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週替わりの工房風景をご覧ください。毎日こんな仕事をしています。

2018年3月21日(水) 神奈川県立歴史博物館様所蔵の屏風を収納するコンテナ・ ボックス

神奈川県立歴史博物館は横浜市にある博物館で、神奈川にまつわる歴史・民俗資料や美術品などを収蔵・展示している。今回、同館からご依頼をいただき、屏風を立てて収納するコンテナ・ ボックスを製作した。

 

ボックスは外寸が高さ1800㎜×幅900㎜×奥行800㎜あり、1ボックスに屏風が4〜6隻程度収納出来る。蓋は慳貪式の前扉にし、留め具などの飛び出しがない設計になっている。また前扉の密閉度を高めるため、ボックス本体の壁にはアルミの補強材を垂直に入れている。これによって紙製の箱とは思えない程の強度が得られ、屏風を立てかけても壁がたわまない構造になった。 屏風の重みでボックス内部の床が凹まないよう、プラスチック製の底板を貼り込んだ。製作時にはスタッフが乗って強度を確かめている。

2018年2月14日(水) 薄いQlumin くるみん®︎やGasQ  ガスキュウ®︎を綺麗にカットしたいなら、OLFAロータリーカッターLL型がお薦めです

ロール状に巻かれて、あるいは定型に裁断されて弊社から販売される新薄葉「 Qlumin くるみん®︎」と汚染ガス吸着シート「GasQ  ガスキュウ®︎」を、自分で希望のサイズにカットして使っているが、スッキリと綺麗に切れない。なにか良い方法はないだろうか?  お客さまからこんな質問がたびたび寄せられます。

 

カット時に「引切りする普通のカッターではヨレてしまう」、「ハサミでは切り口がガタガタになって美しくない」。両製品ともに薄いがゆえの、カット時に頻出する症状です。

 

そんな時は、OLFA®社の円形刃の中でも、ロータリーカッターLL型をお勧めしています。円形刃のためヨレもズレも起こりにくく、また、直径60ミリで一度に進む距離が長く、アッと言う間に綺麗なカットが可能です。また、ワンタッチで刃を出し入れ可能で、安全面においては、これまでのカッターと同じ感覚で使用できます。

 

ちなみにOLFA社は純国内メーカー。社名の由来は「折る刃」から。1956年に世界で初めて商品化しました。切れ味の良い刃を、刃先を折り取るだけで連続して得られるという、刃物を扱う私どものような職人仕事に、まさに革命をもたらしてくれたメーカーです。

2018年1月24日(水)「文化財の長期保存のためのアーカイバル容器」を掲載

「文化財の長期保存のためのアーカイバル容器」を弊社サイトのスタッフのチカラに掲載しました。これは、日本包装学会が発行する機関紙『日本包装学会誌』の最新号(Vol.26, No.6, 2017)の特集「文化財の包装・梱包・輸送」に寄稿したものです。文化財と接触あるいは近接する「包材」に焦点を置き、保存箱の素材や品質、機能だけでなく、それぞれと密接な関係を持つデザイン設計、構造など、製造過程の一端を解説しています。また、他企業と協力し開発した文化財保存向け機能性包材も紹介しています。

 

なお、同号では文化財の梱包技術や国際輸送時の包装に関する研究の現状など、これまでとりあげられることのなかった「包装技術」が文化財にどのように応用されているのかを、具体例を織り交ぜて解説されており、大変興味深くかつ有意義な内容となっています。

 

■ スタッフのチカラ「文化財の長期保存のためのアーカイバル容器」 島田要

2018年1月11日(木)「新薄葉紙 Qluminくるみん」を発売しました。

「薄く」「強く」「新しい機能を持たせた」、文化財保存のための薄葉紙を開発しました。

 

◆新薄葉紙「Qluminくるみん」の特徴

 

・紙の両面がなめらかで、紙資料にかぎらず、デリケートな美術工芸品や考古資料、木製品、金属製品などの保存に最適です。

 

・文化財保存包材のための国際的な品質確認試験PAT(ISO 18916:2007 Photographic Activity Test )合格品です。長期に接触していても安全であることを確認しています。

 

[※] 写真活性度試験=Photographic Activity Test:包材が及ぼす化学的影響を測り、写真包材として適切かどうかをPass(合格)、Fail(不合格)という形で明確にすることができる試験。

 

・弊社製品、汚染ガス吸着シート「GasQ®ガスキュウ」の機能性素材『ゼオライト結晶合成パルプ繊維』を配合しており抗菌性とガス吸着性を併せ持ちます。

 

・坪量 12.5g/㎡ | 厚さ 25㎛(0.025mm) | 平均pH 6.8 | MADE IN JAPAN

 

 

◆販売形態と価格

 

・ロール品:幅1,100mm×200m巻:13,000円
・L版断裁品500枚包装品:800mm×1,100mm :26,000円

 *別途消費税8%及び梱包輸送費を頂戴いたします。

 

◆新薄葉紙 Qluminくるみんリーフレット

 

https://www.hozon.co.jp/shr/img/archival/product_other_4/Qlumin_leafret.pdf

2017年12月13日(水)強い衝撃から資料を守るポリエチレンフォームAZOTE®を組み込んだ保存箱

物理的な衝撃に弱い資料の保管には緩衝材付きの保存箱をお勧めしている。緩衝材にはポリエステル製の綿布団以外に、腐食ガスが発生しない、ポリエチレン樹脂を特殊発泡させたフォーム材AZOTE®(プラスタゾート)を採用している。

 

一般的なフォーム材の製造には化学発泡剤が使われており 、発泡体に残留したホルムアルデヒドやアンモニア系のガスが接触した資料に腐食や染みを起こす原因となることがある。AZOTE® は化学発泡剤を用いない超臨界窒素ガス発泡方式で製造された、有害ガスを放出する危険がないクリーンなフォーム材だ。また純粋なポリエチレンが原料なので対候性や耐薬品性も高く、一つ一つの気泡が均一なため物理的強度が高く耐水性も優れている。 AZOTE® はヨーロッパ諸国では何十年もの間、多くの博物館・美術館などで保存用クッション材として採用されており、精密機器や軍需品など様々な分野での輸送にも使われている。 PAT(ISO18916:2007 写真保存用包材のための写真活性度試験)もパスしており、直接資料に長期間接しても問題のないことが確認済みだ。

 

AZOTE® を使用した保存箱の事例をいくつか紹介する。

 

①ガラス乾板用のシンク付き保存箱

割れや画像の剥離が起きている乾板は縦置きでの保管ができないため、乾板サイズに合わせたシンクに平置きして箱に収納する。 AZOTE®で作る乾板用シンクはクッション性があり、たわまない強度も保持している。

 

②小物をまとめて収納するための仕切り付きの保存箱

陶器製の香合の身と蓋をそれぞれ落とし込む部屋をAZOTE® で作った。加工性が高く、資料がぴったりと収まる設計で作ることができる。

 

③複雑な形状の陶芸作品用の保存箱

立体的な造形作品などは「薄葉紙 Qlumin くるみん」で包んでから、AZOTE® を内側に貼り込んだ保存箱へ収納すると、より安全に保管ができる。

 

④額装作品用にコーナーを取り付けた保存箱

額などを四隅で固定するコーナーにAZOTE®を使用した。接触面の摩擦が少ないので、額に対してタイトに取り付けても額を傷つけない。蓋の内側の額に接触する箇所にAZOTE®を取り付けると、描画面に接触させずに額をしっかりと固定ができる。

2017年10月11日(水) 資料のファイルと保存処置が同時にできるアーカイバル・バインダーの容量を拡大した改良品を開発中です。

アーカイバル・バインダーは透明のリフィルポケットに1枚物の紙資料などをファイルできる、リングバインダー付きのシェルボックスです。資料のファイリングと保存処置が同時にできるバインダーとして開発しました。透明リフィルに収納したまま中身の確認・閲覧ができるため、書類や原稿・印刷物・写真プリント・ネガフィルム・スライドなどの整理に便利です。また、資料の表裏を確認できるので、パンフレットやカタログなど薄い冊子のコレクションに利用するお客様もいらっしゃいます。

 

リフィルの素材は化学的に安定性の高いポリプロピレン製で、PAT(ISO18916:写真活性度試験)もパスしています。一般のビニール製品とは違い、素材に劣化要因となる可塑剤などの添加物は含みませんので、中の資料に安全です。

 

より沢山の資料を1箱に収納したいとのご要望をお客様から受け、バインダーのリングサイズを大きくした箱を試作中です。収納量が増えた分、中身の荷重に箱や部品が耐えられるよう、設計に改良を加えながら強度の検証を重ねています。販売開始までもうしばらくお時間をいただきますが、現行商品に比べ1.5倍程度の容量拡大が目標です。

2017年8月30日(水)定番の組み立て型の被せ蓋式保存箱の重量負荷試験の結果は?

保存容器のなかでも最も定番の商品が、蓋と身のパーツが分かれたタイプの「被せ蓋式」といわれるもの。これには完成箱と組み立て型の2つのタイプがあります。完成箱は接着剤を使い、弊社で最終的な箱の形にまで加工して出荷するタイプです。一方の組み立て型は、蓋と身が、平たい板状のパーツとして出荷され、お客様ご自身が組み上げて作るタイプで、組立には接着剤は必要ありません。

 

組み立て型は完成箱に比べて価格も安いのですが、強度的にどの程度のものか気にされる方もいらっしゃいます。例えば中に資料を詰め込んだ時に、その重さのために箱が変形したり潰れたりしないだろうか、というご質問をいただくことがあります。

 

定番であるA3サイズの組み立て型に簡単な重量負荷試験を行いました。目一杯に詰め込んだ資料の総重量を20kg程度と見越して、1個6kgの重石を入れて持ち上げたところ、4個(24kg)入れても問題なく持ち上げることができました。また、蓋の上に重石を10個(60kg)置いても、側板が若干たわむものの、箱がつぶれることはありませんでした。通常の使用においては十分な強度であると考えられます。

 

ある程度以上の大きさや特に重たい資料の時には完成箱が適していますが、文書や小さなモノ資料、書籍などを整理保管するには組み立て型でも安心してご使用いただけます。

2017年8月17日(水) 厚くて重い大型洋装本にはブックシュー構造のシェル型保存箱をお勧めします。

書籍用保存箱は資料のサイズや用途に合わせて、製作する箱種を選び、お客様にお勧めするが、特に重量のある書籍を縦置きしたいというご要望にピッタリなのが、底上げしたシェル(二枚貝)型の保存箱だ。

 

書籍用の定番商品には、比較的薄い冊子などの資料向けのスリムフォルダーと、物理的な保護強度が求められる貴重書などの通常の書籍にはヒネリ留め具付きのタトウ式保存箱がある。タトウ箱は四方に展開できる構造なので、出し入れの時の資料への負担を大幅に軽減できる。しかしいずれの箱も、厚みがあってサイズも大きな書籍を縦置きしたい場合には、底部分にかかる重量を箱が支えきれず、取り扱い時に底が抜けてしまい、資料が落下する危険性がある。

 

図鑑や辞書、聖書などで特に重量のある大型書籍用にはシェル型の保存箱が強度面でより適している。中身の出し入れの際は書籍を厚手の板紙に載せてスライドさせるので、表紙が箱の内側で擦れる心配がない。洋装本の場合は表紙と本紙の底面の段差だけ底上げした構造(ブックシュー)にすることで、縦置きで保管する時の書籍へのストレスを軽減させている。また蓋をボアテープで固定することで、安全に持ち運びができる。

2017年8月2日(水) 成城大学民俗学研究所様の所蔵する人形や郷土玩具の虫退治に、無酸素パック「モルデナイベ」が使われています。

成城大学民俗学研究所は、日本民俗学の創始者である柳田國男からの寄贈資料を集めた「柳田文庫・民俗学研究室」を基盤とし、昭和48年に設立されました。現在は、図書や文書資料にとどまらず、関連する様々なモノ資料も所蔵しています。

 

そのひとつが、日本各地から集められた人形や郷土玩具。民衆の生活に身近なワラ、木、土、布、紙などを材料としたものです。しかし、いずれも虫の餌や巣になりやすい素材で、特に木やワラは、収集時にすでに虫が潜んでいることもあるため、収蔵前の駆除は必須ということです。過去には外部に委託して燻蒸処置を行ったこともあったそうですが、民俗資料は数も種類も多く、収蔵時期も不定期のため継続が困難でした。

 

同研究所では以前、木製の人形に虫が出てしまったときには薬品では駆除することができず、弊社の無酸素パック「モルデナイベ」を使って駆除に成功しました。手軽に殺虫処置を行えることから常備品としてくれています。ただこれまでのサイズの「モルデナイベ」では小さくて、処置できない民具もありました。今回、新製品の大型サイズをすぐに導入していただき、大きなワラ馬(信州地方に伝わるワラでできた馬)の殺虫処置を実施していただいております

2017年6月7日(水) 大判の資料にも対応できる特注クリーニング・ボックス

資料に付着した塵埃やカビ残滓の、屋内での除去作業用にご好評をいただいておりますドライ・クリーニングボックス。お客様のご要望にお応えして、このほど一回り大きなサイズの製品を作りました。従来の定型品では対応が難しい資料サイズのドライ・クリーニング用ボックスを特注品としてお引き受けできます。ご相談ください。

 

従来品(幅580×奥行き450×天地445ミリ)に比べ、今回の製品のサイズは幅750×奥行き500×天地445ミリ。幅と奥行きを広くしたことで、大判の図書や雑誌などを見開いてクリーニングできます。

 

ドライ・クリーニングボックスの機能のポイントは、ボックス内で、奥の空気清浄機(HEPAフィルター装備)に向かって十分な気流が発生し、塵埃などが作業者側に来ないこと。今回の大きなボックスも定型品と同様に、気流が手前から奥へと流れているか、気流検査器で確認済みです。

 

空気清浄機とボックスを1つにまとめた梱包で出荷します。作業時に現場で梱包の箱から出して数分で組み立てて、作業を開始できます。

2017年5月24日(水)あらゆるサイズのガラス乾板に対応できるように専用フォルダーを品揃えしました。

弊社ではこのほど、ガラス乾板のあらゆるサイズに対応できるように専用フォルダー(中性紙製4フラップ・フォルダー)の品揃えをしました。素材は国際標準化機構(ISO)の定める写真活性度試験(PAT:Photographic activity test)をクリアしており、長期に安心してご使用いただけます。

 

ガラス乾板を保存する上で最も大切なことは、膜面(乳剤面)を外的な劣化要因からまもること。たとえば、包材が膜面に対し不均一に接した状態では、空気(酸素)や湿度の影響の差が劣化の差となって、画像濃度の低下に繋がるため、劣化を抑制する包材や間紙は周辺にできる限り隙間がなく、膜面に均一に密着させることがポイントになります。

 

包材に収納する際の基本的な手順は、ガラス乾板を元の包材から取り出し、埃や汚れを柔らかいブラシで拭き取った後、一枚ずつガラス乾板フォルダーに包んで、損傷の無いものは膜面に圧が掛からないように立てて保存できる専用の箱に収めます。

 

弊社のガラス乾板専用フォルダーは以下のように、一般的な規格サイズとともに変形サイズも品揃えしています。また、サイズ指定の特注品も作成できます。

 

内寸サイズmm 外寸サイズmm 通称
47×62×3 48×63×3.5
84×62×3.5 85×63×4
82×106×3 83×107×3.5
84×109×3 85×110×3.5 手札
84×122×3.5 85×123×4
104×130×3 105×131×3.5 4×5
122×122×4 123×123×4.5
123×123×4 124×124×4.5
130×181×3.5 131×182×4 5×7
162×162×4.5  163×163×5
164×215×3.5  165×216×4
168×216×3.5  169×217×4  6×8
205×256×4  206×257×4.5
255×306×4  256×307×4.5  8×10
310×100×3  311×101×3.5  天文写真乾板用
121×165×3  122×166×3.5  5×7小

 

なお、適正な包材へ収納後のガラス乾板の保管環境は、ISO規格に基づいた日本工業規格(JIS)によるJIS K 7644:2004 写真―現像処理済み写真乾板―保存方法(ISO 18918:2000 Imaging materials−Processed photographic plates−Storage practices )に準拠した環境が推奨されています。許容されるRHレベルは、20%〜50%、好ましくは40%未満。RHは60%を超えてはならず、大きな変動は避ける。推奨温度は15℃〜25℃(20℃以下が好ましい)。過酸化物、硫化水素、オゾンなどの反応性化学物質は保存環境中から除去する—というもの。

 

 

関連情報

ガラス乾板保存箱 縦置き型(組み立て式)、フォルダー

 

ガラス乾板保存箱 平置き型、フォルダー

2017年4月26日(水) サイズの異なるガラス乾板を一箱にまとめて収納する。

何種類かのガラス乾板を 一箱に収納する場合、箱の中に仕切りを入れ部屋を作り、乾板のサイズに合うように各部屋に上げ底やスペーサーを入れる。乾板はサイズに合ったフォルダーに 1枚ずつ包み、それぞれの部屋に入れる。ガラス乾板は壊れやすいため、ひとつの部屋に違うサイズのものを一緒に入れてしまうと、箱が傾いた時などに力のかかり方が不均一になり、破損の原因となる。また、上げ底やスペーサーがない箱の場合は詰め物を入れるなどして、乾板が箱の中で動かないような工夫をするとより安全に保管できる。

2017年4月5日(水)大きな額装作品を縦置きで保管する、留め具付きの台差し箱

大型の台差し箱を縦置きで保管するには、蓋を平紐などで縛る必要があるが、資料を出し入れする度に紐を結び直す手間がかかる。留め具にボアテープ(面ファスナー)を使用すると蓋の開閉が簡便になり、身とピッタリ固定ができる。

 

箱の中で資料が動かないよう、内寸をタイトに設計した。そのため箱の中にスペーサーを取り付け、作品を取り出す手掛かりを設けた。箱の壁にはボードが二重になる補強を加えており、高さが低い薄型の箱でもたわまない堅牢な構造になっている。

2017年3月22日(水) 書架に収納する大型雑誌用ファイルボックスをブリヂストン美術館様に

公益財団法人石橋財団ブリヂストン美術館様が収集している海外の美術雑誌の多くは大判で薄く柔らかいため、書架にそのまま立てて並べると自重で湾曲してしまう。当初利用されていた一般的な事務製品は、大型本を支える強度がなく、また、箱の手前の壁が資料の下半分を隠してしまい、本のタイトルや管理用ラベルが見えづらく、出し入れに手間がかかっていた。そこで強度のあるアーカイバルボードを使い、資料をしっかりと支えられる構造にした。手前の壁がなくなることで資料の背がすべて見え、出し入れも安全に行うことができるようになった。

2017年3月9日(木)殺虫処理が館内で簡単・安全・確実にできる無酸素パック『Moldenybe®モルデナイベ』の大型サイズをラインアップしました。

「サイズが大きい博物資料、絵画、美術工芸品、テキスタイルなどの殺虫処理や保管にも対応できる大型袋が欲しい」そうしたお客様からのニーズを受けて、これまで特注品(都度対応品)として製造していた『Moldenybe®モルデナイベ』の大型袋3種を定番化します。材質も形も多種多様な文化財の密閉・脱酸素処理に最適なサイズを揃えました。

 

内寸mm 外寸mm セット数 価格
(税抜)
モルデナイベ大型 1,110×1,280 1,140×1,320 5セット

スライド・チャック式ガスバリア袋(マチなし平袋)5枚+エージレスセット25個

¥53,000
モルデナイベ大型 310×1,360 380×1,400 10セット

スライド・チャック式ガスバリア袋(マチなし平袋)10枚+エージレスセット10個

¥65,000
モルデナイベ大型 430×929 440×944 10セット

スライド・チャック式ガスバリア袋(マチなし平袋)10枚+エージレスセット10個

¥42,000

 

無酸素パック『Moldenybe®モルデナイベ』は、酸素を遮断できる高性能な3連スライド・チャック式ガスバリア袋と医薬品や化粧品にも使用されている安全性の高い脱酸素剤を使い、誰でも手軽に無酸素の密閉空間を作ることができる包装資材です。無酸素の環境にすることによって、貴重な資料、染織品、木製品、革製品等に付く害虫やカビを、人体に有害な殺虫剤や防カビ剤などの化学薬品を使うことなく確実に殺虫・防カビ処理できます。また、酸素をゼロにして「酸化」を防ぐ特性を生かし、衣類の酸化による色褪せ、黄ばみ・染みの発生防止や金属材料の腐食防止・保管など様々な用途に活用できます。通気を遮断するので乾燥をある程度防ぎ、臭い移りが起こらないので一時的な隔離袋としても使用できます。

 

ご購入方法

 

本製品のお見積り・ご購入は下記リンク先の販売代理店窓口までお問い合わせ下さい。

メールまたはFaxでお問い合わせの際は件名に「モルデナイベ問合せ」とご明記をお願い致します。
メールは(at)を@に変えて送信して下さい。
なお販売代理店は取りまとめ店のみを記載しております。このほかの営業所は各販売代理店までご連絡下さい。

 

 

販売代理店 お問い合わせ先

 

・日本ファイリング株式会社 特販部
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2 新御茶ノ水アーバンビル
Tel:03-5294-3037 Fax:03-5294-3014  メール t.sudo(at)nipponfiling.co.jp(担当:須藤)

 

・株式会社クマヒラ 企画本部 ミュージアムグループ
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町1-10-3
Tel:03-3270-4393 Fax:03-3270-4394  メール info(at)kumahira.co.jp

 

・金剛株式会社 業務本部 企画・調達センター
〒860-8508 熊本市西区上熊本3丁目8-1
Tel:096-355-8889 Fax:096-352-0227  メール contact(at)kongomail.com

 

・中部資材株式会社 燻蒸部
〒490-1447 愛知県海部郡飛島村西浜28番地
Tel:0567-55-1290 Fax:0567-55-1777  メール bunkazai(at)chubushizai.co.jp

 

・トラッドマテリアル
〒589-0007 大阪府大阪狭山市池尻中2-2-26
Tel:072-205-2027 Fax:072-205-2028  メール mail(at)tradmaterials.jp

 

・第一合成株式会社 営業部文化財課
〒192-0051 東京都八王子市元本郷町1-25-5
Tel:042-625-5070 Fax:042-622-1884  メール info(at)daiichigosei.co.jp

 

・沖縄サニタリー株式会社
〒900-0036 沖縄県那覇市西2丁目13-15
Tel:098-868-8458 Fax:098-862-0825  メール sanitary(at)woody.ocn.ne.jp

 

・寺田倉庫株式会社  ドキュメントソリューショングループ
〒140-8615 東京都品川区東品川2-6-10
Tel:03-5439-6100 メール doc.contact(at)terrada.co.jp

 

・株式会社 明治クリックス
〒661-0001 兵庫県尼崎市塚口本町3丁目28番8号
Tel:06-6423-0662 Fax:06-6423-3452 メール world(at)meijiclix.co.jp

 

・タキヤ株式会社 東京営業所
〒107-0062 東京都港区南青山1-4-2八並ビル2F
Tel:03-5410-0992 Fax:03-5410-0998 メール info(at)takiya.com

 

・株式会社パレット
〒259-0113 神奈川県中郡大磯町石神台3-11-3
Tel:0463-70-6444 Fax:0463-72-3157 メール toiawase(at)paret.jp

 

・IPMサポート株式会社
〒299-4502 千葉県いすみ市岬町中原422
Tel:0470-64-6824 Fax:0470-64-6825 メール t.hasegawa(at)ipm-s.co.jp(担当:長谷川)

 

・株式会社紀伊國屋書店 教育支援システム部 デジタルコンテンツ課
〒153-8504 東京都目黒区下目黒3丁目7番10号
Tel:03-6910-0514 Fax:03-5436-6921 メール dc00(at)kinokuniya.co.jp

 

 

関連情報

2016年8月3日(水) 無酸素パック「モルデナイベ」は工房でも加湿や修理用の材料の保管などに活用しています。

 ・2015年03月27日(金) 無酸素パックの大型タイプを開発—-段ボール4箱をそのままパックして安全に殺虫。

 

 

※2019年3月更新

2017年2月22日(水) ひな人形をGasQ®️で養生し、元の木箱に保管する。

桃の節句も近づき、あちこちでひな人形の展示公開が行われる季節となった。この時期、資料館や個人の方などからひな人形の保管についてお問い合わせをいただくことがある。

 

今回ご紹介するのは一般家庭に伝わるひな人形の保管例。収納用の木箱もなるべく元のまま使い続けたいとの要望から中性紙保存箱への入れ替えはせず、人形の養生に汚染ガス吸着シートGasQ®️を使うことにした。

 

人形を収納する際には、顏や手といった繊細で壊れやすい部分を和紙などの柔らかい紙で養生する。今回は顔と衣装の部分をGasQで、形が複雑な手の部分はきめの細かい不織布で養生するなど、素材を使い分けた。最後に薄葉紙で全体を包み、元の木箱に収めた。年に一度、箱から出した時にGasQを交換すれば継続した効果が得られる。

2017年2月1日(水) レコード盤保存容器「グラモボックス」の販売を開始しました。

グラモボックス」は、文化財向けの保存箱に使われるアーカイバルボードを材料としたレコード盤保存箱です。ボードの原料は100%純粋なケミカルパルプで、ISO18902:2013(イメージング材料の保存用品に関する国際規格)に定められた品質基準に準拠しています。ボード自体の酸性劣化を防ぐためpHを弱アルカリに調整し作られています。

 

「グラモボックス」はまた、一般的な段ボール箱に比べ2~3倍の強度があり、収納したレコード盤の反りや変形を防ぐ事ができます。フタは前面でロックする構造なので、持ち運びの際も不用意に開かない設計になっています。SPレコードは割れやすく、一度反りが起きると修復する事が困難なため平置きでの保管が望ましいです。LPレコードは箱を棚に立てて保管することもできます。付属の中性ラベルシールにジャケットデザインやレコードタイトルを印刷し箱に貼ると、中身の判別に便利です。

 

古いレコードジャケットには酸性劣化している物が多く、傷みが目立ち側面が裂けている物も見かけます。むき出しで保存している際の大気中の酸性ガスが主な原因ですが、従来の木製のレコードケースも木材から発生する酸性ガスが箱の内部に溜まり、レコードジャケットの劣化を早める危険があります。

 

「グラモボックス」への収容時には、別売りの中性紙スリーブや汚染ガス吸着シート「GasQ」の採用もお勧めします。スリーブに移し替え、オリジナルジャケットはまとめて「グラモボックス」に収納することで、出し入れの際のジャケットへの物理的ダメージを防ぐ事ができます。更にジャケットの間に汚染ガス吸着シート「GasQ」を挟み込むこむことで、ジャケットの酸性劣化や変色を予防できます。

 

関連情報

今日の工房』2016年7月13日(水)SPレコードを保存するには

 

 

2016年11月30日(水)パソコン内蔵のHDD用の保存箱、より長期保存が可能なLTOなどへの移行時に使用。

映像制作会社や放送局では、デジタル制作された作品の動画素材や、関連する文書・画像などの資料がデータファイルで保管されている。現在、それらのデータをパソコン内蔵のHDDなどから、LTO(大容量磁気テープ)に代表される長期データ保存用の記録メディアへ移行する作業が進められている。

 

アニメ制作会社株式会社プロダクション・アイジー様よりご依頼を受け、データ移行までのHDDの保管と、作業のための持ち運びにも安全な専用箱を製作した。

 

パソコン内蔵のHDDは基盤部分がむき出しになっており、ホコリや静電気、落下の衝撃などによるデータ破損のリスクが大きい。そこで、箱の中で各HDDが接触しないよう仕切りを設け、床面は振動を吸収するクッション構造にした。データ移行作業が終わったものは箱の仕切り板を組み替えて、LTOテープの保存箱として利用される。

 

磁気テープやディスクの記録層を湿気や酸性ガスから保護するため、箱は表面をプルーフ加工にし、中に、取替え可能な汚染ガス吸着シート GasQ®︎を組み込んだ。

 

関連記事

大容量磁気テープ媒体 LTO用の専用保存容器を開発

2016年11月16日(水)紙焼き写真資料の整理と保存のためのアーカイバルバインダーとリフィル

紙焼きの写真資料は環境の影響を受けやすく、取り扱いには細心の注意が必要です。なかでも温湿度や大気中の汚染ガス、光、ほこり等に曝されると退色、変形、剥離などを引き起こします。

 

一般的な写真用のアルバムやバインダーは天地や前小口など露出する面が多いため、光やほこりの影響を受けます。また、写真を収納するリフィルには可塑剤や溶剤を含んでいるものがあり、素材の劣化等により発生した揮発物等で写真に化学的影響を与えます。

 

弊社のアーカイバルバインダーは写真用リフィルとともにISO18916:2007 PAT=写真保存用包材のための写真活性度試験をパスしており写真包材の国際基準に準拠しています。バインダーは蓋を綴じると外気への露出部分がなくなり、光やほこりの影響を防ぎます。オプションで汚染ガス吸着シート「GasQ®」 の組み込みも可能です。

 

リフィルのバリエーションは全部で12種類。L判やキャビネ、六つ切りなどの紙焼き写真用、35㎜、6×6(ブローニーサイズ)、4×5などネガ・ポジフィルム用、スライドマウント用と一般的な写真資料を網羅しております。

2016年11月2日(水) 茶道具を仕覆(しふく)ごと収納する保存箱。

茶道具の茶碗・茶入・棗などを「仕覆(しふく)」ごと収納する保存箱。仕覆は茶道具全体を覆う布製の保護容器だが、名物裂や古代裂と言われる歴史のある染織布が使われているものも多く、剥き出しだと光や大気中の汚染物質に曝されて傷む。

 

これを「汚染ガス吸着シート GasQ®ガスキュウ」を敷いた中敷ボードに乗せて収納する専用の容器を製作した。染織布に直接触れることなく収納でき、また蓋にはポリエステルフィルム製の窓が付いているので、そのまま棚に飾り蓋を閉じた状態のままでも仕覆を眺めることができる仕様となっている。

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