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2016年7月13日(水) SPレコードを保存するには

SPレコードはLPレコードに比べて約3倍の重量があるため、縦置きで長期間保管すると熱による反りなどの変形を起こしたり、床に接触している部分が欠ける恐れがある。そのためSPレコードは平置きで保管するのが望ましい。(LP盤は縦置きの保管も可能だが、反りが起こらないように硬めのボードで挟むなどの工夫が必要だ。)

 

写真にある元のレコードスリーブは酸性紙で作られているので、アルカリバッファーの中性紙封筒に入れ替えた。保存箱にはレコードを平置きで10枚収納できる。フタがボアテープで固定されているため、持ち運びの際にレコードの重みで箱の身が不用意に開かないようになっている。

 

オリジナルのレコードジャケットも保存の対象である場合は汚染ガス吸着シート「GasQ ガスキュウ」で包み、中性紙封筒に入れたレコードと同じ保存箱に収納して保管する。

 

 

 

 参考:SPレコードとLPレコード

 

SP(Standard Playing)レコードとは、1897年~1950年代後半に製造されていたレコードで、1948年に長時間の記録が可能なLP(Long Playing)レコードの販売が始まり徐々に移行していった。SP盤とLP盤の違いは以下の通りである。

 

SPレコード
・直径:12インチ(30cm)と10インチ(25cm)
・毎分78回転、記録時間:最大片面5分
・主原料:シェラック(東南アジアに生息するラックカイガラムシが分泌する天然樹脂)
・材質:硬度がある半面、弾力が無くもろい。摩耗しやすく、落とすと瓦の様に割れる
・重量:最大400g程度
・シェラックは粒子が粗いので長時間の記録ができない(細かい溝を掘れない)

 

LPレコード
・直径:12インチ(30cm)と10インチ(25cm)
・毎分33と1/3回転、記録時間:最大片面35分
・主原料:硬質塩化ビニール
・材質:弾性があり割れにくく丈夫
・重量:130g程度(重量盤は180g)
・粒子が細かいので細密な記録が可能になり、SP盤では不可能な長時間記録を実現

 

日本では、明治末期からSPレコードの製造が始まった。戦中戦後の物資が不足した時代には、シェラックの輸入が止まり、代替材料を使用した物や、A面とB面の間にボール紙を挟み込んだ、劣悪な素材のレコードが製造されていた。1951年にLPレコードの輸入が始まり、SPレコードの国内生産は1963年に終了した。SP盤からLP盤への過渡期にはフェノール樹脂や塩化ビニールのSPレコードも製造されていた。

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