今日の工房 2012年

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2012年10月11日(木)

茶道具の桐箱の構造を応用した紐付き被せ箱。紐を底面に十字に通し、上から底板をはめ込んでいる。紐を箱に固定しないことで「四方左掛け」のような独特の結び方ができる。

2012年10月04日(木)

粘着テープを除去し、修補する。粘着テープは外れた表紙をつなぐために貼られていた。表面からアルコールで湿りを入れて接着剤を緩ませ、表装の革に注意しながら綿棒やスパチュラを用いて慎重に取り外していく。接着剤も残さず除去したのち、新たにヒンジを作成して表紙と本体と接合した。

2012年09月27日(木)

國立臺湾師範大學美術系専任副教授の張元鳳先生とお弟子さんたちが弊社工房へ見学にいらした。アーカイバル容器部門では、各製作行程や、容器についての構造と効果、各箱種の特徴等を見て頂いた。コンサベーション部門では、虫損のある資料に対する各処置行程やエア・ストリーミング乾燥法、インク焼けのある資料に対する処置方法を見学し、エンキャプシュレーションの作業体験も行った。

2012年09月21日(金)

ロール・エンキャプシュレーションによる大判地図の修復手当て。資料の一端に和紙の足を付けフィルムで挟み、和紙ごと溶着する。フィルムの他の三辺を溶着しないことによって、巻き込む際に生じるフィルムのたわみを逃がす。資料の保護性は極めて高く取り扱いも安全、平置きの保管が難しい大型の資料でも、芯無しでロール状に仕上げることができる。最後に平紐の輪で止めて保存容器に収納する。

2012年09月13日(木)

篆刻と貴重な装飾品類をまとめて一箱に保管するための特注保存箱。篆刻は筒状の囲いの中に立てて納め、付随する装飾品類は各サイズに合わせて作成した仕切付きの台差箱に納める。一箱にまとめることにより管理やアクセスもしやすくなる。

2012年09月06日(木)

アーカイバル容器部門のCSSの様子。大型箱の新規構造開発、作業の簡素化、反りの低減の3つをテーマに手法の改良と性能検証を行なった。アーカイバルボードだけを使った、特殊な連結接合を考案し、3m超の長尺でも、軽量でかつ十分な強度を保つ。また従来よりもシンプルな構造が完成した。中重量の大型資料用の保存箱に適用できる。

2012年08月30日(木)

明治19年発行の英語辞書。本紙は和装本のように前小口側が山折で片面テキスト、糸による3穴の平綴じ、小口の3方にはマーブルが施され、表紙の芯材は木製のくるみ製本。明治期に伝わった西洋の製本の構造と、和装本の構造が混在している。表紙が本体から外れ、本紙の一部が綴じから外れていたため、本紙を和紙で補強した後に綴じ直し、表紙・本体の再接合を行った。

2012年08月23日(木)

個人様所有の雛人形用の新きりなみ式保存箱。人形は全5体、小物は屏風や毛氈など全14点を全て一つの保存箱に収納したいとの依頼。採寸と納品は直接お宅へ伺った。屏風以外の18点は専用の部屋を設けた箱に収納し、底に寝かせて収納した屏風に直接乗ることがないようにレールとトレーを付け、その上に乗せる仕様にした。一箱に納めることにより、散逸することがなくなり格段に扱い易くなったと非常に満足していただけた。

2012年08月16日(木)

外れた表紙を糸で結びつけるタケッティング法(Tacketing)で再接合する。本体のヒンジ部分から一括目ののどに向かって、2箇所に孔を開けて糸を通す。糸の両端は表紙の芯材ボードと革の間に埋め込み、重量のある資料も表紙と本体をしっかりと繋ぎ合わせる事ができる。上から染色した和紙で覆い、見た目も馴染むように仕上げる。

2012年08月03日(金)

一橋大学社会科学古典資料センターの床井・専門助手と、同セ ンターで保存修復業務を行なっている方々4名がこのほど当工房を訪れ、当社のコンサベーションとアーカイバル容器作成の現場を見学された。同センターの保 存修復部門はこれまで西洋古典籍の館内での手当てを継続して行なってきたが、特にインク焼け処置やコンサベーション製本の構造、そして容器のバリエーショ ン等に興味を持たれ、熱心な質問が相次いだ。

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