今日の工房 2019年 6月

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2019年6月26日(水)第41回文化財保存修復学会に出店し、お客様の率直なご意見やご要望を聞くことができました。

6月22日(土)、23日(日)の2日間、帝京大学八王子キャンパスにて第41回文化財保存修復学会が開催され、当社もブース出展いたしました。ご好評をいただいている「新薄葉紙Qlumin™くるみん」、「防カビ・殺虫ができる無酸素パックMoldenybe®モルデナイベ」、「汚染ガス吸着シートGasQ®ガスキュウ」、「ドライクリーニング・ボックス」については今年も多くの関心をお寄せいただき、海外からのお問い合わせもいただきました。両日ともあいにくの雨模様でしたが、お運びくださいました皆様には心より御礼申し上げます。

 

各製品に対してのお客様からのご意見やご質問を以下にまとめました。

 

▶︎「ドライクリーニング・ボックス」
・滅菌機能は付けられないか。
・紙資料だけでなく、博物資料に使ってみたい。
・定型より大きなものが欲しい。
・プルーフタイプの本体だけ購入できないか。
※定型外の特注サイズ、また空気清浄機を含まない本体だけのご購入につきましては対応できますので、お問い合わせください。

 

▶︎「モルデナイベ」
・ガスバリア袋は再利用は可能か。
・ガスバリア袋を開封しても脱酸素剤は引き続き使えるか。
※ガスバリア袋は、破れたり穴が開いたりしない限りは再利用可能です。使用済みの脱酸素材は有効性が失われていることがありますので再使用をお控えください。

 

▶︎「くるみん・GasQ」
・くるみんは表面が滑らかでカビが生えにくいので、漆器の保護用に関心がある。
・ガス吸着の限界やお勧めの交換時期があるのか。
※ご使用状況によって取り換え時期が異なるため、頃合いを見てインジケーターで測定していただくか、定期点検時などに交換していただいております。

 

▶︎「アーカイバル容器」

・品質はもとより木箱よりも軽く取り回しがいい点でも中性紙箱は重宝している。

・写真資料の整理用に特殊サイズに対応する包材と箱に関心がある。

 

 

皆様から頂いた貴重なご意見、ご要望は製品の改良と品質の向上に役立ててまいります。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。

2019年6月19日(水)共立女子大学図書館様の貴重書1900点のカビ被害のクリーニングから保存容器収納まで。

共立女子大学図書館様の所蔵する貴重書に対して、資料の一部にカビ被害が発見されたことを機に、資料と書架の一斉クリーニングを行い保存容器を導入して再配架しました。

 

貴重書室の資料は洋書・和書約1900点。まず資料全点を無酸素パック「モルデナイベ」にパッキングしてカビ残滓等の飛散を防止した状態で別室に運び出し、そのまま無酸素状態を3週間以上維持させて殺虫とカビ抑制処置を行った。経過後は開封し、ブラシを装着したHEPAフィルター付き掃除機で資料表面や小口に堆積した塵芥やカビ残滓を吸引した後、消毒用エタノールをしみ込ませたクリーニングクロスでふき取ってクリーニングを行った。

 

空になった書架は清掃し、「棚はめ込み箱」をはめ込んで、クリーニングが済んだ資料を再配架した。和書の布帙は、破損やカビ跡が見られるものが多かったため「タトウ式保存箱」に入れ替えた。重量がある大型資料は一点ずつ「タトウ式保存箱」「組み立て式シェルボックス」に収納することで、安定して配架、取り扱いできるようになった。

 

一連の工程のうち、無酸素パック「モルデナイベ」へのパッキング作業は、共立女子大学図書館スタッフの方々により行われました。「モルデナイベ」はスタッフ様自らが館内でのご使用可能です。ぜひご活用ください。

 

 

【関連記事】
スタッフの力 資料に付着した汚れやカビのドライ・クリーニング

2019年6月12日(水)ロール・エンキャプシュレーションのサンプルを作る。

ロール・エンキャプシュレーションとは、一辺だけを溶着した2枚のポリエステルフィルムの間に、ポスターや図面などの比較的大きなサイズの紙資料を挟み、フィルムごと巻いた状態で保管する方法です。

 

資料をむき出しの状態で丸めて保管していると、周辺部に折れや破れが起こりやすくなります。ロール・エンキャプシュレーション処置により、そのような物理的な損傷からの保護に加え、A1サイズを越えるような大きな資料でも省スペースで収納することができます。

 

工房では、経年による変化、特に、長期間保管した後にロールを開いた際の巻癖の強弱を確認するために、挟み込む資料のサイズや厚み、紙質等、あらゆる場合を想定したサンプルを作成して実際の処置の参考にしています。例えば、直径の大きさの異なる筒にサンプル資料を入れ、直径の大小により、元に戻した時の巻癖の違いがどの程度、資料に影響するかなどを検証しています。

 

関連情報
『今日の工房』2018年2月21日(水)フィルム・エンキャプシュレーションの現在(1)

『今日の工房』2018年2月28日(水)フィルム・エンキャプシュレーションの現在(2)

『今日の工房』2018年3月08日(木)フィルム・エンキャプシュレーションの現在(3)

 

2019年6月5日(水)放送業務用映像記録ディスクを持ち運びできる、窓付き保管ケース

某放送局様からのご依頼で、映像制作の現場で広く使用されているXDCAMファイル記録用光ディスクの保管ケースを製作した。

 

保管ケースの設計に関してお客様からの4点のリクエストを頂戴した。

 

①ディスクのタイトルラベルが覗ける窓が欲しい。
②局内等で安全に持ち運びできるよう持ち手が欲しい。
③外部への持ち出しも想定し、汚れや少々の水濡れに耐えるようにして欲しい。
④収録内容のデータをプリントアウトした紙が収納できるホルダーを付けて欲しい。

 

ケースの基本形状は、蓋の開閉が容易に行えて且つ持ち運びの際に不用意に開かぬよう、ポリアセタール製留め具付きで蓋と身がつながっている箱にした。覗き窓にはポリエステル製のフィルムを使用し、天面にはポリエチレン製の提げ手を取り付けた。ケース表面には不活性フィルムをコートするプルーフ加工を施し、撥水性と汚れが拭き取れる防汚性を持たせた。収納するディスクに付随するカードを差し込めるホルダーを、ケースの外面2か所に取り付けた。

 

弊社で製作する各種アーカイバル容器は、ご要望に合わせて細かい設計変更が可能です。是非ご相談ください。

 

<関連記事>
・今日の工房 「2016年9月2日(金)大容量磁気媒体 LTO用の専用保存容器を開発」

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