今日の工房 2016年 9月

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2016年9月28日(水) 出向作業時のエプロンを統一しました。

お客様のもとでの作業時に、作業スタッフであることが一目でわかるよう揃いのエプロンを導入しました。今週も資料の採寸をはじめ、現地での保存容器の組み立てと資料のクリーニング・収納、出張しての革装丁本への手当てなどが予定されています。本日よりさっそく、出向作業に向かうスタッフ達が着用します。

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2016年9月21日(水) 第18回ICA大会 2016 韓国・ソウルのブース展示に参加しました。

2016年9月5日~10日に韓国ソウル市で開催された、国際公文書館大会(International Congress on Archives)のブース展示に弊社も参加した。今大会は 「アーカイブズ、調和、友情: グローバル社会における文化的感受性、正義、連携の確保」をテーマに、世界中から参加したアーカイブズの専門家による基調講演やワークショップ、保存・修復に関わる公的機関や一般企業によるブース展示が行われた。大会のハイライト動画はこちらから。

 

弊社製品の韓国での現地取扱店となるDoosung Paper Co., Ltd.様の出展ブースにて弊社製品が多数展示され、日本国内から韓国への販売代理店となる株式会社竹尾様、保護紙の開発と販売を行っている株式会社TTトレーディング様各社ご担当者と共に弊社スタッフもブースに立ち、来場者への商品説明などを行った。ブースへは韓国内のみならず、中東やアフリカ、欧米諸国から参加された多くの方々にお立ち寄りいただいた。展示した保存箱には実物の資料を収納し、一目で用途や効果が分かるようにしたため、興味を持ち立ち止まり見学される来場者が多かった。来場者からは、汚染ガス吸着シートGasQ®︎無酸素パックMoldenybe®︎の機能や効果についての質問が最も多く、他にはない高い機能性を持った商品であるとの評価を多数いただいた。

 

次回のICA大会は2020年、アラブ首長国連邦のアブダビにて開催の予定との事。

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2016年9月14日(水) 映画の復元と保存ワークショップに参加、フィルム保存用のベントボックスなど好評でした。

8月26日から28日まで3日間の日程で 「第11回映画の復元と保存に関するワークショップ」が開催された。初日は各所の施設見学や実作業体験、2.3日目は株式会社IMAGICA東京映像センター第一試写室で講義やトークセッションが行われ、弊社は協賛企業として機器展示とライトニングトークで発表をさせていただいた。

 

施設見学・実作業では、株式会社東京光音主催による「被災した視聴覚資料の応急処置」と株式会社東京現像所主催の「調布の映画関連施設見学」に参加させていただいた。

「被災した視聴覚資料の応急処置」では株式会社吉岡映像、富士フイルム株式会社、コガタ社の各専門家より8mmフィルムやビデオテープ、SPレコードの実物を使い水洗洗浄やカートリッジを分解してのクリーニングなどを実習、実際に東日本震災で水損した映像資料の救済処置の内容をもとにした実践的な内容だった。

「調布の映画関連施設の見学」では映像資料や書籍、文書などを最適な環境で保管する共進倉庫株式会社のフィルム用低温収蔵庫を見学させていただいた。慣らし室にはIPIの基準に基づいて慣らし時間が細かく設定されており、奥の低温収蔵庫は摂氏5度40%Rhの中に約10万本ものフィルムが保管されている。次に映画など劇中に使用する小道具のレンタルを手掛ける高津映画装飾株式会社では鎧専用の倉庫と現代劇と時代劇用の小道具が収められた2つの倉庫と、過去の著名な映画に使用された貴重な小道具が展示された芸能美術文庫PALにも案内していただいた。最後に株式会社角川大映スタジオでは、映画、TV、CMの撮影から映像作品になるまでの各作業所を見学した。

 

機器展示の当社ブースでは汚染ガス吸着シートGasQ®を使った映像フィルム、SPレコード、磁気テープ、CD/DVDやLTOといった新旧の視聴覚メディア用保存箱や、衣装などを安全に保存するための無酸素パックモルデナイベ®を展示した。中でもフィルム用保存箱ベントボックスが好評で、来場者からは従来のフィルム用容器との比較、機能、価格や生産ロットなど具体的な質問を多くいただき、映像フィルムの保存への関心の高さを感じた。ライトニングトークでは、具体的な事例を交えながら視聴覚メディア専用の保存箱を紹介をさせていただいた。来場者の方々からは様々なご意見やご感想を伺うことができた。お立ち寄りいただいた皆様に心より御礼申し上げたい。

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2016年9月7日(水) 保存容器に貼付する中性ラベル

アーカイバル容器のオプションの1つでもある中性ラベルのご紹介。資料を容器に収納すると、中にどんな資料が収納されているのかが判別できなくなるため、容器作成と併せてラベルの貼付をお勧めしています。ラベルの形式は様々で、お客様のご要望や容器の種類、資料の形態等に合わせてご提案しています。左の2枚の写真は、元箱の識別情報を整理した上でラベルを作成し、保存容器に貼付した例。

 

また、最近ご好評なのは、洋装本を収納した際の「パネル型」のラベルです。洋装本の背のタイトルパネルに倣ってラベルを作成し、保存容器に貼付しています。この形式は立教大学図書館様の洋書貴重書の保存容器にも採用されています。

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2016年9月2日(金) 大容量磁気テープ媒体 LTO用の専用保存容器を開発

テレビ番組などの大容量コンテンツの保管と保存用の最適媒体として急速に普及が進んでいる磁気テープ LTO(Lenear Tape Open)専用の容器を商品化しました。これまで放送局様などからの様々なご要望を受け開発に取り組んできましたが、ようやくご納得いただける製品ができたと自負しております。

 

磁気テープの劣化要因には、落下によるカートリッジの破損、温湿度の急激な変化、埃や粉塵、水(湿気)、 空気中の腐食ガスなどがある。湿気からくるカビの発生はよく知られているが、腐食ガスによる影響も大きい。 高温高湿の環境や腐食ガスは磁気テープの記録層を構成するメタル磁性体を酸化させる。 磁性体は酸化すると抗磁力が落ち、記録された情報の欠損を起こす。 これらの要因への対策は磁気テープの保存にとって重要である。

 

画像はLTO4本収納用と、 10本収納用保存箱。蓋は樹脂製のヒネリ留め具やボアテープで固定ができ、持ち運びの際に不用意に蓋が開かないようになっている。10本用の保存箱には局内での持ち運び用に樹脂製の提げ手を取り付けた。 また、調湿性を付与するため外側を防湿効果のある不活性フィルムでコートし、内側には腐食ガスを吸着する汚染ガス吸着シートGasQ®を組み込んだ仕様になっている。

 

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