今日の工房 

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2016年3月2日(水) 活字の鋳造から組版までの作業の見学会に参加しました。

新宿区榎町にある有限会社佐々木活字店で鋳造から組版までの作業を見学しました。佐々木活字店は大正6年に活字鋳造販売業を始め、今年で創業99年。現在では、鋳造、文選、植字、組版から印刷までの全行程を請け負っている。鋳造の作業場内には、ポイント(活字の大きさ)違いの鋳造機10台ほどや、鉛・アンチモン・錫の合金からなる活字の材料のインゴット、珍しい花型を含む母型庫などが所狭しと並び、鋳造機が小気味好い音をたてながら、次々に活字を作っていた。文選も体験させてもらい、自分の氏名を探してみましたが、常用漢字4文字にもかかわらず数十分かかりました。昔は歩合制の日雇いの職人さんが何人もいたとのこと。近年では地金屋さんも減ってきて調達が簡単でないことや、昔の鋳造機には、インゴットの適正な溶融状態を見るための温度計がついていなかったので、職人さんは溶融釜に紙を当てて燃やし、火加減を確認していたなど、興味深いお話をたくさん伺うことができました。最後の1枚の画像は、最近ある展示会用のポスターの組版。様々なポイントや書体、行間、段落、スペースを使ってデザインしていく、気の遠くなるような作業が続く。

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