今日の工房 

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2017年3月22日(水) 書架に収納する大型雑誌用ファイルボックスをブリヂストン美術館様に

公益財団法人石橋財団ブリヂストン美術館様が収集している海外の美術雑誌の多くは大判で薄く柔らかいため、書架にそのまま立てて並べると自重で湾曲してしまう。当初利用されていた一般的な事務製品は、大型本を支える強度がなく、また、箱の手前の壁が資料の下半分を隠してしまい、本のタイトルや管理用ラベルが見えづらく、出し入れに手間がかかっていた。そこで強度のあるアーカイバルボードを使い、資料をしっかりと支えられる構造にした。手前の壁がなくなることで資料の背がすべて見え、出し入れも安全に行うことができるようになった。

2017年3月15日(水)和装本(四つ目)を仕立て直す。

和装本の修理の行程は、綴じを解体して一丁ずつ本紙を修補することと、修補後の綴じ直しに大別される。綴じ直しは、元穴や元表紙が問題なく再使用できたり、本紙の状態が良好であれば、さほど難しい工程ではない。しかし、損傷状態によっては綴じ穴を新しく設けたり、表紙を新しくする仕立て直しをすることも多い。綴じ穴の位置やちりの具合を調整する仕立て直しの作業は、資料の「顔」を決める重要な工程といえる。
 
まずは本紙を中綴じする。修補後の本紙を折り直し、丁を揃えながら元の順番通りに重ねる。重ね終えたら、目打ちで綴じ穴を開けて、紙縒りで中綴じを行う。周辺に残る補修紙については化粧裁ちを行う(薄手の資料であればカッターなどで、厚いものは断裁機を使用する)。角裂(かどぎれ)は、あらかじめ修補または新しく用意しておき、中綴じと化粧立ちの後に付け直す。
 
次に、表紙の四辺を折り込む「表紙掛け」を行う。中綴じした本紙と、表紙の内側を、軽く糊付けして固定したあと、表紙の背、天地、小口の順に、ヘラで筋を付けながら折り込み、最後に、折った紙が重なる四隅を斜めに切り落とす。本紙をきちんと保護できるよう、表紙が出過ぎたり内に入りすぎたりしていないか、指先で確認しながらちりの具合を調整する。その後、表紙と見返し紙の小口を糊で貼り合わせる。
 
最後に、題箋やラベルを元の位置に貼り戻した後、元糸を参考にして、似た色合いと太さの糸で外綴じを行って完成させる。

 

 関連情報
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2017年3月9日(木)殺虫処理が館内で簡単・安全・確実にできる無酸素パック『Moldenybe®モルデナイベ』の大型サイズをラインアップしました。

「サイズが大きい博物資料、絵画、美術工芸品、テキスタイルなどの殺虫処理や保管にも対応できる大型袋が欲しい」そうしたお客様からのニーズを受けて、これまで特注品(都度対応品)として製造していた『Moldenybe®モルデナイベ』の大型袋3種を定番化します。材質も形も多種多様な文化財の密閉・脱酸素処理に最適なサイズを揃えました。

 

内寸mm 外寸mm セット数 価格
(税抜)
モルデナイベ大型 1,110×1,280 1,140×1,320 5セット

スライド・チャック式ガスバリア袋(マチなし平袋)5枚+エージレスセット25個

¥53,000
モルデナイベ大型 310×1,360 380×1,400 10セット

スライド・チャック式ガスバリア袋(マチなし平袋)10枚+エージレスセット10個

¥65,000
モルデナイベ大型 430×929 440×944 10セット

スライド・チャック式ガスバリア袋(マチなし平袋)10枚+エージレスセット10個

¥42,000

 

無酸素パック『Moldenybe®モルデナイベ』は、酸素を遮断できる高性能な3連スライド・チャック式ガスバリア袋と医薬品や化粧品にも使用されている安全性の高い脱酸素剤を使い、誰でも手軽に無酸素の密閉空間を作ることができる包装資材です。無酸素の環境にすることによって、貴重な資料、染織品、木製品、革製品等に付く害虫やカビを、人体に有害な殺虫剤や防カビ剤などの化学薬品を使うことなく確実に殺虫・防カビ処理できます。また、酸素をゼロにして「酸化」を防ぐ特性を生かし、衣類の酸化による色褪せ、黄ばみ・染みの発生防止や金属材料の腐食防止・保管など様々な用途に活用できます。通気を遮断するので乾燥をある程度防ぎ、臭い移りが起こらないので一時的な隔離袋としても使用できます。

 

ご購入方法

 

本製品のお見積り・ご購入は下記リンク先の販売代理店窓口までお問い合わせ下さい。

メールまたはFaxでお問い合わせの際は件名に「モルデナイベ問合せ」とご明記をお願い致します。
メールは(at)を@に変えて送信して下さい。
なお販売代理店は取りまとめ店のみを記載しております。このほかの営業所は各販売代理店までご連絡下さい。

 

 

販売代理店 お問い合わせ先

 

・日本ファイリング株式会社 特販部
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2 新御茶ノ水アーバンビル
Tel:03-5294-3037 Fax:03-5294-3014  メール t.sudo(at)nipponfiling.co.jp(担当:須藤)

 

・株式会社クマヒラ 企画本部 ミュージアムグループ
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町1-10-3
Tel:03-3270-4393 Fax:03-3270-4394  メール info(at)kumahira.co.jp

 

・金剛株式会社 業務本部 企画・調達センター
〒860-8508 熊本市西区上熊本3丁目8-1
Tel:096-355-8889 Fax:096-352-0227  メール contact(at)kongomail.com

 

・中部資材株式会社 燻蒸部
〒490-1447 愛知県海部郡飛島村西浜28番地
Tel:0567-55-1290 Fax:0567-55-1777  メール bunkazai(at)chubushizai.co.jp

 

・トラッドマテリアル
〒589-0007 大阪府大阪狭山市池尻中2-2-26
Tel:072-205-2027 Fax:072-205-2028  メール mail(at)tradmaterials.jp

 

・第一合成株式会社 営業部文化財課
〒192-0051 東京都八王子市元本郷町1-25-5
Tel:042-625-5070 Fax:042-622-1884  メール info(at)daiichigosei.co.jp

 

・沖縄サニタリー株式会社
〒900-0036 沖縄県那覇市西2丁目13-15
Tel:098-868-8458 Fax:098-862-0825  メール sanitary(at)woody.ocn.ne.jp

 

・寺田倉庫株式会社 保管事業グループ 東京支店
〒108-0022 東京都港区海岸3-24-12
Tel:03-5439-6100  メール bunsho(at)terrada.co.jp(担当:三俣)

 

 

 

関連情報

2016年8月3日(水) 無酸素パック「モルデナイベ」は工房でも加湿や修理用の材料の保管などに活用しています。

 ・2015年03月27日(金) 無酸素パックの大型タイプを開発—-段ボール4箱をそのままパックして安全に殺虫。

2017年3月2日(水)本日の専図協のセミナー「館内でもできる簡易修理」はこんな内容です。

本日(2017年3月2日)開催される専門図書館協議会主催の資料保存セミナー「館内でもできる簡易修理」の講義内容です。

 

図書資料でもよく見かける、金属の綴じ具が錆びた小冊子や、表紙が本体から外れかかっているくるみ製本などへの、簡易修補のデモンストレーションと実習を行います。午前は、小冊子の金属除去・綴じ直し・修補。午後は、くるみ製本の解体・背ごしらえ・本体と表紙の接合、というプログラムです。実習後には質疑応答、意見交換会も予定しております。

 

セミナーの参加者の方々には、日頃、現場で抱えておられる様々な課題に対し、少しでも解決のお手伝いになるような情報をお持ち帰り頂けると思います。

2017年2月22日(水) ひな人形をGasQ®️で養生し、元の木箱に保管する。

桃の節句も近づき、あちこちでひな人形の展示公開が行われる季節となった。この時期、資料館や個人の方などからひな人形の保管についてお問い合わせをいただくことがある。

 

今回ご紹介するのは一般家庭に伝わるひな人形の保管例。収納用の木箱もなるべく元のまま使い続けたいとの要望から中性紙保存箱への入れ替えはせず、人形の養生に汚染ガス吸着シートGasQ®️を使うことにした。

 

人形を収納する際には、顏や手といった繊細で壊れやすい部分を和紙などの柔らかい紙で養生する。今回は顔と衣装の部分をGasQで、形が複雑な手の部分はきめの細かい不織布で養生するなど、素材を使い分けた。最後に薄葉紙で全体を包み、元の木箱に収めた。年に一度、箱から出した時にGasQを交換すれば継続した効果が得られる。

2017年2月16日(木)修理に使う水を作る逆浸透膜(RO)装置を一新しました。

修理に使う水を作っているRO(逆浸透膜)水装置。専門業者の方に定期的にメンテナンスをしていただきながら使用し、10年以上稼働し続けていました。この度、装置自体を一新。最新の設備に切り替えていただきました。ろ過装置がパワーアップしてタンクも小型になり省スペースに。今日も処置に必要な水を供給してくれています。

2017年2月1日(水) レコード盤保存容器「グラモボックス」の販売を開始しました。

グラモボックス」は、文化財向けの保存箱に使われるアーカイバルボードを材料としたレコード盤保存箱です。ボードの原料は100%純粋なケミカルパルプで、ISO18902:2013(イメージング材料の保存用品に関する国際規格)に定められた品質基準に準拠しています。ボード自体の酸性劣化を防ぐためpHを弱アルカリに調整し作られています。

 

「グラモボックス」はまた、一般的な段ボール箱に比べ2~3倍の強度があり、収納したレコード盤の反りや変形を防ぐ事ができます。フタは前面でロックする構造なので、持ち運びの際も不用意に開かない設計になっています。SPレコードは割れやすく、一度反りが起きると修復する事が困難なため平置きでの保管が望ましいです。LPレコードは箱を棚に立てて保管することもできます。付属の中性ラベルシールにジャケットデザインやレコードタイトルを印刷し箱に貼ると、中身の判別に便利です。

 

古いレコードジャケットには酸性劣化している物が多く、傷みが目立ち側面が裂けている物も見かけます。むき出しで保存している際の大気中の酸性ガスが主な原因ですが、従来の木製のレコードケースも木材から発生する酸性ガスが箱の内部に溜まり、レコードジャケットの劣化を早める危険があります。

 

「グラモボックス」への収容時には、別売りの中性紙スリーブや汚染ガス吸着シート「GasQ」の採用もお勧めします。スリーブに移し替え、オリジナルジャケットはまとめて「グラモボックス」に収納することで、出し入れの際のジャケットへの物理的ダメージを防ぐ事ができます。更にジャケットの間に汚染ガス吸着シート「GasQ」を挟み込むこむことで、ジャケットの酸性劣化や変色を予防できます。

 

関連情報

今日の工房』2016年7月13日(水)SPレコードを保存するには

 

 

2017年2月1日(水)資料に挟み込まれた押し花も保存する

お預かりした資料の一冊からたくさんの押し花が綺麗な状態で出てきました。本そのものに保存処置を施すにあたり、一旦取り出したものの、押し花が接触していた箇所は紙が焼けてしまっている状態なので、再び挟み込むことは考えられず、汚染ガス吸着シートGasQと間紙を挟み込んだアーカイバル・クリアホルダーに押し花を収納することにしました。ホルダー内で押し花が動かないよう、細い帯状にカットした薄い和紙を、押し花の要所要所に渡し、間紙に帯を糊付けすることで、薄く脆い押し花を傷めずにホルダー内に収めることができました。

2017年1月25日(水)「日本写真保存センター」セミナーが2月8日に。当社も関連製品を展示します。

2月8日(水)に池袋サンシャイン文化会館7階で開催されるpage2017のオープンイベント「日本写真保存センター」セミナー『時代を記録した写真原板に光を!-眠っていた写真原板を目覚めさせ、活用しよう-』に出展します。

 

印刷媒体等で公表している写真家(プロ、アマ問わず)の写真原版(フィルム、乾板、湿板)を収集保存している日本写真保存センターによる調査研究成果の発表があります。また、写真原版を長期に保存するための知見、技術、製品を持った企業が出展します。

 

弊社は、写真資料(紙焼き、ポストカード、フィルムなど)用のバインダーとリフィルガラス乾板用保存箱とフォルダーの他に、汚染ガス吸着シート GasQ®を使った映像フィルム用レコード用といった視聴覚資料用など、利活用と長期保存性を考えた保存容器を展示します。どうぞご自由にお手に取ってご覧ください。

 

申し込み締め切りは1月31日(火)です。奮ってご参加ください。

2017年1月18日(水)修理に欠かせない道具・材料—リーフキャスティング(漉き嵌め)で使用する竹簾

竹簾はリーフキャスティング(漉き填め)を行う際、濡れた紙資料を安全に扱うための支持体としてとても重要な道具。頑丈な作りで壊れることはそうそう無く、長年の使用で糸が緩んでも自分たちで締め直しながら大切に使ってきたが、繁忙期のフル稼働に備えて新調することになった。これらは手作りで材料の竹も選りすぐりのものでできている。ほかにも修理に欠かせない道具や材料はたくさんあり、刷毛、和紙、革、プレス機、断裁機など、修理の現場はいろいろな分野の職人さん達の優れた手の技術に支えられている。

 

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今日の工房 2010年09月02日(木)押切り機のメンテナンス
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