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週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。
2012年05月31日(木)
ハーフ・バインディングの革装本の修理。オリジナルの革の背表紙と表紙のコーナー部分はレッドロットにより劣化していた。本体の一部に見られた丁の外れは、隣り合う括と糸で綴じ合せた。本の重量と厚みによる背への負担を考慮し、新規革装丁での処置をした。最後にオリジナルの背表紙のタイトルパネルを新規背表紙に貼付した。
2012年03月29日(木)
裏面に文字が書かれているトレーシングペーパーのエンキャプシュレーション。アルカリを含まない台紙+ガス吸着紙を額縁状に切り抜いて、文字を覆わないよう資料周辺を囲う。裏面からファイバー・ブリッジ法で台紙に固定し、最後にエンキャプシュレーション処置で完成。
2012年02月16日(木)
経年劣化により物理的強度が低下したトレーシング・ペーパーの修復。ゴアテックスを用いて全体に均一な水分を与えながらゆっくりと伸展させ、サクションテーブル上でファイバー・ブリッジと喰裂きにした和紙による破れの修補を行った。トレーシング・ペーパーは液体の水に敏感なため、接着剤は非水性のHPC(ヒドロキシ・プロピル・セルロース)を使用した。この後、台紙に固定しエンキャプシュレーションを行う。
2012年02月02日(木)
ワイヤー・ソーイング(wire sewing)により綴じられた書籍。括を針金で中綴じし、製本されている。ワイヤー・ソーイング・マシーンは、1880年ドイツで開発されたが、糸綴じ 機の普及と、針金が錆びて本が崩壊することから、すぐに姿を消していった。処置として、解体・金属除去をし、括の背を修補、綴じ直しの後、表紙と本体を接 合した。右端の画像は、http://t.co/WEwd K1N から。
2012年01月19日(木)
革のフルバインディングを和紙で直す。革装丁本の修復に、部分的に和紙を使うのは欧米では一般的だが、破損の著しい背表紙すべてを和紙で代替した。オリジナルの背バンドを活かしつつ厚めの和紙で背ごしらえをし、さらに染色した和紙で全体を覆う。アクリル絵具で補彩し、表紙の革と共に保革油を全体に馴染ませることで、全体に統一感がでる。
2011年12月1日(木)
火災によって本紙の一部が焼けてしまった巻子状の家系図。被災後に一度、裏打ちによる修理がされているが、細い軸棒に巻かれていたため、 焼けた部分を中心に折れや剥落が生じている。表装の解体後、糊差しと極薄の和紙による表打ちを行なってから、径の大きな中性紙の丸筒に巻き、保存容器に収納した。
2011年11月17日(木)
リンプ・ペーパー製本。柔軟で丈夫な白なめし革(トーイング革)を、本体の綴じと本体天地の花裂の支持体に使い、孔を空けた表紙(厚い楮紙)に支持体を通して接合する。見開きも良好。接着剤を用いないため可逆性が高く、表紙が失われた貴重書のコンサベーション・バインディングとして用いられている。
2011年09月29日(木)
ハードボードに資料の背幅に合わせたスジと、ヒンジとなるスジを入れた簡易表紙。シリーズものの小冊子を一つにまとめるときや、マイクロ化やデジタル化の撮影のために、資料を解体し分冊したものの復元に有効である。綴じ糸を簡単に緩めて解くことができるため、見開きを良くして資料を閲覧できる。
2011年09月08日(木)
リーフキャスティング(漉き填め)の準備。広い水槽に水を張り、漉き簾(すきす)の上にクロスを重ねて漬けておく。仕上がった際に簾の目が目立たないようクロス層は5層から成り、目の粗いものと細かいものを組み合わせて重ねる。あらかじめこのセットを用意しておくと、その後資料を伸ばし漉き嵌めを行うまでの一連の作業がスムーズに行える。
2011年08月18日(木)
エア・ストリーム乾燥法を使用したフラットニング。湿らせた資料を不織布、ろ紙、段ボールで挟み、扇風機の前にセットする。段ボールの波板の隙間から絶え ず新鮮な空気を送ることで、濡れた紙を均一かつ素早く乾燥させることができる。途中の吸い取り紙の交換も不要で、仕上がりも良い。詳細はスタッフのチカ ラ:「エア・ストリーム乾燥法―大量の湿った紙媒体を早く、平らに乾燥する」に。
2011年08月05日(金)
長年の保管方法や利用によって、背のラウンドが変形した資料に対する補修処置。解体し、旧背ごしらえを除去後、仮固めを行う。仮固めが完全に乾く前に背が半円形を描くようにハンマーで補正し、背ごしらえをする。表紙と接合して完成となる。
2011年07月21日(木)
革装丁特有の劣化を抑制する薬剤 レッドロットカクテルを作る。既製のSC6000とセルロースエーテルKlucel G(2%溶液)とエタノールを1:1:1の割合で混ぜたもの。浸透性がよく、べたつきがない。乾燥後、よく磨くと落ち着いた光沢感がでる。写真資料の右半分がカクテルを塗布した部分。
2011年05月27日(金)
“hinged hollow”と呼ばれるコンサベーション製本のモデル。通常のホロー(hollow)構造と違い、ヒンジ部が2段階になっているため、ヒンジ部にかかる 負担が分散される。重量があり厚く、しかも元の製本がくるみ(case)構造の本に有効で、見開きも非常に良い。詳細は後日「スタッフのチカラ」に掲載予 定。
2011年05月12日(木)
エンキャプシュレーションした資料を、パンフレット綴じで仕上げる。通常の工程とは逆に、フィルムに挟んだ状態で資料を半分に折ってから封印したことで、 資料を開いた際の見開き度が上がり、フィルムに生じるたわみが軽減された。一括構造の小冊子やパンフレットに適している。
2011年04月21日(木)
Solvent Gelsを使った粘着テープの残滓除去。HMHEC(疎水化変性ヒドロキシエチルセルロース)と水を調合して作成したゲルを残滓部分に置き、極少量の溶剤を与えてマリネする。溶剤が穏やかに残滓部分へ働き、溶けだした粘着剤をゲルが吸着する。数回マリネを行ったところ、残滓部分の色が薄くなった。
2011年03月10日(木)
大型書籍の表紙ボードのコーナーや小口に見られる損傷で、芯材がむき出しになり変形しているものに対する補修処置。新たな芯となるボードを元の芯材の中に差し込み、補強する。さらに砕いた和紙の繊維とデンプン糊でモデリングをする。色調を合わせるために染色した和紙で被覆する。場合によっては、アクリル絵具で補彩も行うこともある。
2011年02月23日(水)
2011年01月13日(木)
くるみ製本によく見られるヒンジの損傷に対しての簡便な補修処置。本体と表紙を繋いでいる見返し紙をヒンジ部分で切り、本体と表紙を分離。背に羽つきの和 紙を貼り、羽を表紙に貼り付け、本体と表紙を接合する。このとき表紙にのる羽は、染め紙を使用し、見返し紙と似た色にすることで仕上がりがきれいになる。
2009年03月24日(火)
没食子インクのインク焼けが生じている手書き原稿。インクおよびその他のイメージ材料が水に可溶性であり、フィチン酸カルシウムによる抗酸化処置が施せな い。そこで酸化抑制効果のある臭化ナトリウムを含浸させた台紙を作成し、資料と共に不活性のポリエステルフィルムに封入する。
2006年10月10日
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