今日の工房 2026年

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2026年3月19日(木)写真資料収納リフィル 57-4P Ⓜ 販売開始のお知らせ

平素より弊社製品をご利用いただき、誠にありがとうございます。

 

このたび、写真資料収納リフィル 57-4PⓂ(米国 Print File 社製/弊社ODM品)が入荷し、販売を開始いたしましたのでご案内いたします。

 

|▶ プリントプリザーバーとは

ARCHIVAL PHOTO PRESERVER(プリントプリザーバー/フォトページ)は、プリント写真を保護しながら整理・閲覧するための収納リフィルです。バインダーや吊り下げファイルに綴じて使用し、写真を取り出さずにそのまま確認できる点が、封筒型やスリーブ型の保存方法との大きな違いです。

 

研究室や大学・図書館の写真資料整理、博物館・資料館の収蔵写真の管理、社史や広報写真のアーカイブなど、閲覧と保存を両立した管理方法として広く使用されています。写真保存用リフィルは、収納する写真サイズに合わせて選ぶことが最も重要です。本製品では用途に応じてサイズを選択できるラインナップを用意しています。

 

|▶ なぜアーカイバル品質が必要か

一般的なビニール製ポケットには可塑剤・触媒・溶剤などが含まれていることがあり、長期保管において写真乳剤に化学的影響を与える場合があります。57-4PⓂはPVCを一切使用せず、ポリプロピレンのみを素材に採用することで、そうした影響を避けながら写真資料を長期にわたり保護します。また、写真保存材料の安全性評価基準であるPAT試験(Photographic Activity Test)にも合格しており、写真保存用途の材料として国際的に認められたアーカイバル品質の製品です。日常的な資料整理から長期保存が必要なアーカイブまで、安心してお使いいただけます。

 

|▶ プリントプリザーバーの利点

写真は触れる回数が多いほど、指紋・摩耗・折れ・角欠けのリスクが高まります。プリザーバーに収納しておけば写真を取り出さずに閲覧できるため、取り扱いによる損傷を減らすことができます。また、箱や封筒での保管では取り出した際に順序が崩れやすくなりますが、プリザーバー方式では時系列・撮影場所・イベント単位などの整理状態を維持したまま管理できます。

 

バインダーに収納することで、何枚あるか・どこに何があるかを一覧で確認でき、「探す・取り出す・戻す」という手間が少なくなります。さらに、新しい写真を途中に追加したり、テーマ別に並び替えたりと、原秩序を維持したまま資料の追加整理を行うことができます。

 

写真保存に適した高透明ポリプロピレン素材を使用しているため、ポケット形状が安定しており、収納・閲覧ともにしやすい構造です。また、写真サイズに合わせたポケット設計により、大きすぎ・小さすぎによる折れ・波打ち・角潰れを防ぎ、安定した状態で収納することができます。

 

|▶ 57-4PⓂ の使い方と特長

57-4PⓂは上下2段・2ポケット仕様のリフィルです。1ポケットに写真を2枚背中合わせに収納でき、ページをめくるだけで両面の写真を確認できます。素材には高透明ポリプロピレンを使用しており、収納したままでも写真の細部まで鮮明に見ることができます。

 

総厚8mil(上下各4mil)の適度な厚みと剛性があり、写真がずれにくく・角が折れにくく・ページが扱いやすい設計です。薄手フィルムにはない安心感があり、日常的な閲覧や参照を伴う資料管理にも適しています。

 

|▶ サイズについて

57-4PⓂのポケットサイズは 130mm × 205mm です。現在欠品中のA5-4P(147×210mm)と、代替品としてご案内してきた57-4PⓈ(130×179mm)の中間サイズにあたります。57-4Psでは横幅がやや足りない場合や、130×180mm程度の大キャビネ判写真をゆとりをもって収納したい場合に特に適しています。

 

サイズ 品番 ポケットサイズ 状況
S 57-4PⓈ 130 × 179 mm 取り扱い中
M 57-4PⓂ 130 × 205 mm ★今回入荷
L A5-4P 147 × 210 mm 現在欠品中

 

|▶ 収納目安

Lサイズ:A5判・大判資料

Mサイズ:大キャビネ判・長め資料

Sサイズ:キャビネ判・2L判

 

⚠ サイズをお間違えのないようご注意ください

・A5サイズ(148×210mm)の資料は、S・Mサイズには収納できません。

・各サイズのポケット内寸をご確認のうえご注文ください。ご不明な場合はお問い合わせください。

なお、S・M・Lの各サイズは外寸を統一した設計となっており、バインダーやボックスバインダー、吊り下げファイルに複数サイズを混在させて綴じても、整理状態を保つことができます。

 

|▶ 価格・納期

3,190円(25枚入・税込・輸送費別)
在庫品のため、納期はご発注より約1週間となっております。

 

|▶ 57-4PⓂ の仕様

品番  57-4PⓂ(弊社ODM品) 
ポケットサイズ  130mm × 205mm 
構造  上下2段・2ポケット(1ポケット2枚収納可) 
素材  高透明ポリプロピレン 
材質特性  PVC不使用・総厚8mil 
保存品質  アーカイバル品質・PAT試験合格 
入り数  25 
価格  3,190円(税込・輸送費別) 
納期  在庫品:約1週間 

 

|▶ 上下2段・2ポケット仕様 ラインナップ(更新)

  Sサイズ  Mサイズ  Lサイズ 
品番  57-4P Ⓢ  57-4P NEW  A5-4P 
ポケットサイズ  130×179mm  130×205mm  147×210mm 
収納目安  キャビネ判・2L  大キャビネ判・長め資料  A5判・大判資料 
区分  メーカー標準品  弊社ODM  メーカー品 
取り扱い  取り扱い中  販売開始  欠品中 
納期  取り寄せ(約1か月~)  在庫品(約1週間)  未定 
価格(25枚入)  3,190円(税込・輸送費別) ※全サイズ共通 

 

|▶ Lサイズ(A5-4P:147×210mm)をお使いのお客様へ

A5-4Pは現在、製造ロットに起因する不具合が確認されたため、販売を一時見合わせております。製造元にて次回ロットからの品質改善が予定されておりますが、現時点では入荷時期は未定です。

 

57-4PⓂのポケットサイズは 130×205mm です。A5判(148×210mm)ジャストには対応しておりませんが、大キャビネ判写真や短辺が130mm以内の資料であれば実用的にご使用いただけます。収納予定の資料サイズをご確認のうえご検討ください。ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

Lサイズ(A5-4P)の入荷につきましては、進展があり次第あらためてご案内いたします。

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2026年3月12日(木)2025年度 東京造形大学附属美術館様 博物館実習と髙橋淑人大型作品の保存容器製作・収納事例

東京造形大学附属美術館では、桑澤洋子関連資料や小野かおる関連資料をはじめとする多数の資料を所蔵し、授業や展示に活用されています。弊社は株式会社紀伊國屋書店株式会社インフォマージュと協業し、所蔵資料の保存整理や修復、保存容器の製作に携わってまいりました。

 

昨年に引き続き、東京造形大学で学芸員課程を学ぶ学生の皆様を対象に、博物館実習の一環として各提携先の専門業務を見学する会が行われました。
弊社では修復部門と保存容器製作部門の業務を見学・体験していただきました。

 

修理部門では、実際の作業を見学しながら、修復が必要になる背景や目的、処置工程について解説を行いました。体験実習として、保存製本の基礎技法である「リンプ・ベラム・バインディング(Limp vellum binding/リンプ製本)」を取り上げ、それぞれ1冊ずつのサンプル製本を完成させました。

 

保存容器製作部門では、完成させたリンプ製本を採寸し、その寸法に合わせて専用の保存容器を製作し、組み立てから収納までの一連の工程を体験していただきました。あわせて、東京造形大学様が所蔵する髙橋淑人氏の大型作品を収納するための保存容器「台差し箱」の製作工程を見学していただきました。作品の特徴や収蔵場所に合わせオーダーメイドで設計された保存容器です。箱の構造や工夫についての解説を受けながら、スタッフが組み立てていく様子をご覧いただきました。

 

後日、完成した保存容器へ作品の収納を行いました。作品は6枚1組の大型絵画で、1点のサイズは約1,300×1,630×60㎜。重厚な木枠にキャンバスを貼った構造で、重量は20㎏程と推測されます。絵画面は絵具の塗り重ねによる凹凸感があり、とても繊細です。収納にあたっては、表面をキズや擦れから保護するため、滑らかなポリエステル製不織布で包んだうえで保存容器に収納しました。箱の天側には、取り出しやすいよう手が入る余白を設けています。保管時はその余白に着脱可能なスペーサーを挿入し、箱内部で作品が動かない構造としています。蓋は側面に取り付けた面ファスナーで固定され、縦置きの状態でも蓋が開くことなく、安定した移動・保管が可能です。

 

東京造形大学附属美術館では、専用の収蔵庫の替わりに校内各所の部屋を収蔵庫環境として整え、作品を分散保管しています。そのため、作品の保管・移動・環境からの保護を目的として、これらの保存容器が重要な役割を果たしています。

 

今回は収蔵作品のための保存容器を製作する工程をご覧いただくことができ、保存容器の役割をより身近に感じていただけたのではないかと思います。

 

 

【関連情報】
・2024年11月14日(木) 2024年度 東京造形大学附属美術館様 博物館実習の一環として見学会を行いました。
・2024年1月29日(月)2023年度 東京造形大学附属美術館様 博物館実習の一環で見学会を行いました。

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2026年2月9日(月)明治学院歴史資料館様所蔵 沖野岩三郎手稿コレクション ― 修復とデジタル公開の取り組み

弊社では2023年より、株式会社紀伊國屋書店、株式会社インフォマージュと協業し、明治学院歴史資料館様が所蔵する「沖野岩三郎手稿コレクション」の修復および電子化作業に取り組んできました。その成果として、2025年10月より、これらの貴重な資料が明治学院歴史資料館デジタルアーカイブズにて公開されています。

 

作家、牧師として知られる沖野岩三郎(1876-1956)は、1904年(明治37年)28歳で明治学院に入学しました。卒業後も学院との関係を大切にし、晩年には、持病である糖尿病の悪化により視力を失いつつあるなかで、自身の蔵書や書簡、原稿類を明治学院へ寄贈しています。 本プロジェクトで修復・電子化を行った資料は、これら寄贈資料の一部にあたります。

 

今回修復の対象となったのは、主に草稿や原稿資料です。2023年から2025年までの3ヵ年にわたり、計22点の資料に処置を施しました。資料の多くは200字詰または400字詰の原稿用紙に記されており、なかには1作品で1,000枚を超える分量のものも含まれていました。

 

200字詰原稿用紙は、ボール紙の簡易表紙を付け、紙縒りで平綴じされた状態で保管されていましたが、原稿を捲る動作によって綴じ部分に負荷が集中し、表紙や綴じ部が破損している資料がほとんどでした。一方、400字詰原稿用紙は、原稿束を二つ折りにした状態で保管されていたため、強い折れ癖が生じていました。さらに、原稿の冒頭および末尾の頁では破れや欠損が顕著で、取り扱い自体が困難な状態でした。これらに加え、すべての資料に共通して、酸化や酸性劣化による紙力の低下、紙の茶褐色化が見受けられました。

 

こうした状態を踏まえ、電子化にあたっては、資料を安全に取り扱えるようにするための補修処置として、綴じられていた資料をすべて解体し、損傷部には和紙(楮)で修補を行い、劣化や破損が著しい原稿用紙は、裏打ちによって全体を補強しました。電子化完了後には、酸性劣化の進行を抑制するため、Bookkeeper法を用いた脱酸性化処理を施しています。その後、資料のサイズや形態に合わせて製作した専用の保存容器に収納しました。今後の展示や利用を考慮し、あえて綴じ直しは行わず、原稿束を3Fフォルダー(無酸・無アルカリ・無サイズの厚紙製)で包み、固定した状態で保存容器に収納しています。

 

修補 裏打ち 原稿束を3Fフォルダーで包み安定した状態で保護 資料サイズに合わせた専用保存容器に収納

処置後 200字詰原稿用紙

処置後 400字詰原稿用紙

 

 

なお、デジタルアーカイブ公開に先立ち、2025年9月1日より、企画展『書いて、書いて、また書いて 沖野岩三郎が伝えた資料たち』が開催されています。 原稿には、推敲の跡や赤字による修正が数多く残されており、沖野岩三郎の思考の過程をたどることのできる、非常に貴重な資料群です。ぜひ会場にてご覧ください。

 

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2026年1月5日(月)新年のご挨拶

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 

旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。 本年もスタッフ一同、技術およびサービスの維持・向上に努めてまいります。

 

引き続きご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

🐎 本年のご挨拶状と手ぬぐいは、「干支午」を題材に、イラストレーターのYuzukoさんにデザインしていただきました。

 

九頭の馬が駆ける姿に、「万事うまくいく」という意味を重ねた縁起語「馬九行駆(うまくいく)」をテーマとしています。メリーゴーランドの馬をモチーフに、馬が跳ねたり、猫が背に乗ったりと、躍動感のある楽しい表情を持たせています。また、すべての馬を、商いや勝負事に良いとされる「左馬」の向きで描き、新年のスタートにふさわしい吉祥の意図を込めています。

 

皆様の一年が「うまくいく」年となりますよう、お祈り申し上げます。

 

■ デザイン:株式会社アトリエ柚子

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