今日の工房 2015年

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2015年10月14日(水) 今秋の興味深い展示会や見学会に弊社スタッフも伺います。

季節柄、魅力的な展覧会・見学会が目白押しですが、中でも特に興味深いものを4つ。弊社のスタッフも伺います。他分野の職人や技術者の方の知恵を学ぶ良い機会です。

 

早稲田大学総合学術情報センターでの「アルドの遺伝子」11月19日(木)まで。

 

旧平櫛田中邸アトリエでの 芸工展2015「修復のお仕事‘15伝えるもの・思い〜」10月18日(日)まで。

 

無印良品有楽町Open MUJI Tokyoでの「お直し市場」『本の修復工房』ブースは10月18日(日)まで。

 

佐々木活字店での 「10月度 鋳造見学会」10月17日(土)要申込。

2015年10月07日(水) 企業史料協議会主催の紙資料保存と修理・修復セミナーが弊社の工房で開催されました

去る9月17日、企業史料協議会主催の第6回資料管理研修セミナーが弊社にて開催されました。「紙資料の保存、修理・修復について~アーカイバル容器製造工程、資料修復作業を見学して学習~」というテーマのもと企業アーカイブ担当者など16名の方が参加し、3時間半にわたり工房見学をしました。参加者からは具体的かつ踏み込んだ質問が多く寄せられ、私共にとっても大変有意義なセミナーとなりました。

2015年09月30日(水) カビや塵埃の処置に、飛散防止用のマスカーテープで作業場を隔離する

カビ被害が甚大な資料や大量の塵埃が発生する資料を取り扱う際は、飛散防止のため作業場を隔離する。空間を隔離するカーテンとして、養生テープとポリシートが一体化したマスカ―テープを使用した。作業場所を囲うように壁や天井に貼り付け、ポリシートを広げる。必要なスペースに合わせて設置することができ、作業後の処分も手間がかからない。

2015年09月16日(水) 日本刀の容器。複数を任意の位置で収納できるように工夫が。

日本刀の保存容器。刀掛けに飾る時のように、刃を上に向けて保管できる受け台を設けた。受け台は刀を先端と柄の2点で支えるよう、任意の位置で刀の長さや形状に合わせて設置ができる。1箱に複数の刀を納める構造にもできるため、拵えと白鞘をまとめて収納する場合にもお互いに干渉せずに保管できる。

2015年09月09日(水) 和装本の綴じ直しに使う絹の糸と布。処置前の本の印象を崩さないものを選ぶ

和装本の綴じ直しに使用する絹糸と角裂(かどぎれ)用の絹布。色や太さの異なるものを揃えている。綴じ糸や角裂は、表に出ていた部分が特に、経年劣化により退色しているものが多く、新規の材料で直すと本の印象が変わってしまうことがある。ご依頼主様と打合せの上、元の色や太さと見比べながら、処置前の本の印象を崩さないように材料を選び、綴じ直す。

2015年09月03日(木) 木箱からの移し替え—屏風を入れるスロット付き差し込み箱

東洋大学井上円了研究センター様所蔵の屏風(長辺1,740×短辺640×厚み110ミリ)の容器として、1箱につき屏風1隻を収納するスロット加工(差し込み箱)を2箱納めた。(以前の同大学様での屏風収納事例はコチラ

 

使用素材の品質が不確かな木箱は、木材や接着剤から発生する酸性ガスにより収納した資料が汚染されることが分かっている。更に、相対湿度の変化によって箱が歪むことで蓋が外せなくなったり、割れが生じることがある。そのため、弊社では木箱からアーカイバル容器への移し替えを推奨している。また、今回は木材が虫の棲み家となり、収蔵庫全体への汚染も懸念されていた。

 

天地のスロット加工により、内側で屏風の描画面が箱に接触することでの擦れが生じず、出し入れが容易である。また、安全かつ容易な移動を可能とするために平紐を付けた。長期保存に適しているだけでなく、その後の展示や貸し出しなどの利用時のリスク低減にも配慮したアーカイバル容器になっている。

2015年08月26日(水) 壊れやすいスリップケースと本を一緒に収める保存容器

スリップケースの修理と保管方法のご提案。本に付属するスリップケースは利用や経年劣化により、元と同じように本を差し込むかたちでの利用が困難となっている場合がある。だが、貴重な付属資料として本と共に保管したいとのご要望を客様から頂くことが多い。弊社では、スリップケースの形を維持できるよう修補・補強した後はケースとしての利用は控えていただき、本とケースが散逸しないよう一つの保存容器に収めて、保管する方法をご提案している。ケースの中には変形防止のため、本のサイズで作ったスペーサーを入れている。

2015年08月19日(水) 企業資料協議会主催「第6回資料管理研修セミナー」弊社見学会に向けて

企業資料協議会主催「第6回資料管理研修セミナー」にて、9月17日に弊社の見学会が開催されます。これまでも多くの方が工房見学にいらっしゃいましたが、今回は、資料の保存・修理に関する質問や、現場でお困りなこと、問題点などのアンケートをあらかじめ取り、当日の解説内容に反映させるという、通常の見学とは少し異なる趣向を予定しています。当社ならではの提案力が試されるこの機会、スタッフが総出で準備に取りかかっています。(定員に達したため受付は終了しております。たくさんの方にご応募いただき、誠に有難うございました。)

2015年08月05日(水) 歴代の校章バッジの保管方法。スライドマウント用透明ファイルとGasQの組み合わせで。

歴代の「校章バッジ」の保管についてご相談を受け方法を考案した。大量にあるバッジの整理・保管にはスライドマウント用のフィルムプリザーバーとアーカイバルバインダーでファイリングした。金属製のバッジは保管雰囲気中の湿気や汚染ガスが影響し表面にくすみや錆びが生じる。その対策としてプリザーバーのポケットにGasQガスキュウ®を差し込んだ。バッジは台紙に留め収納する。特に貴重なバッジについては今後展示される用途があるため、ポリエステルフィルムの窓が付いた箱に収納し、そのまま展示ができるようにした。

2015年07月30日(木) ソースパン、包帯、編み棒などの「日用品」も修理で活用します。

洋装本の処置作業で「道具」として使用する「日用品」の例。本来の目的ではない用途で、修理工程で使っています。書籍の背のオリジナルの接着剤(膠など)を除去する際、「ミニソースパン」で温めておいた糊を塗布し、接着剤をふやかして取り除く。パンが小さいので温めた糊を作業箇所のすぐ傍に置ける。表装の接着の際、「包帯」で本を包んで乾燥させる。伸縮性のある包帯なので本の形をしっかりと保ち乾燥できる。表紙と本体の接合の際、表紙のミゾ部分に「編み棒」を挟んで乾燥させる。

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