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2015年04月01日(水) 2双の屏風をコンパクトに収納。東洋大学井上円了記念博物館様向け保存容器の事例

東洋大学井上円了記念博物館は、東洋大学内に設置され、大学の歴史資料を保存展示しており、学祖井上円了の建学の精神を学内外に広める役割を担っている。今回、質も損傷度合いも悪い木箱に収納されている屏風用に、アーカイバル容器の製作依頼があった。屏風サイズに合わせるだけでなく、新収蔵庫のデッドスペースを有効活用するという命題もあった。

これまでは、屏風1隻につき1箱を作製していたが、2双まとめて収納できるようにした。資料の取り出し及び現状確認が容易にできるよう、蓋は前面パネル式とし完全に取り外せるようにした。また、地震などの振動で勝手に開くことがないよう、マジックテープでの固定式とした。上げ底にもすることで、地面から吹き上げられた埃の侵入を大幅に抑えることができる。

元から備え付けられた什器のように、周りとの違和感もなく、資料にも隙間にもピッタリの保存容器ができた。元の木製の箱が排除されたことで環境も整備され、また、スペースも生まれたことでよりよい収蔵庫環境となった。

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