今日の工房 2016年

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

第24回芸工展2016「修復のお仕事展’16~伝えるもの・想い~」に出展しています。

芸工展は、平成5年から「まちじゅうが展覧会場」をキーワードに谷中/根津/千駄木/日暮里/上野桜木/池之端界隈を舞台に毎年10月に開催されています。

 

弊社は、伝世舎主催で旧平櫛田中邸アトリエにて開催されている「修復のお仕事展’16 ~伝えるもの・想い~」に初出展しています。 今年は「しまう」が統一テーマで、弊社は様々な分野に合わせた保存容器を中心に他の出展社様のブースや、展示会場のアチコチに展示しています。 皆様、是非お立ち寄りください。

2016年9月28日(水) 出向作業時のエプロンを統一しました。

お客様のもとでの作業時に、作業スタッフであることが一目でわかるよう揃いのエプロンを導入しました。今週も資料の採寸をはじめ、現地での保存容器の組み立てと資料のクリーニング・収納、出張しての革装丁本への手当てなどが予定されています。本日よりさっそく、出向作業に向かうスタッフ達が着用します。

2016年9月21日(水) 第18回ICA大会 2016 韓国・ソウルのブース展示に参加しました。

2016年9月5日~10日に韓国ソウル市で開催された、国際公文書館大会(International Congress on Archives)のブース展示に弊社も参加した。今大会は 「アーカイブズ、調和、友情: グローバル社会における文化的感受性、正義、連携の確保」をテーマに、世界中から参加したアーカイブズの専門家による基調講演やワークショップ、保存・修復に関わる公的機関や一般企業によるブース展示が行われた。大会のハイライト動画はこちらから。

 

弊社製品の韓国での現地取扱店となるDoosung Paper Co., Ltd.様の出展ブースにて弊社製品が多数展示され、日本国内から韓国への販売代理店となる株式会社竹尾様、保護紙の開発と販売を行っている株式会社TTトレーディング様各社ご担当者と共に弊社スタッフもブースに立ち、来場者への商品説明などを行った。ブースへは韓国内のみならず、中東やアフリカ、欧米諸国から参加された多くの方々にお立ち寄りいただいた。展示した保存箱には実物の資料を収納し、一目で用途や効果が分かるようにしたため、興味を持ち立ち止まり見学される来場者が多かった。来場者からは、汚染ガス吸着シートGasQ®︎無酸素パックMoldenybe®︎の機能や効果についての質問が最も多く、他にはない高い機能性を持った商品であるとの評価を多数いただいた。

 

次回のICA大会は2020年、アラブ首長国連邦のアブダビにて開催の予定との事。

2016年9月14日(水) 映画の復元と保存ワークショップに参加、フィルム保存用のベントボックスなど好評でした。

8月26日から28日まで3日間の日程で 「第11回映画の復元と保存に関するワークショップ」が開催された。初日は各所の施設見学や実作業体験、2.3日目は株式会社IMAGICA東京映像センター第一試写室で講義やトークセッションが行われ、弊社は協賛企業として機器展示とライトニングトークで発表をさせていただいた。

 

施設見学・実作業では、株式会社東京光音主催による「被災した視聴覚資料の応急処置」と株式会社東京現像所主催の「調布の映画関連施設見学」に参加させていただいた。

「被災した視聴覚資料の応急処置」では株式会社吉岡映像、富士フイルム株式会社、コガタ社の各専門家より8mmフィルムやビデオテープ、SPレコードの実物を使い水洗洗浄やカートリッジを分解してのクリーニングなどを実習、実際に東日本震災で水損した映像資料の救済処置の内容をもとにした実践的な内容だった。

「調布の映画関連施設の見学」では映像資料や書籍、文書などを最適な環境で保管する共進倉庫株式会社のフィルム用低温収蔵庫を見学させていただいた。慣らし室にはIPIの基準に基づいて慣らし時間が細かく設定されており、奥の低温収蔵庫は摂氏5度40%Rhの中に約10万本ものフィルムが保管されている。次に映画など劇中に使用する小道具のレンタルを手掛ける高津映画装飾株式会社では鎧専用の倉庫と現代劇と時代劇用の小道具が収められた2つの倉庫と、過去の著名な映画に使用された貴重な小道具が展示された芸能美術文庫PALにも案内していただいた。最後に株式会社角川大映スタジオでは、映画、TV、CMの撮影から映像作品になるまでの各作業所を見学した。

 

機器展示の当社ブースでは汚染ガス吸着シートGasQ®を使った映像フィルム、SPレコード、磁気テープ、CD/DVDやLTOといった新旧の視聴覚メディア用保存箱や、衣装などを安全に保存するための無酸素パックモルデナイベ®を展示した。中でもフィルム用保存箱ベントボックスが好評で、来場者からは従来のフィルム用容器との比較、機能、価格や生産ロットなど具体的な質問を多くいただき、映像フィルムの保存への関心の高さを感じた。ライトニングトークでは、具体的な事例を交えながら視聴覚メディア専用の保存箱を紹介をさせていただいた。来場者の方々からは様々なご意見やご感想を伺うことができた。お立ち寄りいただいた皆様に心より御礼申し上げたい。

2016年9月7日(水) 保存容器に貼付する中性ラベル

アーカイバル容器のオプションの1つでもある中性ラベルのご紹介。資料を容器に収納すると、中にどんな資料が収納されているのかが判別できなくなるため、容器作成と併せてラベルの貼付をお勧めしています。ラベルの形式は様々で、お客様のご要望や容器の種類、資料の形態等に合わせてご提案しています。左の2枚の写真は、元箱の識別情報を整理した上でラベルを作成し、保存容器に貼付した例。

 

また、最近ご好評なのは、洋装本を収納した際の「パネル型」のラベルです。洋装本の背のタイトルパネルに倣ってラベルを作成し、保存容器に貼付しています。この形式は立教大学図書館様の洋書貴重書の保存容器にも採用されています。

2016年9月2日(金) 大容量磁気テープ媒体 LTO用の専用保存容器を開発

テレビ番組などの大容量コンテンツの保管と保存用の最適媒体として急速に普及が進んでいる磁気テープ LTO(Lenear Tape Open)専用の容器を商品化しました。これまで放送局様などからの様々なご要望を受け開発に取り組んできましたが、ようやくご納得いただける製品ができたと自負しております。

 

磁気テープの劣化要因には、落下によるカートリッジの破損、温湿度の急激な変化、埃や粉塵、水(湿気)、 空気中の腐食ガスなどがある。湿気からくるカビの発生はよく知られているが、腐食ガスによる影響も大きい。 高温高湿の環境や腐食ガスは磁気テープの記録層を構成するメタル磁性体を酸化させる。 磁性体は酸化すると抗磁力が落ち、記録された情報の欠損を起こす。 これらの要因への対策は磁気テープの保存にとって重要である。

 

画像はLTO4本収納用と、 10本収納用保存箱。蓋は樹脂製のヒネリ留め具やボアテープで固定ができ、持ち運びの際に不用意に蓋が開かないようになっている。10本用の保存箱には局内での持ち運び用に樹脂製の提げ手を取り付けた。 また、調湿性を付与するため外側を防湿効果のある不活性フィルムでコートし、内側には腐食ガスを吸着する汚染ガス吸着シートGasQ®を組み込んだ仕様になっている。

 

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ゲームソフトのフロッピー、テープ、CDを保存するには

 

2016年8月24日(水) 虫損がひどい資料へのリーフキャスティング(漉き填め)による修理

和紙基材の資料に見られる代表的な損傷に、シバンムシや紙魚(シミ)などによる虫喰い=虫損がある。ひどいものになると文字の判読はもちろん、丁をめくることも難しい。無理に開けば紙片が絡まって破損したり、島抜けになって文字が欠落してしまったり、そもそも、固着した虫糞によってページがくっついて開かない、ということもよくある。これらを、安心して取り扱えるように修理する。

 

まず、本紙を一丁ずつに解体しドライ・クリーニングする。無理に開いたりせず、島抜けしそうな箇所については、あらかじめ和紙で養生補強して、欠落しないように紙片同士をつないでおいた方が、この後の工程を安全に進めることができる。ドライ・クリーニングは、表面のチリやホコリ、泥よごれやカビを払うだけでなく、こびりついた黒い虫糞を除去することがポイントである。黒い虫糞が残ると、文字が読みづらくなるなど仕上がりを左右するため、除去には時間はかかるが丁寧に行う。

 

そして、サクション(吸い込み)型のリーフキャスティングで、紙の繊維分散液を充填していく。溜め漉きに、流し漉きの動作を組み合わせた独自のキャスターにより、和紙の繊維を絡ませながら欠損部にしっかり埋め込む。紙の厚みや虫損の多さなど、その都度本紙の性質を見て液量を決めるため、一見システマチックな工程に見えても、作業者には経験と、的確で素早い判断が求められる。

2016年8月17日(水)「映画の復元と保存ワークショップ」で具体的な事例を紹介します。

8月26日から8月28日まで、「第11回映画の復元と保存に関するワークショップ」が開催されます。1日目は各所での施設見学や実作業体験、2・3日目はIMAGICA 東京映像センター第一試写室を会場に、講義やトークセッションが行われます。

 

弊社は協賛企業として機器展示を行います。ブースでは、本イベントのテーマに沿って、映画フィルムや古いビデオ、音声テープ、磁気ディスク、レコード等のアナログ視聴覚資料専用のアーカイバル容器のほか、無酸素パック「モルデナイベ ® 」を利用したフィルムの冷凍保存に特化した収納キット等を展示します。見た目からは分からない様々な機能を備えた実際の製品に触れて頂く事ができますので、是非お立ち寄り下さい。

 

また、イベントの名物ともなっている「ライトニングトーク」では、汚染ガス吸着シート「GasQガスキュウ®」の紹介のほか、視聴覚資料をどのように整理し、保管ではない「保存」に向けてどのようにケアしていくのか、弊社によるお客様での具体的な事例を交えながら紹介します。

 

 

関連情報

 

 『今日の工房』 2016年7月13日(水) SPレコードを保存するには

 『今日の工房』 2016年3月9日(水) ゲームソフトのフロッピー、テープ、CDを保存するには

◆  『今日の工房』 2016年2月24日(水) 映像フィルムの劣化要因「ビネガーシンドローム」と、劣化の進行を低減できる保存容器。

2016年8月3日(水) 無酸素パック「モルデナイベ」は工房でも加湿や修理用の材料の保管などに活用しています。

薬剤を使わずに防カビ・殺虫ができる無酸素パック「モルデナイベ」。カビや虫が発生した時だけでなく、図書館・アーカイブズ・資料館・美術館・博物館様での書籍や文書、博物資料や美術品などのモノ資料の新規受け入れ時にも活用して頂いております。また処置対象の数量にあわせて、1袋単位での小規模な処置にも、大型袋による大規模な処置にも対応できます

 

画像は弊社の工房での使用例。左から、ホコリやカビが酷い和書を外箱の桐箱ごと無酸素パックして処置したり、超音波加湿器で加湿したガスバリア袋内の中で、劣化して乾燥が進んでいる革装丁本の柔軟性を戻したり、同じく巻きクセのついた資料を入れて、フラットニング(平坦化)するための加湿チャンバーとして使っています。また、修理用の皮革など、環境の変化や虫カビに弱い材料を収納しておくためにも使っています。

2016年7月27日(水)組み立て式の作業台、ぐらつかないための一工夫。

箱の製作や資料の修理を行う作業台。工房内だけでなく社外に持ち出すことも多いため、折り畳み式のウッドスタンドに板材を乗せる組立式のものを使用している。こうした作業台は固定机に比べると脚が揺らぎやすくなってしまうが、弊社ではウッドスタンドに三角形の補強材を取り付けることによりこれを解消した。作業内容にあわせて自由にレイアウトできる手軽さと安定感とを両立させた作業台は、毎日の仕事をしっかり支えてくれる縁の下の力持ちだ。

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