今日の工房 2017年 10月

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2017年10月25日(水) 年始あいさつ用の手拭いのデザインはどれに?

今年も残すところあと2ヶ月となりました。これから年末に向けて徐々に慌ただしくなるこの時期、新年の準備も始まっています。日ごろお世話になっている方々へ年始にお配りする手ぬぐいのデザインを選ぶのもこの時期の仕事。毎年スタッフ全員の投票形式で決めています。来年は戌年ということで、犬柄のデザイン数種類の中から決めるのですが、どれも甲乙つけがたく、スタッフ一同あれこれ迷いながら一番良いと思うデザインに一票を投じました。さて、来年お正月の手ぬぐいはどんなデザインに決まるのでしょうか。

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2017年10月18日(水)接着剤で無線綴じされた図録を折丁仕立てに作り直し、きれいに見開くように再製本する。

無線綴じされた図録。本紙の背を断裁し、それぞれのページを一枚ものにして束ね、背側の端を接着剤で固めて製本されている。経年により接着剤が劣化し、本紙は一枚ずつバラバラの状態に外れている。本紙が厚く柔軟でないため、そのまま糸で平綴じで修理を行うと見開きが悪くなり、紙への負荷もかかる。

 

断裁された本紙の背を短冊状の和紙でつなぎあわせて折丁の背を作り直した後、折丁を組み合わせた括を作り、糸で綴じ合わせてゆく(かがり綴じ)。手間のかかる工程であるが、これにより、のど元まできれいに見開ける仕上がりになる。

 

* かがり綴じ、平綴じ、中綴じ、無線綴じの断面図

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2017年10月11日(水) 資料のファイルと保存処置が同時にできるアーカイバル・バインダーの容量を拡大した改良品を開発中です。

アーカイバル・バインダーは透明のリフィルポケットに1枚物の紙資料などをファイルできる、リングバインダー付きのシェルボックスです。資料のファイリングと保存処置が同時にできるバインダーとして開発しました。透明リフィルに収納したまま中身の確認・閲覧ができるため、書類や原稿・印刷物・写真プリント・ネガフィルム・スライドなどの整理に便利です。また、資料の表裏を確認できるので、パンフレットやカタログなど薄い冊子のコレクションに利用するお客様もいらっしゃいます。

 

リフィルの素材は化学的に安定性の高いポリプロピレン製で、PAT(ISO18916:写真活性度試験)もパスしています。一般のビニール製品とは違い、素材に劣化要因となる可塑剤などの添加物は含みませんので、中の資料に安全です。

 

より沢山の資料を1箱に収納したいとのご要望をお客様から受け、バインダーのリングサイズを大きくした箱を試作中です。収納量が増えた分、中身の荷重に箱や部品が耐えられるよう、設計に改良を加えながら強度の検証を重ねています。販売開始までもうしばらくお時間をいただきますが、現行商品に比べ1.5倍程度の容量拡大が目標です。

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2017年10月4日(水)国立女性教育会館女性アーカイブセンター主催の保存修復研修が今年も開催されます。

国立女性教育会館女性アーカイブセンターが主催する平成29年度アーカイブ保存修復研修が11月20日(月)から11月22日(水)にかけて開催されます。「基礎コース」、「実技コース」、「オプション」のカリキュラムに分かれており、弊社では今年度も「実技コース」と「オプション(弊社工房見学)」を担当させていただきます。

 

昨年度ご好評いただいた“図書資料への館内でもできる処置”と題した簡易修理の実習を、同じ内容で今年度も行います。昨年度参加できなかった方はもちろん、昨年度参加したけれど、もう一度参加して理解を深めたいという方も、ふるってご応募下さい。

 

[実習内容詳細]

・紙資料の修復関連実習①  ソフトカバー(小冊子)などの図書資料への館内でもできる処置(金属除去、綴じ直し、修補)の実習

・紙資料の修復関連実習②  ハードカバー(くるみ製本)などの図書資料への館内でもできる処置(背ごしらえ、表紙・背表紙の接合、修補)の実習

 

 

* 画像は昨年度の実習風景。

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