今日の工房 2019年 3月

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2019年3月13日(水)絹布上に描かれた大型の曼荼羅作品を安全に移送と保管ができる保存箱。

二点一対になっている両界曼荼羅図の復元模写作品を収納する保存箱。曼荼羅は染色した綾織りの絹の上に金泥で描かれており、作品本体を四方から糸で木枠に張り、木枠ごと壁に掛けて展示できる。

 

ご依頼者からは作品の移送も安全に行える保存箱をご所望いただき、持ち運びの際にたわみやゆがみの起きない強固な構造の被せ蓋式の箱を製作した。箱内部で描画面が箱の内壁に接触しないように、木枠部分を文化財保護用のフォーム材AZOTE®(プラスタゾート)で固定する設計になっている。また、 平置きで保管する際に作品本体が絹布の糸の緩みで垂れ下がってくるのを防ぐために、AZOTE ® を本紙周囲の張り手部分(中に竹の芯棒が入っている)の裏面側に設置し、作品本紙を支えている。さらに、箱の身と蓋はボアテープで固定するので、箱を立てての移送も安全に行うことができる。

 

保管時は、作品の木枠から放散される酸性ガス対策と描画面の保護のために、汚染ガス吸着シート「GasQ ガスキュウ」で作品を覆っている。

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2019年3月6日(水)年度末までのご納品に間に合うようにと、工房はいまフル回転です。

例年と同様、年度末を控えた工房はいま繁忙期真っ只中です。スタッフはフル回転で仕事に取り組んでいます。完成した保存容器、修理の終わった資料は、お出しする書類の最終確認後、順次お客様の元へ発送、ご納品に伺っております。今年度は遠方の関西や九州からのご依頼も多く、早めの対応を心掛けております。また、ご納品と併せて、修理と保存容器の両部門共に新しい案件のご相談もいただき、おかげさまで次年度も忙しい一年になりそうです。

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