今日の工房 

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2015年04月30日(木) 鉄線で綴じられた(wire sewing)本の修理

ワイヤー・ソーイング(wire sewing) で綴じられた資料の修理。この度処置した資料は昭和女子大学様の所蔵するトルストイ著「戦争と平和」。本体を綴じている金属が腐食し、綴じはバラバラに外れている。金属を除去し、傷んだ本紙の背を和紙で補修した後、麻糸で全体を綴じ直す処理を行う。綴じの支持体にはテープ状に切った不活性不織布を使用した。それぞれのテープの幅をオリジナルの綴じ穴の間隔に合わせてカットできるので、元の綴じ穴を活かせるし、十分な強度があるが綿や麻のテープよりも薄いため、背表紙やヒンジ部(表紙との接合部)に段差が出来にくく、すっきりと仕上げることができる。

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