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2015年01月26日(月) 没食子インクによるインク焼け破損箇所修補のため、極薄の補修紙を作成する

没食子インクによるインク焼けの破損箇所を修補するため、極薄の補修紙を作成する。インク焼けを部分的に処置する場合、水分を多く含む接着剤を用いると、没食子インクの劣化要因である鉄イオンや有害な酸化合物を拡散させる危険性があるため、なるべく水分を用いない方法で行う。まずポリエステルフィルムの上にテープで型を作り、ヒドロキシプロピルセルロース溶液を塗布し、均一になるようガラス板でならす。和紙を被せて乾燥させた後、テープごと持ち上げることで薄い和紙でも破れずにはがすことができる。処置の際は、破損箇所に補修紙を当て、溶剤(イソプロピルアルコールなど)で再反応を促しながらスパチュラで押さえて接着する。

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