今日の工房 

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2010年06月03日(木)

パンチングクレードル(Punching cradle)。綴じ穴をあけるときに使う受け台で、括の中央を開いて台に置き、所定の位置に穴をあけていく。これを使うことで、括の中央から外側にまっ すぐ穴をあけることができ、各括の穴の位置が揃い、仕上がりがきれいになる。

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2010年05月27日(木)

6月12,13日に岐阜市で開催される文化財保存修復学会に出展するための準備。配布用のカタログや展示サンプルの確認をした。美術館、博物館での需要が高い大型保存箱やアーカイバルクリアホルダーのほか、ガスバリア性と調湿性に優れた「新きりなみ」も紹介する予定だ。当日ご来場される方はぜひお立ち寄りください。

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2010年05月20日(木)

文献の整理作業。逐次入手した国内外のコンサベーション関連の文献をデータベース化するために、1件ずつ番号を振りながら入力し、直近の2009年まで完了。薄い文献はそのままでは自立しないので、専用の保存容器にまとめて納め、取り出しやすくしている。

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2010年05月13日(木)

アーカイバル容器部門の模様替え。保存容器のサンプル棚や製作に使う道具をまとめて置ける棚を新設。すっきりと見やすくなり、かゆいところに手が届く。大型の箱を作るための十分なスペースも確保できた。

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2010年05月06日(木)

新たに購入した大理石の板。革すきを行う場合、ゴム板のような柔らかい素材の上で革をすくと、刃物が引っかかったり革が滑ってすきづらく、革も刃も痛めて しまう。大理石を革すき台として使うと、革と大理石との吸いつきが良いので滑りにくく、無駄な力がかからず仕上がりもきれい。

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2010年04月30日(金)

一枚ものの大きい図面資料を収納するため1300mm×900mmという特注サイズのアーカイバルクリアホルダーを作る。紙力が弱った資料でも薄い不活性ポリエステルフィルムで挟むことで資料を傷めることなく取り扱える。脱酸性化処置ができない資料のためガス吸着不織布が挟み込んであり、保護性・長期安定性が向上した。

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2010年04月22日(木)

今年度のCSSのテーマの一つ「再反応型接着紙による裏打ち」。セルロースエーテル類の接着剤と薄い和紙(楮)で作成した接着紙を、アルコールで反応させ裏打ちする。処置に水を使用しないため、水分によって著しく変形してしまうトレーシングペーパーや、水に敏感なイメージ材料が使われている資料にも適応できる。詳細については近日中に「スタッフのチカラ」で。

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2010年04月15日(木)

大型の絵画作品を収納する保存容器を作る。形は台差し箱であるが、平紐を箱の上側で結び、垂直に立てて保管できる。箱内部にL字スペーサーと綿布団を取り付け、彫刻が施された装飾額装を包み込む仕組みになっている。

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2010年04月08日(木)

処置で使う水を作るRO(逆浸透膜)装置。不純物が入った水道水そのままではあとあと変色等の問題が起きたり、正しい化学的な試験ができない。弊社では全ての水をこの装置で作っている。

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2010年04月01日(木)

3月25日に神奈川県立公文書館で開催された神奈川県歴史資料取扱機関連絡協議会(神史協)研修会での弊社スタッフによる「歴史資料の保存方法と修復技術–脱酸性化を中心に」の講演風景。文書資料への脱酸性化の可能性、効果そして限界について。

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2010年03月25日(木)

髷をかつら台ごと収納するための大小さまざまなつづら式保存箱。小さいサイズのものは、長さの違うヒモを十字に取付け、蓋上部で結び目が重ならないようにした。側板が簡単に外せるので、収納したものを安全に取り出せる。

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2010年03月18日(木)

コンサベーションで使用する様々な紙。処置のどの工程で、どのような紙を使ったのかを明確にするために、お客様には報告書とともに「使用紙見本」を提出する。サンプルは上辺だけを台紙に貼り、厚みや質感を手で触って感じていただけるようにしている。

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2010年03月11日(木)

軸受付き保存容器の制作。掛軸の太巻き2本を並べて収納できるタイプのもの、軸径が非常に小さい巻物を資料サイズごとの仕切り付トレイに入れ、まとめて収納する等々。最後の写真はテキスタイルを中性紙管に巻き収納できる特注保存箱。

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2010年03月04日(木)

和紙を刃物等で切らずに、水で湿らせてゆっくり引きちぎることを「喰い裂き(くいさき)」という。楮(こうぞ)の繊維はとても長いため喰い裂いた部分の繊維が毛羽立ち、この毛羽立った繊維を重ね合わせると、継ぎ目の厚みや段差を目立たなくさせることができる。

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2010年02月25日(木)

長辺が1.5m以上ある陣羽織を収納する大型保存容器を作る。箱内部は二段構造となっており、上段は羽織が入るテキスタイル向け仕様の取っ手付きトレイ、下段は羽織に関連するパネル等の付随資料を収納することができる仕切付スペースで構成されている。

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2010年02月18日(木)

新聞、楽譜、小冊子など、大きさや材質が様々な資料群。修補や脱酸性化処置を行ったあと、弊社製アーカイバル・バインダーに収納する。シェルボックス(夫婦箱)型の本体形状は、外部からの塵芥の侵入を防ぐ。また、資料を入れる不活性ポリプロピレンのリフィルは長期保存に適したものを使用しており、保存性と閲覧のしやすさを兼ね備えている。

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2010年02月10日(木)

16mmフィルムと、リールのついていない35mm映画用フィルムの保存例。フィルムのビネガーシンドロームは密閉状態で促進するため、ガス吸着機能をも つ封筒をフィルムの巻きサイズに合わせ作成し、保存容器に入れ替える方法をとった。封筒の素材自体は水分の吸放出が少なく、フィルムから発散する酸を効率 よく吸着し劣化を抑制することができる。最後に書誌事項を記載したラベルを貼り完了。

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2010年02月04日(木)

大小様々な大きさの軽合金のトランクケース。お客様からお預かりする資料を運搬する際に用いる。「月へ行った」ゼロハリ・バートンのケース、航空機用資材にも使われるジュラルミン製のケースで、安全に運ぶ。

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2010年01月28日(木)

緊急雇用基金事業による寒川町寒川文書館内における「公文書劣化防止事業」。公文書の保全措置として金属類の除去、破損部分の修補等を行った後に新たに綴 じ直す。最終的にこれまでの酸性紙の文書箱から弊社製の保存容器に入れ替える。後日プリベンティブコンサベーションの事例に掲載予定。

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2010年01月21日(木)

弊社独自の洗浄用クリーニング・ポケット(特許取得)。ポリエステルフィルムと不織布で資料を挟み、四方を超音波でシールドする。この養生方法により、著しく破損した資料や紙力の低下した資料も、安心して水に浸漬できる。

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