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2017年5月17日(水)東大史料編纂所プロジェクト編『文化財としてのガラス乾板』が刊行

東京大学史料編纂所附属画像史料解析センタープロジェクトおよび科研費等による、久留島典子・高橋則英・山家浩樹編 『文化財としてのガラス乾板』(勉誠出版)が刊行された。先駆的にガラス乾板の調査・分析・保全を続けてきた東京大学史料編纂所の実例(東京大学史料編纂所所蔵ガラス乾板の保存とデジタル技術による復元プロジェクト)のほか、同様の取り組みを進める諸機関の手法をまとめたもの。

 

本書では、ガラス乾板の保存と活用に必要な事柄を、基礎から応用まで、カラー図表をふんだんに示しながら具体的に紹介されており、初心者から実務者にとっての総合的なガラス乾版保存の入門書となっている。巻末付録には用語集のほか、写真関連規格、写真感光材料の標準寸法、保存用品、参考文献などの写真資料の整理・アーカイビングに必要な情報が充実している。

 

目次は下記の通り。

 

はじめに 山家浩樹

 

総論 
第1章 ガラス乾板の歴史と保存の意義 高橋則英  
第2章 写真と歴史学―東京大学史料編纂所の活動を中心にして 谷昭佳  
第3章 写真史料を保存へ導くために 白岩洋子

 

第Ⅰ部 ガラス乾板の保全と活用  
第4章 ガラス乾板の史料学―整理保存と調査による研究資源化の実際 谷昭佳
第5章 ガラス乾板の取り扱い 竹内涼子・高橋則英
第6章 ガラス乾板用保存箱の製作 谷昭佳・高山さやか・竹内涼子
第7章 ガラス乾板の劣化例証 竹内涼子
コラム1 ガラス乾板の「膜面返し」とコロタイプ印刷 谷昭佳(文責)・高山さやか(作図)  
コラム2 ガラス乾板の劣化について―ガラスの組成分解について 山口孝子  
コラム3 損傷したガラス乾板の処置と修復 三木麻里

 

第Ⅱ部 ガラス乾板の情報化
第8章 ガラス乾板のデジタル情報化―デジタル撮影とメタデータの作成 高山さやか
コラム4 ガラス乾板のスキャニングについて―京都国立博物館の取り組みから 岡田愛
コラム5 ガラス乾板に関するデータはどこに向かうのか 山田太造

 

第Ⅲ部 ガラス乾板蓄積の経緯とその背景
第9章 東京大学史料編纂所における歴史史料の複製とガラス乾板 井上聡
コラム6 日本史研究におけるガラス乾板の意義―保阪潤治コレクションから 木下聡
第10章 博物館と文化財写真―奈良国立博物館におけるガラス乾板整理の経験から 宮崎幹子
コラム7 東京大学経済学部資料室所蔵のガラス乾板―横濱正金銀行資料から 小島浩之
コラム8 文書館におけるガラス乾板の蓄積と公開 新井浩文

 

附録 用語集
・写真関連規格一覧
・写真感光材料の標準寸法に関する一覧表
・参考文献一覧
・ガラス乾板に関する情報・画像を公開している国内の主な機関
・保存用品取り扱い業者一覧

 

おわりに 久留島典子

 

掲載図・写真の所蔵・出典一覧 執筆者一覧

 

 

『文化財としてのガラス乾板 写真が紡ぎなおす歴史像』 久留島典子・高橋則英・山家浩樹 編 (勉誠出版)

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