安全に殺虫処理できるため、安心してご利用いただけます。(本製品のお見積り・ご購入は上記リンクの商品ページ内に記載の販売代理店窓口までお問い合わせください。)

 

4. アーカイバルバインダー
リングファイル形式の保存箱で、原稿、小冊子、1枚ものの資料、各種写真資料の保存に最適です。出し入れがしやすく、整理もしやすい設計です。

 

5. アーカイバルクリアホルダー
絵図、ポスター、図面などの1枚もの資料の収納に適しています。破れなど傷みのある資料も、フィルムと台紙でしっかり保護されるため、安全に取り扱うことができます。

 

6. ファイルボックスR
A4・B4封筒に入った資料、バインダー、二つ折りのファイルなど、一般的な資料の保存に適しています。また、不定形な資料をまとめて収納する際にも便利です。

 

7. 中性ラベル
A4サイズで、自由なレイアウトで印刷が可能なラベルです。保存に適した中性紙を使用しており、長期保存資料の管理にも安心してお使いいただけます。

 

このほかにも、さまざまな保存資材をご用意しております。各商品の詳細については、お気軽にお問い合わせください。

2025年2月14日(金)写真プリントの整理・保存に – 専用フォルダーと縦型収納箱

写真プリントを1枚ずつ挟んで保護する二つ折りフォルダーと、それらを立てて収納できる組み立て式の保存箱をご紹介します。

 

 

二つ折りフォルダー ―写真を1枚ずつ安全に収納し、管理しやすくする
フォルダーには酸やアルカリを含まないノンバッファー紙を使用しており、アルカリに敏感な写真の画像面にも影響を与えない安全な素材で作られています。また、背面側が20mm長くなっており、資料名や請求番号などの管理情報を書き込めるため、索引としても便利です。

 

組み立て式保存箱―フォルダーを立てて収納でき、写真を効率よく整理する
保存箱には仕切りが付いており、フォルダーに挟んだ写真プリントを1区画につき約50枚収納できます。仕切りのレイアウトはカスタマイズが可能で、保管スペースに合わせた外寸での設計や、オーダーメイドのご注文にも対応しています。

 

 

☑ 写真プリントの保存について
写真プリントは温度や湿度の変化に敏感で、高温多湿の環境ではカビや変色、波打ちなどの劣化が進みやすくなります。また、大気中の酸や汚染物質の影響により、画像が退色することもあります。そのため、写真と直接接触するフォルダーにはノンバッファー紙を採用し、写真表面への影響を最小限に抑えています。

 

写真プリントを長期間保存するには、温度や湿度の急激な変化を避けることが重要です。保存箱は適度な通気性を保ちつつ、外部環境の影響を受けにくい構造になっており、ホコリや光を遮断して写真を保護します。また、箱の材質にはアーカイバル品質のボードを使用することで、より安全な保管環境を確保できます。

 

☑ ISOの推奨に基づいたフォルダーや保存箱の選び方
国際標準化機構(ISO)では、写真の保存に適した素材や保存箱に、無酸性・リグニンフリーの素材で作られた密閉型の保存箱を推奨しています。特に、個別収納・縦置き対応の設計が望ましいとされています。

 

 

[主な規格]

 

– ISO 18902:2013 Imaging materials — Processed imaging materials — Albums, framing and storage materials (保存用紙・板紙の要求事項)

 

– ISO 18916:2007 Imaging materials — Processed imaging materials — Photographic activity test for enclosure (封入材料の写真活性度試験)

 

– ISO 18920:2011 Imaging materials — Reflection prints — Storage practices (反射型プリントの保存環境・収納材料の基準)

 

日本では、JIS K 7642がこれらのISO規格を基に写真保存の方法を定めており、2007年版と2012年版があります。2012年版では、ISO 18920:2011に対応し、保存環境や収納材料の仕様が更新されています。

 

 

[ISOにおける保存箱の推奨要件]

 

① 材質(紙・ボード)

保存箱の素材は、以下の条件を満たすことが求められます。

 

– 無酸性(pH 7以上)またはノンバッファー紙(pH 6~7)を使用

– リグニンを含まないアーカイバル品質のボードを推奨

– 金属や塩素を含むPVC・可塑剤入りの素材は避ける

– アルバム・ケース: 無酸性(中性・アルカリ性)の素材を使用

 

② 構造・形態

保存箱の形状として以下のようなタイプが推奨されています。

 

– フラットボックス(平置き箱):横置き保存を前提とした箱で、写真プリントを重ねて収納するタイプ。一定の圧力を分散させる構造が求められる。

– エンクロージャー型ボックス(仕切り付き箱):写真を個別のフォルダーや封筒に収納し、それを立てて保管できる仕切り付きの箱。ISOでは、この形式が写真の物理的なダメージを防ぎやすいとされる。

– ドロワーボックス(引き出し式):頻繁に取り出す資料向け、光やホコリを遮断し、アクセスしやすい設計が求められる。

 

③ 保存方法と収納時の配慮

写真の保存環境を適切に保つため、以下の点に注意が必要です。

 

– 光を遮断し、退色を防ぐ

– ホコリ・汚染物質を遮断しつつ、適度な密閉性を確保する

– 適度な通気性を持たせ、湿気がこもらないようにする

– 封筒・フォルダーは通気性のある紙製を推奨(PVC製は避ける)

– 写真同士が直接触れないよう、中性紙を挟む

– 圧力をかけずに保管する

 

 

ISOやJISの写真保存規格では、適切な温度・湿度管理のもと、無酸性素材の収納と丁寧な取り扱いを徹底することで、写真プリントを長期間美しく保存できるとされています。

 

 

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2025年1月22日(水)中性紙封筒と二つ折りフォルダーの活用法-恵泉女学園史料室様の資料保存実践例-

中性紙封筒は、資料を安全に保管するために欠かせないアイテムのひとつです。特に、紙質が弱く破損しやすい一枚物の資料や薄い冊子などを保護するのに適しています。

 

一方で、中性紙封筒には開口部の開きに制限があり、資料を出し入れする際に封筒の内側で引っかかり、資料を傷めてしまうことがあります。この課題を解決するためにL字開口や長辺開口の封筒がありますが、これらは通常の中性紙封筒に比べて価格が高く、すべての資料に適しているわけではないことから、短辺開口の封筒を利用しているケースが多いようです。

 

そこで弊社では、通常の中性紙封筒と組み合わせて使える「二つ折りフォルダー」の使用をおすすめしています。以下にお客様の活用事例をご紹介します。

 

恵泉女学園史料室様では、創立者・河井 道(かわい みち)に関する資料をはじめ、学園に関係する資料を調査、収集、整理、保管し、学内外の教育・研究に活用しています。所蔵資料は革製の鞄や衣服、机などのモノ資料から、簿冊、ノート、日記、学内新聞、一枚物などの紙資料まで多岐にわたり、紙資料の多くは中性紙封筒に収納されています。近年、経年劣化や酸性化、利用による破損が顕著なため、状態が悪化したものや損傷リスクの高いものを優先して修復処置を進めています。

 

今回ご紹介する資料は、B4サイズの両面印刷文書11枚で構成されています。綴じられておらず、まとめて中性紙封筒に収納されていましたが、酸性化により周縁部の破損や折り目での破断が見られ、取り扱いが困難な状態でした。そのため、薄い和紙を使用して両面から裏打ちを行い、補強する修復処置を施しました。修復後は、資料を「二つ折りフォルダー」(AFプロテクトH 104.7g/㎡)に挟み、その状態で元の中性紙封筒に収納しました。この方法により、既存の封筒を活用しつつ、資料の出し入れ時の破損リスクを低減することができました。お客様からも「取り扱いが非常に安全になった」と好評をいただいています。

 

「二つ折りフォルダー」は、収納する資料に応じてお選びいただける4種類の厚みや仕様をご用意しております。また、定型サイズに加え、さまざまな資料サイズに対応可能なカスタムサイズの製作も承っております。幅広い用途に対応できるフォルダーとして、ぜひご利用ください。

2024年12月11日(水)染織品の保管用に、綿布マウントとウィンドウマットを製作しました。

染織品は柔らかく脆弱なため、折り畳まず平らな状態で保管することが理想です。特に、劣化が進んだ小さな染織品や断片化した更紗などは、形状に合わせた枠を作り、できるだけ動かさず現状を維持して保管する必要があります。そのため、慎重に素材を選定し、安全に扱える容器で保管することが重要です。

 

今回製作した綿布マウントは、染織品を安全に支えるため、硬く厚みのあるマット紙を使用しています。ただし、マット紙は表面が平滑で滑りやすいため、表面に綿布を貼り付け、布の摩擦で滑りにくくしています。

 

ウィンドウマットは、所蔵者の要望に応じて観察や展示の利便性を考慮し、帯電防止加工を施した柔らかいフィルムを使用し、染織品と同じ厚みのマットで挟み込む構造にしています。この構造により、圧力をかけずに染織品全体を保護できます。

 

これらの保管用品は、重ねた状態でポリプロピレン袋に収納し、展示や作品調査の際の取り扱いにも配慮された設計になっています。

 

 

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2024年11月1日(金)新しいアーカイバル用品の写真撮影を行いました。

弊社では、新たにアーカイバル用品のラインナップに追加する商品を中心に、全20カットの撮影を2日間かけて実施しました。今回の撮影も、美術展の記録写真や図録撮影など、美術作品の撮影を専門に活動されているフォトグラファー・加藤健さんにご協力いただきました。

 

撮影にあたっては、見た目の美しさだけでなく、それぞれの商品の用途や構造が一目で伝わることを重視し、お客様が商品選びの際に必要な情報を直感的に理解できる写真を目指しました。加藤さんと弊社スタッフがアイデアを出し合い、商品の品質、機能性、実用性が視覚的に伝わるよう工夫を凝らしています。

 

撮影場所には、普段は保存容器の製作に使用している作業スペースを活用し、特設の撮影台を設置しました。これにより、大型から中型、小型まで、さまざまなサイズの商品を1枚の写真に効果的に収めることができました。さらに、撮影台の配置や照明の調整にも細心の注意を払い、各商品の質感や特徴が際立つよう工夫しています。加藤さんの専門的な視点と撮影技術のおかげで、商品の魅力を最大限に引き出すことができました。

 

現在、撮影した画像は順次ホームページに掲載しています。また、新商品の詳細や実際の使用シーンについても、近日中にご紹介する予定です。

 

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
今後とも弊社の製品とサービスにご期待いただき、引き続きのご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

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今日の工房 2018年5月30日(水)

2024年8月30日(金)保存箱内でアートソーブを安全に収納できるスリーブケースを製作しました

アートソーブは美術品専用のシリカゲル調湿保存剤です。これは、空調が届かない場所や、空調とは異なる湿度設定にしたい場合に使用され、特に気密性の高い空間で湿度変化を緩やかに抑えることができます。

 

今回、アートソーブのカセットタイプ(中性紙箱入りで、展示ケースや保管箱、輸送梱包などへの設置・交換が容易なタイプ)を保存箱内に組み込み、作品を立てた状態で保管したいという依頼を受けました。作品は1300×1600㎜と大きく、厚みも120㎜あるため、箱からの出し入れがしにくくなる問題がありました。そこで、作品を取り出しやすくし、同時にアートソーブを備える空間を設けるために、箱内の四方側面にスペーサーをつけました。このスペーサーにより、作品を取り出しやすい空間が生まれ、その空間を利用したスリーブケースを設計しました。このスリーブケースは箱内で動かないように固定できる構造になっており、アートソーブの交換が必要な時に取り外しも簡単にできるよう、指かけや側面に孔を設けています。また、シリカゲルと空気との接触面積が大きくなるように設計されています。アートソーブカセットタイプのレギュラーサイズは1個750gと重いため、作品の上部に設置すると落下の危険性があり、箱内の下部に等間隔で設置することにしました。

 

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2024年5月30日(木)大判パネル作品を収納する薄型シンク容器のご紹介

現代の美術作品には、アルミプレートにプリントされた写真や樹脂板に描かれた絵画など、支持体に数ミリの極めて薄いパネルが使用されることがあります。特に大判サイズの作品を縦置きで保管できる、薄型で省スペースの容器を新たに考案・製作しました。

 

通常、額装写真やキャンバス画の保管用には差し込み箱台差し箱をご案内していますが、これらの箱型容器は構造上、厚みを3cm以下にすることが難しく、今回のような厚みが1cm未満の薄い作品を収納する場合には、内部に緩衝材や固定用の部材を組み込む必要があります。そのため、容器の外寸が元の作品よりも大幅に厚くなってしまいます。

 

今回製作した容器は、厚みを極力抑えるために、容器の周囲に5mm厚の枠を取り付け、その中に作品を収納するシンク構造にしました。本体と蓋はボードを2重に貼り合わせたシンプルな構造ですが、ボアテープの留め具でしっかりと密着・固定されるため、強度が増し、持ち運びの際もたわむことなく安全に作品を扱うことができます。

 

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2024年3月28日(木)中性紙管で作る太巻き芯:掛軸、巻子の安全な保管方法の一提案

太巻き芯は絵画や書跡の掛軸装、巻子装を保管する際に使う便利なアイテムです。特に、本紙が傷んで紙質が硬化しているものは、細く巻くと負担がかかるため、軸を挟み込んで太くし、本紙を大きく巻くことで、描画材の剥離や開閉による損傷・劣化を最小限に抑えます。太巻き芯は、掛軸や巻子装の形態に合わせた間接的な予防保存処置であり、巻き癖を和らげ、開閉による擦れや横折れを軽減する効果があります。

 

一般的な太巻き芯は杉や桐などの木材を使い、削り出して作られますが、弊社が製作したものは中性紙管を使用しています。紙管を使う場合は、まず紙管を2つに半裁分割します。しかし、この作業にはかなりの手間がかかり、さらに、スパイラル紙管(紙の帯をらせん状に巻きつけて製造される紙管)を半裁すると、その製造上の特性から、ねじれが発生して全体が歪んでしまうことがわかりました。この歪みを矯正し、全体的な寸法精度を向上させるために、プラスタゾートから切り出した支軸パーツを作り、それを2つの分割紙管に固定することで、この歪みを解消しました。また、紙管の両端に円形の保護材を設置し、プラスタゾートと一緒に半裁紙管に固定することで、さらに安定した状態になります。半月状のプラスタゾートは、積層した状態で均等に貼り合わせ、軸木の太さに合わせてカットできるだけでなく、軸木の歪みや軸首の形態に応じて形状を設計・切り出し加工することもできます。紙管を分割する加工には、半裁するための専用治具を開発しました。この治具を使えば、硬く丈夫な中性紙管を特別な機具なしで安定した状態で均等に半裁できます。この専用治具は紙管径に合わせて制作でき、様々なサイズの中性紙管に対応できます。

 

太巻を装着して閉じた際の開口部分には、わずかな隙間を残し、巻き始めの裂地を傷めないように配慮しています。軸受け付きの保存箱に収納すれば、掛軸に負担をかけずに安全に保管することができます。

 

 

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2024年1月29日(月)2023年度 東京造形大学附属美術館様 博物館実習の一環で見学会を行いました

東京造形大学附属美術館では、桑澤洋子関連資料や小野かおる関連資料をはじめとする多数の資料を所蔵し、授業や展示に活用しています。これらの資料群は、これまで株式会社紀伊國屋書店によるプロデュースのもと一貫した資料の保存整理と電子化事業が進められてきました。弊社は紀伊國屋書店との業務提携において、資料の保存整理作業や電子化前後の処置を担当しています。

 

2023年11月、紀伊國屋書店のアテンドにより、東京造形大学附属美術館博物館実習の一環として、学芸員課程を学ぶ学生の方々に提携する各社をご見学いただきました。
電子化を行う株式会社インフォマージュでは、近年大学に追加で寄贈され、保存整理作業を行っている最中の「小野かおる」絵本原画の電子化工程を見学しました。
弊社の保存容器製作部門では、保存容器を切り出し組み立てるまでの工程をスタッフが実演し、さまざまな種類の保存容器を実際に手に取って見ていただきました。修理部門では近現代資料の修復の現場をご紹介し、サンプル資料によるリーフキャスティングの体験実習も行いました。

 

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2023年10月25日(水)国立工芸館様所蔵のガラス乾板の整理と保全作業

国立工芸館は1977年、東京都千代田区北の丸公園に「東京国立近代美術館工芸館」として開館しました。2020年秋、石川県金沢市に移転し、2021年4月に正式名を「国立工芸館」として再オープンしました。

 

今回、移転準備中に発見されたガラス乾板(以下、乾板)の保全処置をご依頼いただき、乾板のクリーニング、状態等の記録、写真保存包材への入替え・整理作業を行いました。これらの乾板は、1977年の開館記念展で展示した資料の記録画像で、酸性紙製の箱(元箱)に収められており、同一サイズの乾板347枚と、プリント写真やネガフィルム125枚が含まれています。元箱には分類名や当時のメモ書きが残っており、乾板にはマジックで固有の番号が振られたものもありました。(写真①②③)

 

乾板のクリーニングと保存・整理作業は以下の手順で行いました。まず、作業環境を整え、マスクと手袋を着用し、HEPAフィルターを搭載した空気清浄機を使用しました。また、乾板の取り扱い中に損傷しないよう、ポリエチレンフォーム緩衝材AZOTE®を下敷きにして作業しました。

 

最初に、各元箱に収納されている乾板の全体写真を撮り、分類名、固有番号、状態(剥離や割れなど)を記録しました。

 

乾板に付着したチリ、ほこり等の汚れをクリーニングしました。乳剤面は柔らかい刷毛を使用し、ガラス面は刷毛によるクリーニングの後、写真専用クリーナーPEC PADで汚れを拭き取り、カビや汚れがひどい場合にはエタノールを使用してから乾いたクリーナーで拭き取りました(写真④⑤)。

 

クリーニング後、乾板は一枚ずつ中性紙のタトウ乾板フォルダーに収納し、プリント写真とネガは二つ折りフォルダーに包みました。各フォルダーには、分類名と固有番号を記載した中性紙ラベルを貼付しました。損傷のない乾板、プリント写真、ネガは、縦置き専用保存箱に納め、割れや膜面が剥離している乾板は、平置き用の保存箱に収納しました。平置きの場合、落とし込み式の容器シンクに収納し、シンクは5枚をまとめて1つの台差し箱に収納しました。シンク型容器は、重ねても乾板に負担がかからないように設計されており、安全です(写真⑥⑦⑧)。

 

今後、専門の撮影業者によって電子化が行われる予定です。

 

本記事の掲載にあたり、国立工芸館様にご協力をいただきました。誠にありがとうございました。

 

▼ガラス乾板について
乾板は、ガラス板の上に感光乳剤(ゼラチンを媒体とした臭化銀)を塗布・乾燥したもので、写真フィルムが普及するまで様々な分野で活用されていました。ガラスは高い解像度と歪みがないため、天文学、物理学など専門的な研究分野では1990年代まで使用されていました。
しかし、乾板は取り扱いに注意が必要で、衝撃や落下によって割れやヒビが生じやすく、乾板同士がぶつかることで傷ができることもあります。また、保存環境の影響も受けやすく、光、温度、湿度、大気中の汚染物質などが原因でカビ、銀鏡化、剥離などが発生することがあります。さらに、乾板の劣化の特徴として、ゼラチンをバインダーとする画像層と支持体であるガラスとで性質が異なるため、数種類の劣化症状が複合的に生じることもあります。

 

そのため、ガラス乾板の適切な保存方法と保管環境は、ISO18918:2000 imaging materials−Processed photographic plates−Storage practices(JIS K7644:2010 写真―現像処理済み写真乾板―保存方法)として規格化されています。保存箱やフォルダーには、PAT(ISO18916:2007)合格品の素材を使用し、乾板に悪影響を与えないことが求められている他、保管については、乳剤同士が接触しないよう立てて保管することが推奨され、水平に保管する場合は、下部の乾板に負担がかかるため重ねて保存しないことなど、適切な保管方法、保管環境が規格化されています。

 

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2023年9月22日(金)立正大学図書館様 移動書架用棚はめ込み箱の導入事例

立正大学図書館様より、立正大学でも教鞭をとられた法学者鈴木安蔵(1904-1983)の旧蔵資料である「鈴木安蔵旧蔵資料」を収納するためのアーカイバル容器をご依頼いただきました。資料は文書や書籍などが封筒に収納されており、これらを貴重書庫の移動書架へ配置するため、書架に合わせた保存容器を検討する必要がありました。

 

今回採用されたアーカイバル容器は、棚の寸法に合わせてつくる「組み立て式棚はめ込み箱」です。箱の外面が棚の内側にぴったりと沿うように設計するため内寸を広く確保できます。さらに、箱の蓋前面が開く仕様になっているため、資料の出し入れが、棚に配架されている状態と同じくらい簡単に行えます。平積みの資料に対しても、箱の蓋を前面から開けることで、側面から資料を確認できます。通常の棚はめ込み箱は、蓋の留め具に樹脂製のひねり留め具を使用しますが、移動書架に設置されることから、向い合う棚の箱同士が干渉しないようにマジックテープを使いました。

 

本記事の掲載にあたり、立正大学図書館の吉水様にご協力をいただきました。誠にありがとうございました。

 

 

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2023年7月18日(火)1点物の陶彫作品を収納する保存容器を製作しました。

美術画廊GALLERY SCENA様からのご依頼で、陶造形作家・村上仁美様の陶彫作品を収納するアーカイバル容器を製作しました。

 

作品は陶製のオブジェで、表面にアクリル絵の具等で焼成後の彩色が部分的に施されています。以前は作品を購入されたお客様へご納品する際、桐箱などをご利用されていたとのことですが、市販の桐箱ではぴったりと合うものがなく、作品の大きさと形状の正確な測定や固定治具の取り付けなど、カスタムフィットの対応が難しいと感じていたとの事です。また、木材から放散される有機酸などのガスが作品の彩色部に悪影響を与える危険性を憂慮されており、なるべく製作当初の状態のままご購入されたお客様の手元で大切にしていただきたいとの思いで、弊社のアーカイバル容器をご活用いただいております。

 

アーカイバル容器は、身の前面が開くフラップ仕様の被せ式保存箱です。この形状により、作品を横から安全に出し入れすることができます。作品のサイズや重量に応じて、底面や側面に補強を施しています。収納対象となる陶彫作品には、植物がモチーフの繊細な装飾が施されており、些細な衝撃で破損してしまう可能性があります。そのため、容器内で作品が横に動かないように、容器の底面には作品の輪郭に合わせてくり抜いた固定用のスペーサーを取り付けました。作品をお客様に納品する際などの輸送時には、緩衝材として新薄葉紙『Qlumin™くるみん』やエアキャップなどが使用されます。さらに、容器の外側には樹脂製の取っ手を取り付けています。これにより、収納された作品を安全に運搬することができるようになっています。

 

今回掲載させていただいた作品の展示会は既に終了しておりますが、2023年7月15日から30日までBunkamura Gallery 8にて開催される企画展『Opening Selection -Bright,Calm,Dark- Vol.3 Dark』にて村上様の作品も展示されます。

 

本記事の掲載にあたり、GALLERY SCENA様、村上仁美様にご協力をいただきました。誠にありがとうございました。

 

 

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