今日の工房 

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2016年6月29日(水) 明治期の英訳「舌切り雀」の和装本を修理しました。

日本昔話『雀の物語(舌切り雀)』 を海外向けに英訳し出版(明治22年)された本。英文のため左開きではあるが、本紙は袋綴じで角裂が付いていた跡があり、和装本の形態である。本紙の袋内には間紙が挟まれており、共に基材はパルプ紙である。

 

間紙は枯葉のようにパリパリの酸性紙と化し、紙力は残っておらず折り曲げると切れてしまうような状態に劣化している。本紙と比べても茶褐色化が著しい。

 

本来間紙は、薄い本紙を袋綴じする際に、間に一枚紙を入れて綴じ込むことで、薄い紙への印刷の裏抜けを覆い、読みやすくするために用いられる。今回の資料は、本紙はパルプ紙で厚みがあり、今後も裏抜けの心配はないため、処置するにあたり間紙はすべて除去し、損傷箇所の修補をした後、綴じ直した。

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