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週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。
2015年07月08日(水) 最適なアーカイバル容器作成は正確な資料の計測から
弊社ではアーカイバル容器の製作にあたって、ご依頼があれば弊社スタッフが出張し資料の採寸作業を承っております。書籍はもちろん複雑な形状の造形物も、自社開発の採寸道具を使用してミリ単位で正確に計測いたします。寸法はタブレットに入力し、お客様ご希望の容器の形状や、壊れやすい資料の収納方法等の特記事項も記録します。採寸データを元に保護性と利便性を熟慮し、最適なアーカイバル容器をお見積りします。「容器に入れたい資料が大量にある」「サイズの大きい立体物がある」などご自身での計測が難しい場合も、是非ご相談下さい。
2015年06月17日(水) 歴代延岡藩主の印章を保管するー多様な素材と形にシンク式容器とGasQ®で対応
明治大学博物館様のご依頼で印章を収納する保存箱を作成した。収納される資料は江戸時代の延岡藩主、内藤家が残した5万点に及ぶ資料のうち、歴代藩主の印章を中心とした印章群「内藤家伝来印章資料」である。
1箱に7顆から60顆の印章を収納し付属のガラス製の扉のついた木箱も同梱する保存箱。収蔵庫のラックのサイズに合わせるため、収納数の多い保存箱は重箱のように積層した。印章の素材は木や石、金属など多彩で、腐食や変色の要因となる汚染ガス対策と、移動時の振動や衝撃の保護のため従来の薄葉紙の代わりに GasQガスキュウ® を印章や木箱のサイズに合わせて断裁し、凹凸の多い印章と木箱をやさしく包んだ。
関連情報
スタッフのチカラ 2011年10月21日
明治大学博物館様所蔵「時田昌瑞ことわざコレクション」いろはカルタの収納事例
2015年04月15日(水) 日本航空史を語るグライダー部品用の大型保存箱を東京文化財研究所に
東京文化財研究所 保存修復科学センター 近代文化遺産研究室様からのご依頼を受け大型保存箱を作成した。収納される資料は、同研究所と財団法人日本航空協会様との共同研究「航空資料保存の研究」のため、研究所に収蔵されているグライダーの部品類(水平尾翼、主翼の一部、方向蛇)。日本の航空史を物語る貴重な資料として現在調査・保存処置などを実施している。
全長が3メートルを超える長尺の箱は歪みが生じないよう堅牢な作りに。また巨大な湾曲形状の翼をしっかり支えられるように弾力のある綿布団を作成し土台に組み込んだ。絵画や木製彫刻、陶芸品などの美術工芸品の収納・保管に使う綿布団は、外部からの衝撃や振動を和らげるだけでなく、立体面のカーブ、凹凸など、ものの形状に合わせ包み込むように支えるため、箱内部で文化財を安定させる。コットンライクな柔軟性とクッション性を持ち、部分的に入れるだけでも充分に固定できる。綿と表面の不織布は不活性の100%ポリエステル製。緩衝材としての機能を維持しつつ、文化財の長期保存に適した素材を使用している。
2015年04月01日(水) 2双の屏風をコンパクトに収納。東洋大学井上円了記念博物館様向け保存容器の事例
東洋大学井上円了記念博物館は、東洋大学内に設置され、大学の歴史資料を保存展示しており、学祖井上円了の建学の精神を学内外に広める役割を担っている。今回、質も損傷度合いも悪い木箱に収納されている屏風用に、アーカイバル容器の製作依頼があった。屏風サイズに合わせるだけでなく、新収蔵庫のデッドスペースを有効活用するという命題もあった。
これまでは、屏風1隻につき1箱を作製していたが、2双まとめて収納できるようにした。資料の取り出し及び現状確認が容易にできるよう、蓋は前面パネル式とし完全に取り外せるようにした。また、地震などの振動で勝手に開くことがないよう、マジックテープでの固定式とした。上げ底にもすることで、地面から吹き上げられた埃の侵入を大幅に抑えることができる。
元から備え付けられた什器のように、周りとの違和感もなく、資料にも隙間にもピッタリの保存容器ができた。元の木製の箱が排除されたことで環境も整備され、また、スペースも生まれたことでよりよい収蔵庫環境となった。
2015年03月27日(金) 無酸素パックの大型タイプを開発—-段ボール4箱をそのままパックして安全に殺虫
「無酸素パック Moldenybeモルデナイベ®」の大型タイプを開発した。図書や文書向けの従来サイズ(40L:ほぼ段ボール箱ひとつの容積)に比べ容積は約10倍(450L)。茶段ボール製文書箱や中性文書保存箱を積み重ねて密封できるので、資料の移送時や受け入れ時に箱ごとまとめて、また民具資料、博物資料、遺物等、大型の文化財も、容積内ならば簡単に無酸素殺虫処理ができる。袋の中には脱酸素剤を入れるだけで、他の化学薬剤を使用せず、なおかつ材質への影響がほとんどない方法で、資料にも人にも安全である。
文化財の害虫12種類(カツオブシムシ、オビカツオブシムシ。ヒラタコクヌストモドキ、ヒメマダラカツオブシムシ、キクイムシ、タバコシバンムシ、マダラシミ、アメリカカンザイシロアリ、コイカ、チャオビゴキブリ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリ)の成虫、幼虫/若虫、卵に対して、どのぐらいの期間、無酸素下で生存し、その後に致死するかはタバコシバンムシが「指標」になる。
成虫、幼虫/若虫、卵のいずれでも無酸素下でタバコシバンムシがもっとも長く生存する。成虫は約120 時間、幼虫/若虫は約144時間、卵は約192時間。無酸素下でこの時間が経過すれば致死する。また、タバコシバンムシ以外の害虫の成虫、幼虫/若虫、卵は、これらの時間以下で致死する。したがって、封印して無酸素環境が形成されたと確認されてから10日間放置すれば、これらの害虫は駆除できることになる。
2015年02月25日(水) 新仕様のガラス乾板保存箱を開発、保護性はそのままに価格を大幅ダウン
ガラス乾板用保存箱を全面的に見直し、保護性はそのままに価格を40〜50%ダウンした新製品を開発しました。従来品は完成箱として提供してまいりましたが、新製品はお客様に組み立てていただく仕様です。従来品同様、国際規格ISO 18918:2000に規定されている「乾板の長辺を底にして、垂直に立てて収納する」保管方法に準拠しています。乾板は画像層を保護するため、1枚ごとに専用のフォルダーに包みます。乾板定型サイズの4×5インチ、5×7インチ向けの箱が定番ですが、これ以外のサイズに合わせても設計いたします。ご覧のように異なるサイズの乾板を1つの箱に部屋分けをして収納する設計もできますので、ご相談下さい。
2015年02月13日(金) 読売新聞社様が所蔵する新聞合冊製本の保存容器を観音開きに
読売新聞社様が所蔵する新聞の合冊製本を対象に、株式会社ニチマイ様、日本ファイリング株式会社様、弊社の3社で悉皆調査、脱酸性化処置、保存容器の作製、収納を2008年から行ってきた(「新聞合冊製本の保存事例―読売新聞社様の導入事例―」)。今回、担当者様から、調査業務など資料を出し入れする機会が多く、容器の扉をより開けやすくするよう要望があった。検討の結果、上下開きから観音開きに改良することで、資料の出し入れがいっそう楽にできるようになったと好評価をいただいた。
2014年12月18日(木) 襖絵を収納する保存箱
襖絵を収納する被せ箱。襖の縁の幅に合わせたスペーサーの板を、箱の底と天井に取り付けた。襖の縁部分のみがスペーサーに触れる構造のため、描画面は箱の内面に接触しない。収納後は箱を紐で縛り、立てて保管する。
2014年10月16日(木) 新製品「スリムフォルダー」「スリムボックス」
新製品の「スリムフォルダー」と「スリムボックス」の販売を開始しました。薄くて丈夫な板紙を採用し、機能的で丈夫なデザイン(意匠登録出願済み)にしたことで、配架スペースを大幅に節約できます。サンプル発送もいたしますのでお問い合わせ下さい。配布用チラシ(PDF)はこちらです。
2014年09月18日(木) ブックマット形式の染織布用保存箱
染織布用の保存箱。9種類の布は色の比較見本として使うため、ブックマット形式に。布に直接触れることなく扱えるので、汚れや物理的な傷みも少ない。箱から取り出し易いようにスペーサーを兼ねた下敷き付き。保存性と閲覧のしやすさ両方を兼ね備えている。
2014年09月11日(木) 市販の桐箱から出る有機酸ガスを観る実験2
7/17の「今日の工房」では市販の桐箱から出る有機酸ガスを観る実験をした。今回は、同じ桐箱を直接アーカイバル容器に入れたものと、GasQ(汚染ガス吸着シート)に包んでからアーカイバル容器に入れたものをそれぞれガスバリア袋に入れ、検知剤の色の変化を観察した。2週間後、アーカイバル容器に直接入れた方は検知剤がやや緑色に変化したにとどまり、さらにGasQで包んだ方はほとんど元の青色のままであった。アーカイバル容器とGasQを併用することで汚染ガスに対する抑制効果が格段に上がることがわかる。
2014年07月17日(木) 資料や市販の桐箱から出る有機酸ガスを観る実験
資料や市販の桐箱から出る有機酸ガスを観る簡単な実験をした。桐箱・古書籍・古新聞をそれぞれ検知剤とともに密閉性の高いガスバリア袋に入れ、検知剤の色の変化を観察する。検知剤はもともとは青色だが、有機酸ガスに反応すると黄色に変わる。6日後、桐箱に入れたものは完全に黄色く変化していた。素材が明確でない容器が資料劣化の要因となりうることがわかる。
2014年06月26日(木)
篆刻印と付属の木箱を仕切り分けして保管する保存容器。形状が様々な篆刻のタテ・ヨコ・高さに合わせた穴を専用のトレイに設けた。木製の篆刻と付属の木箱から発生する有機酸ガス対策のため、「汚染ガス吸着シートGasQガスキュウ」で資料を包んだ。
2014年05月29日(木)
大学の研究室で所蔵されている数百本分のTACフィルムに汚染ガス吸着シート「GasQガスキュウ」を提案した。フィルムは1950年代に撮影されたものだが、それぞれノンバッファー紙のフォルダに挟み低温倉庫に収納されていたこともあり、状態は比較的良好だった。今後のガス対策としてGasQ製封筒に収めキャビネットに収納した。
2014年05月16日(金)
染織品を中性紙管に巻いたまま収納するための箱。巻かれた染織品と紙管の重量で歪みが起きないように強度のある2連結タイプの軸受けを作成した。紙管を固定することで染織品が箱の底に接触し圧力がかかることもなく取り出しも簡単にできる。
2014年04月17日(木)
ブックシュー付きの保存容器。大型本を縦置きすると、自重で本体がチリの高さ分下がってヒンジ部に負担がかかり、破損の原因となる。そのため、チリの高さに合わせてボードを敷き、靴(shoe)をはかせるように本体を支える。実際の処置の一環として行った事例を近日中にホームページに掲載する予定です。
2014年04月11日(木)
2014年03月27日(木)
木製のタバコケースを収納する保存容器。容器内部での擦れを極力抑え、更に蓋を開けた際に資料が見えるようにとの依頼。エンキャプシュレーションで使用する不活性ポリエステルフィルム製のタトウで資料を包み、それを予め容器に収めた穴の開いたトレーに嵌め込む。取り出す際はトレーごと引き出すことで、資料へ余計な負担がかからない。
2014年03月13日(木)
全長3メートルの巨大な巻子を収納するための大型箱。長尺でも反らずに軽量でかつ十分な強度のある構造になっている。フラップ部は角を潰さずスムーズに差し込める形に工夫した。箱の中で巻子を包み込むように支える綿布団を敷き完成。
2014年02月27日(木)
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