今日の工房 

週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2018年8月29日(水)少し厚みのある資料も、既成の封筒にフラップ状のマチを作るとスッキリ収納できます。

中性紙封筒に資料を収納して保管する際、資料に合わせて封筒に少し手を加えることで、一層扱いやすくなります。

 

例えば、破れなどの損傷のある資料を収納する場合、封筒を2辺開口にすると資料の出し入れがしやすくなり、損傷を拡大させることもありません。(画像3)

 

また、少し厚みのある資料を収納する場合、端を折り曲げて被せる形のフラップ状のマチを設けると収まりが良くなります。資料サイズに封筒を加工することで、書棚内の高さや奥行きの節約にもなります。 既成の封筒を、カッターと定規を用いて、画像のようにカットしたり、スジを入れて、簡単に加工できます。(画像4〜12)

2018年8月22日(水)本を展示する際の簡易な「支え」は、アーカイバルボードで自作できます。

古い貴重な書籍を開いて展示する際、本に負担がかからないように裏側から「支え」を入れることがあります。薄葉紙などを折り畳んで作る簡易的なクッションから、本の厚さやページを開いた時の角度などを計算して作った書見台のようなものまで形態はさまざまです。

 

アーカイバルボードでも簡易的な展示台を作ることができます。本に合わせた大きさで三角や四角の型を作り、本を開いた角度に添わせてあてがいます。本の重みで変形する場合は、丁度よいところで型の中に詰め物(画像は包材のプチプチを使用)をすれば形が安定します。

 

本の状態や展示スペースなどの理由で、より精密なカスタムメイドの展示台が必要な場合は、お気軽にご相談ください。

2018年8月8日(水)粘着台紙に貼られた写真の剥離は、刃先を温めたペインティグナイフで。

粘着テープや粘着台紙に貼られた写真などの剥離に使うペインティングナイフ。慎重に進めなければならない細かい作業に必須の手道具のひとつである。

 

ペインティングナイフは主に油彩画の制作に使用する小さなコテ状の道具で、柄部分と段違いに菱形等の形をした金属製の刃(ブレード)がつく。刃の部分は薄く柔軟で弾力があり、平らな面に押し当てると密着してしなやかに曲がるため、隙間に差し込み剥がす作業に適している。

 

粘着テープの除去、粘着台紙のアルバムに貼られた写真を剥がす処置などでは、刃をアイロンで温め、隙間に滑り込ませて熱で粘着剤を緩ませながら取り外す。特に写真の場合は、写真を折り曲げて傷つけないよう、しなやかさを生かして台紙に刃を沿わせながら分離してゆく。

2018年8月01日(水) 6名のスタッフとアシスタントを迎え入れ、工房に新しい風が吹いています。

4月からスタッフとアシスタントの拡充を進めてきましたが、計6名増員され、工房に新しい風が吹いています。それぞれが技術や知識の習得に一所懸命、取り組んでいます。

 

この先、多くのお客様の現場でもお会いすることになると思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2018年7月25日(水)アーカイバルボードの端材から、工房の道具や材料の収納用品を作っています。

アーカイバル容器のパーツを切り出したボードの余りは、工房内の書類や備品を収納するための箱などにも利用しています。

 

容器製作や紙資料の修理作業には様々な道具や材料を使用するため、既製品の棚にそのまま収納すると使い勝手が悪かったり無駄にスペースを消費してしまいます。用途に合わせて棚の内側を上下左右に区切る事で、収納物がコンパクトにまとまり出し入れにアクセスしやすくなりました。見た目にもすっきりして、備品の在庫状況も一目で分かるようになります。

 

画像にある収納例の中で、気になるもの等ございましたらどうぞお問い合わせください。

2018年7月18日(水)紙力が著しく低下したものの薄葉紙での裏打ちは、噴霧器での糊さしと不織布の補助で。

酸化・酸性化により、あるいは水損やカビで紙が「老け」(ふけ=紙の繊維化)て、紙力が著しく低下した本紙を、不安なく取り扱える状態にするためには、裏打ちによる紙力強化が有効です。ただし、そうした資料は水分を含むとさらに脆くなり、直接本紙に刷毛を当てるのも困難な場合があります。こういう場合にはスプレーによる裏打ちを採用しています。

 

まず、薄めたデンプン糊を噴霧器に入れて準備をします。不織布の上に本紙を置き、その上に極薄の和紙(3.6 g/m2)を被せて、上から糊を均一に噴霧し、不織布をかぶせた上から刷毛で撫でて裏打ちをします。

 

この方法は、必要最小限の水分と糊で裏打ちができ、不織布越しで刷毛を使用するため、本紙を傷める心配がなく、安全に行えます。また、本紙と和紙の接着が面状ではなく、点状での接着のため、硬くならず柔らかな仕上がりとなります。

 

※和紙の上から糊を噴霧し本紙と接着させるので、使用する和紙が厚いと糊が本紙まで浸透しません。このため、使用する和紙は3.6 g/m2 程度の極薄紙を使用します。ここでは裏打ちを紹介していますが、文字や画像などがある面への「表打ち」としても使います。

2018年7月12日(水) 本体をプルーフ加工し、使用後の汚れの拭き取りが楽な簡易ドライクリーニングボックスに。

お客様からの強いご要望に応えて、簡易ドライクリーニングボックスにプルーフ加工を施した製品を発売しました。これまでの紙製のボックス表面を、使用中も汚れにくく、使用後にも汚れを拭き取り易いように、フィルムで被覆したものです。

 

簡易ドライクリーニングボックスは、資料に付着した細かい埃やカビの残滓のクリーニングを、お客様自らが館内や書庫内で安全に行うことを目的に開発されました。空気清浄機を組み込んだボックス内で資料のクリーニングが可能になり、作業中の埃やカビの周辺への飛散や、作業者が吸い込むといった健康被害を防ぐことができます。発売以来、そのコスト・パフォーマンスの良さがお客様に好評で、全国の機関で導入され、当社のロングセラー商品になりました。また、この間、導入していただいたお客様からのご要望を受けてマイナーな改良を重ねてきました。

 

今回の改良品は、「ボックス自体をクリーニングし易くして欲しい」というご要望にお応えするものです。従来モデルは、使用中に落下した埃などを拭き取り易いようにボックスの底にプラスチック・ボードをはめ込んでいましたが、今回は、ボックス全体にプルーフ加工を施して防水機能を持たせ、作業中の濡れた布巾での拭き取りや、作業後のアルコールでの消毒にも対応しました。

 

また、天井を覆う透明アクリル板の角を丸くし、作業者はもちろん、資料を傷つけないような細かい改良も施しました。

 

ボックス内の作業スペース(幅550×奥行き350×高さ220ミリ)など、その他の仕様に変更はなく、これまで通りのご利用方法が可能です。
以上のような仕様変更に伴い、販売価格を改訂させて頂きました。新価格は「本体ボックス+空気清浄機」で52,000円(税抜き)です。また、従来品をお使いのお客様で、空気清浄機を除いた本体ボックスだけを欲しいという方にも、36,000円(税抜き)で対応いたします。梱包輸送費は別途、頂戴いたします。

 

なお、購入の前に試してみたいというお客様には、最大2週間の無償レンタルを行なっています。この場合、ご返送時の料金のみ、ご負担ください。詳細は電話かメールなどでお問い合わせください。

 

関連情報

簡易ドライクリーニング・ボックス

『今日の工房』2018年4月25日(水) アニメプロダクションのアーカイブ構築に大型ドライ・クリーニングボックスが活躍

 

2018年7月4日(水) 爽やかな暑中お見舞いの手ぬぐいができました。

今年の暑中お見舞い用の手ぬぐいができました。平年より早い梅雨明けから連日猛暑が続いておりますが、爽やかな海の風景とともに、みなさまへ少しでも涼をお届けできれば幸いです。

2018年6月27日(水) 修理部門で使っていた押し切り断裁機をお譲りします。

弊社で使用していた押し切り断裁機を使ってくださる方を探しています。

 

作業スペース拡張のため、2台ある押し切り断裁機のうち1台を、この度手放すことになりました。ただ、長年使用した愛着のある道具のため、ゴミとして廃棄するのは忍びないので、引き取って使ってくださる方に、お譲りします。サイズは、幅975mm×奥行1115mm×高さ195mm。

 

引き渡し方法など、詳細を確認したい方は、弊社の修理部門までご連絡ください。

2018年6月20日(水)高知での保存修復学会の展示ブースで、新製品などへのお客様の様々な声を聞くことができました。

6月16日、17日の両日、高知県の高知市文化プラザかるぽーとを会場に40回大会文化財保存修復学会が開催されました。

 

当社ブースではアーカイバル容器のほか、新商品の新薄葉紙 Qlumin™くるみん「防カビ・殺虫ができる無酸素パックMoldenybe®モルデナイベ」「汚染ガス吸着シートGasQ®ガスキュウ」「ドライクリーニング・ボックス」を出展しました。ご来場くださった多くの皆様から、沢山のご質問やご意見を直接伺うことができ、大変参考になりました。弊社ブースにお立ち寄りくださった皆様に心より御礼申し上げます。

 

 

◎ブースに立ち寄って下さったお客様の声をまとめました。

 

・GasQやくるみんの開封後の保管はどうしたらいいか?保管用のガスバリアバックが欲しい。

・ガス検知インジケータを他ブースで見かけた。GasQとの組み合わせで事例ができたら教えて欲しい。

・アニメーションセルや近代のプラスチック製品などの博物・美術系文化財の保護に特化した保存資材を開発して欲しい。

・資料保存器材のホームページをよくみる。とても勉強になり学生にも紹介している。今後できれば、近代紙資料以外の文献紹介や翻訳、保全事例を特集する機会があればぜひやって欲しい。

・薬剤を使った木工品の殺虫処理では木の内部に潜んでいる虫まで薬剤がとどかず効果が上がらないと聞いた。無酸素パックなら手軽に確実に殺虫できるので早速使いたい。

・モルデナイベは1年半ほど無酸素がもつのがいい。袋サイズで脱酸素剤の量が決まっているのも便利。

・モルデナイベのガスバリア袋を1枚単位で購入したい。

・神社仏閣の蔵や保管庫はきちんとした環境制御ができない所が多いのでモルデナイベは資料の一時的な避難法として使える。蔵やお寺での調査に持ち込んで殺虫処理、隔離袋に使いたい。

・GasQは機能があり加工しやすく、博物館での資料管理の色々な場面で活用している。50M巻以上のロットで購入できれば嬉しい。

・考古学関連のフォーラムでGasQを紹介され使用している。実際に使ってみたら薄く柔らかくてとても使いやすい。

・ラミネートコートしたドライクリーニング・ボックスは資料クリーニング後、アルコールでボックス内を掃除できるのがよい。

・旧バージョンのドライクリーニング・ボックスを使っているので、ラミネートコート版は囲い部だけ販売して欲しい。

・ドライクリーニング・ボックスに大、中、小など、サイズ展開があるといい。紙資料だけでなく、立体物や博物系の資料用にも使いたい。

・民俗資料の殺虫には、モルデナイべはこれ以上ない商品で、ぜひ購入したい。大型の袋もサイズ展開が増えて嬉しい。

・くるみんは漆器を包んだり、緩衝材用の紙に最適。紙の表面が一般の薄葉紙よりソフトに感じるし、薄葉紙で、ある程度の汚染ガス対策ができるのは嬉しい。

・今使用している薄葉紙が使いにくいので、くるみんに変えたい。くるみんは紙の目、強度、かたさ、引裂き具合が丁度いい。紙の品質をしっかり試験して情報公開しているからユーザーは安心感がもてるのでないか。

・薄葉紙は主に書籍カバー、クッション材、展示台、テーブル用として使っている。今使っている薄葉紙は引っ掛かかったり、資料の角が当たっただですぐに破ける。くるみんの品質、機能を高く評価したい。色が白なのもいい。

・薄葉紙は、素材や価格がピンキリで、品質が見た目で判断し辛い。これまで不安に感じながら薄葉紙を使っていたが、くるみんなら安心。早速購入したい。

・昔は展示会のたびに、美術輸送の方々と一緒に薄葉紙を裂い作る紙ヒモやわた布団を大量に作った。とても手間がかかる作業だが、くるみんのヒモは手早く紙ヒモが作れるのでとても便利だと思う。3個セットで販売するのはどうか。

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